潮騒 (小説)
1954年6月、古代ギリシアの散文作品『ダフニスとクロエ』に着想を得て、書き下ろし長編として発表された(初版は新潮社の軽装本)。新潮文庫で、改版を経て重刷されている。
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[編集] 概要
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
三重県鳥羽市に属する歌島(現在の神島の古名)が舞台とされ、若い無邪気な恋人同士の漁夫と乙女が、いくつもの障害や不運を乗り越え、成就するまでを描く。
[編集] 作品評価
『仮面の告白』・『金閣寺』など三島の他の作品の系統から外れており、三島の小説で同系統の作品が見つかりにくく、独立的要素が強い。話にも、難解・狷介な要素が見当たらず、素直に青春の恋愛物語を描いている。そのため三島作品のなかで、最も多くの「文学全集」に採られている作品でもあり、代表作の一つでありながら、評価には賛否分かれる所がある。
プロットについて三島は「ギリシアの小説『ダフニスとクロエ』を底本とした小説の執筆を考へ・・・ほとんど原作どほりのプロットを作った」[1]としている。
しかし全般的に評価そのものは高く、三島の作品では異例とも言える5回もの映画化がなされ、新たな映画化の検討もなされている。 更に、「まんが日本昔ばなし」でアニメ化もされている。
[編集] 三島由紀夫と神島
三島由紀夫は、水産庁に依頼し「都会の影響を少しも受けてゐず、風光明媚で、経済的にもやや富裕な漁村」を探してもらい、金華山沖の某島と神島を紹介された。そこで三島は万葉集の歌枕や古典文学の名どころに近い神島を選んだという。(『神島の思ひ出』による[2])
1953年の3月と8月に三島は神島を訪問しており、『潮騒』はその旅行直後の9月に執筆を開始したといわれている。また、記されている地形風土がよく似ており、クライマックスの舞台である監的硝や八代神社が存在する。
[編集] 映画
5度映画化された。
| 第1作 | 第2作 | 第3作 | 第4作 | 第5作 | |
| 公開年 | 1954年 | 1964年 | 1971年 | 1975年 | 1985年 |
| 制作会社 | 東宝 | 日活 | 東宝 | 東宝 | 東宝 |
| 監督 | 谷口千吉 | 森永健次郎 | 森谷司郎 | 西河克己 | 小谷承靖 |
| 脚本 | 谷口千吉・中村真一郎 | 棚田吾郎・須藤勝人 | 井手俊郎 | 須崎勝弥 | 剣持亘 |
| 制作 | 田中友幸 | 堀威夫・笹井英男 | 笹井英男 | ||
| 配役 | 俳優 | ||||
| 久保新治 | 久保明 | 浜田光夫 | 朝比奈逸人 | 三浦友和 | 鶴見辰吾 |
| 宮田初江 | 青山京子 | 吉永小百合 | 小野里みどり | 山口百恵 | 堀ちえみ |
| 宮田照吉 | 上田吉二郎 | 石山健二郎 | 石山健二郎 | 中村竹弥 | 丹波哲郎 |
| 久保とみ | 沢村貞子 | 清川虹子 | 小田切みき | 初井言榮 | 初井言榮 |
| 灯台長 | 加東大介 | 清水将夫 | 桑山正一 | 有島一郎 | 神山繁 |
| 灯台長の妻 | 三戸部スエ | 原恵子 | 斎藤美和 | 津島恵子 | 岩崎加根子 |
| 船長 | 三船敏郎 | 鴨田喜由 | 下川辰平 | 青木義朗 | 室田日出男 |
| 久保宏 | 高島稔 | - | 越智光弘 | 亀田秀紀 | - |
| 千代子 | 宮桂子 | 松尾嘉代 | 木内みどり | 中川三穂子 | 高橋ひとみ |
| 川本安夫 | 太刀川洋一 | 平田大三郎 | 佐々木勝彦 | 中島久之 | 五代高之 |
| 大山十吉 | 小杉義男 | 菅井一郎 | 藤田進 | 花沢徳衛 | 坂上二郎 |
| 林(浜田)竜二 | 石井伊吉 | 前野霜一郎 | 橋本広行 | 川口厚 | - |
| 宗太(宗やん) | 赤生昇 | - | 小川寿一 | - | - |
| 勝やん | 山崎優 | - | 中山次男 | - | - |
| お春婆 | 本間文子 | 高橋とよ | - | 丹下キヨ子 | 賀原夏子 |
[編集] その他のキャスト
- 1954年
- 1964年
- 1971年
- 行商人:三谷昇
- 1975年
- 1985年
- 海女1:江崎和代
[編集] 脚注
[編集] 参考文献
- 斎藤平"第9章 文学作品にあらわれる<方言> -「潮騒」の場合-"『伊勢志摩と近代文学』(半田美永編、和泉書院、1999年3月31日、299pp. ISBN 4-87088-968-4):211 - 232.
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