塩化ベンザルコニウム

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塩化ベンザルコニウム
塩化ベンザルコニウムの構造式。Rは長鎖アルキル基
識別情報
CAS登録番号 8001-54-5
KEGG D00857
特性
出典
医薬品インタビューフォーム塩化ベンザルコニウム液
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化ベンザルコニウム(えんかベンザルコニウム、benzalkonium chloride)は、陽イオン界面活性剤の一種。示性式が C6H5CH2N+(CH3)2R•Cl (R = C8H17 ~ C18H37、長鎖アルキル)と表される四級アンモニウム塩の混合物。水溶液は日本薬局方収載医薬品で逆性石鹸として殺菌消毒用に用いられる。

合成[編集]

アルキルアミンをアセトアルデヒド/ギ酸と反応させた後、塩化ベンジルと反応させる。

RNH2→RN(CH3)2+C6H5CH2Cl→C6H5CH2N+(CH3)2R•Cl

概要[編集]

塩化ベンザルコニウムを有効成分とする逆性石鹸液は、オスバンヂアミトールなどの商品名で 50%、10%、ほか低濃度の水溶液が市販されており、手指、粘膜、機器消毒の用途に使われる。逆性石鹸という消毒剤の性質上、グラム陽性陰性細菌には有効であるが、結核菌ウイルスには無効である。また、石けんなど陰イオン界面活性剤の併用で作用が減弱する。

作用機作[編集]

塩化ベンザルコニウムは、細菌細胞膜タンパク質変性させることによって、殺菌性を発揮する。アルキル側鎖がC12H25の塩化ベンザルコニウム(ベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、通称:BDDAC)が有機物存在下で最も作用が強い。外用消毒剤の為、経口投与や浣腸には使用しない[1]

安全性[編集]

魚や (LC50 = 280 μg ai/L), 水生無脊椎動物や (LC50 = 5.9 μg ai/L), 鳥類に (LD50 = 136 mg/kg-bw)対して毒性を示す。 [2]

コンタクトレンズ用液は防腐剤として0.002%から0.01%の塩化ベンザルコニウムを含んでいる。[3]

また0.04%から0.05%の溶液は角膜上皮障害を引き起こしやすい。[4]

商品名[編集]

以下のような商品名でも呼ばれる。

  • オスバン(Osvan)[5]
  • ウエルパス(Welpas)[5]
  • ロッカール(Roccal)[5]
  • ベルコムローション[5]
  • ザルコニン液
  • ザルコノック
  • ヂアミトール
  • オロナイン-K

脚注[編集]

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  1. ^ 推定ヒト経口致死量50~500mg/kg(医薬品インタビューフォーム)
  2. ^ Frank T. Sanders, ed (August 2006). Reregistration Eligibility Decision for Alkyl Dimethyl Benzyl Ammonium Chloride (ADBAC) (Report). United States Environmental Protection Agency Office of Prevention, Pesticides, and Toxic Substances. pp. 114. http://www.epa.gov/oppsrrd1/REDs/adbac_red.pdf 2009年3月31日閲覧。. 
  3. ^ U.S. Patent 5,725,887, column 2, line 8
  4. ^ Swan, K. C., "Reactivity of the Ocular Tissues to Wetting Agents", Am. J. Ophthalmol., 27, 118 (1944),
  5. ^ a b c d 日化辞番号J628I(日本化学物質辞書Web 独立行政法人科学技術振興機構)

関連項目[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]