田中美代子

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田中 美代子(たなか みよこ、1936年10月18日 - 2023年12月21日[1] )は、日本文芸評論家。本名、木暮美代子。

埼玉県秩父市出身。早稲田大学文学部仏文科卒業[2]1965年、『文学者』に発表した「三島由紀夫小論」で注目される[3]

田中が郵送した『文学者』を読んだ三島は返信の書簡で、新潮文庫版『獣の戯れ』の解説執筆を要請し、以後も『午後の曳航』や『天人五衰』などの文庫解説を書き、講談社版『三島由紀夫短篇全集』全6巻の解説を担当。旧版『三島由紀夫全集』新潮社の編纂も務めた(『三島由紀夫研究』20号「三島由紀夫と田中美代子」参照)。生前の三島と直接会うことはなかった[4]

著書[編集]

  • 『ロマン主義者は悪党か』新潮社 1971
  • 『若き女たちの主題』PHP研究所 1975
  • 『さみしい霊魂 作家論ノート』エポナ出版 1979
  • 『天使の幾何学 田中美代子・評論集』出帆新社 1980
  • 『女こそは花の花』経済往来社 1992
  • 『小説の悪魔 鷗外茉莉』試論社 2005
  • 『三島由紀夫神の影法師』新潮社 2006
  • 編『鑑賞日本現代文学 第23巻 三島由紀夫』角川書店 1980

脚注[編集]

  1. ^ (南風)「大波小波 追悼 田中美代子」『東京新聞』、2024年3月28日、夕刊。
  2. ^ 『文藝年鑑』2016
  3. ^ 『現代日本人名録』(日外アソシエーツ、1987年)p.1225
  4. ^ 増田恵美子「東京ブックカフェ「没後50年 三島由紀夫を読む 文芸評論家・田中美代子さんに聞く」」『東京新聞』、2020年11月30日。