WIRED (雑誌)
WIRED(ワイアード)は、アメリカ合衆国で1993年に創刊された雑誌である。
ジャンルはビジネス、インターネット、ジャーナリズム、カルチャーなど。本国以外では、イギリス、イタリア、ドイツ、日本の4カ国でそれぞれ発行・発売されている。また、台湾では中国語版ウェブサイトが開設されている[1]。
雑誌に限らず、ウェブサイトや電子書籍など、様々な形でグローバルにコンテンツを展開している。
US版WIRED[編集]
ワイアード | |
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Wired | |
刊行頻度 | 月刊 |
発売国 |
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言語 | 英語 |
出版社 | コンデナスト・パブリケーションズ |
EDITOR IN CHIEF | Scott Dadich[2] |
HEAD OF EDITORIAL | Robert Capps[3] |
ISSN | 1059-1028 |
刊行期間 | 1993年1月 - 現在 |
ウェブサイト | Wired.com |
本国版は1993年1月に創刊された。その創刊号のなかで、『WIRED』は単なるテクノロジーについての雑誌ではなく、デジタル革命を人類が火を扱えるようになったときに匹敵するほどの社会変化だととらえ、そこにmeaning(意味)とcontext(文脈)を与えていくことを「究極のラグジュアリー」だと宣言した。その後、その時々の社会変化に応じて、ロングテールやクラウドソーシングといった時代を象徴するキーワードを提唱してきた実績がある。
1993年といえば、アップルがちょうどPowerBookを発売したばかりのころで、NCSA Mosaicが発表されワールド・ワイド・ウェブ(WWW)が一般に普及しようとしていたころだった。『WIRED』の創刊を目指していたジェーン・メトカーフとルイス・ロゼットは、1993年にアメリカのカリフォルニア州で開催されたTEDカンファレンスに参加した。そこで2人はMITメディアラボの創設者ニコラス・ネグロポンテと出会い、資金提供を受けることができた。ネグロポンテは創刊後6年間レギュラーコラムニストとしても参加した。初代のエグゼクティブ・エディター、ケヴィン・ケリーはもともとホール・アース・カタログやホール・アース・レヴューの編集者だった。そのため、ブルース・スターリングやスチュアート・ブランドなど、その頃の関係者がWIREDにも多く関わっていた[4]。
3D Robotics社のクリス・アンダーソン(TED Conferenceのクリス・アンダーソンとは同姓同名の別人)は、2001年6月から2012年11月まで編集長を務めていた[5]。
日本語版WIRED[編集]
ワイアード | |
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Wired | |
刊行頻度 | 年4回 |
発売国 |
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言語 | 日本語 |
出版社 | コンデナスト・ジャパン |
発行人 | 岡本綱雄 |
編集長 | 松島倫明 |
刊行期間 | 2011年6月 - 現在 |
ウェブサイト | WIRED.jp |
日本語版の雑誌は1994年11月21日に同朋舎の関連会社から出版され、1998年11月号、全45号で休刊。その後、2011年6月10日に本国と同じグループのコンデナスト・ジャパンによって再刊された。
創刊から休刊へ[編集]
1994年の創刊当初はアメリカ版の翻訳記事が中心だったが、徐々に日本独自記事が増える。「爆笑問題の日本原論」(爆笑問題)も、宝島30で連載されていたものを引き継ぎこの雑誌で連載していた。
1998年の休刊後、編集長だった小林弘人が連載のいくつかを引き継いで1999年6月号よりサイゾーを創刊した。
ウェブサイトの Hotwired Japan[6]は、2006年3月31日にコンテンツの停止を発表し、事実上の休刊をした。それ以降、2007年5月からWIRED VISIONが翻訳を行っていた。
再刊行[編集]
2011年6月10日、コンデナスト・ジャパンよりビジネス誌GQ JAPANの特別増刊号としてVol.1が発売され、同時に新たなウェブサイト「WIRED.jp」も立ち上がった[7]。
Vol.1は第2回雑誌大賞にて、「雑誌新人賞」を受賞[8]。11月10日に発売されたVol.2は10月5日に亡くなったスティーブ・ジョブズが表紙を飾った[9]。
2012年1月、編集長が長崎義紹から若林恵へと替わり、Vol.3より年4回(3月10日、5月10日、9月10日、11月10日)発行することが発表された[10]。
2013年現在も、「GQ JAPAN増刊号」として約3ヶ月に1回程度発売されている。記事中において「サーヴァー」「デヴァイス」など原音が"v"の外来語には「ヴ」を用いる傾向にある。
2015年3月10日より隔月刊化。2016年4月からはリアルスペースを赤坂アークヒルズにて、リアル・イベントスペースを展開。同スペースは森ビルとライゾマティクスとの共同運用となる[11]。
2017年12月9日発行のVOL.30を最後に、雑誌『WIRED』日本版は刊行を休止することが発表された[12]。
2018年 元編集長の若林 恵による「さよなら未来」―エディターズ・クロニクル 2010-2017 岩波書店 2018/04 が出版された。
2018年6月1日、『WIRED』日本版編集長に、前NHK出版編集長の松島倫明の就任が発表され、年内の復刊予定も明らかとなった[13]。
2018年11月13日、日本版のリブート号となるVOL.31「NEW ECONOMY」が、US版創刊25周年を記念した特大号として発売された[14]。
脚注[編集]
- ^ “メディアは「コンテンツのポテンシャルを引き出す努力」が必要~『WIRED』編集長の若林恵氏”. ライフハッカー[日本版]. 株式会社メディアジーン (2013年2月28日). 2019年4月19日閲覧。
- ^ Scott Dadich is the editor in chief of WIRED. - wired.com
- ^ MEET OUR TEAM - wired.com
- ^ “『WIRED』US版の創刊号がiPadで復刊! 創刊メンバーによる誕生秘話も明らかに”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2012年6月6日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ “クリス・アンダーソン、WIRED編集長を辞任”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2012年11月6日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ HotWired Japan[リンク切れ]
- ^ “HELLO, WORLD『WIRED』始動に向けて ──『WIRED』編集長 長崎義紹からのメッセージ”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2011年6月3日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ “第2回 受賞作品 2011上半期”. 雑誌大賞. 2015年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月19日閲覧。
- ^ “雑誌『WIRED』 VOL. 2 が11/10(木) に発売、その内容は?”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2011年11月1日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ “地図のない冒険へ”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2012年1月1日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ “プレ・イヴェント、続々! 新たな実験「ワイアード・ラボ」4/1オープン!”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2016年3月4日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ “いつも未来に驚かされていたい:『WIRED』日本版プリント版刊行休止に関するお知らせ”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2017年12月22日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ “「ワイアード」日本版の新編集長にNHK出版出身者”. WWD JAPAN (株式会社 INFASパブリケーションズ). (2018年6月1日) 2019年4月19日閲覧。
- ^ “『WIRED』がリブートするもの:雑誌『WIRED』日本版VOL.31の発売に際して、編集長から読者の皆さんへ”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2018年11月13日) 2019年4月19日閲覧。