惠隆之介

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惠 隆之介
(めぐみ りゅうのすけ)
生誕 1954年2月23日
沖縄県
所属組織 Naval Ensign of Japan.svg 海上自衛隊
軍歴 1978年(昭和53年) -
1982年(昭和57年)
最終階級 2等海尉
除隊後 作家
ジャーナリスト
拓殖大学日本文化研究所客員教授
八重山日報論説委員長
「沖縄と尖閣を守る会」代表
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惠 隆之介(めぐみ りゅうのすけ、1954年2月23日 - )は、日本評論家ジャーナリスト。元海上自衛官で、現在は軍事分野の評論を中心に活動している。

来歴[編集]

1954年、奄美出身の家系で沖縄県コザ市(現:沖縄市)に生まれる[1]

1978年防衛大学校管理学専攻コースを卒業(第22期)[2]海上自衛隊に入隊。海上自衛隊幹部候補生学校、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊に勤務した。四年後の1982年に二等海尉で退官。琉球銀行に勤務。その後、米軍基地就職学校「グロリア・ビジネススクール」校長、拓殖大学日本文化研究所客員教授、シンクタンク「沖縄と尖閣を守る会」代表などを務めている。

2012年(平成24年)[1]から八重山日報論説委員長を務めていた[1][3]が、2013年(平成25年)3月、わずか1年で辞任している[1]

評価[編集]

1990年代後半から、普天間移設問題が過熱化すると、恵は、通訳兵サンキ浄次の回想録をあげ、「キャンプ・シュワブは地元が積極的に誘致した」という、事実とは異なる主張を拡散した[4]。正しくは辺野古の項目を参照。(ハワイ出身通訳兵の回想録であるサンキ文書は、シュワブではなく近隣の小さな久志訓練場と事実誤認していると考えられている。)

2012年の惠の著書『誰も語れなかった沖縄の真実』について日下公人は「凡百の沖縄論を圧倒する広い視野と高い見識と精緻な事実認識」と評価した[5]。その著書の中で、4人に1人が命を奪われた沖縄戦の後、米軍に土地を接収され海外移民まで余儀なくされた沖縄県民は、「米軍政下で贅沢を味わった」と主張している。

またその著作やネットテレビの中で、朝鮮通信使よりも古い1300年代の家系久米三十六姓を持ちだし、沖縄で「稲嶺惠一知事、仲井眞弘多知事と二代にわたって中国帰化人子孫が知事を務めている」「こうした中国帰化人の子孫たちが中心となって、沖縄の親中政策が推進されている」「中国による沖縄のクリミア化」だ、とレイシズムを利用した中傷を政治に持ち込んだ[6]

2013年11月3日、沖縄では放映されていない読売テレビの「そこまで言って委員会」に出演し、基地反対派と思しき人がゴミや人糞をビニール袋に入れてバラ撒いている、沖縄の交付金が中国や韓国に流れている等の陰謀論をかたったが、その根拠は示さなかった。

2014年11月3日のネットテレビ等で、米兵からレイプ被害にあった女性は、実は帰化人で男性相手の特殊な仕事をしている女性、実は中国の工作員であるということを地元の警察は掴んでいる、レイプ事件は何者かが狙って仕掛けた事件の可能性がある等を主張した[7]。しかし実際は、当時沖縄中部で2人組の米兵による性被害が多発しており、帰宅途中の女性を襲った犯人を警察は執念の捜査網で追い、出国前の米テキサス州フォートワース海軍航空基地所属の米兵2人を出国の数時間前に逮捕したものだった[8][9]。こうした捜査に関わった元捜査一課長は、「女性をなんだと思っているのか」と回想している[10]

2014年沖縄県知事選挙に際し、恵が「翁長候補の娘は北京大学に留学し、結婚相手は支那太子党の子息」なので中国寄りにならざるを得ないというデマを拡散していた[11]。しかし後に翁長知事本人が語るように、二人の娘は北京留学どころか一度も中国に行っていないし、しかも結婚もしていなかったことが判明した[12][13]

2017年、ビジネス社から出版された惠と渡邉哲也の共著『沖縄を本当に愛してくれるのなら県民にエサを与えないでください』について、サンデー毎日は、「あってはならない"究極の民族差別"」「この本は「言葉の感覚」が麻痺(まひ)している」「沖縄県民を差別する本」と断罪した[14]。大阪の機動隊員による「土人発言」と同様なヘイトであり、ビジネス社による新聞広告掲載は「新聞広告倫理綱領」に違反しているのではないかという指摘もなされた。

2018年名護市長選挙に際し、恵は雑誌『WiLL』に『沖縄の天王山名護市長選!稲嶺市長「沖縄は中国にあげたらいい」!』[15]というミスリーディングなタイトルの記事を寄稿。記事中には稲嶺進市長がそのような発言をした事実は一切書かれていないにもかかわらず、元北海道議会議員小野寺まさる(自民党)らが「売国奴」と拡散[16]、まとめサイトでさらにデマに尾ひれをつけて拡散された[17]

主張[編集]

第二次世界大戦における沖縄県人への見方[編集]

  • 第二次世界大戦太平洋戦争大東亜戦争)において「沖縄県人は日本国民としての意識が高く、進んで軍と協力して戦った。」と主張している[18]。また、日本軍は命がけで沖縄県民を守ったと主張している[19]沖縄戦における集団自決については、集団自決が現地日本軍の命令で行われたとする見方を否定している[20]

戦後の沖縄について[編集]

  • 「沖縄には被害者史観による呪縛がある、日本政府は1972年(昭和47年)の復帰時から2000年(平成12年)まで沖縄に10兆4018億円も投じているのに県民に改善の意欲が見られない。」と述べている[21]。また、「旧日本軍の美徳は報道されず、歪められた内容が知れ渡っている。」と述べている[22]

国防・安全保障[編集]

番組出演[編集]

著書[編集]

  • 『天皇の艦長 : 沖縄出身提督漢那憲和の生涯』(光文堂印刷、1985年4月)
  • 『誰も書かなかった沖縄―被害者史観を超えて』(PHP研究所、2000年6月) ISBN 978-4569611785
  • 『敵兵を救助せよ! 英国兵422名を救助した駆逐艦「工藤艦長』(草思社、2006年6月)
    • 文庫版 『敵兵を救助せよ! 駆逐艦「雷」工藤艦長と海の武士道』(草思社文庫、2014年8月) ISBN 978-4794220707
  • 『海の武士道』(産経新聞出版、2008年12月) ISBN 978-4819110303
  • 『海の武士道 DVD BOOK』(育鵬社/販売:扶桑社、2009年11月) ISBN 978-4594060947
  • 『沖縄危機と日本の有事 - 普天間基地移設問題・尖閣問題・中国の脅威』(明成社 ブックレット、2010年11月)
  • 『誰も語れなかった沖縄の真実 新・沖縄ノート』(ワック、2011年12月)
    • 新版 『沖縄よ、甘えるな! 新・沖縄ノート』(ワック 新書判、2015年9月) ISBN 978-4898317266
  • 『沖縄が中国になる日』(扶桑社、2013年3月)
  • 『中国が沖縄を奪う日』(幻冬舎ルネッサンス新書、2013年8月) ISBN 9784779060854
  • 『沖縄を豊かにしたのはアメリカという真実』(宝島社新書、2013年8月) ISBN 9784800213617
  • 『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』(PHP研究所、2014年8月)
  • 『迫りくる沖縄危機』(幻冬舎ルネッサンス新書、2014年8月) ISBN 9784779061042
  • 『尖閣だけではない沖縄が危ない!』(ワック 新書判、2017年4月) ISBN 978-4898317549
  • 『沖縄県民も知らない沖縄の偉人 日米の懸け橋となった男たち』(育鵬社、2019年8月)、ISBN 978-4594082642
  • 『沖縄を本当に愛してくれるのなら県民にエサを与えないでください』 (ビジネス社、2017年8月)、渡邉哲也と共著

出典[編集]

  1. ^ a b c d 恵隆之介について
  2. ^ 著者・書籍紹介 防衛大学校同窓会
  3. ^ オスプレイ配備こそが離島防衛のかなめ㊤ 本紙論説委員長 惠 隆之介 八重山日報 2012/07/05
  4. ^ 恵隆之介『誰も書かなかった沖縄』2000年など
  5. ^ 【書評】『誰も語れなかった沖縄の真実』惠隆之介著2012年01月22日 産経新聞 東京朝刊 読書面
  6. ^ 恵隆之介『いま沖縄で起きている大変なこと: 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』PHP研究所、2014
  7. ^ FC2,inc. “沖縄米兵レイプ事件の真相は こうだ” (ドイツ語). FC2 Video. 2021年2月2日閲覧。
  8. ^ 2米兵、女性暴行認める 那覇地裁で初公判” (日本語). 日本経済新聞 (2013年2月26日). 2021年2月2日閲覧。
  9. ^ 米兵による集団女性暴行致傷事件に関する意見書” (日本語). www.city.naha.okinawa.jp. 2021年2月2日閲覧。
  10. ^ 沖縄タイムス「ヒット・アンド・ラン」2018年9月2日
  11. ^ 鷲羽雲國齊 (2014年11月9日). “#沖縄県知事選挙 恵龍之介氏によると、翁長候補の娘は北京大学に留学し結婚相手は支那太子党の子息ということ。なるほど納得。支那属国の証である龍頭を2億数千万円の税金をぶち込んで支那に発注するとか、完全に支那の手先じゃないですか。こんなんが当選しそうとは沖縄県民はどうかしている。” (日本語). @w_unkokusai. 2020年1月12日閲覧。
  12. ^ 沖縄・翁長知事:今も拡散「娘の留学、中国が便宜」のウソ” (日本語). 毎日新聞. 2020年1月12日閲覧。
  13. ^ 松井知事「土人」発言擁護と同根!『そこまで言って委員会』など大阪のテレビの聞くに堪えない沖縄ヘイト (2016年10月22日)” (日本語). エキサイトニュース. 2020年1月12日閲覧。
  14. ^ 北朝鮮の工作説まで浮上する「ヘイト本」が売れる"闇" | 毎日新聞出版”. mainichibooks.com. 2020年1月12日閲覧。
  15. ^ 月刊WiLL (ウィル). ワック. (2018/2/3). ASIN B079DJ8Z1X 
  16. ^ 小野寺まさる (2018年1月26日). “「沖縄は中国にあげたらいい!」この様な主張をする方を、人は「売国奴」と呼びます。しかも、その方は名護市長三選を目指す現職の稲嶺市長。こんな輩が当選を果たすなら、世も末です。(Facebookの拡散希望コメントから画像を借用させて頂きました。)pic.twitter.com/ApFtcreUFs” (日本語). @onoderamasaru. 2020年1月12日閲覧。
  17. ^ 政経ワロス動画ch (2018年1月28日). “政経ワロスまとめニュース♪ : 【売国奴】名護現市長「沖縄は中国にあげたらいい!そしたら戦争にならない!」 http://seikeidouga.blog.jp/archives/1069500419.html …pic.twitter.com/CIjOpqylgT” (日本語). @seikeiwarosux. 2020年1月12日閲覧。
  18. ^ 著書『天皇の艦長』[要ページ番号]、及び『誰も書かなかった沖縄』[要ページ番号]
  19. ^ 新しい歴史教科書をつくる会 「虚構の『軍命令・強制説』の復活を許さない国民決起集会」(2007年11月13日)における証言
  20. ^ つくる会「沖縄問題」緊急シンポ 600名が東京・杉並公会堂に集う 大江裁判の第一審不当判決を厳しく批判!”. 新しい歴史教科書をつくる会 (2008年3月31日). 2013年4月10日閲覧。
  21. ^ 著書『誰も書かなかった沖縄』[要ページ番号]
  22. ^ 著書『敵兵を救助せよ!』[要ページ番号]
  23. ^ 2002年4月22日、衆議院憲法調査会が行った意見聴取における陳述

外部リンク[編集]