憂国

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憂国(ゆうこく)は、三島由紀夫短編小説である。二・二六事件の外伝的作品であり、1961年1月に『小説中央公論』に発表され、初版は短編集『スタア』(新潮社、1961年)で刊行。

1966年には、自身が監督主演・脚色・美術を務め映画化され、内外に大きな反響を起こした。

目次

[編集] 作品について


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


2・26事件に際して友人たちの所属する反乱軍を勅命によって討たざるをえない状況に立たされた武山中尉が、を選び・麗子と共に切腹する過程を描いた作品である。洗練された構成と、「大きな鉢に満々と湛(たた)えられた乳のよう」な肌の白さ(妻の肌の美しさを表す表現)、などの優れた描写により、短編ながら完成度の高い作品となっている。三島自身も「もし、忙しい人が、三島の小説の中から一編だけ、三島のよいところ悪いところすべてを凝縮したエキスのような小説を読みたいと求めたら、『憂国』の一編をよんでもらえばよい」と述べている。またこの作品の切腹の描写の凄惨さは、三島が実際の切腹を冷静に捉えており、そこに美を見いだしてはいないようにも思えるため、三島が切腹を評価してはいなかったのではないかとも推測される。

[編集] 映画

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

  • 製作:三島由紀夫
  • 製作並びにプロダクション・マネージャー:藤井浩明-市川雷蔵の仕事仲間でもあった。
  • 監督:三島由紀夫
  • 演出:堂本正樹-『回想 回転扉の三島由紀夫』(文春新書、2005年11月)がある。
  • 脚色:三島由紀夫
  • 原作:三島由紀夫
  • 撮影:渡辺公夫
  • 美術:三島由紀夫
  • メーキャップ・アーティスト:工藤貞夫

[編集] その他

  • 制作・配給:東宝/ATG
  • 写真集・撮影台本:『憂国 映画版』 新潮社、1966年4月-古書値は非常に高価
  • 作品集:『英霊の聲・憂国・十日の菊』 河出書房新社、1966年

[編集] 刊行文献(近年)

  • 『近代浪漫派文庫42.三島由紀夫』 新学社、2007年
  • 英霊の聲 オリジナル版』 河出文庫、2005年
  • 『花ざかりの森・憂国』 新潮文庫、改版1999年
  • 『決定版三島由紀夫全集 第20巻』 新潮社、2002年
  • 『決定版三島由紀夫全集 第24巻』 新潮社、2002年-撮影台本「憂国」

[編集] 現在

  • 2005年8月、それまで現存しないと言われた「憂国」のネガフィルムが、三島の自宅(現在は長男平岡威一郎邸)で発見され、話題を呼んだ。瑤子夫人は同作品を忌避し、三島の死の直後1971年に、上映用フィルムは焼却処分したが、共同製作者藤井浩明の要望により、密かにネガフィルムのみは保存していた。DVDが2006年4月に東宝で販売された。また同時期に、新潮社の『決定版三島由紀夫全集 別巻』にも、DVDと写真解説が所収された。
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