米沢市

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よねざわし ウィキデータを編集
米沢市
米沢市旗 米沢市章
1908年9月3日制定
日本の旗 日本
地方 東北地方
都道府県 山形県
市町村コード 06202-2
法人番号 7000020062022 ウィキデータを編集
面積 548.51km2
総人口 77,372[編集]
推計人口、2024年4月1日)
人口密度 141人/km2
隣接自治体 東置賜郡高畠町川西町西置賜郡飯豊町
福島県福島市喜多方市耶麻郡猪苗代町北塩原村
市の木 コメツガ
市の花 アズマシャクナゲ
米沢市役所
市長 近藤洋介
所在地 992-8501
山形県米沢市金池五丁目2番25号
北緯37度55分20秒 東経140度07分00秒 / 北緯37.9222度 東経140.1167度 / 37.9222; 140.1167座標: 北緯37度55分20秒 東経140度07分00秒 / 北緯37.9222度 東経140.1167度 / 37.9222; 140.1167
地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

米沢市位置図

― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト

米沢市(よねざわし)は、山形県置賜地方に位置する。置賜地方最大の都市で、県内人口は第4位。山形県置賜総合支庁の所在地で、上杉氏米沢藩)の城下町として知られる。

地理

市域は南置賜郡の大半および東置賜郡の一部を加えた範囲に及ぶ。南部及び東部は広い山地に囲まれた盆地で、一般的には米沢盆地と呼ばれている。市南部は幾つもの川が刻まれ、尾根筋と筋が東西交互に並んだ複雑な地形である。明治時代まで米沢と会津を結ぶメインルートであった旧米沢街道は県境越えの桧原峠までの市内に船坂峠、綱木峠の2つの峠がある。南端の吾妻連峰一帯は磐梯朝日国立公園となっており、天元台スキー場がある。市街地は市の中北部にあり、最上川の西岸の米沢城址付近に集中している。

1976年(昭和51年)撮影の米沢市中心部周辺の空中写真。市街地の東に最上川を挟んで米沢駅。市街地のほぼ中央に見える方形は米沢城上杉神社)、その西北西に見える長方形の緑地は上杉家廟所である。城下町の街路形状が残る。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

気候

四季の変化に富み、日本海側気候の盆地特有の気候を示しており、夏日真夏日となる日が多いが、日中は暑くても朝晩は涼しくなり熱帯夜にはならない。冬は一日中氷点下真冬日となる日も多い。零下10を下回る日も珍しくなく、1978年2月17日には零下18.2度を観測しているなど寒さが厳しい。米沢市の気象観測地点の標高は245m、一方、福島市の福島地方気象台の標高は67mと標高差は178mほどしかない。両市中心街の距離は40km弱しか離れていないが、太平洋側気候の福島市とは気候に非常に大きな違いがあり、冬季の冷え込み、真冬日日数、熱帯夜日数、積雪量などで非常に大きな差がある。

日本海越えの季節風の影響によりには最深積雪が1mを越える年もあり、全国でも有数の豪雪地帯の一つとなっており、特別豪雪地帯に指定されているが、気候を利用した果物の栽培が盛んな地域でもある。

極値[1]

要素 観測値 観測年月日
最高気温 37.7℃ 2018年8月23日
最低気温 -18.2℃ 1978年2月17日

歴史

出羽国南部にあり、鎌倉時代長井氏の領地、室町時代初期から伊達氏の領地となった。戦国時代天文の乱の後)に伊達氏の本拠地となる。「独眼竜」こと伊達政宗米沢城で生まれ、豊臣政権下で岩出山城(現在の宮城県大崎市)へ移封となるまで米沢を支配した。

関ヶ原の戦いで西軍が敗れた結果、会津地方を支配していた上杉景勝徳川家康に降伏し、減封のうえ北隣の米沢へ移された(「上杉景勝#会津征伐」参照)。以後、江戸時代から明治廃藩置県までは米沢藩上杉氏の城下町となった。上杉氏の旧本拠地春日山城があった上越市新潟県西部)との関係が深い。豊臣政権下で上杉景勝が福島城下を領地にしていたことや、江戸時代に年貢米や物資の運搬のため米沢藩米蔵が福島城下に多く立ち並んでいたことから福島市との関係も深い。

年表

  • 1871年08月29日 — 廃藩置県により、米沢が置賜県の県庁所在地となる。
  • 1876年08月21日 — 置賜県と山形県( - 1876年08月)などが合併し、以後は山形県に属する。
  • 1889年04月01日 — 市制施行(日本で最初に市制を施行した31市の中の一つ)。
  • 1899年05月15日 — 奥羽本線米沢駅が開業。
  • 1908年09月03日 — 市章を制定する[2]
  • 1919年05月19日 - 市内で大火。1200戸が焼失[3]
  • 1976年 - 1980年 — 財政再建団体の指定を受ける。
  • 1988年03月02日 — 八谷鉱山が閉山。

行政区域の変遷

  • 1889年04月01日 — 市制の施行により、南置賜郡米沢城下のうち123町と、花沢村、福田村、外ノ内村および館山村、口田沢村、吹屋敷村、赤芝村、塩野村、片子村、三沢村、赤崩村、笹野村、遠山村の各一部が合併して発足(米沢城下のうち6町は南原村の一部となる)。
  • 1953年08月01日 — 南置賜郡上長井村を編入。
  • 1954年10月01日 — 南置賜郡万世村広幡村六郷村塩井村を編入。
  • 1954年11月01日 — 南置賜郡三沢村窪田村を編入。
  • 1955年01月01日 — 南置賜郡山上村を編入。
  • 1955年02月01日 — 東置賜郡上郷村を編入。
  • 1955年04月01日 — 南置賜郡南原村を編入。
  • 1998年01月06日 — 東置賜郡高畠町と境界変更。
  • 2007年01月25日 — 東置賜郡高畠町と境界変更。

人口

米沢盆地南部米沢市街周辺空撮
  • 置賜地方で最大の人口を擁しており、長らく横ばいの人口変化で9万人前半台を推移していたが、2022年4月1日現在79,817人である。[4]
米沢市と全国の年齢別人口分布(2005年) 米沢市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 米沢市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

米沢市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


行政

市中央部。中央上部の白い建屋が(旧)市役所

市長

歴代市長[5]
氏名 就任日 退任日 備考
官選米沢市長
1 - 2 大滝龍蔵 1889年(明治22年)7月5日 1899年(明治32年)7月30日
3 大滝新十郎 1899年(明治32年)9月9日 1902年(明治35年)6月18日
4 平田駒太郎 1902年(明治35年)7月22日 1905年(明治38年)2月3日
5 - 6 二村忠誠 1905年(明治38年)2月3日 1912年(明治45年)1月20日
7 酒井寛助 1912年(明治45年)4月23日 1914年(大正3年)3月13日
8 深沢忠蔵 1914年(大正3年)4月16日 1918年(大正7年)4月15日
9 宇佐美駿太郎 1918年(大正7年)5月13日 1920年(大正9年)6月25日
10 永井秀蔵 1920年(大正9年)11月24日 1924年(大正13年)11月23日
11 深沢忠蔵 1925年(大正14年)3月5日 1929年(昭和4年)3月4日
12 - 16 登坂又蔵 1929年(昭和4年)3月16日 1944年(昭和19年)3月4日 死去
17 宇佐美辰五郎 1944年(昭和19年)5月2日 1946年(昭和21年)11月16日
公選米沢市長
18 岡村武雄 1947年(昭和22年)4月6日 1948年(昭和23年)7月7日
19 - 20 高橋広吉 1948年(昭和23年)8月5日 1955年(昭和30年)12月3日 死去
21 - 25 吉池慶太郎 1956年(昭和31年)1月27日 1975年(昭和50年)12月20日
26 - 27 長俊英 1975年(昭和50年)12月22日 1983年(昭和58年)12月21日
28 - 32 高橋幸翁 1983年(昭和58年)12月22日 2003年(平成15年)12月21日
33 - 35 安部三十郎 2003年(平成15年)12月22日 2015年(平成27年)12月21日
36 中川勝 2015年(平成27年)12月22日

警察

消防

紋章

米沢市の「米」の字を図案化し、末広で構成したものである。制定は文献によっては1919年5月19日米沢大火で米沢市役所を全焼し、文書等を類焼したために不詳であったが[2]都市の紋章:一名・自治体の徽章によると1908年9月3日に一般公募によって制定されたことが解る。[6]

経済・産業

江戸時代から続く産業として、繊維産業が盛んで、米沢織(米織)とよばれる。米沢紬と呼ばれるも、周辺町村と合わせて生産される。明治時代には、米沢高等工業学校が置かれ、大正時代には、同学校教授秦逸三によって帝国人造絹絲株式会社(帝人の前身)が興った。後に、工場用地、用水の問題から米沢工場は廃止されている。1949年(昭和24年)、米沢高等工業学校は山形大学工学部と改組されるが、工学部は米沢キャンパスとして現在も米沢に拠点を置いている。

第一次産業

リンゴ(林檎)、米沢牛、食用のを「米沢の味ABC」としてPRしている(下記参照)。伝統野菜として雪菜が栽培されている。雪国で冬でも育つ野菜として、米沢藩主上杉鷹山が栽培を奨励したと伝わる[7]

米沢味のABC

米沢の特産品をわかりやすく宣伝するために考案された[8]

  • A - 舘山林檎 (Apple) 寒暖差の大きいこの地に良く合い、濃縮されたような甘酸っぱさが特徴である。品種は主に「ふじ」が有名。
  • B - 米沢牛 (Beef) 日本三大和牛の一つ[9]。その発祥と主な生産地は隣町の飯豊町
  • C - 米沢鯉 (Carp) たんぱく質不足を補うため上杉鷹山が飼育を始めた。

第二次産業、第三次産業

工業出荷額は7331億円(2006年経済産業省工業統計)で、東北地方4位(郡山市いわき市仙台市に次ぐ)。

観光業については後述

主要企業

本社が米沢市

米沢市に工場・事業所が所在

金融機関

米沢市に本店・支店・出張所等の窓口を置く預貯金取扱金融機関は以下のとおり(2021年12月現在)。

金融機関種別 金融機関名称
地方銀行 山形銀行(3)、荘内銀行東邦銀行
第二地方銀行 きらやか銀行(2)
信用金庫 米沢信用金庫(8)
労働金庫 東北労働金庫
政府系金融機関 日本政策金融公庫
信用組合 山形第一信用組合 (2)
農協 山形おきたま農業協同組合(3)
括弧内は窓口事務所数(事務所数1の場合は省略) 山形銀行、荘内銀行、きらやか銀行のブランチインブランチは除く。

郵便

  • 日本郵便
    • 米沢郵便局集配局
    • 関根郵便局(集配局)
    • 万世郵便局(集配局)
    • 南原郵便局(集配局)
    • 板谷郵便局
    • 米沢春日郵便局
    • 小野川郵便局
    • 米沢中央七郵便局
    • 米沢六郷郵便局
    • 米沢城南郵便局
    • 上郷郵便局
    • 米沢大門郵便局
    • 窪田郵便局
    • 口田沢郵便局
    • 米沢松が岬郵便局
    • 米沢舘山郵便局
    • 米沢駅前郵便局
    • 米沢通町郵便局
    • 米沢花沢郵便局
    • 米沢御廟郵便局
    • 米沢城西郵便局
    • 米沢丸の内郵便局
    • 関簡易郵便局

姉妹都市・提携都市

国内

参考: 姉妹都市の位置(米沢市サイト内)

海外

学校

米沢藩藩校として1697年に設置された興譲館は、現在の山形県立米沢興譲館高等学校として伝統を受け継いでいる。上杉家歴代の中でも家祖謙信と中興の祖鷹山は特に顕彰され、全小学校の講堂(体育館)には参考画像と同じ肖像画を掲げ、教育が行われる。また、山形大学の工学部は、1910年(明治43年)設立の米沢高等工業学校を前身とする。

上杉謙信、鷹山の肖像画(米沢市文化センター)
大学・短期大学
高等学校

※令和7年度、米沢工業高校と米沢商業高校を統合し、米沢産業高校(仮称)を開校

中学校

(全て米沢市立、7校)※現計画では令和11年度までに3校となる

小学校

(全て米沢市立、16校)※現計画では最終的に8校になる予定

※現在廃校となっている学校は山形県小学校の廃校一覧山形県中学校の廃校一覧を参照

交通

鉄道

中心となる駅:米沢駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)

バス

道路

高速道路
  • E13 東北中央自動車道
一般国道
都道府県道

空港

観光

観光客誘致に力を入れており、米沢出身または縁がある著名人に「おしょうしな観光大使」を委嘱している(「おしょうしな」は「ありがとう」を意味する米沢方言[10]

祭事

名所・観光地・遺跡・史跡

旧米沢高等工業学校本館
山形大学工学部
吾妻山腹の「白馬の騎士」(天元台スキー場)2010年5月

参照:城下町ふらり歴史探訪

土産・名産品

  • 米沢牛
  • 笹野一刀彫(おたかぽっぽ等)
  • うまいたれ(平山孫兵衛商店)
  • カクリキ味噌(株式会社花角味噌醸造)
  • 米沢紬
  • 日本酒:雅山流(新藤酒造店)、東光(小嶋総本店)

悪臭問題

2008年(平成20年)12月、市南部の南原地区内の堆肥製造事業所と養豚事業所が原因とされる悪臭が市街地まで達し、多くの苦情が発生した。このため、米沢市議会に特別委員会が設置された。2014年(平成26年)3月時点で苦情はほぼない状態となっており、特別委員会では「解決まであと一歩」と報告されている。しかし、隣接する住宅への悪臭はいまだ解決されていないため、現在は堆肥製造事業所の業態転換と養豚事業所の移転実現へ向けた市と県の支援と指導が続いている。

著名な出身者

政治・軍事
その他

脚注

  1. ^ 気象庁(米沢の観測史上1 - 10位の値)
  2. ^ a b 市章の制定”. 米沢市例規集. 2013年8月8日閲覧。
  3. ^ 下川耿史 『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p333 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
  4. ^ Ⅲ人口の概要 - 米沢市
  5. ^ 歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第1巻、歴代知事編纂会、1983年。『朝日新聞』。
  6. ^ 米沢市”. 都市の紋章:一名・自治体の徽章. 2013年8月8日閲覧。
  7. ^ 【産地からの手紙 旬菜物語】雪菜(山形県米沢市)「幻の味」育む銀世界『日本農業新聞』2021年2月27日8-9面
  8. ^ a b 米沢の味ABC(2021年2月28日閲覧)
  9. ^ しかし日本三大和牛自体に明確な定義はなく、特に関西地方では代わりに近江牛を入れることがある。
  10. ^ おしょうしな観光大使 米沢市役所産業部観光課(2021年2月28日閲覧)
  11. ^ 米沢八湯リストアップ
  12. ^ やまがた!発旅の見聞録 #0951(2011年10月4日閲覧)

参考文献

  • 近藤春夫『都市の紋章 : 一名・自治体の徽章』行水社、1915年。 NDLJP:955061

関連項目

外部リンク

行政
観光