陽イオン界面活性剤

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陽イオン界面活性剤(ようイオンかいめんかっせいざい、Cationic surfactant)、あるいはカチオン界面活性剤は、陽イオン性の親水基を持つ界面活性剤

構造[編集]

代表的なものとして、第4級アンモニウムが親水基の界面活性剤の化学構造を示す。

X-

性質[編集]

主にアミン塩型と第4級アンモニウム塩型に大別される。

アミン塩は pH、金属イオン等の影響を受けやすいが、第4級アンモニウム塩は影響を受けにくい。水溶性はアミン塩より第4級アンモニウム塩の方が大きい。

吸着性、柔軟性、帯電防止性、殺菌性などの性質があるため、洗濯用の柔軟仕上げ剤や毛髪用のリンス、トリートメント、消毒剤などの用途がある。

主な陽イオン界面活性剤[編集]

塩化ベンザルコニウム

界面活性剤の一覧も参照。

塩化ジステアリルジメチルアンモニウム (distearyl dimethyl ammonium chloride)
C18H37N+C18H37(CH3)2Cl
DSDMACは主に柔軟剤として使用されている。w:Dimethyldioctadecylammonium chloride
塩化ベンザルコニウム
低濃度の水溶液が「オスバン」、「ヂアミトール」等の商品名で逆性石鹸として使用されている。

殺菌効果[編集]

デカリニウムカチオン

消毒剤殺菌剤としての効果を有する活性剤を以下に記す。

参考文献[編集]

  • 「界面と界面活性剤−基礎から応用まで−」(日本油化学会、2004年