ヘール望遠鏡

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ヘール望遠鏡

ヘール望遠鏡(ヘールぼうえんきょう)はアメリカ合衆国パロマー天文台にある望遠鏡である。パロマー天文台にある望遠鏡では最大の口径を持ち、直径は200インチ(5m)ある。アメリカ合衆国の天文学者ジョージ・ヘールに因んで命名された。ヘールはカーネギー財団の資金援助により、ウィルソン山天文台の60インチ望遠鏡を1908年に、100インチ望遠鏡を1917年建造している。これらの望遠鏡は十分な成果を発揮し、1920年代の天文学を牽引するものであった。

1928年にヘールはロックフェラー財団から200インチ望遠鏡の製作資金として600万ドルを得た。この望遠鏡はカリフォルニア工科大学が取り扱うこととなった。なお、ヘールはカリフォルニア工科大学の設立に関与している。

望遠鏡の設置場所はカリフォルニア州サンディエゴ近郊のパロマー山と決定し、コーニング社が反射鏡の製作を開始した。反射鏡は耐熱ガラス(コーニングのブランド名・パイレックス)で作られている。1936年より望遠鏡の組み立ては開始されたが、第二次世界大戦の影響により完成は1948年のこととなった。

セルリエトラスによる柔構造を採用する事により、焦点部と主鏡が常に同じ位置に合わさり、光軸がずれないようになっている。この構造はすばる等の後の大型望遠鏡にも受け継がれている。

赤道儀はイギリス式赤道儀の変型であるホースシュー(馬蹄)式赤道儀 である。これによって100インチ望遠鏡では観測できなかった極軸方向の観測も可能である。

ヘール望遠鏡は1975年にソ連のBTA-6が完成するまで世界最大の望遠鏡であり、カリフォルニア工科大学のほか、コーネル大学カリフォルニア大学ジェット推進研究所などによって運用されてきた。現在でも補償光学を用いて、各種観測を行っている。

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