活動銀河

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活動銀河(かつどうぎんが、active galaxy)は、星間塵星間ガスといった通常の銀河の構成要素とは別の部分からエネルギーの大半が放出されている特殊な銀河。このエネルギーは、活動銀河の種類によって若干異なるが、電波赤外線紫外線X線γ線など、電磁波のほぼ全ての波長域で放出されている。

活動銀河 M87(画面左上の黄色の天体)から5000光年の長さにわたるジェットが放出されている様子。光速近くまで加速された電子が青白い光を放ちながら放出されている。

ほとんどの活動銀河は銀河中心のコンパクトな領域がエネルギー源になっていると考えられているため、活動銀河の略称として AGN (Active Galactic Nuclei) という語もしばしば使われる[1]。これらのコンパクトな中心領域からは、加速された物質が長い距離にわたり宇宙ジェットとして放出されているが、一方、電波銀河や電波を放出するクエーサーのような広がりを持った構造を持っている場合もある[1]

活動銀河の標準的な理論的モデルは、銀河中心にある106-9太陽質量の大質量ブラックホールに向かって物質が落ち込むことによってエネルギーが放出される、というものである。物質がブラックホールに落下する時、物質は角運動量を持つために降着円盤と呼ばれる扁平な円盤をブラックホールの周囲に形作る。降着円盤内のガスの摩擦熱によって、落下するガスは電離してプラズマとなる。このため、電離したガスが回転することで強力な磁場が作られる。降着円盤からはジェットの放出がしばしば観測されるが、宇宙ジェットの形成のメカニズムはあまりよく分かっていない。この降着円盤は、質量を非常に効率よくエネルギーに変換する「エンジン」であり、物質が持つ全質量の約50%をエネルギーに変換できる。これは核融合が数%であるのに比べて非常に効率的である。

ブラックホールが周囲のガスや塵を全て「食べ尽くす」と、活動銀河核は膨大なエネルギー放出をやめて通常の銀河になると考えられている。この仮説は、我々の銀河系や他の近傍銀河の中心に「平穏な」大質量ブラックホールが見つかっていることからも妥当な説であると思われる。また、この説によれば、なぜクエーサーが初期宇宙にのみたくさん存在するのかについてもうまく説明がつく。つまり、初期宇宙の方が現在よりもたくさんの「燃料」があったため、銀河の活動性が高かったということになる。

このモデルは、活動銀河に様々な種類があることも説明できる。すなわち、全ての活動銀河は大質量ブラックホールと降着円盤という同じエネルギー源で活動しているが、地球から見た時の中心核の向きの違いと、ブラックホールに供給されるガスや塵の量の違いによって、様々に異なるタイプに見える、と考えられている。

活動銀河の種類[編集]

活動銀河核は、1.電波の強弱、2.中心核から放射されるエネルギーの強度(光度)、3.1型と2型(高速運動するプラズマの有無)によって分類できる[2]。 活動銀河核の主な種類としては、セイファート銀河(タイプ1とタイプ2がある)、クエーサーブレーザーがある。これらは主としてX線による高エネルギーの放射を放出している。特にクエーサーは、宇宙に存在する既知の天体の中で最も明るい天体であると考えられている。高エネルギーの放射河の中心には、超大質量ブラックホールがある。 活動銀河の種類は、

電波銀河[編集]

電波銀河は電波を放出する様々な銀河の総称である。普通の銀河に比べて、100万倍ほどの[要出典]1強い電波を出している。電波銀河のほとんどは対称的なローブとよばれるプラズマの雲を持ち[4]、ここから電波の大部分を放出している。また、直接中心核から出てローブに向かって伸びる1本または複数本のジェットを持つものもある(最も有名な例はおとめ座銀河団にある巨大銀河M87である)。このジェットはローブの電波放出のエネルギー源となっている高エネルギー粒子のビームが可視光で見えているものと考えられている。電波銀河が放出する電波はシンクロトロン放射である。これは、電波を出しているローブやジェットが相対論的速度に加速された電子からなっており、内部に磁場が存在することを示している。通常の銀河系の2000個に1個ぐらいが電波銀河である。また、電波銀河からは、一対のジェットが出ている。電波銀河の多くは、楕円銀河にある。

活動銀河の二種類のタイプは統一モデル(Unified Model)によって統一的に理解されている。このモデルでは、これら様々なタイプの活動銀河は実際には同じ天体であるものが、地球から観測する際の向き(真正面か真横か)や相対論的ビームの有無や塵による吸収の効果によって違った様子に観測されていると解釈されている。現在では、セイファート銀河、電波銀河、クエーサー、ブレーザーは活動銀河のモデルのどちらかであると解釈されている[5]

ブレーザー[編集]

ガンマ線で撮影されたブレーザー(3C279)。

ブレーザーは、銀河の中心から吹き出る宇宙ジェットを真正面から見ている天体である[6]。強いX線や、ガンマ線が多量に放出されている。ブレーザーは、クエーサーよりも珍しい銀河である。

低光度活動銀河核[編集]

とても暗い活動銀河核で、天の川銀河も低光度活動銀河核である。中心の超大質量ブラックホールが吸い込むガスが少なく、セイファート銀河の約100分の1以下である。燃料切れの活動銀河核である。銀河の、約3分の1以上が低光度活動銀河核を持っている。

有名な活動銀河[7][編集]

  • クエーサー 3C 273 超遠方の活動銀河で光学ジェットをもつ。
  • 巨大楕円銀河 M87 電波銀河で光学ジェットをもち、ガス円盤も発見された。
  • 楕円銀河 NGC 4261電波ジェットをもち、ガス円盤も発見された。
  • メガメーザー NGC 4258/M106 強力なメーザー放射をしている。約4000万太陽質量のブラックホールをもつ。
  • セイファート銀河 MCG-6-30-15 相対論的な効果を受けた非対称鉄輝線が発見された。

出典[編集]

  1. ^ a b 谷口義明2004, p96
  2. ^ 谷口義明2004, p111
  3. ^ 谷口義明2004, p107
  4. ^ 谷口義明2004, p152
  5. ^ Krolik - Active Galactic Nuclei: From the Central Black Hole to the Galactic Environment
  6. ^ http://www.astro.isas.ac.jp/xjapan/asca/4/blazar/ 宇宙の巨大な加速器「ジェット」とブレーザー天体
  7. ^ 『最新 宇宙学 研究者たちの夢と戦い』P60

参考文献[編集]

関連項目[編集]