おうし座
Taurus | |
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属格形 | Tauri[1] |
略符 | Tau[1][2] |
発音 | [ˈtɔrəs] TOR-us, 属格 /ˈtɔraɪ/ TOR-eye[1][3] |
象徴 | the Bull[1] |
概略位置:赤経 | 4 |
概略位置:赤緯 | 15 |
正中 | 1月15日21時 |
広さ | 797平方度 (17位) |
主要恒星数 | 7 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 | 130 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 3 |
3.0等より明るい恒星数 | 3 |
10パーセク以内にある恒星数 | 2 |
最輝星 | アルデバラン(α Tau)(0.86等) |
最も近い星 | 10 Tau;(44.7光年) |
メシエ天体数 | 2 |
流星群 |
Taurids Beta Taurids |
隣接する星座 |
ぎょしゃ座 ペルセウス座 おひつじ座 くじら座 エリダヌス座 オリオン座 ふたご座 |
おうし座(おうしざ、牡牛座、Taurus)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。
α星は、全天21の1等星の1つであり、アルデバランと呼ばれる。
主な天体
恒星
1等星のα星(アルデバラン)以外に、2等星が1つ(β星)ある。
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。
- α星:アルデバランは、おうし座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ[4]。橙色の巨星[4]である。
- β星:エルナト (Elnath) は2等星で、おうし座で2番目に明るい星[5]。かつてはぎょしゃ座にも同時に属していた。おうし座の2本の角はβ星およびζ星によって形作られ、西へ伸びている。
- γ星:Prima Hyadumは4等星で、ヒアデス星団の恒星の1つ。
- δ1星:Secunda Hyadumは4等星で、ヒアデス星団の恒星の1つ。
- ε星:アイン (Ain) はヒアデス星団に属する4等星で、「アマテル (Amateru)」と名付けられた太陽系外惑星を持つ。アルデバランとともにおうし座の目に当たる位置にある。
- ζ星:天關 (Tianguan) は3等星で、おうし座の角の先端に位置する。
- η星:アルキオネ (Alcyone) はプレアデス星団で最も明るい恒星。プレイアデス姉妹の一人アルキュオネーにちなむ。
- θ2星:Chamukuyは4等星で、ヒアデス星団の恒星の1つ。
- 16番星:ケラエノ (Celaeno) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の一人ケライノーにちなむ。
- 17番星:エレクトラ (Electra) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の一人エーレクトラーにちなむ。
- 19番星:タイゲタ (Taygeta) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の一人ターユゲテーにちなむ。
- 20番星:マイア (Maia) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の一人マイアにちなむ。
- 21番星:アステローペ (Asterope) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の一人ステロペーにちなむ。
- 23番星:メローペ (Merope) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の一人メロペーにちなむ。
- 27番星:アトラス (Atlas) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の父アトラスにちなむ。
- 28番星:プレイオネ (Pleione) はプレアデス星団の恒星の1つ。プレイアデス姉妹の母プレーイオネーにちなむ。
プレアデス星団やヒアデス星団に属さない特筆すべき星としては、以下の星が挙げられる。
- λ星:アルゴル型の食変光星。
- ο星:連星。
- τ星:B型主系列星。
- T星:おうし座T型星の代表星。
- RV星:おうし座RV型変光星の代表星。
- TX星:SRA型の半規則型変光星。
- CE星:SRC型の半規則型変光星。
- DH星:褐色矮星の伴星を持つ星。
星団・星雲・銀河
- M45(プレアデス星団):散開星団。おうし座の東に位置し、最もよく知られている星団の1つ。肉眼でも容易に見ることができる。
- Mel 25(ヒアデス星団):散開星団。アルデバランの近くに位置する。これは、天上でV字を形成する。これは雄牛の頭にある。
- M1(かに星雲):超新星残骸。ζ星の北東にあり、望遠鏡で観測できる。これは、1054年7月4日に地球で目撃された超新星SN 1054の残骸である。爆発時には日中ですら見えたという。この記録は中国の『宋史』「天文志」や日本の『明月記』にも残り、アメリカン・インディアンの陶磁器にも記録された。この星雲の名は、望遠鏡で初めて観測された当時カニ(蟹)の形に見えたからだとされる。その名前からかに座にあると間違えられることもある。
また、おうしの背中にあたる部分には活発に星形成を行うおうし座分子雲が存在しており、ハッブル宇宙望遠鏡や世界中の電波望遠鏡で盛んに観測が行われている。
その他
神話
古代オリエントでの、繁栄と富の象徴としての牛信仰に由来するとされる[6]。紀元前4千年紀には「天の牡牛」「アヌの牡牛」と呼ばれるようになった。
ギリシャ神話では、ゼウスがニンフの(一説では人間の王女)エウローペーに恋をした[6]。ゼウスは誰にも分からぬよう、白い牡牛に化けてエウローペーに近づいた[6]。ゼウスは正体を明かし、2人はクレタ島に行って子をもうけた[6]。
プレイアデス
おうし座にあるプレアデス星団は、ギリシア神話ではプレイアデス(プレアデス)7人姉妹に例えられる。この7人姉妹が楽しく踊っていたところ、勇者オーリーオーン(オリオン座)がやってきて、7人はびっくりして逃げた。しかし7人があまりに美しかったので、オーリーオーンは忘れられずに5年間追いかけまわした。7人は女神アルテミスの助けを借りて鳩になってオーリーオーンから逃げた。この後、星座の中に入れられてプレアデス星団になった。
日本ではプレアデス星団はすばると呼ばれる。富士重工業のマークにもなっていて、日本では普通6つ星として考えられている。漢字だと昴、統ばる、統星と書かれ、もともとは玉がいくつかついた首飾り、髪飾りの名を示す古い日本語だったと考えられている。「昴」は中国の呼び名である。
ヒアデス星団もギリシア神話ではヒュアデス姉妹にたとえられる。
呼称と方言
日本では、うし座と呼んだことがある。またおうし座に関係する方言は、プレアデス星団、ヒアデス星団、主星アルデバランに名づけられたものが見つかっており、特にプレアデス星団は多い。
出典
- ^ a b c d “The Constellations”. IAU. 2010年2月9日閲覧。
- ^ Russell, Henry Norris. “The New International Symbols for the Constellations”. Popular Astronomy 30: 469. Bibcode: 1922PA.....30..469R.
- ^ “Taurus”. Merriam-Webster Online. 2010年2月9日閲覧。
- ^ a b “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME ALDEBARAN. 2013年1月17日閲覧。
- ^ “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME ELNATH. 2013年1月14日閲覧。
- ^ a b c d 長島晶裕/ORG 『星空の神々 全天88星座の神話・伝承』新紀元社、2012年。ISBN 978-4-7753-1038-0。