エビラ
エビラ(Ebirah)は、東宝映画『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』、および『ゴジラ FINAL WARS』に登場する架空の怪獣。別名は「凶悪新怪獣(新凶悪怪獣)[注 1]」「巨大蝦怪獣[2]」「大エビ怪獣[3]」。
目次
概要[編集]
ゴジラと戦う巨大な海老の怪獣。イセエビのような体にザリガニのようなハサミとヤリを持った姿をしている。
『南海の大決闘』当時の東宝取締役であった後藤進は、エビラの登場理由について「人間みたいな二本足が二人立っても面白く無いから」と述べている[1]。
『怪獣総進撃』の検討用台本『怪獣総進撃命令』の段階では登場が予定されていた[4]。
登場作品[編集]
公開順。
- 『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』(1969年)では、『南海の大決闘』からのライブフィルムで登場。
『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』のエビラ[編集]
- 体長:50メートル
- ハサミの長さ:15メートル(右)、13メートル(左)
- 体重:2万3千トン
南太平洋に浮かぶレッチ島の周辺海域に生息する、海棲怪獣。設定では、レッチ島にある秘密結社「赤イ竹」の核兵器工場から流された放射能廃液でエビが巨大化したとされる[1][2][3][5]。
水中戦が得意。捕食対象には巨大な右腕のハサミをハンマーのように振り下ろす攻撃を加えた後、もう1つのヤリのような細長いハサミとなっている左腕に突き刺して捕食する。上半身が異常発達しているため、上陸はできない[1]。
ある木の実から作られる黄色い汁が苦手で、レッチ島に秘密基地を構える秘密結社「赤イ竹」により利用され、強制労働から脱走したインファント島の原住民である2人を捕食している。しかし、元々操られていたわけではなく強制的に支配されていただけであるため、赤イ竹が偽の汁をまいてしまった時には彼らの水上艇を容赦なく叩き潰している。
金庫破りの吉村、インファント島の娘・ダヨ、大学生の仁田により、眠りを覚まされて現れたゴジラとの戦闘になる。当初は陸上のゴジラと岩を投げ合って戦っていたが、やがて海へ入ってきたゴジラを水中へ引きずり込んだところ、岩で殴りつけられて逃走する。2度目の戦いでもゴジラを水中へ引きずり込むが、最後は2つのハサミをたて続けにもぎ取られ敗北、島から逃亡した。その後については不明[注 2]。
- スーツアクター:関田裕
- 元々予定されていた『ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ』では、ストーリーはそのままにキングコングと戦う予定だった[1][6]。
- 特技監督の有川貞昌は、「エビラの恐怖感と緊張感を出すため、撮影時には寄り(アップ)を主にし、ハサミの強さや人間を捕食する口の動きの不気味さ、グロテスクさを強調した」と語っている。
- ポスターやスチール写真では陸に上がってゴジラと絡む姿が見られるうえ、その際にサソリのイメージを入れて尻尾を逆反りさせた「逆エビ」態勢を取っている。
- 造形
- 造形は利光貞三(頭部)、八木康栄(胴体)による。
- スーツは、人が入らずに操演用のミニチュアとしても使えるように上半身と下半身がセパレートになっており、海から顔を出して演技する場合は上半身だけ着用している[1]。
- ハサミだけの巨大な造形物も用意され、海でヨット「ヤーレン号」や小舟を襲うシーンに使用された[1][7]。
『ゴジラ FINAL WARS』のエビラ[編集]
- 体長:100メートル
- 体高:30メートル
- ハサミの長さ:20メートル(右)、15メートル(左)
- 体重:5万トン
X星人に操られ、東海コンビナート地帯に出現。『南海の大決闘』の登場個体と違って陸上でも活動できるうえ、両腕は両方とも左右非対称のハサミ状になっている。
M機関のミュータント戦士たちと戦って倒されそうになるが、X星人の宇宙船に回収されて一旦消滅する。その後、X星人に操られて東京湾でヘドラと共にゴジラと対決する[8]が、ゴジラの熱線でヘドラに続いて空高く打ち上げられ、落下した際にハサミがヘドラの顔に突き刺さり、再度発射されたゴジラの熱線でヘドラ共々ビルごと吹き飛ばされ敗れた。
武器は大バサミ攻撃「クライシス・シザース」。
その他の作品に登場したエビラ[編集]
- PS2用ソフト『ゴジラ怪獣大乱闘 地球最終決戦』には、チャレンジモードで登場。
- 漫画『怪獣王ゴジラ』には、マッド鬼山が操る怪獣として登場。
- コンピュータRPG『ドラゴンクエストVI』『ドラゴンクエストVIII』『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』には、「エビラ」という同一の名前とエビやザリガニに似た姿を持つモンスターが登場する。
- 「ゴジラ・ミニラ・ガバラオール怪獣大進撃」では一郎少年が目撃する怪獣という設定で「南海の大決闘」のエビラ登場シーンを流用している。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e f g 『東宝特撮映画大全集』 ヴィレッジブックス、2012年、110 - 113頁。ISBN 9784864910132。
- ^ a b c 『ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集』 講談社〈講談社ヒットブックス〉、1991年、73頁。ISBN 4-06-177720-3。
- ^ a b 間宮尚彦 2000, p. 112.
- ^ 『ゴジラ 東宝特撮映画全史』 講談社〈キャラクター大全〉、2014年、114頁。ISBN 9784062190046。
- ^ 野村宏平 2004, p. 39.
- ^ 野村宏平 2004, p. 317.
- ^ 間宮尚彦 2000, p. 116.
- ^ 『ゴジラ完全解読 東宝「ゴジラ」全シリーズの怪獣105体を全網羅 「怪獣王」のルーツに迫る30の視点』 宝島社〈別冊宝島〉、2014年、[要ページ番号]。ISBN 9784800228963。
- ^ 野村宏平 2014, p. 374.
参考文献[編集]
- 間宮尚彦 『ゴジラ1954-1999超全集』 小学館、2000年1月1日。ISBN 4091014704。
- 野村宏平 『ゴジラ大辞典』 笠倉出版社、2004年12月5日。ISBN 4773002921。
- 野村宏平 『ゴジラ大辞典【新装版】』 笠倉出版社、2014年8月7日。ISBN 978-4-7730-8725-3。
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