WiLL (雑誌)

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月刊WiLL
ジャンル 保守論壇
刊行頻度 月刊
発売国 日本の旗 日本
言語 日本語
出版社 ワック・マガジンズ
編集長 花田紀凱(2004~2016)
立林昭彦(2016~)
刊行期間 2004年11月(2005年1月号が創刊号) - 現在
ウェブサイト http://web-wac.co.jp/magazine/will/

月刊WiLL(マンスリーウィル)は、2004年11月に創刊したワック・マガジンズが発行する、日本の月刊誌である。

「オトナのマンスリー・マガジン」を称する。

概要[編集]

朝日新聞をはじめとする、論調が左派寄りとされる国内メディアや、反日的として中国韓国北朝鮮などの非難を展開させている記事が中心である。花田がいた週刊文春よりもさらに大きく保守的な路線を採用している。これは保守系雑誌の諸君!正論SAPIOVoiceに続くものであり、大日本帝国を肯定的に評価している点で共通している。「朝日は腐っている!」(2005年11月号)などといった、刺激的かつ挑発的な特集名も目立ち、自由民主党の、特に安倍晋三などの保守的な政治家を評価し、民主党の政治家に批判的である点で一貫している(2011年5月号では東日本大震災を「民主党政権ゆえに天が怒った」とした)。創刊からしばらくは公明党創価学会を主題とする記事は無かったが、2008年8月号に矢野絢也福本潤一が創価学会に関する記事を寄せた。

2011年に発生した福島第一原子力発電所事故の直前号までは、毎号電気事業連合会のカラー広告が雑誌の中央ページを占め、原子力発電所のPR記事を掲載していた。事故後は広告の出稿はなくなったが、2012年4月号では、事故をきっかけに広がった原子力撤廃論に対抗し、『原発興国論』なる特集を組んでいる。

創刊当時から朝日新聞を執拗なまでに批判しているため朝日新聞から「特別割引料金での広告掲載」を拒絶されている(一方、朝日新聞は『正論』の広告を、産経新聞社との過去の取り決めから破格の割引料金で掲載していた。2015年7月現在受けていない)。

執筆者が固定している傾向が強く、その多くが「評論家」を称する。渡部昇一は、創刊以来全号に論文を寄せている。また、爆笑問題太田光による[1]時事ネタの漫才連載も存在する。なお太田と当雑誌は政治主張的には異なっているところもいくつか存在しているが、「日本原論」について「載せているのはあくまでも漫才のネタであり、政治的主張はしていない」「宝島30WIREDサイゾーと連載自体が転々としているのでどの雑誌でもいい」としている[2]。また、元編集長の花田はお笑い芸人としての爆笑問題を絶賛しており、自身の雑誌で連載のオファーをしたいといった趣旨の発言をかねてからしていた[3]。かつては、やはり思想を異にしながら、花田と岡留安則との個人的親交から、岡留や高橋春男(岡留の『噂の眞相』からの引き継ぎ)の連載もあった。

2009年には、別冊として雑誌『歴史通』を創刊した(翌2010年ワック・マガジンズからの独立創刊に移行)。

2012年頃から元編集長の花田と思想・信条が近いことから宗教政党「幸福実現党」への接近が目立ち、広告や関係者との対談の掲載が複数あった。

2016年3月、創刊時からの編集長花田紀凱が発行元のワック・マガジンズの鈴木隆一社長との対立から同社を退職[4]、花田の下で編集を担当していたスタッフも退社して飛鳥新社へ移籍。同年5月から月刊誌『Hanada』を創刊した(執筆陣もほとんどが「Hanada」へ移った)。一方『WiLL』は、『歴史通』編集長だった立林昭彦が同誌の編集長となり発行を継続している。

捏造記事[編集]

  • 北朝鮮による日本人拉致問題に絡む2006年5月号掲載の「拉致実行犯辛光洙釈放を嘆願した“社民党名誉党首”」(執筆者は花岡信昭)と題する、日本人拉致事件に対して社民党の対応が十分でなかったと主張する記事の中で、「土井たか子は本名『李高順』、半島出身とされる」と電子掲示板で流布していた虚偽の在日認定言説を、あたかも事実であるかのように書いた。土井側はこれを「事実無根の捏造記事で、土井氏に対する取材に基づかない一方的な推測で作成したもので、名誉を毀損された」として、2007年4月18日、全国紙5紙への謝罪広告の掲載と1000万円の損害賠償を求めて神戸地方裁判所に提訴した。2008年11月13日の神戸地裁尼崎支部での判決で、竹中邦夫裁判長は「明らかに虚偽の事実を記載するもの」とし、同社などに200万円の支払いを命じた。但し、謝罪広告掲載については、竹中裁判長は同誌の実売部数が少ないことを理由に必要性を認めなかった。花田は、この判決に先立ち11月号295ページに、花岡のこの記述を虚偽と認め、「土井たか子氏及び関係各位に深くお詫びいたします」との謝罪文を掲載した。2009年4月24日の二審判決でも大阪高裁は一審判決を支持、被告からの控訴を棄却した。続く最高裁でも一審、二審判決を支持する判断を示し被告からの上告を棄却、『WiLL』側の敗訴が確定した[5][6]

皇族に関連する批判[編集]

  • 2008年7月号の渡部昇一日下公人の対談及び、2008年8月号の西尾幹二の「これが最後の皇太子さまへの御忠言」で昭和天皇今上天皇皇后美智子皇太子徳仁親王、女官について書かれている内容が虚偽であるとして宮内庁より抗議を受け誌上での訂正を求められている[7][8]
  • 2009年9月号に「NHK中堅番組ディレクター」なる匿名の人物による「NHKがドラマ『昭和天皇 裕仁』を」で、市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」が“NHKに懐柔され前身組織から改称した”、NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」問題で攻撃に毅然たる態度をとるよう求めた要望書に関し“台湾問題について打つ手のなくなったNHKが『決して批判だけでない』という材料がほしいがために、『番組を応援するような要望書を出してもらえないでしょうか』と醍醐氏側にそれとなくお願いしたと聞いています”とする文章を掲載。全て事実無根の捏造だとして、共同代表・醍醐聰から訂正を求める抗議申し入れを受けている[9]

編集部侵入事件[編集]

2016年5月4日夜、右翼団体役員の男が、編集部の窓を割って侵入し、床に黒いペンキを撒き、消火器を噴霧した上で、自ら110番通報し、建造物侵入容疑で現行犯逮捕された[10][11][12]

逮捕された男は、6月号に掲載された西尾幹二加地伸行の対談記事「『御忠言』から八年 いま再び皇太子さまに諫言申し上げます」について、「不敬だ」などと述べた、と報じられた[10][11]

主な連載[編集]

など

過去の連載[編集]

主な執筆者[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 名義は「爆笑問題」で田中裕二は漫才の相方として登場するが、実際は太田が独りで執筆している(爆笑問題#出版を参照)。
  2. ^ 爆笑問題名義、町山智浩との共著『爆笑問題の日本原論 自由にものが言える時代、言えない時代』太田出版 p6より。
  3. ^ 『爆笑問題とウルトラ7』(新潮社文庫) P254 – 261。
  4. ^ おお!右派雑誌『WiLL』分裂騒動はついに第2幕に移ったか (『創』編集長篠田博之
  5. ^ “土井元議長の勝訴確定 月刊誌WiLLで名誉棄損”. 47NEWS (共同通信社). (2009年9月29日). http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009092901000840.html 2010年10月30日閲覧。 
  6. ^ 「北朝鮮拉致めぐる月刊誌の名誉毀損で土井元衆院議長の勝訴が確定」 MSN産経ニュース 2009年9月29日[リンク切れ]
  7. ^ “「WiLL」(2008年7月号)の記事について” (プレスリリース), 宮内庁, (2008年6月9日), http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taio/taio-h20-0609.html 2010年1月1日閲覧。 
  8. ^ “「WiLL」(2008年8月号)の記事について” (プレスリリース), 宮内庁, (2008年7月10日), http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taio/taio-h20-0710.html 2010年1月1日閲覧。 
  9. ^ 醍醐聰 (2009年8月20日). “雑誌『WILL』の捏造・中傷記事に対して抗議と訂正の申し入れ”. 醍醐聰のブログ. 2010年1月1日閲覧。
  10. ^ a b 極右「WiLL」になぜ右翼団体がテロを起こしたのか?「天皇をないがしろにする安倍的右派」台頭と右右対立”. LITEX (2016年5月14日). 2016年9月24日閲覧。
  11. ^ a b 月刊誌「WiLL」編集部に侵入しペンキまく、大日本愛国団体連合時局対策協議会の●●●●理事を逮捕” (2016年5月5日). 2016年9月24日閲覧。
  12. ^ 高森明勅 (2016年5月7日). “『WiLL』編集部への襲撃事件”. よしりん企画. 2016年9月24日閲覧。
  13. ^ 宝島30WIREDサイゾーより移行。
  14. ^ 休刊した『噂の眞相』より移行。
  15. ^ 「岡留のコーナーの存在は本誌と相容れない」との読者からの異議を受け2008年3月で終了。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]