八重山日報

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八重山日報
種類 日刊紙

事業者 八重山日報社
本社 石垣市
代表者 代表取締役社長 宮良薫
言語 日本語
価格 1部 60円
月極 1,300円
発行数 約6000部
ウェブサイト http://www.yaeyama-nippo.com/
株式会社 八重山日報社
Yaeyama Nippo
本社所在地 日本の旗 日本
〒907-0023
沖縄県石垣市字石垣159番地
事業内容 日刊紙発行
設立 1977年8月1日
業種 情報・通信業
資本金 1,000万円
従業員数 29名[1](2016年6月末時点)
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八重山日報(やえやまにっぽう)は、沖縄県石垣市に本社を置く株式会社八重山日報社が発行する朝刊単売の日刊紙である。

概要[編集]

沖縄県八重山諸島を対象とする地域新聞である。かつて沖縄タイムスの社会部長などを歴任したジャーナリスト宮良長欣(みやら ちょうきん)が、1977年に設立した八重山日報社が発行している[2]

八重山諸島を発行対象地域にしている新聞は他に八重山毎日新聞もあり、県紙2紙(上記の沖縄タイムスと琉球新報)を含めると、八重山諸島では4紙が競合している。

2013年6月1日付にて、産経新聞社と八重山地方記事と東京の沖縄関連記事の相互交換の提携を実施[3]

2017年4月1日から沖縄本島版の発行を開始した[4]

特色・その他特集など[編集]

後述するように保守寄りの新聞社として知られる本土の産経新聞と業務提携関係にあるなど、沖縄県の新聞社の中で最も保守色が強い。現編集長・仲新城誠は、2013年4月、産経新聞の取材を受け、「沖縄の地元大手メディアは反日左翼的な反戦平和反米姿勢の報道をしており、多くの県民が洗脳状態にあるなか、それらの沖縄世論とは一線を画した公正中立な報道姿勢を貫いている」と答えている[5]。仲新城は、近年県内外の左派勢力や、現知事の翁長雄志の支持基盤でもある反基地団体等から取材妨害を受ける等度々攻撃の対象とされていると主張している[6][7]。2013年まで論説委員長を務めていた恵隆之介は、論説委員長を辞任した理由に、自身の就任後本社宛に左派勢力からの妨害電話が相次ぎ業務に支障を来したことを挙げている。この他、本島版発行に対して沖縄タイムスが販売店や配達員向けに「八重山日報の配達は禁止行為であり、同社からの配達業務を受託しないよう求める」旨の通達文書を出していたことが判明。この通達については、営業面ではなく紙面で勝負すべきという批判や独占禁止法違反を疑う声が上がっている[8]

尖閣諸島問題[編集]

尖閣諸島は石垣市に属するため、尖閣諸島領有権問題報道に力を入れている。

2012年9月には惠隆之介が、当時東京都知事石原慎太郎のインタビュー記事を寄稿した[9]。また、領有権問題に対する歴史的資料も多く取材し、報道しており、2012年8月には長崎純心大学石井望准教授が、中国の主張の一つである「の時代は中国領だった」とする論が誤りである、とする発見をしたことも報じた[10]

仲新城は2017年4月の産経新聞への寄稿で、尖閣問題の取材に石垣島を訪れる外国ジャーナリストと頻繁に意見交換していることや、中国の意図は尖閣にとどまらず石垣本島や沖縄本島、引いては太平洋全域への覇権にあるとの見方を示した[11]

八重山地区教科書問題[編集]

2011年に八重山地区で育鵬社版の中学校公民教科書が採択答申された後の八重山教科書問題では、教科書問題取材班を作り特集を組み、育鵬社版の採択に反対した竹富町採択委の主張だけでなく、採択に賛成の立場をとった石垣市採択委・与那国町採択委の意見も併せて報道した[12]。 また、従来の沖縄の教科書採択が現場教員の採択調査員のランク付け報告書をもとに採択答申をしており、事実上教職員が教科書を選択 (一種絞り込み) していることを明らかにした[2]。また、8月2日に沖縄県教委義務教育課長の狩俣智が、大手マスメディアの反対キャンペーンに押される形で、本来中立を保たれるはずの採択協議会に日程の延期とメンバーの追加の要請をしたことを不当介入だとして紙面で明らかにした[2]

琉球新報「パンドラの箱」掲載拒否問題[編集]

2012年1月22日ドキュメンタリー作家上原正稔が沖縄の大手メディアである琉球新報を言論封殺であるとして訴えた「パンドラの箱掲載拒否訴訟」の内情を、沖縄県下の新聞としては初めて江崎孝の投稿の形で掲載した[13][14]

上原は琉球新報から沖縄戦を主題とした連載作品を依頼され、2006年4月から年末に掛けて、第一話「戦争を生き残った者の記録」(全147回) を同紙に掲載した。しかし、2007年5月末から始まった第二話「パンドラの箱を開ける時」の連載開始冒頭に

第二話 慶良間で何が起きたのかは今、世間の注目を浴びている“集団自決”についてアメリカ兵の目撃者や事件の主人公たちの知られざる証言を基に事件の核心を突くものになるだろう。

と予告したところ、突如琉球新報担当者から掲載の拒否を言い渡された[15]。その後4ヶ月の休載後、集団自決に言及した「慶良間で何が起きたのか」は飛ばして連載が再開し、2008年8月に連載終了を琉球新報社から言い渡され、連載は終了する。連載終了時、上原は再度「慶良間で何が起きたのか」の掲載を申し入れるが拒否され、またそのことを発表しようとする記者会見を行うことも「やめてくれ」と琉球新報社より言われる[15]。そのため2011年1月31日上原は憲法で保障された言論の自由を侵害されたとして琉球新報社を提訴した[16]。その後、この掲載拒否事件は沖縄県下の大手メディアでは一切報道されることはなかった(『WiLL」』や沖縄の文芸誌『うえそら文藝』の中で“これが沖縄の言論封殺だ”という題で触れられたことはある)が、沖縄の日刊紙では八重山日報が初めて報道した[13][14]。 この一方的な掲載拒否問題の原因について、八重山日報への投稿者である江崎はその投稿の中で

当時(2007年)の社会的背景を知るものなら、だれでも容易に想像できる。当時、大江健三郎岩波書店を被告とする“沖縄集団自決訴訟”が係争中であり、被告である岩波書店がR紙(琉球新報)に連載中の「パンドラの箱が開く時」に注目していたとしても想像に難くはない。[14][17]

と考察している。

脚注[編集]

  1. ^ 八重山日報 (2012年8月). “会社概要”. 2013年4月10日閲覧。
  2. ^ a b c 仲新城誠 『国境の島の「反日」教科書キャンペーン』 産経新聞出版、2013年3月、初版。ISBN 978-4-8191-1204-8
  3. ^ 産経新聞 2013年6月1日付朝刊
  4. ^ 八重山日報 公式ホームページ
  5. ^ 河合龍一 (2013年4月6日). “『仲新城誠(なかしんじょう・まこと)さん(39) 八重山教科書問題検証本を執筆 「法の上に世論。違法まかり通る」』”. 産経新聞. 2013年4月8日閲覧。
  6. ^ 仲新城の公式ブログの内容より。キャンプ・シュワブ周辺にて取材を行った際、反基地活動家から「八重山日報は右翼だ」等と罵声を浴びせられたという。
  7. ^ 沖縄・新メディア開拓記〜チャンネル桜 沖縄支局員のブログ〜 仲新城の主張を裏付けるように、普天間基地周辺で取材を行っていた記者が取材妨害に合った旨の記述がある。
  8. ^ 「八重山日報の配達は禁止です」新聞販売店向けの文書が流出し沖縄新聞業界での対立鮮明に BuzzNews.JP 2017.0407
  9. ^ 八重山日報 (2012年9月28日). “尖閣の実効支配強化を-石原都知事インタビュー”. 2013年4月8日閲覧。
  10. ^ 八重山日報 (2013年8月3日). “尖閣前史-無主地の一角に領有史料有り-①-長崎純心大准教授-石井望”. 2013年4月10日閲覧。
  11. ^ “【寄稿】八重山日報編集長 仲新城誠「尖閣奪取は中国の太平洋進出の一里塚」”. 産経新聞朝刊. (2017年4月2日). http://www.sankei.com/premium/news/170401/prm1704010038-n1.html 
  12. ^ 八重山日報. “八重山地区教科書選定問題”. 2013年4月9日閲覧。
  13. ^ a b 八重山日報; 江崎孝 (ブログ狼魔人日記管理人) (2012年1月22日). “ドキュメンタリー作家上原正稔の挑戦 R紙の言論封殺との戦い 江崎孝”. 2013年4月15日閲覧。
  14. ^ a b c ドキュメンタリー作家上原正稔の戦い (PDF)”. 江崎孝 (2012年1月22日). 2013年4月19日閲覧。
  15. ^ a b 八重山日報; 上原正稔 (2012年4月26日). “慶良間で何が起きたのか”. 2013年4月15日閲覧。
  16. ^ 慶良間で何が起きたのか - 人間の尊厳を懸けた戦い (PDF)”. 上原正稔 (2012年4月26日). 2013年4月17日閲覧。
  17. ^ 八重山日報; 江崎孝 (ブログ狼魔人日記管理人) (2012年1月24日). “ドキュメンタリー作家上原正稔の挑戦2 第6回口頭弁論傍聴記 江崎孝”. 2013年4月19日閲覧。

関連項目[編集]

  • 仲新城誠 - 編集長。政治・経済・社会問題全般を取材。
  • 惠隆之介 - 拓殖大学客員教授。論説委員長を務めていたが、自身の就任後、本社宛に左派勢力からの妨害電話が相次ぎ業務に支障を来したことを理由に辞職。
  • 産経新聞 - 論調が同様。“教科書問題”や沖縄タイムスの論調が反日左翼だとする仲新城の著書を系列の産経新聞出版から刊行した。2013年より、記事の相互交換を行う形で提携関係を結んでいる。

外部リンク[編集]

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