バットマン ビギンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
バットマン ビギンズ
Batman Begins
監督 クリストファー・ノーラン
脚本 クリストファー・ノーラン
デヴィッド・S・ゴイヤー
製作 ラリー・J・フランコ
チャールズ・ローヴェン
エマ・トーマス
製作総指揮 ベンジャミン・メルニカー
マイケル・ウスラン
出演者 クリスチャン・ベール
マイケル・ケイン
リーアム・ニーソン
ケイティ・ホームズ
ゲイリー・オールドマン
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
ハンス・ジマー
撮影 ウォーリー・フィスター
編集 リー・スミス
製作会社 シンコピー・フィルムズ
レジェンダリー・ピクチャーズ
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2005年6月15日
日本の旗 2005年6月18日
上映時間 141分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $150,000,000[1]
興行収入 $372,710,015[1] 世界の旗
$205,343,774[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
14億円[2]日本の旗
次作 ダークナイト
テンプレートを表示

バットマン ビギンズ』(Batman Begins)は、2005年アメリカ映画。ボブ・ケインによるアメリカン・コミックスDCコミックのキャラクター『バットマン』を原作とした、クリストファー・ノーラン監督による本作から再スタートした再起動(リブート)[3]である新生バットマンシリーズ第1作目。

1989年から続く実写映画版としては第5作となる。コミックス版のシリーズ連作『バットマン: ダークナイト・リターンズ』から影響を受けたシリアスな作風である。

2005年6月15日、アメリカ公開。上映時間141分。ワーナー・ブラザーズ提供。


概要[編集]

過去のシリーズでは描かれなかった、青年ブルース・ウェインが、なぜ、どのようにしてバットマンとなったのか、がストーリーの中心となる。従来の映画版と比べると現代風および現実的な世界観である。 実写映画版シリーズ"エピソード1"のような雰囲気を持つ作品であるが、過去作との直接的な繋がりはなく、新たなバットマンシリーズの第一作となっている、いわゆる再起動(リブート)作。

バットマン役のクリスチャン・ベイルを始め、マイケル・ケインゲイリー・オールドマンリーアム・ニーソンモーガン・フリーマンルトガー・ハウアーキリアン・マーフィが豪華共演で脇を固めることで話題となった。

今回登場する代表的ヴィラン(敵役)はラーズ・アル・グールスケアクロウの二人。またラストシーンにおいて次作『ダークナイト』でのジョーカーの登場が暗示される。

第78回アカデミー賞撮影賞ノミネート。

主役のクリスチャン・ベールは今作の撮影の前は『マシニスト』の撮影で極端に痩せており、標準体重に戻すためアイスなどを食べまくったが、今度は太りすぎてしまいバットスーツが入らなくなったという逸話がある。その後ウエイトトレーニングを行い筋肉質な体形になった。

原作との関係[編集]

ストーリーはコミック『バットマン・イヤーワン』を基にしているが、完成した作品は印象的なシーンとプロットの流用に留まっている。また『バットマン:ダークナイト・リターンズ』の影響が色濃い作品であるが、ブルースのキャラクター像は旧来通り、父親トーマスへのコンプレックスを持つ性格となっている。さらに、ジム・ゴードン警部補を登場させ、他の実写映画版と異なりバットマンを「政府非公認のクライムファイター(=犯罪者退治専門のヒーロー)」として設定した。

ノーラン監督によると、『ビギンズ』の世界は「ヒーロー、ヒーローコミックが存在しない世界」であり、「それがバットマンの世界だ」と熱心に語っている。そのため、ブルースが両親と共に行ったのは『奇傑ゾロ』の映画ではなくオペラとなっている。『ビギンズ』の名の通り、ジョー・チルによりブルース・ウェイン(バットマン)の両親が殺害される場面なども作品中に登場する。これは、ティム・バートン監督の映画版での設定「ジョーカーによって両親が殺害される」とは違い、コミックスの設定に沿ったもので、ここにも回帰がうかがえる。現在の原作の設定と、厳密には異なる。

コミックスでは敵役が入院させられる精神病院アーカム・アサイラムも登場する。だが、この映画ではジョナサン・クレイン(スケアクロウ)の勤務病院となっており、設備も殆ど現実の病院に即している。

ストーリー[編集]

長引く不況による貧困、凶悪犯罪の横行、司法の腐敗に喘ぐ大都市ゴッサム・シティ。大企業ウェイン産業社長の御曹司ブルース・ウェインは、ある夜、観劇の帰り道に強盗によって両親を殺害されてしまう。十数年後、成長し、復讐を遂げようと決意した彼が目撃したのは、裁判を終えた犯人が別の人間によって殺される現場だった。黒幕であるマフィアのボス、カーマイン・ファルコーニの元へ向かったブルースは、汚職と腐敗の蔓延したこの街では正義や個人の力など何の意味も持たないことを示された上で一蹴され、自らの無力さを痛感する。

行き場を失った復讐心、両親の死への罪悪感、犯罪者の心理の探求、腐敗しきった街で犯罪と戦う方法……様々な葛藤を胸に秘めながら、世界中を巡る旅に出た彼は、放浪の果てにたどり着いたヒマラヤの奥地で、ヘンリー・デュカードと名乗る男と出会う。悪と戦う力を手に入れるには超然的な存在になる必要があると説く彼に導かれ、ブルースは謎の人物ラーズ・アル・グールと彼の率いる"影の同盟"という組織に接触する。

"影の同盟"の下で修行を積み、強靭な精神と意志を身につけ、戦闘技術に磨きをかけたブルースは、考えの相違から同盟と決裂すると、マフィアたちの巣窟となったゴッサム・シティへと舞い戻る。今や彼らと戦う術と強い覚悟を得たブルースは、幼き日に枯れ井戸の底でコウモリに恐怖した体験をもとに、自らが犯罪者たちを震え上がらせる恐怖のシンボルとなることを決意する。執事アルフレッドの献身、ウェイン社応用科学部ルーシャス・フォックスの技術的支援、街の唯一の良心ゴードン巡査部長との結束、そしてブルースとしても幼馴染であり思い人でもあるレイチェル・ドーズ検事の協力を受けながら、バットマンとしての闘いを開始する彼だったが、それはさらに過酷な現実の始まりでもあった。

装備[編集]

ウェイン産業応用科学部のルーシャス・フォックスに装備をブルースは一通り「借りる」。 アメリカ陸軍が買わなかった1着30万ドルの救命服、形状記憶繊維で出来た「生地」、複数のペーパーカンパニーも使い製造するカウル(頭部マスク)をブルース達が手を加えまとめ上げバットスーツにした。救命服の1層目は温度調整器、2層目は2重織りケブラーを腰・ふくらはぎ・腿・腕・背中に内蔵し、ほぼあらゆる環境下で着れて防刃効果(+ボディアーマー以下の防弾効果)が付く。黒のラテックスを救命服にコーティングして、体温を下げ暗視ゴーグルからの発見を避けるようにされた。前腕を守る刃物が付けられた金属製防具もブルースのアイデアで足された。「生地」は右手のグローブにある集積回路から流れる電流で形を変え、羽ばたかないに成る。カウルは初め1万個製造されたが不備が見つかり造り直され、右耳部分のマイクロフォンで一定距離から会話を盗み聞き出来るようにされた。カウルはスーツの肩と首に固定される。右踵には高周波トランスポンダーがあり、100匹以上の蝙蝠を呼び寄せる他に周波を低くして周囲の人間に頭痛を起こす事が出来る。蝙蝠の形をした手裏剣「バタラング(Batarang)」もグラップルガン等とユーティリティ・ベルトに装着。 戦場において河川に橋を架けて進路を確保する為造られたが実戦投入されずウェイン産業の地下倉庫奥深くに保管されていた特殊作戦用装甲車両(茶と黄土色を基調とした市街地迷彩塗装)「タンブラー」も黒く塗り直して「実戦投入」した。ジェットエンジンで時速120kmは軽く出しミサイルと小型爆弾、固定マシンガン2門を武装。タイヤを含め防弾処理を施してある。

キャスト[編集]

役名 - 俳優の順に記述する。

日本語吹替[編集]

劇場公開版
DVD・Blu-ray
2007年10月5日
日本テレビ
金曜ロードショー
2008年8月8日
フジテレビ
金曜プレステージ
ブルース/バットマン 檀臣幸 東地宏樹 高橋広樹
デュカード 佐々木勝彦 津嘉山正種 若本規夫
レイチェル 小島幸子 高橋理恵子 木下紗華
アルフレッド 小川真司 中村正 岩崎ひろし
ゴードン 納谷六朗 山路和弘 大塚芳忠
フォックス 池田勝 坂口芳貞 阪脩
クレイン/スケアクロウ 遊佐浩二 関俊彦 内田夕夜
ラーズ 大川透 緒方文興 てらそままさき
ファルコーニ 稲葉実 石田太郎 楠見尚己
アール 石田太郎 小川真司
フラス 遠藤純一 塩屋浩三 北川勝博
ローブ 石住昭彦 秋元羊介
フェイデン 牛山茂 梁田清之
フレデリックス 秋元羊介
フィンチ 松本大 井上倫宏
幼少期のブルース 村上想太 矢島晶子 中山依里子
幼少期のレイチェル 最上莉奈 菊地ゆうみ
トーマス 斉藤次郎 てらそままさき
マーサ 西宏子
チル 小形満 木村雅史
その他 佐々木敏伊井篤史

樫井笙人、木村雅史
大畑伸太郎伊丸岡篤
飯島肇小伏伸之
矢野裕子寺田はるひ

山像かおり藤本譲

阪口周平藤原美央子
幸田夏穂小柳洋子
武虎

根本泰彦小幡あけみ

大滝寛、石住昭彦
丸山詠二田村聖子
新垣樽助最上嗣生
永田昌康白石充
志村貴博佐藤健輔
樋浦茜子金子達

翻訳 杉田朋子 武満眞樹 松崎広幸
演出 岩浪美和 小山悟 清水洋史
調整 金谷和美 重光秀樹 田中和成
効果 リレーション サウンドボックス
制作 ワーナー・ホーム・ビデオ
東北新社
ケイエスエス 東北新社
  • ラーズ役の渡辺謙は洋画に出演する際、日本語吹き替えも兼任しているが、本作では自身の役の吹き替えを担当していない。
  • 日本テレビ版の吹き替えでは、ブルースがバットマンに変身している時の声にはエフェクトがかけられ、より低く禍々しい声になっている。それに対し、ソフト版の吹き替えにはエフェクトがかかっていなかったが、「ダークナイト」と「ダークナイト ライジング」ではエフェクトがかかるようになった。

登場人物[編集]

ブルース・ウェイン / バットマン
本作の主人公である男性。本作のバットマンは彼の事である。
金持ちの御曹司である少年である日にある劇を両親と共に見に行き、その劇を途中で両親と共に出ていき、帰る途中である人物に両親を目の前で殺害されてしまう。
やがて大人になり、ゴッサム・シティを変える力を手に入れるために、旅に出て、途中でヘンリ・デュカードと出会い、ヘンリー・デュカードの組織に入り色々な技術を身につける。途中で組織の犯罪者の殺害の命令に背き、組織から出て行く。ゴッサム・シティへの帰還後は色々な人の協力をえてついに、バットマンというもう一つの顔を持つようになった。
性格面においては根は善良な人物。
ヘンリー・デュカード
ブルースが旅の途中で出会った男。ある組織に所属している。
レイチェル・ドーズ
ブルースの幼馴染である少女。

スタッフ[編集]

ソフト化[編集]

日本ではワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントよりDVD、ブルーレイが発売。

DVD
  • 【期間限定出荷】バットマン ビギンズ 通常版(DVD1枚組、2005年10月28日発売)
  • 【期間限定出荷】バットマン ビギンズ 特別版(DVD2枚組、2005年10月28日発売)
  • バットマン ビギンズ (DVD1枚組、2006年7月9日発売)
  • バットマン ビギンズ スーパー・ハリウッド・プライス (廉価版、DVD1枚組、2006年12月8日発売)
  • バットマン ビギンズ WARNER BEST COLLECTION(廉価版、DVD1枚組、2008年7月9日発売)
  • 【初回生産限定スペシャル・パッケージ】バットマン ビギンズ(DVD1枚組、2013年12月18日発売)
ブルーレイ
  • バットマン ビギンズ ブルーレイ 通常版(BD1枚組、2008年7月23日発売)
  • バットマン ビギンズ ブルーレイ 廉価版(BD1枚組、2010年4月21日発売)
  • 【2,500個限定生産】バットマン ビギンズ ブルーレイ Limited Edition(BD1枚組、2008年7月23日発売)
  • 【初回生産限定スペシャル・パッケージ】バットマン ビギンズ(BD1枚組、2012年6月27日発売) - 『ダークナイトライジング』ティザー絵柄ポストカード封入
  • 【初回生産限定スペシャル・パッケージ】バットマン ビギンズ(BD1枚組、2013年12月18日発売)

サウンドトラック[編集]

  • サウンドトラック盤に収録された12の曲名は全てコウモリの学名から取られている。トラック4~9の曲名は「Barbastella」、「Artibeus」、「Tadarida」、「Macrotus」、「Antrozous」、「Nycteris」となっていて、頭文字を並べると「BATMAN」になる。

パチンコ[編集]

2008年1月にパチンコ遊技機としてパチンコ・パチスロメーカーの平和から、SS枠第5段「CRバットマン ビギンズH9AX」、「CRバットマンビギンズ9AW」が発表された。

その他[編集]

  • バットモービルを気に入ったクリスチャン・ベールは監督に「撮影が終わったらマシンを購入したい」と申し出たが「続編でも使う」との理由で断られた。
  • ブルース・ウェインの乗る車は「ランボルギーニ・ムルシエラゴ」で、「ムルシエラゴ」とはスペイン語で「コウモリ」である。
  • ノーラン監督は『007シリーズ』のファンと公言しており監督を熱望している。バットマンシリーズは特異な秘密兵器の数々などボンド作品に通じるものがあり、本作ではバットマンがバットモービルで警察の追跡から逃げるシーンで1カット、警備員に目の前で起きている事が信じられず手に持った飲み物を「酔ったのか?」とばかりに見つめる『私を愛したスパイ』~『ユア・アイズ・オンリー』などで見られたのとそっくりな仕草をさせている。次作品『ダークナイト』でもオマージュと思しきシーンがある。

脚注[編集]

  1. ^ a b c Batman Begins (2005)”. Box Office Mojo. 2009年11月6日閲覧。
  2. ^ 日経エンタテイメント! 2012年4月号 No.181
  3. ^ 証拠

外部リンク[編集]