「大ダコ (東宝特撮作品)」の版間の差分

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'''大ダコ'''(おおだこ)は[[東宝]]の[[怪獣映画]]『[[キングコング対ゴジラ]]』などに登場した架空の[[生物]]である。資料によっては'''大タコ'''とも表記される{{Sfn|東宝特撮映画大全集|2012| pp=66 - 69}}。別名は'''海魔'''、'''怪魔'''<ref>{{Cite book|和書 |year = 1991 |title = ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集 |pages = 69 |publisher = [[講談社]] |series = 講談社ヒットブックス20 |isbn = 4-06-177720-3 |ref = harv }}</ref>など。
'''大ダコ'''(おおだこ)は[[東宝]]の[[怪獣映画]]『[[キングコング対ゴジラ]]』などに登場する架空の[[生物]]である。資料によっては'''大タコ'''とも表記される{{Sfn|東宝特撮映画大全集|2012| pp=66 - 69}}。別名は'''海魔'''、'''怪魔'''<ref>{{Cite book|和書 |year = 1991 |title = ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集 |pages = 69 |publisher = [[講談社]] |series = 講談社ヒットブックス20 |isbn = 4-06-177720-3 |ref = harv }}</ref>など。


== 概要 ==
== 概要 ==
突然変異により巨大化した[[タコ]]で、長い触手と怪力によりさまざまな怪獣を苦しめる。また、肉食性が強く漁船などを襲い人間を捕食する。ての個体が夜行性。
突然変異により巨大化した[[タコ]]で、長い触手と怪力によりさまざまな怪獣を苦しめる。また、肉食性が強く漁船などを襲い人間を捕食する。すべての個体が夜行性。


{{要出典範囲|円谷英二は『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』のに巨大なタコが登場する企画を考えていたとも言われ、それが年月を経て本作の大ダコに帰結したと見ることもできる。|date=2016年2月}}
{{要出典範囲|円谷英二は『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』のころに巨大なタコが登場する企画を考えていたとも言われ、それが年月を経て本作の大ダコに帰結したと見ることもできる。|date=2016年2月}}


== 登場作品 ==
== 登場作品 ==
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*1969年公開の『[[ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃]]』の検討用台本第一稿で登場が予定されていたが[[エビラ]]に変更された{{Sfn|東宝特撮映画大全集|2012| pp=132 - 135}}。
*1969年公開の『[[ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃]]』の検討用台本第一稿で登場が予定されていたが[[エビラ]]に変更された{{Sfn|東宝特撮映画大全集|2012| pp=132 - 135}}。


== 『キングコング対ゴジラ』に登場した大ダコ ==
== 『キングコング対ゴジラ』に登場する大ダコ ==
夜行性で夜ファロ島に上陸し、住民を捕食しようとしたが、そこに現れた[[キングコング]]に妨害され戦いとなる。戦いではコングの頭に絡み付いたり、頭部を触手で締め上げるなどして善戦するが、キングコングの怪力には歯が立たず投げ飛ばされて敗北し海に逃走する。
夜行性で夜ファロ島に上陸し、住民を捕食しようとするが、そこに現れた[[キングコング]]に妨害され戦いとなる。戦いではコングの頭に絡み付いたり、頭部を触手で締め上げるなどして善戦するが、キングコングの怪力には歯が立たず投げ飛ばされて敗北し海に逃走する。
*身長:30メートル
*身長:30メートル
*体重:600トン
*体重:600トン


*本物の[[マダコ]]とミニチュアの触手を使用して撮影している。
* 本物の[[マダコ]]とミニチュアの触手を使用して撮影している。
**{{要出典範囲|撮影に使われたタコは、マダコであるが、特撮で大ダコを表現する方法がスタッフ会議でもなかなか思い浮かばず、撮影スケジュールも終盤になってから、ならば本物を、という円谷のアイデアでの起用となった。そして、[[三浦半島]]には海から上陸して畑で見つかるタコがいるという話を聞いたスタッフがロケに行き、現地にオープンセットを作り、捕らえてきたタコを焼きごてで下から突いて、その刺激で反応させて動かし、撮影したという。|date=2016年2月}}
** {{要出典範囲|撮影に使われたタコは、マダコであるが、特撮で大ダコを表現する方法がスタッフ会議でもなかなか思い浮かばず、撮影スケジュールも終盤になってから、ならば本物を、という円谷のアイデアでの起用となった。そして、[[三浦半島]]には海から上陸して畑で見つかるタコがいるという話を聞いたスタッフがロケに行き、現地にオープンセットを作り、捕らえてきたタコを焼きごてで下から突いて、その刺激で反応させて動かし、撮影したという。|date=2016年2月}}
**コングと絡む場面のタコは、特美スタッフによって[[ラテックス]]製のものが作られた{{Sfn|東宝特撮映画大全集|2012| pp=66 - 69}}。{{要出典範囲|人間を絡めとって投げるシーンは、[[人形アニメ]]の手法で撮影された。人形アニメートは「円谷特殊技術研究所」で[[高野宏一]]、[[中野稔]]らが行った。|date=2016年2月}}
** コングと絡む場面のタコは、特美スタッフによって[[ラテックス]]製のものが作られた{{Sfn|東宝特撮映画大全集|2012| pp=66 - 69}}。{{要出典範囲|人間を絡めとって投げるシーンは、[[人形アニメ]]の手法で撮影された。人形アニメートは「円谷特殊技術研究所」で[[高野宏一]]、[[中野稔]]らが行った。|date=2016年2月}}
*このシーンは『[[ウルトラQ]]』第23話「南海の怒り」に流用された。
*このシーンは『[[ウルトラQ]]』第23話「南海の怒り」に流用された。


== 『フランケンシュタイン対地底怪獣』に登場した大ダコ ==
== 『フランケンシュタイン対地底怪獣』に登場する大ダコ ==
[[富士山麓]]の湖に生息しており[[バラゴン]]との戦いで疲労した[[フランケンシュタイン]]を襲撃して湖に引きずり込み、そのまま水中に消える。
[[富士山麓]]の湖に生息しており[[バラゴン]]との戦いで疲労した[[フランケンシュタイン]]を襲撃して湖に引きずり込み、そのまま水中に消える。
*身長:25メートル
*身長:25メートル
*体重:2万トン
*体重:2万トン


*大ダコが登場するくだりはテレビ放映版で初めて公開された。詳細は[[フランケンシュタイン対地底怪獣#結末のバリエーション]]を参照。
* 大ダコが登場するくだりはテレビ放映版で初めて公開された。詳細は[[フランケンシュタイン対地底怪獣#結末のバリエーション]]を参照。
*八木勘寿、八木康栄、[[村瀬継蔵]]による造形。
* 八木勘寿、八木康栄、[[村瀬継蔵]]による造形。
*造形物は『ウルトラQ』第23話「南海の怒り」のスダールにそのまま流用され、その後、後述する『サンダ対ガイラ』の大ダコに使用された。
* 造形物は『ウルトラQ』第23話「南海の怒り」のスダールにそのまま流用され、その後、後述する『サンダ対ガイラ』の大ダコに使用された。


== 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』に登場した大ダコ ==
== 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』に登場する大ダコ ==
嵐の夜に第三海神丸を襲っているところを[[ガイラ]]に妨害され船上で対決し互角の攻防を繰り広げるが、ガイラに海に叩き込まれて絶命。
嵐の夜に第三海神丸を襲っているところを[[ガイラ]]に妨害され船上で対決し互角の攻防を繰り広げるが、ガイラに海に叩き込まれて絶命する


*身長・体重は前作と同じ。
* 身長・体重は前作と同じ。
*造形物は前作の流用。目の電飾を[[変圧器#可変単巻変圧器|スライダック]]で明滅させている<ref>{{Cite |和書 |title = オール東宝怪獣大図鑑 |page = 122 |year = 2014 |publisher = [[洋泉社]] |series = 洋泉社MOOK 別冊映画秘宝 |isbn = 978-4-8003-0362-2 |ref = harv }}</ref>。
* 造形物は前作の流用。目の電飾を[[変圧器#可変単巻変圧器|スライダック]]で明滅させている<ref>{{Cite |和書 |title = オール東宝怪獣大図鑑 |page = 122 |year = 2014 |publisher = [[洋泉社]] |series = 洋泉社MOOK 別冊映画秘宝 |isbn = 978-4-8003-0362-2 |ref = harv }}</ref>。


== その他 ==
== その他 ==
;『[[ウルトラQ]]』
;『[[ウルトラQ]]』
:第23話「南海の怒り」で、[[ウルトラQの登場怪獣#大ダコ スダール|大ダコ スダール]]に流用。時期としては、『フランケンシュタイン対地底怪獣』と『サンダ対ガイラ』の間の時期であるが、造形物のに『キングコング対ゴジラ』のライブフィルムの流用もある。
:第23話「南海の怒り」で、[[ウルトラQの登場怪獣#大ダコ スダール|大ダコ スダール]]に流用。時期としては、『フランケンシュタイン対地底怪獣』と『サンダ対ガイラ』の間の時期であるが、造形物のほかに『キングコング対ゴジラ』のライブフィルムの流用もある。
;『[[マイティジャック|戦え! マイティジャック]]』
;『[[マイティジャック|戦え! マイティジャック]]』
:第14話「炎の海を乗り越えろ!」で、海魔大ダコに流用。唯一、白昼に出現した個体。海から垂直に足を伸ばしてマイティジャック号に襲い掛かる。全長235メートルの同艦と同程度の大きさである。
:第14話「炎の海を乗り越えろ!」で、海魔大ダコに流用。唯一、白昼に出現する個体。海から垂直に足を伸ばしてマイティジャック号に襲い掛かる。全長235メートルの同艦と同程度の大きさである。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2016年12月15日 (木) 16:20時点における版

大ダコ(おおだこ)は東宝怪獣映画キングコング対ゴジラ』などに登場する架空の生物である。資料によっては大タコとも表記される[1]。別名は海魔怪魔[2]など。

概要

突然変異により巨大化したタコで、長い触手と怪力によりさまざまな怪獣を苦しめる。また、肉食性が強く漁船などを襲い人間を捕食する。すべての個体が夜行性。

円谷英二は『ゴジラ』のころに巨大なタコが登場する企画を考えていたとも言われ、それが年月を経て本作の大ダコに帰結したと見ることもできる。[要出典]

登場作品

公開順。

  1. キングコング対ゴジラ(1962年)
  2. フランケンシュタイン対地底怪獣(TV放映版)(1965年)
  3. フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年)

『キングコング対ゴジラ』に登場する大ダコ

夜行性で夜ファロ島に上陸し、住民を捕食しようとするが、そこに現れたキングコングに妨害され戦いとなる。戦いではコングの頭に絡み付いたり、頭部を触手で締め上げるなどして善戦するが、キングコングの怪力には歯が立たず投げ飛ばされて敗北し海に逃走する。

  • 身長:30メートル
  • 体重:600トン
  • 本物のマダコとミニチュアの触手を使用して撮影している。
    • 撮影に使われたタコは、マダコであるが、特撮で大ダコを表現する方法がスタッフ会議でもなかなか思い浮かばず、撮影スケジュールも終盤になってから、ならば本物を、という円谷のアイデアでの起用となった。そして、三浦半島には海から上陸して畑で見つかるタコがいるという話を聞いたスタッフがロケに行き、現地にオープンセットを作り、捕らえてきたタコを焼きごてで下から突いて、その刺激で反応させて動かし、撮影したという。[要出典]
    • コングと絡む場面のタコは、特美スタッフによってラテックス製のものが作られた[1]人間を絡めとって投げるシーンは、人形アニメの手法で撮影された。人形アニメートは「円谷特殊技術研究所」で高野宏一中野稔らが行った。[要出典]
  • このシーンは『ウルトラQ』第23話「南海の怒り」に流用された。

『フランケンシュタイン対地底怪獣』に登場する大ダコ

富士山麓の湖に生息しており、バラゴンとの戦いで疲労したフランケンシュタインを襲撃して湖に引きずり込み、そのまま水中に消える。

  • 身長:25メートル
  • 体重:2万トン

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』に登場する大ダコ

嵐の夜に第三海神丸を襲っているところをガイラに妨害され船上で対決し互角の攻防を繰り広げるが、ガイラに海に叩き込まれて絶命する。

  • 身長・体重は前作と同じ。
  • 造形物は前作の流用。目の電飾をスライダックで明滅させている[4]

その他

ウルトラQ
第23話「南海の怒り」で、大ダコ スダールに流用。時期としては、『フランケンシュタイン対地底怪獣』と『サンダ対ガイラ』の間の時期であるが、造形物のほかに『キングコング対ゴジラ』のライブフィルムの流用もある。
戦え! マイティジャック
第14話「炎の海を乗り越えろ!」で、海魔大ダコに流用。唯一、白昼に出現する個体。海から垂直に足を伸ばしてマイティジャック号に襲い掛かる。全長235メートルの同艦と同程度の大きさである。

脚注

  1. ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, pp. 66–69.
  2. ^ 『ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集』講談社〈講談社ヒットブックス20〉、1991年、69頁。ISBN 4-06-177720-3 
  3. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, pp. 132–135.
  4. ^ 『オール東宝怪獣大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK 別冊映画秘宝〉、2014年、122頁。ISBN 978-4-8003-0362-2 

参考文献

関連項目