コンテンツにスキップ

北九州記念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
北九州記念
第54回北九州記念(2019年8月18日)
優勝馬:ダイメイプリンセス
主催者 日本中央競馬会
競馬場 日本の旗小倉競馬場
創設 1966年11月20日
2024年の情報
距離 芝1200m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上(国際)(特指)
出走資格も参照
負担重量 ハンデキャップ
出典 [1][2]
テンプレートを表示

北九州記念(きたきゅうしゅうきねん)は、日本中央競馬会(JRA)小倉競馬場1200メートルで施行する中央競馬重賞競走GIII)である。正式名称は「テレビ西日本賞 北九州記念」と表記している。

寄贈賞を提供するテレビ西日本は、福岡市に本社を置き福岡県フジテレビ系列の放送を行うテレビ局。小倉競馬場で開催が行われる日には『KEIBA BEAT』を自社制作で放送している。また、当重賞は放送エリアが関東広域圏近畿広域圏中京広域圏のいずれも属しない放送局が寄贈する唯一の重賞となっている。

正賞はテレビ西日本賞[1][2]

概要

[編集]

1966年に創設[3]された、4歳(現3歳)以上の競走馬による重賞競走。

創設当初は小倉競馬場の芝2000mで施行されたが、1969年から芝1800mに短縮[3]。2006年から芝1200mに短縮され、サマースプリントシリーズに指定されるとともに、スプリンターズステークスを目指す前哨戦のひとつとしても位置づけられた[3]。2008年の優勝馬スリープレスナイトはその後スプリンターズステークスでも優勝し、同年のJRA賞最優秀短距離馬に輝いている[3]

サマースプリントシリーズに指定されてからは、この競走を制したリトルゲルダ2014年[4]ベルカント2015年[5]アレスバローズ(2018年)、レッドアンシェル(2020年)、ジャスパークローネ(2023年)[6]がシリーズのチャンピオンとなった。

外国産馬は1995年から、地方競馬所属馬は1998年から出走が可能になった[7]。2009年からは国際競走となり、外国馬も出走可能になった[8]。負担重量は1972年 - 1994年、2000年 - 2005年が別定重量で行われたほかはハンデキャップで行われている[7]

競走条件

[編集]

以下の内容は、2024年現在のもの[1][2][9]

出走資格:サラ系3歳以上、2023年7月1日以降2024年6月23日まで1回以上出走馬、未出走馬および未勝利馬を除く

賞金

[編集]

2024年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[1][2]

歴史

[編集]
  • 1966年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬によるハンデキャップの重賞競走として創設、小倉競馬場の芝2000mで施行。
  • 1969年 - 施行距離を芝1800mに変更。
  • 1970年 - テレビ西日本より寄贈賞を受け、テレビ西日本賞 北九州記念に名称変更[7]
  • 1972年 - 負担重量を別定に変更。
  • 1982年 - 小倉競馬場の改修工事に伴い、阪神競馬場の芝1600mで施行。
  • 1984年 - グレード制施行によりGIIIに格付け。
  • 1995年
    • 混合競走に指定。
    • 負担重量をハンデキャップに戻す。
  • 1998年
    • 小倉競馬場の改修工事に伴い、阪神競馬場の芝2000mで施行。
    • 特別指定交流競走に指定され、地方所属馬は2頭まで出走可能となる。
  • 2000年 - 負担重量を別定に戻す。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「4歳以上」から「3歳以上」に変更。
  • 2006年
    • 負担重量をハンデキャップに戻す。
    • 施行距離を現在の芝1200mに変更。
    • サマースプリントシリーズに指定。
  • 2007年
  • 2009年
    • 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は9頭まで出走可能となる。
    • 重賞格付け表記をGIIIに戻す。
  • 2020年 - 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[10]
  • 2024年 - 阪神競馬場の改修工事に伴う開催日割の変更のためCBC賞と開催時期を入れ替え(条件・開催競馬場の変更はなし)、サマースプリントシリーズの第2戦に変更される(2025年以降も同様の予定)[11]

歴代優勝馬

[編集]

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を記載していない距離は、芝コースを表す。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1966年11月20日 小倉 2000m ハジメリユウ 牡3 2:07.8 小野幸治 小林稔 田中清
第2回 1967年10月15日 小倉 2000m アトラス 牡3 2:04.3 武邦彦 戸山為夫 松岡重雄
第3回 1968年9月15日 小倉 2000m ヒロダイコク 牝3 2:04.4 武田悟 夏村辰男 前畑邦夫
第4回 1969年12月7日 小倉 1800m ホウウン 牡3 1:55.1 大根田裕也 梅内慶蔵 中井長一
第5回 1970年7月26日 小倉 1800m オープンツバメ 牝3 1:51.1 藤岡範士 田之上勲 (株)オープン
第6回 1971年8月8日 小倉 1800m オカヘレン 牡4 1:51.2 奈良忠広 池田三郎 岡田平一
第7回 1972年8月20日 小倉 1800m タイバブー 牡3 1:51.1 北橋修二 布施正 (有)名鯛興業
第8回 1973年8月5日 小倉 1800m ナルタキエース 牡5 1:50.3 四位満教 服部正利 武村住造
第9回 1974年7月28日 小倉 1800m ロッコーイチ 牡4 1:50.4 武邦彦 服部正利 田中六助
第10回 1975年8月10日 小倉 1800m フミノヒカリ 牡4 1:49.6 目野哲也 土門健司 谷二
第11回 1976年8月8日 小倉 1800m ミヤジマレンゴ 牡3 1:49.5 武田悟 夏村辰男 曽我薫
第12回 1977年8月7日 小倉 1800m フジリンデン 牡6 1:49.5 今岡正 佐藤勇 藤井実郎
第13回 1978年8月6日 小倉 1800m ウラカワチェリー 牝6 1:50.3 安田伊佐夫 栗田勝 (有)谷川牧場
第14回 1979年8月5日 小倉 1800m スリーファイヤー 牝5 1:49.0 岩元市三 布施正 永井永一
第15回 1980年8月3日 小倉 1800m サルノヒーロ 牡4 1:50.9 田原成貴 中村好夫 駒井孝男
第16回 1981年8月2日 小倉 1800m ラフオンテース 牝4 1:48.2 岩元市三 布施正 小柴タマヲ
第17回 1982年8月8日 阪神 1600m オオミシャダイ 牝6 1:35.3 岩元市三 星川薫 橋本弘
第18回 1983年8月7日 小倉 1800m ラブリースター 牝4 1:49.7 田原成貴 領家政蔵 山本信行
第19回 1984年8月5日 小倉 1800m マンノタロ 牡4 1:49.9 河内洋 武田作十郎 萬野勝彦
第20回 1985年8月4日 小倉 1800m グローバルダイナ 牝5 1:49.3 南井克巳 宇田明彦 (有)社台レースホース
第21回 1986年8月3日 小倉 1800m ラッキーオカメ 牝4 1:48.8 西浦勝一 野元昭 柳井旦雄
第22回 1987年8月9日 小倉 1800m マヤノジョウオ 牝4 1:48.7 南井克巳 大根田裕也 田所祐
第23回 1988年8月7日 小倉 1800m タガジヨオー 牡6 1:49.0 清水英次 松元省一 中川進克
第24回 1989年8月6日 小倉 1800m タニノスイセイ 牡6 1:48.7 土肥幸広 宮本悳 (有)カントリー牧場
第25回 1990年8月5日 小倉 1800m ニシヤマショウ 牝5 1:48.4 土肥幸広 島崎宏 鷹野馨
第26回 1991年8月4日 小倉 1800m ムービースター 牡5 1:46.9 武豊 坪憲章 吉田照哉
第27回 1992年8月9日 小倉 1800m ヌエボトウショウ 牝5 1:46.8 角田晃一 渡辺栄 トウショウ産業(株)
第28回 1993年8月8日 小倉 1800m シルクムーンライト 牡3 1:47.5 土肥幸広 吉永猛 中山信博
第29回 1994年7月24日 小倉 1800m イブキファイブワン 牡6 1:46.9 芹沢純一 橋口弘次郎 (有)伊吹
第30回 1995年7月23日 小倉 1800m イナズマタカオー 牡4 1:47.3 河内洋 音無秀孝 小島隆男
第31回 1996年7月21日 小倉 1800m マジックキス 牝4 1:48.2 角田晃一 渡辺栄 臼田浩義
第32回 1997年7月20日 小倉 1800m ダンディコマンド 牡4 1:46.5 武豊 福島信晴 勝野憲明
第33回 1998年7月26日 阪神 2000m トウショウオリオン 牡5 2:02.0 池添謙一 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
第34回 1999年7月25日 小倉 1800m エイシンビンセンス 牡5 1:45.6 野元昭嘉 野元昭 平井豊光
第35回 2000年7月16日 小倉 1800m トゥナンテ 牡5 1:46.3 幸英明 松元省一 (有)社台レースホース
第36回 2001年7月15日 小倉 1800m エイシンプレストン 牡4 1:48.3 福永祐一 北橋修二 平井豊光
第37回 2002年7月14日 小倉 1800m トッププロテクター 牡5 1:45.3 和田竜二 岩元市三 宮内牧場
第38回 2003年7月20日 小倉 1800m ミレニアムバイオ 牡5 1:49.8 武豊 領家政蔵 バイオ(株)
第39回 2004年7月18日 小倉 1800m ダイタクバートラム 牡6 R1:44.1 小牧太 橋口弘次郎 (有)太陽ファーム
第40回 2005年7月17日 小倉 1800m メイショウカイドウ 牡6 1:44.7 武豊 坂口正大 松本好雄
第41回 2006年8月13日 小倉 1200m コスモフォーチュン 牝4 1:08.0 角田晃一 宮徹 (有)ビッグレッドファーム
第42回 2007年8月12日 小倉 1200m キョウワロアリング 牡6 1:07.7 角田晃一 飯田明弘 林順子
第43回 2008年8月17日 小倉 1200m スリープレスナイト 牝4 1:07.5 上村洋行 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング
第44回 2009年8月16日 小倉 1200m サンダルフォン 牡6 1:07.5 酒井学 松永幹夫 (有)ノースヒルズマネジメント
第45回 2010年8月15日 小倉 1200m メリッサ 牝6 1:07.1 福永祐一 佐山優 岡田牧雄
第46回 2011年8月14日 小倉 1200m トウカイミステリー 牝5 1:07.2 北村友一 安田隆行 内村正則
第47回 2012年8月19日 小倉 1200m スギノエンデバー 牡4 1:06.9 北村友一 浅見秀一 杉山美惠
第48回 2013年8月18日 小倉 1200m ツルマルレオン 牡5 1:06.7 小牧太 橋口弘次郎 鶴田鈴子
第49回 2014年8月24日 小倉 1200m リトルゲルダ 牝5 1:07.5 丸田恭介 鮫島一歩 栗山良子
第50回 2015年8月23日 小倉 1200m ベルカント 牝4 1:07.3 武豊 角田晃一 前田幸治
第51回 2016年8月21日 小倉 1200m バクシンテイオー 牡7 1:08.5 藤岡康太 堀宣行 林正道
第52回 2017年8月20日 小倉 1200m ダイアナヘイロー 牝4 1:07.5 武豊 福島信晴 (株)駒秀
第53回 2018年8月19日 小倉 1200m アレスバローズ 牡6 1:06.6 菱田裕二 角田晃一 猪熊広次
第54回 2019年8月18日 小倉 1200m ダイメイプリンセス 牝6 1:08.2 秋山真一郎 森田直行 宮本孝一
第55回 2020年8月23日 小倉 1200m レッドアンシェル 牡6 1:07.8 福永祐一 庄野靖志 (株)東京ホースレーシング
第56回 2021年8月22日 小倉 1200m ヨカヨカ 牝3 1:08.2 幸英明 谷潔 岡浩二
第57回 2022年8月21日 小倉 1200m ボンボヤージ 牝5 1:06.9 川須栄彦 梅田智之 廣崎利洋
第58回 2023年8月20日 小倉 1200m ジャスパークローネ 牡4 1:07.3 団野大成 森秀行 加藤和夫
第59回 2024年6月30日 小倉 1200m ピューロマジック 牝3 1:07.9 松山弘平 安田翔伍 (株)スリーエイチレーシング

脚注・出典

[編集]

参考文献

[編集]
  • 「テレビ西日本賞北九州記念(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、993-1043頁。 

注釈

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 23. 2024年7月21日閲覧。
  2. ^ a b c d 2024年第3回小倉競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  3. ^ a b c d 歴史・コース:北九州記念 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  4. ^ 2014年サマーシリーズポイントランキング”. 日本中央競馬会. 2021年8月3日閲覧。
  5. ^ サマースプリントS優勝はベルカントスポーツニッポン、2015年9月17日閲覧
  6. ^ 2023年サマーシリーズポイントランキング日本中央競馬会、2023年9月4日閲覧
  7. ^ a b c 中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】
  8. ^ 2009年の成績表参照
  9. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  10. ^ 8月15日(土曜)から9月6日(日曜)までの中央競馬の開催等”. 日本中央競馬会 (2020年8月8日). 2020年8月13日閲覧。
  11. ^ 2024年度開催日割および重賞競走”. 日本中央競馬会 (2023年10月16日). 2024年7月21日閲覧。

各回競走結果の出典

[編集]

外部リンク

[編集]