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開港時には年間旅客数は最大でも300万人と予想されていたが、近年は国内国際合計で約330万人の利用者となっており、[[2006年]](平成18年)にはターミナルの旅客処理能力を500万人程度まで高める事業の一環として、[[搭乗橋]]が新たに追加増設された。なお、国内線旅客は、[[東京国際空港]]便(羽田便)利用者が80%以上を占めている。<ref>広島県地域振興部統計管理室「広島の統計」 [http://db1.pref.hiroshima.jp/data/tone/50/tone-m17.xls 統計年鑑 116広島空港輸送実績] (MS-Excel)</ref>路線別で国内5番目の旅客数となっている<ref>国土交通省航空輸送統計調査 [http://toukei.mlit.go.jp/koukuu/17gaikyou.pdf 「平成17年度航空輸送実績について(概況)」](PDF){{リンク切れ|date=2011年4月}}</ref>。
開港時には年間旅客数は最大でも300万人と予想されていたが、近年は国内国際合計で約330万人の利用者となっており、[[2006年]](平成18年)にはターミナルの旅客処理能力を500万人程度まで高める事業の一環として、[[搭乗橋]]が新たに追加増設された。なお、国内線旅客は、[[東京国際空港]]便(羽田便)利用者が80%以上を占めている。<ref>広島県地域振興部統計管理室「広島の統計」 [http://db1.pref.hiroshima.jp/data/tone/50/tone-m17.xls 統計年鑑 116広島空港輸送実績] (MS-Excel)</ref>路線別で国内5番目の旅客数となっている<ref>国土交通省航空輸送統計調査 [http://toukei.mlit.go.jp/koukuu/17gaikyou.pdf 「平成17年度航空輸送実績について(概況)」](PDF){{リンク切れ|date=2011年4月}}</ref>。


位置的には、中国・四国地方のほぼ中央に位置しているが、山の中につくられた空港であり、各地からのアクセスは貧弱である。[[山口県]]からは利便性の高い[[福岡空港]]を利用する客が多く、[[岡山県]]においても羽田便に限って言えば[[岡山空港]]や関西の空港を利用する事が多いため、広島県内の利用者がほとんどで、他県の利用者は少ない。
位置的には、中国・四国地方のほぼ中央に位置しているが、山の中につくられた空港であり、各地からのアクセスは貧弱である。[[山口県]]は利便性の高い[[福岡空港]]を利用する客が多く、[[岡山県]]においても羽田便に限って言えば[[岡山空港]]や関西の空港を利用する事が多いため、広島県内の利用者がほとんどで、他県の利用者は少ない。


また、新幹線のぞみの誕生・[[新幹線500系電車|500系]]・[[新幹線700系電車|700系]]・[[新幹線N700系電車|N700系]]の導入後、広島駅 - [[東京駅]]間では航空機と新幹線は現在時間距離ではほぼ同等となっており、また、2003年(平成15年)10月の[[品川駅]]の開業もあって、利用シェアの航空機対新幹線は62%対38%(2002年)を航空機ピークとして、55%対45%(2005年)、51%対49%(2007年)、と近年急速に新幹線に回帰され、2008年(平成20年)には新幹線が50%シェアにまで回復した。この後、2009年8月29日にエクスプレス予約の[[EX-ICサービス]]が山陽新幹線を含む東海道・山陽新幹線全線でサービスが開始されたことなどもあり、新幹線のシェアはさらに拡大し2010年(平成22年)には、46%対54%と、新幹線が過半数を超えている。
また、新幹線のぞみの誕生・[[新幹線500系電車|500系]]・[[新幹線700系電車|700系]]・[[新幹線N700系電車|N700系]]の導入後、広島駅 - [[東京駅]]間では航空機と新幹線は現在時間距離ではほぼ同等となっており、また、2003年(平成15年)10月の[[品川駅]]の開業もあって、利用シェアの航空機対新幹線は62%対38%(2002年)を航空機ピークとして、55%対45%(2005年)、51%対49%(2007年)、と近年急速に新幹線に回帰され、2008年(平成20年)には新幹線が50%シェアにまで回復した。この後、2009年8月29日にエクスプレス予約の[[EX-ICサービス]]が山陽新幹線を含む東海道・山陽新幹線全線でサービスが開始されたことなどもあり、新幹線のシェアはさらに拡大し2010年(平成22年)には、46%対54%と、新幹線が過半数を超えている。


また、新幹線選択者が増えた理由の一つとして、アクセスの脆弱性もある。軌道系アクセスがないため、リムジンバスが主流となっているが、山陽道の渋滞/事故による遅延や運休も珍しくなく、2010年度は799便が運休となり、全本数の1%を上回った。
また、新幹線選択者が増えた理由の一つとして、アクセスの脆弱性もある。軌道系アクセスがないため、リムジンバスが主流となっているが、山陽道の渋滞/事故による遅延や運休も珍しくなく、2010年度は799便が運休となり、全本数の1%を上回った。

実際、広島空港の年間利用者数は2007年度~2010年度の4年連続で減少を続けている。その上、2012年度下期には、岩国基地の軍民共用化が実現し、岩国錦帯橋空港として開港する。
岩国錦帯橋空港と広島空港の中間点が広島駅付近であり、横川駅より下りの地区では、岩国錦帯橋空港の方が近い。アクセスの改善が急務である。<ref>西飛行場廃港受け入れ 空港アクセス改善急げ[http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201105280081.html](中国新聞)</ref>。


[[ファイル:広島空港02.jpg|thumb|200px|広島空港進入灯(2005年8月5日撮影)]]
[[ファイル:広島空港02.jpg|thumb|200px|広島空港進入灯(2005年8月5日撮影)]]

2012年2月8日 (水) 06:32時点における版

広島空港
Hiroshima Airport
IATA: HIJ - ICAO: RJOA
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 広島県三原市
種類 商業
運営者 国土交通大臣
標高 331 m (1,086 ft)
座標 北緯34度26分10秒 東経132度55分10秒 / 北緯34.43611度 東経132.91944度 / 34.43611; 132.91944座標: 北緯34度26分10秒 東経132度55分10秒 / 北緯34.43611度 東経132.91944度 / 34.43611; 132.91944
公式サイト 広島空港
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
10/28 IIIb 3,000×60 舗装
リスト
空港の一覧
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広島空港(ひろしまくうこう、Hiroshima Airport)は、広島県三原市本郷町善入寺字平岩64-31にある国管理空港である。広島県の県庁所在地で最大の都市である広島市と第2位の都市で中核市の福山市のほぼ中間に位置している。

空港内の施設として海上保安庁第六管区海上保安本部広島航空基地(ひろしまこうくうきち)、広島県防災航空センター(ひろしまけんぼうさいこうくうセンター)が所在している。

概要

現在の広島空港は1993年平成5年)10月29日開港。それと同時に旧広島空港は広島西飛行場へと名称変更した。開港当初の所在地は豊田郡本郷町だったが、2005年3月22日市町村合併三原市になった。

中国・四国地方の中では利用客数が最も多く、中国地方で2番目に多い岡山空港と比較しても2倍以上となっている(→中国地方#空港)。国内線旅客数は約300万人/年度、国際線旅客数は約30万人/年度[1]

開港時には年間旅客数は最大でも300万人と予想されていたが、近年は国内国際合計で約330万人の利用者となっており、2006年(平成18年)にはターミナルの旅客処理能力を500万人程度まで高める事業の一環として、搭乗橋が新たに追加増設された。なお、国内線旅客は、東京国際空港便(羽田便)利用者が80%以上を占めている。[2]路線別で国内5番目の旅客数となっている[3]

位置的には、中国・四国地方のほぼ中央に位置しているが、山の中につくられた空港であり、各地からのアクセスは貧弱である。山口県では利便性の高い福岡空港を利用する客が多く、岡山県においても羽田便に限って言えば岡山空港や関西の空港を利用する事が多いため、広島県内の利用者がほとんどで、他県の利用者は少ない。

また、新幹線のぞみの誕生・500系700系N700系の導入後、広島駅 - 東京駅間では航空機と新幹線は現在時間距離ではほぼ同等となっており、また、2003年(平成15年)10月の品川駅の開業もあって、利用シェアの航空機対新幹線は62%対38%(2002年)を航空機ピークとして、55%対45%(2005年)、51%対49%(2007年)、と近年急速に新幹線に回帰され、2008年(平成20年)には新幹線が50%シェアにまで回復した。この後、2009年8月29日にエクスプレス予約のEX-ICサービスが山陽新幹線を含む東海道・山陽新幹線全線でサービスが開始されたことなどもあり、新幹線のシェアはさらに拡大し2010年(平成22年)には、46%対54%と、新幹線が過半数を超えている。

また、新幹線選択者が増えた理由の一つとして、アクセスの脆弱性もある。軌道系アクセスがないため、リムジンバスが主流となっているが、山陽道の渋滞/事故による遅延や運休も珍しくなく、2010年度は799便が運休となり、全本数の1%を上回った。

実際、広島空港の年間利用者数は2007年度~2010年度の4年連続で減少を続けている。その上、2012年度下期には、岩国基地の軍民共用化が実現し、岩国錦帯橋空港として開港する。 岩国錦帯橋空港と広島空港の中間点が広島駅付近であり、横川駅より下りの地区では、岩国錦帯橋空港の方が近い。アクセスの改善が急務である。[4]

広島空港進入灯(2005年8月5日撮影)

標高が高いために気象条件(主に)の制約を受けやすく、平地にある空港に比べて欠航が多く年間75便が欠航していた[5]。欠航便や目的地変更便を解消するため、2008年(平成20年)6月5日より視界が悪い場合でも滑走路への誘導を可能にするILSを高いCAT IIIaの運用を開始し、年間2便まで欠航便が減少した[5]。また、1年後の2009年(平成21年)6月4日にはもっとも精度が高いCAT IIIbの運用を開始した[5]。 広島空港のILSCAT IIIbは滑走路西側からの進入に対して設置されているので、羽田空港など東側から飛来する便は快晴時など条件が良い時を除いて、直接進入できる東側からRW28へ着陸するルートよりも広島空港上空をオーバーパスし東広島市上空で180度旋回の後RW10に西側から着陸進入するルートが優先的に使用されている。このルートは大回りになるため悪天候時と快晴時では到着時刻に10分以上差が出ることが良くある。

ANAの国内線においてB777-200(1995年12月23日・3便目[6])・B777-300(1998年7月10日・初便)・B787-8(2011年11月1日・3便目[7]と3度の初就航、あるいは初就航日の就航地となっている。

歴史

沿革

旧広島空港(広島西飛行場)

かつて広島空港は広島市西区にあり、現在は広島西飛行場として供用されている。

旧広島空港から現在地に移転した理由には、地形的に旧空港の拡張が困難な事が挙げられる。旧空港(= 現在の広島西飛行場)は瀬戸内海に面し、天満川と太田川放水路に挟まれた場所に位置している。よって拡張のための用地確保が難しく、現状では誘導路の設置も難しい。さらに、新たに瀬戸内海を埋立てて用地を確保するのも費用がかかりすぎるという問題があった。 航空機の運航については、繁忙期であっても発着数を増やすことが困難であったことに加え、滑走路長の関係からボーイング747型機等の大型機が発着できない[8]ことから需要に対して供給が追いつかない状態にあった。また、広島平野の周辺が島や山で囲まれた盆地に位置しており、着陸時に市街地上空を旋回する必要があるなど空港へのアプローチが困難な面もあった。実際に、1992年(平成4年)には着陸しようとしていたセスナ機が着陸進入中に江田島の山中に操縦ミスで墜落する航空事故も発生している。

施設

空港ターミナルビル

空港ターミナルビル(2005年8月15日撮影)
  • 1階
    • 案内所
    • 到着ロビー
    • 手荷物受取所
    • 入国審査場
    • 各レンタカーカウンター
    • バス・タクシー乗り場
  • 2階
    • 出発ロビー
    • 国際線出発ロビー
    • 手荷物預かり所
    • 出国審査場
    • 広島空港郵便局
    • 土産物屋
  • 3階
    • 見学・送迎デッキ
    • レストラン

空港に拠点がある機関

海上保安庁第六管区海上保安本部広島航空基地
所属機:ビーチクラフト「あきたか」、他
広島県防災航空センター
所属機:防災ヘリコプター「メイプル」

周辺施設

就航路線

航空会社名が2社以上の場合、最前の航空会社の機材・乗務員で運航する共同運航便

国内線

かつての定期就航路線

就航路線別旅客数/順位
行き先 旅客数 国内線順位
東京国際空港 約203万人 上位6位

国土交通省 平成21年度航空運輸統計速報

国際線

夜間の国際線エプロン(2008年6月8日撮影)

運休・廃止した路線・航空会社

アクセス

広島市街まで約55 km(約60分)。近くに山陽本線白市駅があるが空港への軌道アクセス路線はないため、全てのアクセスは道路を経由したものとなっている。

リムジンバス

自家用車

自家用車でアクセスする場合、高速利用では広島駅から約50kmで、広島高速1号線(6.5km。広島東ICと直結)および山陽自動車道(広島東IC - 河内IC:32.5km)。一般道を利用すると、広島駅から国道2号経由で約53km、1時間半以上かかる。 なお空港の駐車場は有料であり、無料としている岡山空港と対照的である。かつては空港出口から左手に無料駐車場があったが、現在は閉鎖されており使用できない。民間の駐車場は1箇所のみ存在し割安な料金設定ではあるが、空港から距離があるため無料シャトルバスの利用が必要である。ターミナルの目の前の駐車場は空きスペースが見つけにくく、停めた場所から屋根もない場所を歩く距離があり雨天時は特に不評なのに対し、民間駐車場は自家用車を停めた場所からターミナル入り口までの無料シャトルバスが好評である。

アクセスに関する動き

リムジンバス

福山駅 - 広島空港間には、18往復のリムジンバスが運行されているが、2006年平成18年)9月28日より福山駅~岡山空港間(約70km)においても、8往復のリムジンバス(ももっちライナー、2008年1月31日廃止)が運行されることが発表になると、福山駅~広島空港間では8月1日より運賃値下げを行った。

道路

エラー: {{予定}}は廃止されましたので使用しないでください。

現在、広島駅新幹線口から広島空港までを全区間高速道路で結ぶ計画が進められており、今後は広島高速5号線の開通を残すのみとなっている。この区間の供用開始によって、所要時間は38分に短縮される見込み。

また、『広島中央フライトロード』の一部供用が開始されている。計画では河内インターチェンジから空港を経由して中国横断自動車道尾道松江線に接続する全長約30Kmの地域高規格道路を建設する予定。現在は三原市本郷町と同市大和町の約10Km区間が暫定開通しており、残りの区間は調査区間に指定されている。

鉄道

かつて、空港と広島市内を結ぶ空港連絡鉄道の構想がいくつか存在した。当初はHSST方式も構想にあがったが断念し、JR山陽本線白市駅から分岐する新線を敷設する在来線方式の構想になった。広島県は東京便と完全に競合する山陽新幹線を運行するJR西日本の資金負担を当て込んだが、ダイヤが錯綜していること、急勾配が連続し技術的に建設が無理なこと、採算性がないことなどから実現しなかった。その後JRと接続しない単独路線の建設や、運行車両を広島県が保有しJRにリースすることを計画したが、採算性がないとして2006年(平成18年)9月に計画の凍結が発表された。

他にも新幹線新駅設置やロープウェイ建設などの構想もあった(→空港連絡鉄道#広島空港参照)。

脚注

  1. ^ 平成17年は、入国148,661人(うち日本人115,934人)、出国者146,418人(うち日本人117,608人)。法務省:出入国管理統計統計表 出入(帰)国者数
  2. ^ 広島県地域振興部統計管理室「広島の統計」 統計年鑑 116広島空港輸送実績 (MS-Excel)
  3. ^ 国土交通省航空輸送統計調査 「平成17年度航空輸送実績について(概況)」(PDF)[リンク切れ]
  4. ^ 西飛行場廃港受け入れ 空港アクセス改善急げ[1](中国新聞)
  5. ^ a b c 広島空港の着陸誘導で新施設(中国新聞)
  6. ^ 初就航地は伊丹空港(すなわち日本の第二種空港では、初めての就航地となった。)
  7. ^ 初就航地は岡山空港
  8. ^ 当時は、発着できるのはボーイング767型機が最大で双発機しか発着できなかった。ここで、エンジンが三基以上のワイドボディ旅客機(当時は、ボーイング747,L-1011,DC-10等が相当)は、滑走路長が最低でも2500mは必要であった。
  9. ^ エアーニッポンの機材・乗務員で運航する便あり

外部リンク