デジタルシネマ

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デジタルシネマ(Digital cinema)とは、撮影にフィルムカメラではなくビデオ機材を使って制作される映画、もしくは上映および配給にフィルムを使わない映画。

目次

[編集] デジタルシネマ参加会社

[編集] 概要

近年の映画製作は、特殊効果や編集作業をデジタルで作業する事が当然の事となり、撮影した映像フィルムのスキャンによるデジタル化と、加工後フィルムに戻すキネコの作業が不可欠となっている。それならば、いっそ撮影と上映もデジタル化する事で両工程を省き、時間とコスト、その他アナログが抱えるあらゆる制約を払拭してしまおうと言うのがデジタルシネマの基本構想である。

2000年ではデジタルシネマの推進に最も意欲的だったのが、『スター・ウォーズ』シリーズで知られるジョージ・ルーカスである。彼は『クローンの攻撃』において長編映画では史上初めて完全デジタル撮影を行うと共に、当初は「本作はデジタル上映以外は許可しない」と発言していたが、後者についてはさすがにデジタル上映環境の普及が不十分な事から撤回された。

2006年からハリウッド映画を中心にDigital Cinema Initiatives (DCI)のコンプライアンスの仕様に統一されている。劇場デジタル投影では4Kプロジェクションとは水平方向の画素ハイディフィニションデジタルテレビ配信の約2倍の4000画素(実際の画素値で4Kとは正式には4096 x 2048までの24プログレッシブ・スキャンの12ビットの事を言う)になっており、日本での劇場も現在この仕様に基づいている。

[編集] 製作の歴史

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』や『リリイ・シュシュのすべて』、さらに『頭文字D』や『ハリー・ポッターシリーズ』などの映画はHDCAMHD24Pと呼ばれる高精細度ビデオカメラによって撮影され、編集に使われる機材もHDTV用の物が使用されている。また、『スパイ・ゾルゲ』、『ビートキッズ』、『男たちの大和/YAMATO』などはビデオテープすら使用せず、ハードディスクデータとして記録した。

デジタル機材で撮影されたシーンは現像の行程を経なくても、その場で確認出来る。近年の商業映画作品は殆どがコンピュータで何らかの画像処理をしており、従来はフィルムで撮影した画像をフィルムスキャナで一コマずつデジタルデータに変換していたが、その過程で画像データの劣化が避けられなかった。一方、デジタル機材で撮影されたデータはコンピュータでの加工に適している。

フィルムに比べCCDやCMOS撮像素子の量子効率が高い為、感度が上がる。ダイナミックレンジも大きい。画素密度の問題は解決されつつある。一方、受光素子が小さいため画角被写界深度が変わり、従来のPLマウントのレンズをそのまま使用することはできないが、流用するためのマウントアダプター等はすでに流通している。画素密度を上げれば一画素あたりの感度、ダイナミックレンジが下がる関係にある。

ハイビジョン(60i)(毎秒60コマ、インターレーススキャン)がかつて使われていたが、プルダウンの必要の無いHD24P(24P)(毎秒24コマ、プログレッシブスキャン)で撮影されることが多い。これは映画館に設置されている映写機としてフィルムプロジェクタが主流であるために高精細度ビデオ映像をキネコでフィルムに転写する必要があるからである。

現在ではDCIの規格により、パナビジョンジェネシスソニーF35ダルサ オリジンレッドワンアリフレックス D-20などの4K、或は2Kでの撮影に統一されている。

デジタル撮影により、撮影フィルムの現像・スキャンの手間とコストが省かれ、さらに即時に再生確認ができる利点がある。また、従来のフィルムによる撮影では無駄になるフィルムが多く、カメラの起動時にフィルムが安定した速度に達するまでのコマやフィルムマガジンを脱着するだけでも前後のフィルムが無駄になった。更に、カメラに装着できるフィルムの長さに制約があり、連続した長時間撮影が出来なかった。デジタル撮影機材の導入により、それらの問題が解決された。

[編集] 上映

キネコされてフィルムに転写されたデジタルシネマはほとんどの映画館で上映可能である。 しかし、キネコのためのコストとフィルムのハンドリングのコストの削減のため、ビデオ映像のまま(ビデオテープなど)での配給および上映が試みられており、一部の先進的な映画館にはDLP技術などを採用したビデオプロジェクタが導入されて、撮影から上映まで一切フィルムを使用しない映画興行が実現されている。そのような映画館は、映画の上映以外にもスポーツやコンサートの生中継の上映も行なっているところもある。

デジタル上映によって、上映用フィルムの原価やデュープ代、輸送費(デジタルならデータ回線による転送も可能である)や保管費などのコストが削減される上、フィルムの劣化や損傷も無く製作者の意図に限りなく近い状態の上映が可能である利点がある(ルーカスがデジタル上映に積極的なのもこの点が大きいと言われる)。ただし、製作者側の対応のみで済むデジタル撮影と違い、デジタル上映の普及には各映画館側の設備投資が必要であり、近年の厳しい経営状況を鑑みるにまだまだ普及には時間を要すると思われる。現時点ではフィルム式映写機がデジタルシネマの最後のボトルネックになっている。 一方で、DVDソフト化においてはデジタルデータから直接マスタリングする事でメリットを享受する事ができる。

投影装置は現在はDLP方式が使用されているが、従来のフィルムやDLP等、ランプによる白色光源を用いる投影装置から愛地球博で実演された色純度の優れたレーザーによる単色光を光源とする事により色再現域を広げたレーザープロジェクタの実用化に向けた開発も進められつつある。

[編集] 配給

さらにビデオテープの複製のためのコストを削減するため、ビデオ映像をデジタルファイルにしてネットワークを通して各映画館に届け、興行を実現するという試みが盛んに行なわれている。

[編集] デジタルシネマ関連項目

[編集] デジタルシネマに関連する会社の一覧

[編集] 外部リンク