かにパルサー

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かにパルサー
Crab Pulsar
かにパルサーのハッブル宇宙望遠鏡(赤)チャンドラのX線画像(青)の組み合わせの画像。
かにパルサーのハッブル宇宙望遠鏡(赤)チャンドラのX線画像(青)の組み合わせの画像。
星座 おうし座
見かけの等級 (mv) 16.5
天文学上の意義
意義 初めて超新星残骸と関連付けられた中性子星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  05h 34m 31.93830s
赤緯 (Dec, δ) +22° 00′ 52.1758″
視線速度 (Rv) 赤経: -14.7 ± 0.8 ミリ秒/年
赤緯: 2.0 ± 0.8 ミリ秒/年
距離 6300 光年
物理的性質
自転周期 0.03308471603 秒
スペクトル分類 中性子星
色指数 (B-V) +0.5
色指数 (U-B) -0.45
年齢 968 年
発見
発見日 1968年
他のカタログでの名称
PSR J0534+2200[1]
PSR B0531+21
[1]CM Tau[1]
2MASS J05343194+2200521[1]
SN 1054A[1]
SNR G184.6-05.8[1]
PLX 1266
Template (ノート 解説) ■Project

かにパルサー(Crab Pulsar)は、かに星雲の中心部にある中性子星である。

概要[編集]

かにパルサーは、1054年に観測された超新星SN 1054」で誕生した中性子星である。1968年に発見され、超新星残骸であるかに星雲との関連性が初めて確認された中性子星である。

かにパルサーは33ミリ秒で自転しているパルサーであり、1秒間に約30回転している。この周期で電波からガンマ線にいたるあらゆる波長の電磁波を放出しており、かに星雲を可視光で明るく照らしている。膨大なエネルギーを放出しているので、かにパルサーは1日に38ナノ秒ずつ自転が遅くなっている。

非常に強いX線を放出しており、X線天文学において時間のキャリブレーションに使われる。かにパルサーを示す「クラブ(crab)」と「ミリクラブ(millicrab)」は、天体のエネルギーフラックスの単位として使われる。1ミリクラブは2.4×10-14W/m2である。

「チベット空気シャワー観測装置」で観測された空気シャワーから450TeVと(2019年7月時点で)史上最も高いエネルギーを持つガンマ線が検出された[2]。かにパルサーのパルサージェットによって1015 eV (= 1000 TeV) にまで加速された電子が、宇宙マイクロ波背景放射の光子に衝突して生じたものと考えられている[2]

1970年に、天文学者のカーティス・ミシェルは、かにパルサーの特定のパターンを説明するために惑星の存在を仮定した。仮説上の惑星は、質量が地球質量の3.28倍以上、パルサーから0.3au離れている。

出典[編集]

関連項目[編集]

ケンブリッジ大学の800nmの波長で撮影したかにパルサーのパルス。
かにパルサーのチャンドラのX線画像。