三越伊勢丹ホールディングス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
株式会社三越伊勢丹ホールディングス
Isetan Mitsukoshi Holdings Limited
種類 株式会社
市場情報
東証1部 3099 2008年4月1日上場
福証 3099 2009年10月15日上場
略称 三越伊勢丹HD、三越伊勢丹HDS
本社所在地 日本の旗 日本
160-0022
東京都新宿区新宿5-16-10 
設立 2008年(平成20年)4月1日
業種 小売業
事業内容 百貨店業等の事業を行う子会社及びグループ会社の経営計画・管理
代表者 代表取締役会長 石塚邦雄
代表取締役社長 大西洋
(2012年2月1日現在)
資本金 501億2百万円
(2012年3月31日現在)
発行済株式総数 394,751,494株
(2012年3月31日現在)
売上高 連結1兆2399億21百万円
(2012年3月期)
営業利益 連結238億34百万円
(2012年3月期)
純利益 連結588億91百万円
(2012年3月期)
純資産 連結4684億79百万円
(2012年3月31日現在)
総資産 連結1兆2279億47百万円
(2012年3月31日現在)
従業員数 連結14423人
(2010年12月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) 4.72%
日本トラスティ・サービス信託銀行(株)(信託口) 4.03%
(財)三越厚生事業団 3.46%
(2011年3月31日現在)
主要子会社 (株)三越伊勢丹 100%
外部リンク www.imhds.co.jp
テンプレートを表示
日本橋三越本店
伊勢丹新宿本店

株式会社三越伊勢丹ホールディングス(みつこしいせたんホールディングス)は、日本の百貨店の純粋持株会社。同社傘下として三越伊勢丹関東地方の店舗を運営)をはじめとする各地方の百貨店運営会社などを所有している。

日本国内にある政令指定都市のほぼすべてに出店しているほか、世界進出でも長い歴史を持ち、成功している。同社発足により売上高・規模で日本の百貨店業界首位となり、以降、現在までその座を手放していない。加えて、百貨店業界第5位につけながらも低迷している東京急行電鉄(傘下の東急百貨店)と業務提携し、経営支援している。

なお社名と英語表記とでは、三越伊勢丹との前後順序が逆になっている(同じ例は三井住友銀行などにもある)が、子会社名の中には「エムアイカード」など三越を先に表記するものがある。ロゴマークは英字表記順通り「i」と「m」の字を組み合わせたもの。

目次

概要 [編集]

景気低迷期であったはずの1990年代に、独自のMDで躍進した新興の伊勢丹が、日本最古の百貨店でありながら、資本増強に苦しんでいた三越を取り込む形で、経営統合。2008年4月1日株式移転により純粋持株会社として発足した。

登記上の本店は銀座三越所在地だが、実際の本社事務所は、伊勢丹新宿本店のひとつである「パークシティ イセタン2」(〒160-0022 東京都新宿区新宿5-16-10)内にある。

伊勢丹は長らく同族企業(創業家小菅家)であったが、改革を掲げた当時の世襲経営者がメインバンクとの関係を薄めたのを機に乗っ取り屋に狙われるなどした事件が起き[1]、1993年退任とともに完全に世襲を排した。新宿本店の「解放区」といった過激なMDが実を結ぶのはそのあとである[2]。三越(越後屋呉服店)は三井財閥の源流である名門企業であり[3]、両社はかなり異なった企業体質を持っていた。ただし、学閥が強いことで共通しており、それも同一の大学であった(慶應義塾大学)。

相互にメインバンクが異なる両社を統合したのはホールディングス代表取締役会長兼最高経営責任者の武藤信一であったが、統合後2年経たない2010年1月に急逝した。

その後、後継と目されていた実力者二橋千裕は、業務提携先の東急百貨店社長に転出し、事実上放逐された。会長の座には橋本幹雄が就いたが代表権は与えられない。武藤は実際には異なる人物を後継として指名したとされる。

沿革 [編集]

  • 2008年4月1日 - 共同株式移転により、株式会社三越伊勢丹ホールディングス設立(株式移転比率は、HD株:伊勢丹株=1:1、HD株:三越株=1:0.34)
  • 2009年5月29日 - 子会社として株式会社札幌丸井今井と株式会社函館丸井今井の2社を設立(6月29日に丸井今井から事業譲受し、8月1日事業開始)
  • 2009年10月 - 岩田屋との間で株式交換を実施し、岩田屋を完全子会社化。同時に福岡証券取引所に上場(岩田屋の上場廃止による代替措置)
  • 2010年1月6日 - 統合をなしとげた会長武藤信一が死亡。
  • 2010年1月10日 - 武藤信一が闘病していたこと、および死亡していたことは厳重に隠されていたが、この日に初めて公表した。同時に新経営体制発足。
  • 2010年4月1日 - 三越8店舗(札幌、仙台、新潟(「株式会社新潟三越伊勢丹」へ統合)、名古屋、広島、高松、松山、福岡)を地域店舗運営子会社8社に事業譲渡。
  • 2010年10月1日 - 岩田屋が福岡三越を吸収合併し、「株式会社岩田屋三越」が発足。
  • 2011年4月1日 - 関東地区の店舗運営会社を「株式会社三越伊勢丹」として統合。札幌丸井今井が札幌三越を吸収合併し、「株式会社札幌丸井三越」が発足。
  • 2011年5月4日 - JR大阪駅大阪ステーションシティノースゲートビルディング)に「JR大阪三越伊勢丹」(運営はジェイアール西日本伊勢丹)が開業。

組織体制 [編集]

  • 内部監査室
  • 経営戦略本部
    • 経営企画部 
    • 人事部
    • マーケット・開発部
  • 業務本部
    • 総務部
    • 業務推進部 
    • 財務経理部
  • 関連事業本部
    • 国内関連事業部
    • 海外事業部
  • 営業本部
    • 営業政策部
    • 店舗政策部
    • 宣伝部
    • MD戦略部
    • 地域店舗事業部
    • グループWEB事業部

グループ企業 [編集]

なお、本項で特に断りのないものは100%出資の完全子会社である。 店名ごとでなく、地域ごとに会社を分けている。

国内百貨店 [編集]

北海道地区 [編集]

東北地区 [編集]

  • 株式会社仙台三越 2009年10月1日設立、2010年4月店舗運営事業承継。

中部地区 [編集]

  • 株式会社新潟三越伊勢丹 旧新潟伊勢丹。2009年10月1日に、伊勢丹の会社分割により三越伊勢丹HDSが直接の子会社化。2010年4月に三越から新潟店を移管され、現社名に変更。
    • 新潟伊勢丹
    • 新潟三越(旧.小林百貨店)
  • 株式会社静岡伊勢丹(旧.田中屋百貨店) 2009年10月1日に、伊勢丹の会社分割により三越伊勢丹HDSが直接の子会社化。
  • 株式会社名古屋三越(旧.オリエンタル中村百貨店) 2009年10月1日設立、2010年4月店舗運営事業承継。・栄店 ・星ケ丘店

中国地区 [編集]

  • 株式会社広島三越 2009年10月1日設立、2010年4月店舗運営事業承継。

四国地区 [編集]

  • 株式会社高松三越 2009年10月1日設立、2010年4月店舗運営事業承継。
  • 株式会社松山三越 2009年10月1日設立、2010年4月店舗運営事業承継。

九州地区 [編集]

関西 [編集]

海外店舗 [編集]

中国 [編集]

  • 花園飯店(上海)三越
    地下鉄一号線「陝西南路」下車2分 オークラガーデンホテル上海1階。
    上海三越オリジナルファッション商品、欧州インポート雑貨、中国伝統工芸品、シノワズリ雑貨、シルク絨毯等を取り扱っている他 キオスク(コンビニ)もある。
  • 上海梅龍鎮伊勢丹(上海梅龙镇伊势丹百货有限公司)(80%出資、連結子会社)
  • 天津伊勢丹(天津伊势丹有限公司)(90%出資、連結子会社)
  • 成都伊勢丹(成都伊势丹百货有限公司)
  • 瀋陽伊勢丹(沈阳伊势丹百货有限公司)

台湾 [編集]

東南アジア [編集]

  • バンコク伊勢丹 (イセタン タイランドCo.,Ltd.)(出資49% 連結子会社、アイティーエムクローバーCo.,Ltd.45.5%出資)
  • クアラルンプール伊勢丹 (イセタンオブジャパンSdn.Bhd. マレーシア)
  • シンガポール伊勢丹 (イセタン シンガポールLtd. (出資52% 連結子会社,レキシム シンガポールPte.Ltd.)

ヨーロッパ [編集]

アメリカ [編集]

クレジット・金融業、友の会事業 [編集]

  • 株式会社エムアイカード
    クレジットカード業、貸金、金融商品仲介、損害保険・生命保険・信託業務、宅地建物取引業。
  • 株式会社エムアイ友の会
    エムアイカードの100%子会社。前払式特定取引による商品売買の取次。他 文化教養教室、プレイガイド業業務等も行う。

小売・専門店・レストラン事業 [編集]

  • 株式会社マミーナ
    1964年3月26日設立(旧伊勢丹系)。婦人服、服飾雑貨等の小売。
    首都圏を中心にファッションビル、ショッピングセンター等に出店。ネット販売も行っている。
    取り扱いブランド: NETTO di MAMMINA(ネットディマミーナ 若い女性向け)・et Cheri(オフィスで働く女性向け)・AP to D 小物雑貨 ・ANNA SUI(アナ スイ)・Dear Luv, iiwa iiwa CLOSET, LOCK YOUR HEARTS ランジェリー。
  • 株式会社三越伊勢丹通信販売
    会社設立は2011年設立。カタログ販売、テレショップ、オンライン・ショッピングを運営。新たに食品宅配事業「エムアイデリ」を開始。
  • 株式会社三越伊勢丹フードサービス
    1987年4月設立。食品製造及びスーパーマーケット等の運営。1987年4月設立。
    • 二幸(旧三越系)百貨店のミート、デリカ部門を担当。
    • クィーンズ伊勢丹 グレードの高いスーパーマーケットを独自にチェーン展開。
      工場:立飛工場(惣菜・ベーカリー)・総和工場(缶詰・レトルト・焼菓子)・船橋加工センター(水産品・畜産品加工)
  • セントレスタ株式会社(出資33.4%、持分法適用関連会社) 
    • トラットリア ターボロ・ディ・フィオーリ ・カジュアルレストラン イセタンダイニング ・カフェノーブル ・信濃そば

アパレル他事業 [編集]

  • 株式会社レオテックス
    1948年「三越縫製工場」として設立。ユニフォーム、紳士服イージーオーダー、ワイシャツ等の製造販売。
    直営店:ビーチェショップ(江東区清澄)

卸売事業 [編集]

  • 株式会社三越伊勢丹ギフト・ソリューションズ
    1972年「レオドール貿易」(旧.三越系)として設立。ギフト商材、ノヴェルティ等の企画開発、販売。ロゼンタール、ロイヤルアルバート。ミントン ブランドの輸入も行っている。総合の他、中元・歳暮用グルメ「味覚百景」、ブライダルカタログ、香典返し「栞」・宿泊ギフト「彩宿日和」などのカタログがある。
    • 日本全国の郵便局から三越ギフトの申し込みを受け付けている。
    • 伊勢丹は、中国で「礼品精貨」を開始。アジア市場全体への拡大を図っている。
  • 株式会社レオマート
    1991年設立(旧.三越系)。百貨店の催事企画・運営・販売、通信販売卸売、古物売買業、イベント企画業務 。三越伊勢丹、ADOグループ外の大丸松坂屋、そごう・西武、小田急百貨店等とも取引がある。
  • 株式会社センチュリートレーディングカンパニー
    1973年3月16日設立(旧伊勢丹系 出資80%)。ヨーロッパのワイン、食品の輸入販売。
    • ワイン: ルシアン・リュルトン・エ・フィス(ボルドー)・ラウル・クラージェ(ブルゴーニュ)・ドゥーツ(シャンパン)・トーレス(スペイン)
    • 食品:ジャン=ポール・エヴァン(フランス・チョコレート)・エディアール(フランス食材)・ティーパレス(英国紅茶)・ミセスブリッジス(英国食材)
      直営店:エディアール羽田空港店
  • 株式会社T'sトレーディング
    2010年1973年。イギリス高級百貨店「ハロッズ」ブランドの食料品・雑貨の輸入・販売。

不動産・建物管理業 [編集]

  • 株式会社伊勢丹会館 飲食店ビル(地下1階-地上8階。伊勢丹新宿本店メンズ館隣)
  • 株式会社三越伊勢丹ビルマネジメント メンテナンス。
  • 株式会社三越パーキングサービス 駐車場運営。
  • 株式会社三越不動産 1973年設立。マンション、オフィスビル等の管理 ・ゴルフ会員権事業もある。
  • 株式会社三越環境ビル管理 1957年「株式会社協力舎」として設立。合併・社名変更を経て、2010年 三越伊勢丹HDS持分法適用関連会社、アイング株式会社(総合アウトソーシング・カンパニー)の出資を受け、アインググループ傘下に入る。

物流業 [編集]

  • 株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポート 

人材サービス業 [編集]

  • 株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ 
  • 株式会社三越伊勢丹ソレイユ 

その他事業 [編集]

  • 株式会社伊勢丹スイング
    新宿・浦和・松戸の伊勢丹屋上にあるゴルフ・スクール。
  • 株式会社スタジオアルタ
    1980年3月26日設立(旧.三越系 出資60%)。広告代理業。コマーシャルの製作。ファッションショーの企画。新宿駅東口 ビックスビルにある「アルタビジョン」多目的スタジオの運営。
  • 株式会社三越伊勢丹研究所 調査・研究受託業。
  • 株式会社三越伊勢丹システム・ソリューションズ 情報処理サービス。
  • 株式会社三越環境デザイン 2006年9月に旧三越製作所と三越建装営業部門を統合。
  • 株式会社JTB伊勢丹トラベル(出資33.4%、持分法適用関連会社)
  • 株式会社ファッションヘッドライン
    ファッション・ニュース・メディア「FASHION HEADLINE」の他、各種メディア運用と制作、広告代理業の運営、システム開発、市場調査を行う。

提携百貨店等 [編集]

  • 株式会社プランタン銀座 株式会社三越伊勢丹(旧.三越)の持分法適用関連会社。
  • 新宿サブナード株式会社 株式会社三越伊勢丹(旧.伊勢丹)30%出資 持分法適用関連会社。
  • 株式会社うすい百貨店(郡山)株式会社三越伊勢丹(旧.三越)が再建支援。34.9%出資、持分法適用関連会社。
  • 株式会社岡島 (甲府)株式会社三越伊勢丹(旧.三越)が再建支援。
  • 株式会社一畑百貨店 (松江)旧.三越が一畑電鉄に出資し、電鉄100%出資で設立した孫会社。
  • 株式会社浜屋百貨店 (長崎)** 旧.岩田屋の関連会社。
  • 沖縄三越(旧.大越百貨店) 三越出身の社長を送り込むなど強い提携関係にあるものの、資本関係はない。

発足後に閉店した店舗 [編集]

経営統合を機に両社とも不採算店舗の整理を進めている。

  • 東北 - M 名取店(2009年3月1日閉店)
  • 関東・東京 - M 武蔵村山店(2009年3月1日閉店)、M 池袋店(2009年5月6日閉店後ヤマダ電機LAVI日本総本店へ転換)、I 吉祥寺店(2010年3月14日閉店後ヨドバシカメラへ転換)、M 新宿ALCOTT店(2012年3月31日閉店後ビックカメラに賃貸、同年7月に先行開業後、9月にはユニクロとのコラボ店舗「ビックロ」として開業)
  • 九州・沖縄 - 小倉 I(2008年3月25日閉店後、4月1日井筒屋傘下“COLET”に転換)、M鹿児島店(2009年5月6日閉店後、新しい商業施設「マルヤガーデンズ」へ転換)

脚注・出典 [編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 万事首尾よく進めば、伊勢丹はイトーヨーカドー(現在はセブン&アイ・ホールディングス傘下)の子会社になっていたはずであった。
  2. ^ 百貨店業は別名場所貸し業と同じといわれ、従前から古い付き合いのある出入り業者に漫然と売り場(買い場)を提供するというやり方が現在も続いている。百貨店没落の要因である。しかし伊勢丹新宿店だけは店舗独自の自主企画として、ブランドができたばかりでも、若くて実績がなくても「良いもの」であればどんどん売り場に並べていき売っていった。これが解放区である。売れ残りリスクはすべて伊勢丹が被ることから、バイヤーの“目利き”に絶対の自信がなければできないことである。これで成功していったのは若き藤巻幸大を筆頭とするカリスマ・バイヤーたちであり、世に送り出されたブランドとして「anna sui」がある。
  3. ^ 統合後の三越伊勢丹ホールディングスもまた三井グループ各社の役員間の相互親睦と情報交換を目的とする会合である月曜会に加盟している。

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]