おひつじ座

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おひつじ座
Aries
Aries
属格 Arietis
略符 Ari
発音 発音: [ˈɛəriːz]、正式には/ˈɛərɪ.iːz/; 属格:/əˈraɪ.ɨtɨs/
象徴 the Ram
概略位置:赤経 3
概略位置:赤緯 +20
広さ 441平方度[1]39位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
67
3.0等より明るい恒星数 2
最輝星 ハマル (α Ari)(2.0
メシエ天体 0
確定流星群 おひつじ座五月流星群
おひつじ座秋季流星群
おひつじ座δ流星群
おひつじ座ε流星群
おひつじ座白昼流星群
おひつじ座-さんかく座流星群
隣接する星座 ペルセウス座
さんかく座
うお座
くじら座
おうし座
観測可能地域は+90°と−60°の間
21:00(午後9:00)に最も良く見えるのは12月の間
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おひつじ座(牡羊座、Aries)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。

から星座とされる。

主な天体

恒星

おひつじ座の主な星は、α星と β星の2つ。

  • α星:ハマルは、おひつじ座で最も明るい恒星で、唯一の2等星。
  • β星:シェラタンは、おひつじ座で2番目に明るい恒星で、3等星。

ほかの星はこれらより暗いが、以下の恒星に固有名がついている。

  • γ星:メサルティムは、ほぼ等光の美しい2重星として知られている。
  • δ星:ボテイン。
主な恒星(おひつじ座)
星名 固有名 概略位置 実視等級 スペクトル型 距離
赤経 赤緯
α Ari ハマル 02h07m10s +23°27′45″
β Ari シェラタン 01h54m38s +20°48′29″
  • BD +20°307 - 地球サイズの惑星同士が衝突して生じた塵の雲を持つ。

星団・星雲・銀河

どれも暗く、望遠鏡でもかすかにしか見えない。

由来と歴史

この星座の比較的明るい東側(向かって西側)のα星・β星・γ星でできる鉤型は、古代バビロニアでは「農夫」あるいは「雇夫」(麦播きの農繁期に雇われる日雇い農夫)だった。隣のうお座の中央が、彼が耕す農地である。「男」と「」が同音異義語 lu だったことから、羊と同一視されるようになった[2]

神話

ギリシア神話によると、ボイオティアアタマスの息子プリクソス双子の妹ヘレーが、継母イノーの悪巧みによって生贄にされそうになったときに、ゼウスが遣わして二人を乗せて逃げた金の皮を持つ羊だという。妹は羊が走る途中に海に落ちおぼれて死んだ。プリクソスは逃亡先のコルキスでこの羊を生贄に捧げ、皮を当地の王アイエーテースに贈った(現代の観点からすると恩知らずな行為に見えるが、古代においては神の遣わした獣は生贄として神に返す風習だった)。この羊の皮を手に入れるための冒険がアルゴー号アルゴ座)の冒険、アルゴナウタイ神話である。

出典

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ 近藤二郎『わかってきた星座神話の起源 古代メソポタミアの星座』誠文堂新光社 2010年、ISBN 978-4-416-21024-6