みなみじゅうじ座

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みなみじゅうじ座
Crux
Crux
属格 Crucis
略符 Cru
発音 [ˈkrʌks]、属格:/ˈkruːsɨs/
象徴 Southern Cross
概略位置:赤経 12.5
概略位置:赤緯 −60
広さ 68平方度 (88位
主要恒星数 5
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
19
系外惑星が確認されている恒星数 1
3.0等より明るい恒星数 4
10パーセク以内にある恒星数 0
最輝星 α Cru(0.81
最も近い星 η Cru;(64.2光年)
メシエ天体 0
流星群 Crucids
隣接する星座 ケンタウルス座
はえ座
みなみじゅうじ座(左下側に暗黒星雲コールサックが見える)

みなみじゅうじ座(南十字座)(Crux)は、南天の星座の1つ。全天88星座の中で最も小さい。

南十字星(みなみじゅうじせい)、または英語での通称サザンクロス(Southern Cross)としても知られる。この通称は、はくちょう座の中心部の別名『北十字星(Northern Cross、ノーザンクロス)』に対応して付けられたもの。ただし、小さい上に各星の明るさがあまり揃っていないこともあって、近くにある『ニセ十字』と間違えられることも多い。

3方向をケンタウルス座で囲まれており、残りの部分ははえ座に接している。ケンタウルス座α星ケンタウルス座β星を結んだ線をβ星方向に伸ばすと、この星座のおおよその方角を指す。

現在、天の南極には南極星に当たる目立った星がないため、大航海時代以来主にみなみじゅうじ座が天の南極を測るために使われた。α星とγ星の間隔を、α星に向け約4.5倍すると、だいたい天の南極に到達する。

α星β星ともに、全天21の1等星の1つである。

特徴[ソースを編集]

南方にある星座のため北半球では見えない場所が多い。

時期によっては日本でも沖縄県小笠原諸島などで観望が可能であり、特に宮古諸島八重山諸島からなる先島諸島では比較的観望しやすい。中でも国内最南端の有人島である波照間島では南十字星が観光資源にもなっており、切手が作られたり、観望ツアーが組まれたり、星空観測タワーなどが設けられたりしている。この地域で観望できる時期は12月下旬から6月中旬までの約半年であり、南中時刻が午後8時から10時ごろの見やすい時間帯となる5月頃が観望に適している。先島諸島からは、星座は地平線に近く、靄が出現すると見えにくい。ポラリス(現在の北極星)から天頂に至る線を南に延ばすと肉眼でもはっきり見える。なお、本州でも最南端に位置する串本町などで、時期や気候条件などが整えば、水平線真上に先端部分のγ星を確認することができる。

アメリカ合衆国では、ほぼ北緯20度のハワイ州全体はフロリダ州南端(北緯24度のキーウェスト)と並んで、アメリカ50州で比較的この星座を観望しやすい場所である。ホノルルビショップ・ミュージアムプラネタリウムでは次の時刻をこの星座の南中時刻として知らせている。

12月1日:6時半頃(日の出は7時頃)
1月1日:6時頃
2月1日:4時頃
3月1日:2時頃
4月1日:0時頃
5月1日:22時頃
6月1日:20時頃
7月1日:日没後(19時半ごろ)
(8月から1月は南中時刻が昼になるので、観望しにくい。)

主な天体[ソースを編集]

恒星[ソースを編集]

2つの1等星α星とβ星以外に、2等星が1つ(γ星[1])、3等星が1つ(δ星)存在している。α星から順に時計回りにβ星、γ星、δ星を結んだ四角形の各対角線が、星座のモチーフである十字となる。

  • α星アクルックス (Acrux)は、全天21の1等星の1つ[2]
  • β星ミモザ (Mimosa)は、全天21の1等星の1つ[3]
  • γ星ガクルックス (Gacrux)[1]
  • δ星:変光星

星団・星雲・銀河[ソースを編集]

  • NGC 4755散開星団。宝石箱(Jewel Box)としてよく知られる。
  • コールサック暗黒星雲天の川の中にあり、星雲が天の川を隠すような形で暗く見えるため、暗いゆえに見えやすい。肉眼でも識別可能である。名称は、形が石炭を入れる袋に似ていたことに由来するとされる。

由来と歴史[ソースを編集]

1690年に書かれた星座のイラスト。周りにケンタウルス座が描かれている

古代の地中海古代ギリシア)ではこの星座を見ることができ、ケンタウルス座に付属する星として記録が残されている。歳差運動の影響で、現在は地中海地域から見ることができなくなっている。

かつてはフランスの天文学者オギュスタン・ロワーエによって1679年に設定されたと言われていたが、1598年ペトルス・プランシウスによって独立した星座として描かれたのが先である[4]

呼称と方言[ソースを編集]

日本では戦時中まで、東京天文台系統では じゅうじ(十字)座[5][6]京都大学宇宙物理学教室系統ではじゅうじか(十字架)座[6]と呼ばれていたが、戦後は現在の呼び名が使われている[7]。八重山諸島では『はいむるぶし (南群星) 』と呼ばれることもある。しかし野尻抱影著『日本の星・星の方言集』「琉球の星」ではケンタウルス座α星β星への言及はあるが、南十字星への言及は無い[8]。同書には「クルス星(南十字)」という章もあり、17世紀前半に南方と往来した天竺徳兵衛ら航海者がこの星座を「クルス」「クルセイロ」と呼んでいたこと、第二次世界大戦当時、フィリピンマニラの住民が「クルス」「クロス」と呼んでいたこと、インドネシアジャワ島の住民は十字でなくヒシ形に結んで小屋や蚊帳に見立てていたことを伝えるが、沖縄への言及は無い[9]

みなみじゅうじ座に由来する事物[ソースを編集]

みなみじゅうじ座は、古くはブラジル皇帝ペドロ1世のように署名に添える人物もいた他、各地の旗や紋章に使われるなど、南半球の国や地域でアイデンティティの象徴とされた。ニュージーランドの国旗は、ε星を省略してあるが、この星座を使っている。オーストラリアブラジルパプアニューギニアおよびサモアの国旗には、ε星まで5つ星全部を使ってこのみなみじゅうじ座をあしらった模様がついている。

出典[ソースを編集]

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  1. ^ a b SIMBAD Astronomical Database”. Results for * gam Cru. 2017年3月12日閲覧。
  2. ^ SIMBAD Astronomical Database”. Results for * alf Cru. 2013年1月19日閲覧。
  3. ^ SIMBAD Astronomical Database”. Results for V* bet Cru. 2013年1月18日閲覧。
  4. ^ Ridpath, Ian. “Star Tales - Crux”. 2013年4月16日閲覧。
  5. ^ 理科年表 第19冊』 東京天文台丸善1943年、B 21頁。
  6. ^ a b 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』 恒星社厚生閣、2007年2月28日、新装改訂版第4刷、246頁。ISBN 978-4-7699-0825-8
  7. ^ 理科年表 第20冊』 東京天文台丸善1947年、天 24頁。
  8. ^ 野尻抱影 「琉球の星」『日本の星・星の方言集』 中央公論社1976年7月10日、267頁。ISBN 9784122003507
  9. ^ 野尻抱影 「クルス星(南十字)」『日本の星・星の方言集』 中央公論社1976年7月10日、296頁。ISBN 9784122003507

参考文献[ソースを編集]

座標: 星図 12h 30m 00s, −60° 00′ 00″