ボビー・リチャードソン

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ボビー・リチャードソン
Bobby Richardson
現役時代(1963年)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 サウスカロライナ州サムター郡サムター
生年月日 (1935-08-19) 1935年8月19日(88歳)
身長
体重
5' 9" =約175.3 cm
170 lb =約77.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 二塁手
プロ入り 1953年 ニューヨーク・ヤンキースと契約
初出場 1955年8月5日
最終出場 1966年10月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ロバート・クリントン・リチャードソンRobert Clinton "Bobby" Richardson, 1935年8月19日 - )はアメリカ合衆国サウスカロライナ州サムター郡サムター出身の元プロ野球選手二塁手)。右投右打。

経歴[編集]

現役時代[編集]

1953年ニューヨーク・ヤンキースと契約してプロ入り。

1955年8月5日デトロイト・タイガース戦でメジャーデビュー。1957年にはオールスター選出を果たしているが、本格的に二塁手のレギュラーとなったのは1959年からで、この年は2度目のオールスター選出と打率.301を記録した。

1960年は打率.252・26打点とシーズン中は冴えなかったが、ピッツバーグ・パイレーツとのワールドシリーズでは30打数11安打とよく打った。第3戦では満塁本塁打を含む6打点(6打点はワールドシリーズの1試合での最多打点タイ記録であり、2009年にヤンキースの松井秀喜2011年セントルイス・カージナルスアルバート・プホルス2016年シカゴ・カブスアディソン・ラッセルも達成している[1]。)、シリーズ合計12打点の大暴れで、世界一を逸したにもかかわらずシリーズMVPに選ばれた[2]。翌1961年シンシナティ・レッズとのワールドシリーズも23打数9安打。1962年、シーズンでは打率.302・209安打(アメリカンリーグ1位)・38二塁打(同4位)、サンフランシスコ・ジャイアンツとのワールドシリーズでは珍しく27打数4安打と不振だったが、最終戦でウィリー・マッコビーのライナーを好捕し、逆転サヨナラ負けの危機を救った。1964年のカージナルスとのワールドシリーズも新記録となる13安打と当たりまくった(13安打はワールドシリーズでの最多安打タイ記録であり、1968年にカージナルスのルー・ブロック1986年ボストン・レッドソックスマーティー・バレットも達成している。)。

守備では1961年から5年連続でゴールドグラブ賞を受賞している[3]

引退後[編集]

引退後はサウスカロライナ大学などでコーチを務めた[3]。また、後に故郷のサムターにリチャードソンの栄誉を称えて彼の名前を付けた少年用野球場が造られた。

人物[編集]

信心深く、タバコとは無縁の真面目な性格で、二遊間コンビのトニー・クーベックとは親友同士でもあった[3]。一方、コミック雑誌ばかり読みふけっていた捕手ヨギ・ベラとはウマが合わず、ベラが1964年にヤンキースの監督となると、「アイツの下でやるのはイヤ。今季限りで引退してバプテスト派伝道師になる」と公言していた。だが、この年のワールドシリーズ終了後にベラが解任されると、引退声明を撤回し、翌1965年もプレーを続けた[4]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
1955 NYY 11 29 26 2 4 0 0 0 4 3 1 1 1 0 2 0 0 0 1 .154 .214 .154 .368
1956 5 7 7 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .143 .143 .143 .286
1957 97 320 305 36 78 11 1 0 91 19 1 3 3 3 9 3 0 26 9 .256 .274 .298 .573
1958 73 195 182 18 45 6 2 0 55 14 1 3 3 2 8 0 0 5 1 .247 .276 .302 .578
1959 134 507 469 53 141 18 6 2 177 33 5 5 10 3 26 3 0 20 3 .301 .335 .377 .713
1960 150 507 460 45 116 12 3 1 137 26 6 6 9 3 35 6 0 19 7 .252 .303 .298 .601
1961 162 704 662 80 173 17 5 3 209 49 9 7 10 2 30 1 2 23 15 .261 .295 .316 .610
1962 161 754 692 99 209 38 5 8 281 59 11 9 20 4 37 1 1 24 13 .302 .337 .406 .743
1963 151 668 630 72 167 20 6 3 208 48 15 1 8 3 25 0 2 22 8 .265 .294 .330 .624
1964 159 728 679 90 181 25 4 4 226 50 11 2 16 5 28 1 0 36 15 .267 .294 .333 .626
1965 160 713 664 76 164 28 2 6 214 47 7 5 9 2 37 4 1 39 11 .247 .287 .322 .609
1966 149 648 610 71 153 21 3 7 201 42 6 6 3 1 25 1 1 28 17 .251 .280 .330 .610
通算:12年 1412 5780 5386 643 1432 196 37 34 1804 390 73 48 98 30 262 20 7 243 100 .266 .299 .335 .634
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰[編集]

背番号[編集]

  • 17(1955年 - 1956年)
  • 29(1957年)
  • 1(1958年 - 1966年)

脚注[編集]

  1. ^ カブス、108年ぶり世界一へ逆王手 ラッセルが松井らに並ぶWS記録の6打点”. Full-count (2016年11月2日). 2017年3月11日閲覧。
  2. ^ All-time and Single-Season WS Batting Leaders” (英語). Baseball-Reference.com. 2017年3月11日閲覧。
  3. ^ a b c 出野哲也『改訂新版 メジャー・リーグ人名事典』言視舎、2013年、665頁。ISBN 978-4-905369-67-7 
  4. ^ 伊東一雄『メジャー・リーグ紳士録』ベースボール・マガジン社、1997年、38-39頁。ISBN 4583034113 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]