エタノール
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| エタノール | |
|---|---|
| IUPAC名 | エタノール |
| 別名 | エチルアルコール |
| 識別情報 | |
| CAS | 64-17-5 |
| RTECS | KQ6300000 |
| SMILES | CCO |
| 特性 | |
| 化学式 | C2H6O |
| 分子量 | 46.07 g mol-1 |
| 外見 | 無色液体 |
| 密度 | 0.789 g/cm3 |
| 融点 |
−114.3 ℃ |
| 沸点 |
78.4 ℃ |
| 水への溶解度 | 水と任意に混合 |
| 酸解離定数 pKa | 15.9 |
| 粘度 | 1.200 mPa s (cP) at 20.0 ℃ |
| 双極子モーメント | 5.64 fC fm (1.69 D) (gas) |
| 危険性 | |
| 危険性標識 | |
| NFPA 704 | |
| Rフレーズ | R11 R20 R21 R22 R36 |
| Sフレーズ | (S2) S7 S16 |
| 引火点 | 13 ℃ |
| 関連する物質 | |
| 関連物質 | メタノール プロパノール |
| 特記なき場合、データは常温(25 ℃)・常圧(100 kPa)におけるものである。 | |
エタノール(Ethanol)はアルコールのひとつ。慣用名としてエチルアルコール(ethyl alcohol)と呼ばれる。酒類の主成分であるため酒精とも呼ばれる。 数多くあるアルコール類の中でも、最も身近に使われる物質の1つである。揮発性が強い。
近年日本では自動車燃料として脚光を浴びており、世界中でもさらに大きく注目を集めている。
目次 |
[編集] 性質
一般的なアルコールの性質を持つ。詳細はアルコールの項を参照。水を始めとする極性溶媒や炭化水素も含む各種有機溶媒など、ほとんどの溶媒と自由に混和できる。
[編集] 合成
現在市場に出回っているエタノールは、大部分がアルコール発酵によって製造されている。一部は、化石燃料由来のエチレンの水和反応等の有機合成手法によっても製造される。
[編集] 反応
エタノールに濃硫酸を混ぜて、130~140℃に加熱すると、ジエチルエーテルが生成する。
また、160~170℃に加熱するとエチレンが生成する。
エタノールに適当な酸化剤を作用させる、または脱水素反応などを施すとアセトアルデヒドに変わり、さらに強い酸化反応条件下では酢酸まで酸化される。 以上の酸化の過程を簡略した化学式で表すと以下のようになる。
エタノールに金属ナトリウムあるいは水素化ナトリウムを反応させると、水素ガスを発生しながらナトリウムエトキシドを生成する。
[編集] 共沸と精製
水とエタノールの混合液を蒸留によって、二つの成分に完全に分離することはできない。これは水とエタノールが共沸をするためであり、この時の共沸混合物はエタノールが96%(質量パーセント濃度)、水が4%であるため、通常の蒸留によって得られるエタノールの最高濃度はおよそ96%である。ベンゼンなどとの共沸によって水分を除く操作をすることにより無水エタノールが作られる。
[編集] 利用
溶剤(有機溶媒)、有機合成原料、消毒剤などとして広く使われている。 用途別の使用量としては、飲用22%・工業用10%・燃料用68%である。(2003年)
飲用(酒類)及び医薬品以外のエタノール(いわゆる工業用アルコール)はほとんどが変性アルコールと呼ばれるもので、これにはエタノールにかなりの量あるいは少量のメタノールやIPA等の物質が混入されている。こうして、酒税の対象から外し価格を下げられるのである。従って酒として販売されているもの以外のアルコールを、「エタノール」と表示されているからといって、薄めて飲むなどは極めて危険である。
外用剤や化粧品等に用いられている変性アルコールは工業用アルコールとは異なり、メタノールやIPAは使用しておらず、有害性は低い。苦味、もしくは匂いを付加して飲用に適さないアルコールとすることにより、酒税対象から外している。 なお、平成12年からアルコール事業法が施行され、許可を取得すれば酒税を課せられない無変性アルコールを取り扱えるようになった。
[編集] 自動車燃料
近年日本では、石油の代替燃料としてのエタノールの自動車用燃料用途に注目が集まっている。
自動車の登場期にすでに燃料として使われていた。米国では、1920年代にゼネラルモーターズが石油会社と共に(会社の利益となる)有鉛ガソリンを推進するようになったため、以降ほとんど使われなくなった。(トマス・ミジリー#エチルの発見も参照) フランスでは、1920年代から1950年代頃には砂糖大根で作ったエタノールをガソリンに混ぜて使っていた。石油が安価に手に入るようになりほとんどの国ではエタノールを使わなくなった。しかし、ブラジルでは、1973年の石油ショックによる原油価格の高騰に対処するため、1975年からプロアルコール(Proalcool)政策を実施し、自国のサトウキビから生産できるエタノールをガソリン代替にすることを進めてきた。既にブラジルでは年間に販売される新車の半数以上がエタノール燃料に対応した車となっている。2003年よりブラジルでのガソリンに対するエタノール混合率は25%となっている。
アメリカ合衆国でも、1970年代から中西部のとうもろこし生産地帯においてエタノール混合率10%のガソリン「ガソホール」が販売されてきた。1990年代になると、クリーンエア・アクト(大気浄化法)にもとづき、エタノール混合に優遇措置がなされた。これらは米国では農業生産者が政治に対して力をもっているからなしえたことでもあった。2000年代になり、米国内では、州によって状況が異なるが、通常E10とよばれる10%混合ガソリンが広く販売されるようになっている。しかし、すべての米国人がその実態を知っているとはいえない程度である。エタノールとガソリンの混合燃料(フレックス燃料)に対応した車(フレックス車)の販売も増加している。通常の米国車は基本的にE10対応となっており、普通にガソリンをいれていると思いながらE10フレックス燃料をいれているようなケースも実際には多く、使用者の意識がなくともフレックスを使用している場合がある。米国ではフレックスに対応している車はE10対応、E25対応とよばれるが、E10対応はすでに標準であり、フォードではE85というような車も販売をはじめている。[1]
日本においては、実験を進めていた経済産業省が、コストの観点から日本国内での生産よりも輸入によることによる普及促進を狙い、2006年2月にブラジルの国営石油会社ペトロブラスと日本の日本アルコール販売の50%出資で、「日伯エタノール」を設立した。2007年2月時点で経済産業省の政策に対し石油会社の協力が得られておらず、ガソリンとの混合およびその販売にはまだ明確な道筋が立っていない。
モータースポーツのインディ・レーシング・リーグでは2007年より98%エタノール燃料(飲用防止のため2%のガソリンを混ぜてある)を使用している。(記事 アルコール燃料に詳しい)
[編集] 医薬品
日本では日本薬局方により純度が規定されている。
- 無水エタノール(別名:無水アルコール)
- 15℃でエタノールを99.5v/v%以上含む。消毒効果はほとんどないが、肝癌治療に応用されている。
- エタノール(別名:アルコール)
- 15℃でエタノールを95.1〜95.6v/v%含む。
- 消毒用エタノール(別名:消毒用アルコール)
- 15℃でエタノールを76.9〜81.4v/v%含む。一般的な医療用消毒剤。
医薬用の(日本薬局方の)エタノールは酒税が設定されているが、美味ではない。 患部に用いない、手指の消毒等には安価なイソプロパノールや変性アルコールが用いられ、逆性石鹸で消毒の性能を高めた物も多いので、飲用してはならない。
[編集] 人体への影響
詳細は「エタノールと人体」を参照
ヒトがエタノールを摂取すると、中枢神経を抑制する効果により酔いという症状が現れる。アルコール飲料を長期にわたって飲み続けると脂肪肝などが見られることがあるが、エタノールの作用というよりはアルコール飲料を中心とした偏食の結果である。
[編集] おもな誘導体
[編集] 法的規制
日本では消防法により危険物第4類(アルコール類 危険等級II)に指定されている。
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