こうま座

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こうま座
Equuleus
Equuleus
属格 Equulei
略符 Equ
発音 [ɨˈkwuːliəs] Equúleus, 属格:/ɨˈkwuːliaɪ/
象徴 the foal
概略位置:赤経 21
概略位置:赤緯 +10
広さ 72平方度[1]87位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
10
3.0等より明るい恒星数 0
最輝星 α Equ(3.92
メシエ天体 0
隣接する星座 みずがめ座
いるか座
ペガスス座
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こうま座(こうまざ、小馬座、Equuleus)は、トレミーの48星座の1つ。全天88の星座の中でみなみじゅうじ座の次に小さく、また全ての星が4等級以下の、目立たない星座である。

主な天体[編集]

恒星[編集]

由来と歴史[編集]

こうま座は、トレミーの48星座には最初から入っていたが、誰が設定したのかわかっていない。紀元前3世紀に星座の神話をまとめたアラートスの『ファイノメナ』に見えないことから、プトレマイオス自身か彼に先立つヒッパルコスではないかと考えられている[2]ゲミノスは、ヒッパルコスが設定したものとしているが、ヒッパルコスの著書で唯一現存している「エウドクソスならびにアラートスによるファイノメナの注解」には言及がない [3]

神話[編集]

この星座については、アラートス以外の偽エラトステネスヒュギーヌスマニリウスウィトルウィウスの誰もが言及しておらず、神話は伝わっていない[2][3]。神話学者らはペガスス座となったペーガソスの弟でメルクリウスカストールに与えたケレリスとも、ユーノーポルックスに与えたキュラルスとも、ネプトゥヌスミネルウァと力比べをしたときに三叉戟で突いた生物とも考えられている[3]サトゥルヌスピリュラーの物語と関連付ける者もいる[4]

科学解説家のイアン・リドパスは、プトレマイオスはケンタウロスケイローンの娘ヒッペを想定していたのではないかとしている[2]。ヒッペはデウカリオンの孫アイオロスにかどわかされ妊娠した。その事実を父に知られぬように山に隠れたが、ケイローンは彼女を捜しに山を訪れた。ヒッペが、自分を雌馬に変えるように神々へ祈ったところ、アルテミスがそれを聞き入れ、ケイローンから見つからないように、ヒッペの頭だけが星々の間から見えるような星座とした[2]

呼称と方言[編集]

日本では、昭和30年頃まで駒(こま)座と呼ばれていた[5]

出典[編集]

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ a b c d Ridpath, Ian. “Star Tales - Equuleus”. 2013年5月10日閲覧。
  3. ^ a b c Allen, R. H., Star Names: Their Lore and Meaning, (rep.) New York, Dover Publications, 1963, p.213.
  4. ^ Allen (1963) pp.213-214.
  5. ^ 東京天文台 編『理科年表 第22冊』丸善、1949年、天 34頁頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1124234 

座標: 星図 21h 00m 00s, +10° 00′ 00″