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ミュンヘン

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ミュンヘン

München
Skyline of ミュンヘン
ミュンヘンの公式ロゴ
市章
ミュンヘンの位置(ドイツ内)
ミュンヘン
ミュンヘン
北緯48度8分0秒 東経11度34分0秒 / 北緯48.13333度 東経11.56667度 / 48.13333; 11.56667
ドイツの旗 ドイツ
バイエルン州
行政管区 オーバーバイエルン行政管区
郡独立市
行政区域 25区
政府
 • 市長 クリスティアン・ウーデ (SPD)
 • 市議会会派 ドイツ社会民主党
同盟90/緑の党
ロザ・リステ・ミュンヘン
面積
 • 合計 310.43 km2
標高
519 m
人口
(2021年12月31日)[1]
 • 合計 1,487,708人
 • 密度 4,792人/km2
郵便番号
80331 – 81929(旧:8000)
市外局番 089
ナンバープレート M
市コード 09 1 62 000
ウェブサイト www.muenchen.de

ミュンヘン(標準ドイツ語München, バイエルン語Minga〔ミンガ〕、ミュンヘン方言:Münchn〔ミュンヒン〕は、ドイツ南部の都市で、バイエルン州州都である。ヨーロッパ有数の世界都市

ミュンヘンという名は僧院という意味で、ドイツ語で僧を表す「メンヒ」に由来する。漢字表記は「民顕」。"che" の部分の無声硬口蓋摩擦音 [ç] の音写を表すために、[hə]/[xə] の発音を示す「ヘ」ではなく、[çə] の発音を示す「ヒェ」を用い、「ミュンヒェン」とも表記される。また "" の発音は正確には「ミュ」ではなく、[mʏ] であり、[ʊ] の形に唇を開き、[ɪ] と発音した音に近い。

同じ上部ドイツ語に属するアレマン語では、Münche(ミュンヒェ/ミュンキェ)と表記される。

英語フランス語では Munich(英語:ミューニック[mjú:nik]/仏語:ミュニク[mynik])、イタリア語では Monacoモナコ公国との区別のために、「バイエルンの」という意味の語をつけてMonaco di Baviera, モナコ・ディ・バヴィエラ)と呼ばれる。

概要

市庁舎

面積は310 km², 人口は約135万人。名実共に、ベルリン特別市ハンブルク特別市に次ぐドイツ第3の都市で、特別市(一市単独で州を構成する)を除けば最大の人口である。

地方分権傾向の強いドイツ国内ではあるが、バイエルン州では、ミュンヘンとそれ以外の都市との規模の差が大きい。このため、ミュンヘンは州規模でもプライメイトシティ(一極集中型都市)となっている。

失業率は他都市と比べ相対的に低く、警察のモラルも高いためか、ドイツ国内でも1、2を争うほど治安が良い。各種インフラも整備されており、人事コンサルティングのマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング社による「世界で海外駐在員が最も住みやすい都市」サーベイで2006年は8位に選ばれている。

ザルツブルクインスブルック及びドイツとイタリアを結ぶ交通の要衝であり、ヴィッテルスバッハ家の宮廷都市として栄えた。ドイツのみならずヨーロッパ文化の中心地の一つである。

ミュンヘンの中心地マリーエン広場には1909年完成の新市庁舎がある。そこにはドイツ最大の仕掛け時計があり、11時と12時(夏季17時)にはほぼ人間の大きさの人形32体と鐘で結婚式を再現している。また、王宮(レジデンツ)に併設されているバイエルン州立歌劇場は、ウィーン国立歌劇場に次ぐドイツ語圏最高のオペラハウスと評価されている。

旧市庁舎近くには姉妹都市ヴェローナにちなみ、ヴェローナを舞台とする『ロミオとジュリエット』のジュリエット像がおかれており、これに花を供えると恋の願いがかなうと信じられている。

イタリア風の建物である聖ミヒャエル教会には、ノイシュヴァンシュタイン城を建てたルートヴィヒ2世の墓がある。

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンは、街の北部にある。その手前のシュヴァービンクは、若者たちで賑わう地区。飲食店も多い。

ヴェローナのほかに札幌市と姉妹都市協定を結んでいる。1972年に札幌で冬季オリンピック、ミュンヘンで夏季オリンピックが開催されたことと、ともに「ビールの街」でもある点が縁となった。サッポロビールはかつてビール造りの盛んな北緯43度線付近の都市として「ミュンヘン・札幌・ミルウォーキー」というキャッチコピーを使用していた。

歴史

バイエルン州立図書館
テアティーナー教会
1900年頃に描かれたミュンヘンの町並み

都市名の語源は「munichen」(「小僧」の意、修道僧を表す Munch の指小語)。市の紋章は黄色地にフードのある黒地の修道服を着て、聖書を手に持った小僧である。中世中期に修道院がおかれたのが市の起源である。歴史上では、1158年Villa Munchenという文献によって初めて言及されている。

1158年バイエルン大公ハインリヒ獅子公によってイザール川に橋がつくられ、関所と貨幣鋳造、市場の町として創建された。1255年にバイエルンは分国されるが、16世紀初頭からは再び統合されたバイエルンの首都として繁栄した。

1900年前後のミュンヘンは芸術の都市であり、ミュンヘン分離派青騎士などの芸術活動が見られた。ユーゲント・シュティールのもとになった雑誌『ユーゲント』もミュンヘンで刊行された。

一方ではナチズムの初期の拠点であり、アドルフ・ヒトラーらによるミュンヘン一揆・ミュンヘン行進やミュンヘン会談の場所ともなった。そのため第二次世界大戦では、連合国軍によって激しい空襲を受けた。1945年4月30日、ミュンヘンはアメリカ軍によって占領され、1948年までその統治下におかれる。

1972年に第20回夏季オリンピック(ミュンヘンオリンピック)が開催された。その開催期間中、ヨルダンテロリスト集団「黒い九月」による選手村襲撃事件(いわゆるミュンヘンオリンピック事件)が発生し、イスラエル選手団の選手およびコーチ合わせて11名が犠牲になった。スティーブン・スピルバーグ監督の映画『ミュンヘン』はこのミュンヘンオリンピック事件とその報復テロを題材にしている。

地勢

イングリッシュガーデン

ミュンヘンはアルプス山脈北縁から50km離れたオーバーバイエルンの高い平野に位置し海抜520mである。市内をイザール川ヴルム川(Würm)が流れる。ミュンヘンはアルピネフォアラント(Alpine Foreland)の北部に位置し、北側の砂質の高原地帯はアルプスによる褶曲の影響を受けていない非常に肥沃な燧石地帯が含まれ、南側はモレーンの丘の一部で覆われている。ミュンヘン周辺など、北側と南側の間には洗い落とされた融氷地帯が広がる。融氷地帯は薄いが、地下水は砂礫層を透過しあふれ出ておりミュンヘン北部のように沼に至っている。

気候

ミュンヘンは大陸性気候で、アルプス山脈の近さにより強さは加減されている。ミュンヘンの高度とアルプス北縁に近いことから、降水量は多いことを意味している。暴風雨などはしばしば、周辺に不意にやって来る。気温変化の幅は昼間と夜間または夏季と冬季ではとても大きくなる。アルプスからの局地風であるフェーンによって、気温が数時間急に上がることが冬にも見られる。12月から3月にかけて、ミュンヘンでは寒い冬になるが降雪量が多くなることはあまりない。1月が最寒月で平均気温は-1℃である。冬の間、最低数週間は雪に覆われる。夏のミュンヘンはほどほどに暖かく平均気温は23℃で、最暖月は7月である。夏は5月から9月まで続く。

ミュンヘンの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 17.2
(63)
21.1
(70)
23.3
(73.9)
26.6
(79.9)
30.0
(86)
33.8
(92.8)
36.1
(97)
35.0
(95)
30.0
(86)
26.1
(79)
18.8
(65.8)
20.5
(68.9)
36.1
(97)
平均最高気温 °C°F 1.1
(34)
3.5
(38.3)
8.4
(47.1)
13.3
(55.9)
18.0
(64.4)
21.4
(70.5)
23.8
(74.8)
22.9
(73.2)
19.4
(66.9)
13.6
(56.5)
6.5
(43.7)
2.3
(36.1)
12.81
(55.06)
日平均気温 °C°F −2.2
(28)
−0.4
(31.3)
3.4
(38.1)
7.6
(45.7)
12.2
(54)
15.4
(59.7)
17.3
(63.1)
16.6
(61.9)
13.4
(56.1)
8.2
(46.8)
2.8
(37)
−0.9
(30.4)
7.78
(46)
平均最低気温 °C°F −5.0
(23)
−3.7
(25.3)
0.4
(32.7)
2.9
(37.2)
7.1
(44.8)
10.4
(50.7)
12.0
(53.6)
11.7
(53.1)
8.8
(47.8)
4.5
(40.1)
0.2
(32.4)
−3.5
(25.7)
3.82
(38.88)
最低気温記録 °C°F −26.6
(−15.9)
−22.7
(−8.9)
−15.5
(4.1)
−6.1
(21)
−2.7
(27.1)
−2.7
(27.1)
3.8
(38.8)
3.8
(38.8)
0
(32)
−6.1
(21)
−14.4
(6.1)
−21.1
(−6)
−26.6
(−15.9)
降水量 mm (inch) 48.0
(1.89)
45.2
(1.78)
57.7
(2.272)
69.9
(2.752)
93.4
(3.677)
127.6
(5.024)
131.6
(5.181)
110.5
(4.35)
86.3
(3.398)
65.4
(2.575)
71.0
(2.795)
60.8
(2.394)
967.4
(38.087)
平均降雨日数 10.0 8.6 10.5 10.9 11.6 13.8 12.0 11.4 9.6 9.1 10.7 11.2 129.4
湿度 80 74 62 57 55 58 55 55 61 71 80 81 65.75
平均月間日照時間 61 84 128 157 199 209 237 213 173 129 69 49 1,708
出典1:World Meteorological Organisation[2]
出典2:Climate Munich – Bavaria”. accessdate引数が正しくありません。

人口統計

ミュンヘンの人口推移

2007年7月現在のミュンヘンの人口は134万人で、そのうち300,128人はドイツ国籍を有していない。トルコ人バルカン半島出身者のコミュニティが広く存在する。ミュンヘンで最も多い外国籍はトルコ人で43,309人、以下アルバニア人30,385人、クロアチア人24,866人、セルビア人24,439人、ギリシャ人22,486人、オーストリア人21,411人、イタリア人20,847人などで、全体の37%は他の欧州連合諸国の出身者で占められている。1700年には僅か24,000人でしかなかったミュンヘンの人口はその後の30年間で倍に増加した。1852年には10万人に達し、1852年には25万人になっている。1901年には再び倍の50万人にまで達した。ミュンヘンはドイツ第三の大都市となり、1933年には840,901人、1957年には100万人に達している。

ミュンヘンの人口の47.4%はどこの宗教のグループにも属しておらず、このグループは急増する人口階層を象徴している。ドイツの他地域と同様に、カトリック教会プロテスタント教会に属する人は徐々にゆっくりと減っている。ミュンヘンの人口のうち2009年12月31日現在、カトリック教会に37.8%、プロテスタント教会に13.8%、ユダヤ教には0.3%が属している[3]

政治

2008年の議会勢力

ミュンヘンの現在の市長はドイツ社会民主党(Sozialdemokratische Partei Deutschlands,SPD)のクリスティアン・ウーデ(Christian Ude)である。ミュンヘンでは第二次世界大戦以降SPD体制が崩れていないが、注目すべきは他のバイエルン州の地域ではキリスト教社会同盟(Christlich-Soziale Union in Bayern e.V.,CSU)が他の多くの州や連邦レベルの選挙結果では絶対的多数を占めている。現在、ミュンヘンではSPD、緑の党、ロサ・リステ(Rosa Liste,ゲイの権利政党)が連立を組んでいる。ミュンヘンはバイエルン州の州都としてドイツでも重要な政治的中心地であり、バイエルン州議会、連邦政府機関が立地し、欧州特許庁や連邦財務裁判所(Bundesfinanzhof)などの機関も立地する。

行政区

ミュンヘンの行政区

1992年から行われた行政改革によって、ミュンヘンは現在25の行政区(Stadtbezirke)に分けられている。


経済

BMW本社ビル
オクトーバーフェスト

大小多数のビール醸造所があり、世界最大のビールの収穫祭であるオクトーバーフェストには世界中から毎年600万人以上の観光客が訪れる。この祭りはドイツ移民が多いブラジル南部にあるサンタカタリーナ州ブルメナウや、東京都横浜市などでも行われている。

ビール醸造業とともに有名なのが、自動車産業である。市北部のオリンピアシュタディオン近辺には世界有数の自動車メーカー BMW の本社があり、メルセデス・ベンツシュトゥットガルトフォルクスワーゲンヴォルフスブルクとともに自動車王国ドイツを牽引している。さらに、重機械メーカーであるクラウス=マッファイの母体となったJ.A.マッファイとクラウスの2つの機関車メーカーもこの地で創業しており、同社と、同社から分社して成立した兵器メーカーのクラウス=マッファイ・ヴェクマンは現在も本社工場を市内に置いている。

ミュンヘンはドイツの都市の中でも強力な経済力を持つ都市で[4]失業率は5.6%と他の100万人を超えるベルリンハンブルクと言った大都市に比べ低くなっている[5]。また、ミュンヘンはドイツ南部の経済的な中心地で新社会経済市場“Neue Soziale Marktwirtschaft (INSM)” を先導し“WirtschaftsWoche”などのビジネス誌の2006年6月の比較調査で3度目の賞を受けている。雑誌“Capital”では2005年2月2002年から2011年にかけて成長が見込めるドイツの6都市中トップのランキングに入っていた。ミュンヘンは世界都市と見なされており、シーメンス(電機)、MAN AG(トラック・バス・産業用エンジンの製造、リンデグループ(ガス)、ローデ・シュワルツ(電機)などの大企業が本社機能を置いている。2007年現在、ドイツの50万人以上の大都市の中でミュンヘンでは一人当たり26,648ユーロの最高の消費力がある都市である[6]2006年のミュンヘンでのブルーワーカーの1時間当たりの平均賃金は18.62ユーロであった[7]フォーチュン・グローバル500の都市別ランキングで2009年現在、8位に位置している[8]

ミュンヘンは生物工学ソフトウェアサービス産業の中心地としての顔も持っている。MTUアエロエンジンズEADS、半導体のインフィニオン・テクノロジーズキマンダ[9] 、シーメンスグループのランプメーカーオスラム、世界最大の高品質映画機材(映画用カメラ)と映画用光源機材のメーカーアーノルド&リヒターが本社や中枢機能を置いている他、マイクロソフトマクドナルドが欧州本部を置いている。 ドイツ屈指の金融センターとして、ヒポ・フェラインス銀行(HypoVereinsbank)やバイエルン州立銀行が本拠地としている他、アリアンツ(保険)、ミュニック・リ(再保険)の本社がある。2011年9月、イギリスシンクタンクにより、世界第22位の金融センターと評価されており、ドイツではフランクフルト・アム・マインに次ぐ第2位である[10]

ミュンヘンは欧州でも出版、放送が盛んな都市であり[11]、ドイツ最大規模の新聞社である南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)やドイツ公共放送連盟(ARD)、Pro7-Sat1 Media AGなどの放送局、世界最大の出版社ランダムハウスなどがある。バイエルンフィルムスタジオが郊外のグリュンヴァルト(Grünwald)に置かれている。欧州では最大で著名な映画製作スタジオである[12]

文化

BMW Welt
バイエルン・ミュンヘンTSV1860ミュンヘンのホーム、アリアンツ・アレナ

音楽

ドイツを代表するオーケストラであるバイエルン放送交響楽団ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団は、この街を本拠地として活動している。前者は王宮(レジデンツ)内にあるヘラクレスザールで、後者はイザール川の辺りにあるガスタイク文化センターで、主に定期演奏会を行っている。またバイエルン州立歌劇場の管弦楽団(バイエルン州立管弦楽団)も、オペラ上演の傍ら、オペラハウスや他の2楽団の本拠地でしばしばコンサートを行っている。

スポーツ

1972年夏季オリンピックを開催。また、2018年冬季オリンピックへの立候補を表明しており、仮に開催が実現していたら、夏季・冬季両方のオリンピックを開催した初めての都市となっていた。なお姉妹都市の札幌市も2016年夏季オリンピックへ一旦は立候補し冬季・夏季両方開催を目指していたが、後に財政難を理由に断念した。両市はともにFIFAワールドカップも経験している。

ブンデスリーガに所属する2つのプロサッカークラブ、1860ミュンヘンバイエルン・ミュンヘンが本拠地を構える。両チームとも、1972年夏季オリンピックの主会場だったオリンピアシュタディオン2004年2005年シーズンまでホームスタジアムとしてきたが、2006 FIFAワールドカップドイツ大会の開会式会場として、サッカー専用スタジアムアリアンツ・アレナが建設されたのに伴い、2005年・2006年シーズンより同スタジアムを新たなホームスタジアムとして使用している。

姉妹都市

ミュンヘン出身の人物

交通

ミュンヘンエアポートセンター
ミュンヘンの鉄道網

ミュンヘン国際空港

ミュンヘン国際空港(MUC)はドイツではフランクフルト国際空港に次いで2番目に旅客数が多い空港で、年間3400万人が利用している。リーム空港(1939年1992年)の代替として1992年に開港し、現在ではフランクフルト国際空港に次ぐルフトハンザ・ドイツ航空ハブ空港として機能している。ミュンヘン中心部から30km離れた北東部に位置し、SバーンのS8やS1により結ばれ、ミュンヘン中央駅からは40~45分ほどかかる。一時期、リニア方式トランスラピッドの整備によって400km/hで空港と中央駅を10分で結ぶ計画もあったがコスト高を理由に2008年3月に計画は中止された[13][14]

公共交通

ミュンヘン都市圏の人口は260万人で、郊外とは広範囲の公共交通網で結ばれている。ミュンヘン地下鉄(Munich U-Bahn)、ミュンヘンSバーン(Munich S-Bahn)、ミュンヘントラム(路面電車)、路線バスなどの公共交通機関を包括し一体化させるミュンヘン運輸交通連合(Münchner Verkehrs- und Tarifverbund)が組織されている。トラムは市内では最も古い公共交通機関で、1876年以来運行され続けている。路線バスも広範囲をカバーする代表的な交通機関である。

張り巡らされた地下鉄やトラムの路線網は中心部では歩行者を補完している。中央駅近くから始まり700mあるノイハウザー通りやカウフィンガー通り(Kaufinger Strasse)は東西にわたって中心部を横切り歩行者用の空間を作っている。同様にヴァイン通り(Weinstrasse)は北側に伸びておりホーフガルテン方向に続いている。核となる通りと多くの小さな通りがミュンヘン中心部には広がっている。中心部の歴史地区は歩行者専用ゾーンになっており、安全で快適に徒歩や自転車での散策が楽しめる。これらは交通政策によって特定の道路に車を通行させないようにしているためで、中心部では歩行者と自転車の安全性が保たれている。

ミュンヘンの主要駅にはターミナル駅であるミュンヘン中央駅が中心部にある他、ミュンヘン東駅ミュンヘン・パージング駅の二つの幹線鉄道の駅がある。この3つの駅はそれぞれ公共交通機関の結節点としても機能している。高速列車ICEはパージング駅と中央駅にのみ停車し、特急のインターシティユーロシティは東駅にも停車する。2006年5月28日以来、バイエルン州第二の都市ニュルンベルクとはニュルンベルク-インゴルシュタット-ミュンヘン高速線によって最高速度300km/hのICEによって結ばれている。

道路

ミュンヘン周辺部のアウトバーン網

ミュンヘンはドイツ南部におけるアウトバーン網の要衝で、西部のシュトゥットガルト、北部のニュルンベルクフランクフルト・アム・マインベルリン、東部のデッゲンドルフパッサウ、南東部のザルツブルクインスブルック、南部のガルミッシュ=パルテンキルヒェン、南西部のリンダウなど各地と結ばれる道路網の起終点であり、直接ドイツ各地やオーストリアイタリアなどと結ばれている。しかしながら、ミュンヘン周辺部ではしばしば激しい交通渋滞に見舞われており、ラッシュ時や長期の休暇シーズンなどに同じような箇所で発生している。市内の自転車道は良く整備されており、コール・ア・バイクが普及している。

風景

ミュンヘンのパノラマ

関連項目

脚注

  1. ^ Genesis Online-Datenbank des Bayerischen Landesamtes für Statistik Tabelle 12411-003r Fortschreibung des Bevölkerungsstandes: Gemeinden, Stichtag (Einwohnerzahlen auf Grundlage des Zensus 2011)
  2. ^ World Weather Information Service – Munich” (2011年6月). accessdate引数が正しくありません。
  3. ^ http://www.mstatistik-muenchen.de/themen/bevoelkerung/jahreszahlen/jahreszahlen_2009/p_jt100117.pdf
  4. ^ [1] Study conducted by INSM (New Social Market Economy Initiative) and WirtschaftsWoche magazine
  5. ^ [2] Bundesagentur für Arbeit (Federal agency for work)
  6. ^ [3] Germany, statistics, studies, consumers
  7. ^ Landeshauptstadt München, Direktorium, Statistisches Amt: Statistisches Jahrbuch 2007, page 206 (Statistical Yearbook of the City of Munich 2007)
  8. ^ [4] Fortune Global 500 annual ranking of the world's largest corporations
  9. ^ [5] Estimated Value of Qimonda.com Domain
  10. ^ The Global Financial Centres Index 10
  11. ^ Munich Literature House: About Us”. 2008年2月17日閲覧。
  12. ^ Bavaria Film GmbH”. 2008年2月17日閲覧。
  13. ^ “Germany to build maglev railway”. BBC News (BBC). (2007年9月25日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/business/7011932.stm 2008年4月7日閲覧。 
  14. ^ “Germany Scraps Transrapid Rail Plans”. Deutsche Welle. (2008年3月27日). http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,3219174,00.html 2008年3月27日閲覧。 

外部リンク

公式
日本政府
観光

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