らしんばん座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Kovayashi (会話 | 投稿記録) による 2022年12月1日 (木) 06:38個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

らしんばん座
Pyxis
Pyxis
属格 Pyxidis
略符 Pyx
発音 英語発音: [ˈpɪksɨs]、属格:/ˈpɪksɨdɨs/
象徴 the compass box
概略位置:赤経 9
概略位置:赤緯 −30
広さ 221平方度[1]65位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
10
3.0等より明るい恒星数 0
最輝星 α Pyx(3.68
メシエ天体 0
隣接する星座 うみへび座
とも座
ほ座
ポンプ座
テンプレートを表示

らしんばん座(らしんばんざ、羅針盤座、Pyxis)は、南天の星座の1つ。日本からは地平線より少し高めに見え、北日本でもぎりぎり南中時に見られる。

主な天体

恒星

  • α星:らしんばん座で最も明るい恒星。

由来と歴史

らしんばん座は、1756年にニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって新たに設定された。

らしんばん座が設定された領域の近くにはギリシア神話に登場するアルゴー船をかたどったアルゴ座が存在したが、ラカーユはアルゴ座の領域を改めて定める[注 1]とともに、ヨハン・バイエルバイエル符号を付けていなかった領域にらしんばん座を定め、新たに符号を設定した[2]

らしんばん座は、1844年ジョン・ハーシェルによってマストを意味する Malus と改名することが提案され、1845年フランシス・ベイリーが刊行した British Association Catalogue で採用されたが、これは定着しなかった[2]

ヨハン・ボーデは同じ領域に「測程儀[注 2]」を意味する Lochium Funis (測定索) という星座を設定したが、こちらも広まらなかった[2]

1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にその1つとして選定された[3]。なお、アルゴ座はあまりに巨大すぎたため、この際にりゅうこつ座とも座ほ座の3つに分割されている[2]

脚注

注釈

  1. ^ ラカーユはアルゴ座の領域内に現在のりゅうこつ座ほ座とも座の元となる名前を付けたが、アルゴ座を分割した訳ではないので注意。
  2. ^ 測程儀は船の速度を測る機器。結び目(ノット)の付いた縄を海に落とし、船の速度を測った。

出典

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ a b c d Ridpath, Ian. “Star Tales - Pyxis”. Star Tales. 2014年1月29日閲覧。
  3. ^ Ridpath, Ian. “The IAU list of the 88 constellations and their abbreviations”. Star Tales. 2022年12月1日閲覧。