IMAX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アイマックス』(: IMAX)は、カナダアイマックス社(アイマックス・コーポレーション)が開発した動画フィルムの規格及びその映写システムである。通常の映画で使用されるフィルムよりも大きなサイズの映像を記録・上映出来る。アイマックスフォーマットで撮影され上映される作品もあるが、通常の映画作品をアップコンバートし、アイマックス用の映画館(アイマックスシアター)で上映することもある。アイマックスシアターは常設館もあるが、イベントなどの特設会場で採用されていることも多い。

歴史[編集]

アイマックスシステムはカナダ人のグレーム・ファーガソン、ローマン・クロイター、ロバート・カー、ウィリアム・ショーによって開発された[1]

1967年モントリオール万国博覧会でクロイターもファーガソンもマルチスクリーン投影システムを使用したが、技術的に課題があったため、共同で「マルチスクリーン社」という会社を創業。結果として、紆余曲折の後ショーの開発したシングルスクリーンシステムに落ち着くことになった。その後大画面投影方式を導入するに至り、社名も「アイマックス社」と変更した。

1970年大阪で開催された日本万国博覧会において、富士グループパビリオンにて世界初のアイマックス方式による作品「虎の仔(Tiger Child)」が上映された[2]

世界最初の常設館が1971年、カナダ・トロントオンタリオ・プレイスに設置された(現在も営業中)[3]

1985年、世界初のアイマックス 3D作品「ザ・ユニバース[4]」が筑波研究学園都市で開催されたつくば科学万博 EXPO'85富士通パビリオンで上映された。

1991年には、これまでドキュメンタリー、教育映画のみであったアイマックス作品に加え、ローリング・ストーンズのライブ「Live at the Max」を上映。その後も娯楽作品を制作し続け、アカデミー短編アニメ賞を受賞した1999年の作品「老人と海アレクサンドル・ペトロフ監督)」が、アイマックス方式で公開された初のアニメーション映画となった。

映写システム[編集]

アイマックス15/70[編集]

アイマックスフィルムと他の規格との比較
アイマックスカメラ

アイマックスは70mmフィルムを水平方向に送ることで、1コマに使うフィルムの面積を通常の映画より広くし、高精細度の映像が得られるようにしたシステムである。フィルムの70mm幅を映像の垂直方向に使い、水平方向には15パーフォレーション分のフィルムを使う。

アイマックスシアターは、通常の映画館より大きく正方形に近いスクリーンを持ち、広い視野角により映画の中にいるような感覚を強めるために座席が急勾配に傾斜している。世界最大のアイマックスシアターは、縦29.42m×横35.73mのスクリーンを持つオーストラリアのLGアイマックス・シアター・シドニーである。

また、通常の映画をアイマックスフィルムに変換するアイマックスDMRが2002年から行われるようになり、近年上映されていた新作や旧作映画をアイマックススクリーンで上映することも行われている。

高価な70mmフィルムを大量に使用し、カメラのレンタル料も高額なので制作費が多くかかってしまう。また、撮影素子(フィルム面積)が非常に大きいため、フォーカスの合う範囲が非常に狭く、セッティング、撮影に時間がかかってしまう。

アイマックスドーム/オムニマックス[編集]

アイマックスHD (48 fps)[編集]

アイマックスDMR[編集]

アイマックス・デジタル・メディア・リマスターリングの略で、アイマックスフィルム以外で撮影された映画をアイマックスフォーマットにリマスターする技術である。

アイマックス・デジタル・シアター・システム[編集]

アイマックスデジタルシアター

アイマックス・デジタルは、2008年から行われているデジタル上映方式である。日本では2009年からアイマックスデジタルシアターが登場している。

映写機には、テキサス・インスツルメンツ社の2KDLPプロジェクターが採用されている。3D上映時には2台のプロジェクターを使用するため他の3Dシステムより明るいのが特徴である。

日本では109シネマズユナイテッド・シネマシネマサンシャインヒューマックスシネマが導入している。

アイマックスシアター[編集]

北米を中心に、世界に450館以上のアイマックスシアターがある。

2008年以降ハリウッド映画のアイマックスシアターでの上映が増加している。日本でも博物館や科学館でない常設の映画館として、2009年6月19日に109シネマズの3館でアイマックスデジタル・シアターが開設された。2010年11月19日には、ユナイテッドシネマにも開設された。

日本のアイマックスシアター[編集]

施設 場所 設備
白神山地ビジターセンター 青森県弘前市 IMAX 2D 15m×20m
所沢航空発祥記念館 埼玉県所沢市 IMAX 2D 15m×20m
さいたま市宇宙劇場 埼玉県さいたま市 IMAX DOME ドーム径23m
浜岡原子力館 静岡県御前崎市 IMAX DOME ドーム径18m
穂高アイマックスシアター 長野県安曇野市 IMAX 2D 20m×28m
名古屋港水族館 愛知県名古屋市 IMAX 2D 17m×22m
大阪市立科学館 大阪府大阪市 IMAX DOME ドーム径26.5m
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド 大阪府大阪市 IMAX DOME ドーム径24m(特殊形状)
スペースワールド 福岡県北九州市 IMAX 2D 21m×28m
鹿児島市立科学館 鹿児島県鹿児島市 IMAX DOME ドーム径23m

アイマックスデジタルシアター[編集]

109シネマズ川崎
施設 場所 開館日 備考
ユナイテッドシネマ札幌 北海道札幌市中央区 2010年11月19日
シネマサンシャイン土浦 茨城県土浦市 2012年12月14日
109シネマズ菖蒲 埼玉県久喜市 2009年6月19日
ユナイテッドシネマ浦和 埼玉県さいたま市浦和区 2010年11月19日
成田HUMAXシネマズ 千葉県成田市 2012年5月25日 14m×24.5m
109シネマズグランベリーモール 東京都町田市 2010年11月19日
ユナイテッドシネマとしまえん 東京都練馬区 2011年5月20日
109シネマズ木場 東京都江東区 2011年7月15日
109シネマズ湘南 神奈川県藤沢市 2011年11月11日
109シネマズ川崎 神奈川県川崎市幸区 2009年6月19日
ユナイテッドシネマ豊橋18 愛知県豊橋市 2014年6月13日
109シネマズ名古屋 愛知県名古屋市中村区 2009年12月23日
109シネマズ箕面 大阪府箕面市 2009年6月19日
ユナイテッドシネマ岸和田 大阪府岸和田市 2010年12月17日
シネマサンシャイン大和郡山
イオンモール大和郡山内)
奈良県大和郡山市 2011年7月1日
シネマサンシャイン衣山 愛媛県松山市 2012年12月1日
ユナイテッドシネマキャナルシティ13 福岡県福岡市博多区 2010年11月19日

過去に日本で営業していたアイマックスシアター[編集]

施設 設備 期間 備考
宇宙博 宇宙博ホール 23m×30m 1期:1978年
2期:1979年
『人は大空へ』を上映
科学万博 富士通ドームシアター アナグリフ式3D 1985年 『ザ・ユニバース』を上映
岡崎葵博 N/A 1987年
大阪ビジネスパーク 富士通ドームシアター N/A 1986~1988年 ザ・ユニバースと他の作品を上映
花の万博 富士通ドームシアター N/A 1990年 カラー全天周立体映像『ザ・ユニバース2』を上映
千葉県美浜区幕張新都心 富士通ドームシアター ドーム直径:24m
傾斜角:30度
座席数:304
1992年 花の万博で上映された偏光シャッター眼鏡を使用したカラー全天周立体映像『ザ・ユニバース2』と他の作品が上映された。
東映太秦映画村 映像実験館ドームシアター ドーム直径:14m
座席数:70
1992年
長崎県 ハウステンボス 天星館 ドーム直径:17.5m
座席数:194
N/A ドラマ『南くんの恋人』のロケでも使用された。
天王寺公園(マルチイメージシアター) N/A 1987年~1995年頃
高島屋東京IMAXシアター IMAX 3D 18m×25m 1996年~2002年2月1日 高島屋新宿店にて営業。
千葉県立現代産業科学館 N/A ~2004年 その後サイエンスドームとなった[1]
志摩スペイン村 カンブロン劇場 IMAX 2D ~2004年2月
メルシャン品川IMAXシアター
品川プリンスホテル内)
IMAX 3D 16m×22m 2002年4月25日~2007年3月31日[5]
メルシャン軽井沢IMAXシアター
軽井沢プリンスホテル内)
IMAX 3D 16.275m×21.3m ~2007年3月31日
西海パールシーリゾート IMAX Dome 2D ~2008年9月
サントリーミュージアム IMAX 3D 20.2m×27.6m ~2010年12月26日

脚注[編集]

  1. ^ The Birth of IMAX
  2. ^ IMAX'S Chronology of Techonological (sic) Events”. IEEE Canada, Institute of Electrical and Electronics Engineers. 2010年2月23日閲覧。
  3. ^ Corporate”. IMAX.com. 2010年7月3日閲覧。
  4. ^ : We are Born of Stars
  5. ^ メルシャン品川アイマックスシアター” (日本語). 港町キネマ通り (2005年8月). 2014年4月15日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]