鰻重
鰻重(うなじゅう,うな重)とは、一般には木製の四角い箱に漆塗り等の塗りをかけた蓋の付いた食器である重箱の中に御飯を入れ鰻の蒲焼を載せ、上から蒲焼のタレをかけた日本料理の一つ、又は鰻料理を入れる食器の名称。いずれも鰻重箱(うなぎじゅうばこ)の略称である。近年では、ABS樹脂を用いて成形した上に化学塗料を塗った重箱を使用した鰻重も多い。
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[編集] 鰻重
用いる食器が丼であれば鰻丼、重箱なら鰻重と呼ぶ[1]。鰻重の場合、料亭では鰻と飯を別の食器に盛って供する店もある。また、鰻重とは鰻が重なった状態の鰻重ね(うながさね)を意味するとして、御飯と鰻の蒲焼をサンドイッチ状(=挟む)にし表面の鰻の下のご飯の下に更に蒲焼が入った合計二匹分の蒲焼が入ったものを鰻重と呼ぶ地域や店舗もある。
[編集] 食べ方
漢方薬で消化を助ける山椒の実を乾燥させた後に石臼等で挽いた山椒の粉を振りかけ香味を楽しみながら重箱の左隅から食べるのが一般的な作法である。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」の喩えの通り、舌先が痺れるほど大量に粉を振りかけるのは無作法とされる。一般に肝吸いと共に食べることが多い。
[編集] 松竹梅
大抵の鰻重は高い順に松・竹・梅等の序列でコースが分かれている。鰻重単体で比較した場合、鰻の個体差により若干の差が生じるが鰻の大きさによってランク付けする場合、半身か一匹かで分ける場合、ウナギが天然か養殖かでランク付けする場合、前記のような鰻重ねとして二匹分入っている場合、一匹の場合、前記鰻重ねで下層の蒲焼が一匹丸々入っている場合、器に入れる際に大きさを整えるために切り落とした切れ端も含めてひつまぶし同様に蒲焼を細かく刻んだものが敷かれている場合、など様々なランク付けがある。
[編集] 時間
鰻料理は注文を受けてから調理を始めることが多く、鰻重も同様であり急ぎの食事には適さない。時に注文を受けてから御飯を炊き始める鰻屋も有る。
[編集] その他
鱗のない魚は総じて皮が厚く、鰻も例外ではない(ナマズなどとは違いきわめて小さな鱗があるが皮膚に埋没している)。川や沼等に生息する天然産のウナギは養殖や輸入した物に比べて蒸した後に蒲焼にしても弾力があり、噛むほどに滋味を愉しめるほどの歯ごたえがある。その一方で一般に出回っている養殖ウナギのように箸先でほぐすことを期待しても切れないことがあり、直接蒲焼を口に運んで食いちぎらなければならないほどである。
香りが特徴的で鰻屋の店先まで漂うことから、「鰻屋の前で毎日香りをおかずに飯を食う男が居て、腹を立てた鰻屋が香りの嗅ぎ代を請求すると、銭をジャラジャラ鳴らして『嗅ぎ代だから音だけで十分だろう』とやり返した」という小咄がある。また、1914年に次期首相に指名されながら組閣に失敗して大命を拝辞した清浦奎吾は、組閣難航中に「鰻屋で待たされてるようなもので匂いはするが御膳はなかなか出て来ない」とぼやいたことがあり、この時のいきさつは「鰻香内閣」と呼ばれている(なお清浦は10年後の1924年に首相に就任、「御膳」にありついた)。
鰻重を好んで食べる有名人としては将棋棋士九段・元名人の加藤一二三が挙げられる。対局中の食事としてほぼ毎回鰻重をとり、別のものを注文するとそれが話題になるほどである。また、昼食に「鰻重(竹)」夕食に「鰻重(松)」を定跡としており、それぞれの代金2100円と3100円を左右のポケットに入れて準備しているという。
[編集] 脚注
- ^ うな重とうな丼、違いは名前と器だけ?(エキサイトニュース2007年7月22日。執筆: 田幸和歌子)