いっかくじゅう座
Monoceros | |
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属格形 | Monocerotis |
略符 | Mon |
発音 | [məˈnɒsɨrəs]、属格 /ˌmɒnəsɨˈroʊtɨs/ |
象徴 | the Unicorn |
概略位置:赤経 | 7.15 |
概略位置:赤緯 | −5.74 |
広さ | 482平方度 (35位) |
主要恒星数 | 4 |
バイエル符号/ フラムスティード番号 を持つ恒星数 |
32 |
系外惑星が確認されている恒星数 | 9 |
3.0等より明るい恒星数 | 0 |
10パーセク以内にある恒星数 | 2 |
最輝星 | β Mon(3.74等) |
最も近い星 | ロス614;(13.3光年) |
メシエ天体数 | 1 |
流星群 | いっかくじゅう座12月流星群 いっかくじゅう座α流星群 |
隣接する星座 | おおいぬ座 こいぬ座 ふたご座 うみへび座 うさぎ座 オリオン座 とも座 |
いっかくじゅう座[1](一角獣座、Monoceros[1][2])は、星座の1つ。日本では冬に南の空に見える。固有名もついていない4等星がいくつかあるだけの目立たない星座だが、後述のばら星雲など著名な天体が属している。
主な天体[編集]
恒星[編集]
「いっかくじゅう座の恒星の一覧」も参照
- α星:実視等級3.94等のG型巨星(G9III)。3.99等のγ星よりわずかに明るい。距離144光年。
- β星:実視等級3.74等(合成等級)で、いっかくじゅう座で最も明るい恒星。4.60等、5.00等、5.32等の三重星で、ウィリアム・ハーシェルによって1781年に発見され、ハーシェルは「全天で最も美しい景観の1つ」とコメントした。
- ε星:4.5等と6.5等の星からなる連星である。距離128光年。
- S星(15番星):青みを帯びた白いO型の変光星だが、その変化はあまり大きくない。NGC 2264の中心に位置する。この星は二重星でもあり、8等の伴星がある。
- U星:おうし座RV型の脈動変光星である。
- X星:SRA型の半規則型変光星である。
- V523星:SRB型の半規則型変光星である。
- V838星:2002年に出現した新星 (Nova Monocerotis 2002)。同年1月6日にアウトバーストが始まり、現在もライト・エコーの広がりが観測されている。当初は典型的な新星と考えられていたが、様々な相違点が指摘されている。距離はおよそ2万光年(6キロパーセク)と推定されている。
- プラスケット星:分光連星で、最も質量の大きい恒星の1つとして知られている。
- ロス614:29番目に近い恒星系である。距離13.3光年。近接した連星で、伴星は変光星 (V577 Mon) である。
- CoRoT-1:COROT計画において、トランジット法で最初に太陽系外惑星が発見された。いっかくじゅう座には、他にもHD 44219、HD 45652、HD 46375、HD 52265、CoRoT-4、CoRoT-5、CoRoT-7に系外惑星が発見されている。
星団・星雲・銀河[編集]
- M50:散開星団
- NGC 2506:散開星団
- NGC 2237-2239、2246(ばら星雲):散光星雲。
- NGC 2244:散開星団。ばら星雲に囲まれている。
- NGC 2261(ハッブルの変光星雲):散光星雲(変光星雲)。
- NGC 2264:散光星雲のコーン星雲(コーンは円錐の意)、Snowflake Cluster、狐の毛皮星雲[3]、散開星団のクリスマスツリー星団[3]からなる。
その他[編集]
- いっかくじゅう座X-1 - 別名いっかくじゅう座V616星、A0620-00。連星であり、既知で最も近い距離にあるブラックホールと考えられている。
由来と歴史[編集]
「ユニコーン」も参照
架空の動物ユニコーン(一角獣)をモチーフとしている。この動物は、額の上には1本の角を持つ馬に似た姿をしており、中世の西洋美術では不変性と堅固な貞操の象徴とされている[1]。一部の星図では鼻先に角を持った魚類の姿で描かれることもあった[1]。
考案者は、オランダの神学者で地図製作者のペトルス・プランシウスであるとされる[2]。プランシウスは、1613年に作成した天球儀に Monoceros Unicornis という名前で星座を描いていた[2][注 1]。後に、ドイツの天文学者ヤコブス・バルチウスが1624年に刊行した著書 Usus Astronomicus Planisphaerii Stellati の星図に Unicornu の名前でこの星座を加えたことから、バルチウスが考案者であると誤解されることもある[1][2]。
天文学者ヴィルヘルム・オルバースと年代学者ルートヴィヒ・イデラー は、1564年の文献に「双子座と蟹座の南にある別の馬」と書かれており、より前から使われていたと主張した。古典学者のヨセフ・スカリゲル は、ペルシアの天球儀でこの星座を発見したという[4]。
フランスの天文学者カミーユ・フラマリオンは、古い文献に見える謎の星座 Neper をこの星座に同定している[注 2]。また、イギリスの天文学者リチャード・プロクター は Cervus (鹿) という別名を用いていた[1][4]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e f 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味 -』 恒星社厚生閣、2007年2月28日、新装改定版第4刷、71-74頁。ISBN 978-4-7699-0825-8。
- ^ a b c d Ridpath, Ian. “Star Tales - Monoceros”. 2013年4月16日閲覧。
- ^ a b “夜空に輝くクリスマスツリー”. AstroArts (2008年12月25日). 2015年5月4日閲覧。
- ^ a b Allen, Richard H., (1963). Star Names: Their Lore and Meaning. Dover Publications. p. 290.
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