1982年ラスベガスグランプリ

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アメリカ合衆国の旗 1982年ラスベガスグランプリ
レース詳細
日程 1982年シーズン第16戦
決勝開催日 9月25日
開催地 ラスベガス市街地コース
アメリカ ラスベガス
コース長 3.650km
レース距離 75周(273.750km)
決勝日天候 晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1'16.356
ファステストラップ
ドライバー イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート
タイム 1'19.639(Lap 59)
決勝順位
優勝
2位
3位

1982年ラスベガスグランプリは、1982年F1世界選手権の第16戦として、1982年9月25日ラスベガス市街地コースで開催された。

概要[編集]

開催状況[編集]

このレースは1982年シーズンの最終戦として開催された。このシーズン、アメリカで行われた3度目のF1グランプリだった。土曜日に決勝が開催され、予選は木曜日と金曜日に行われた。また、これがシーザーズ・パレスで行われた最後のF1レースとなった。

予選[編集]

木曜日と金曜日に行われた予選は、性能向上が著しいターボエンジンを搭載するルノーを駆るアラン・プロストがPP獲得。2番手もチームメイトのルネ・アルヌーが付け、ルノーがフロントロー独占となった。

なお、ドライバーズチャンピオン獲得の権利を持つケケ・ロズベルグジョン・ワトソンであるが、5位ならチャンピオン確定のロズベルグは6番手と、優勝しない事には始まらないワトソンの9番手より有利なポジションでのスタートとなった。

決勝[編集]

この様な状況下で始まった決勝は、フロントローからスタートのルノーよりロズベルグとワトソンの動向が注目となった。ワトソンは2周目にジャック・ラフィットに抜かれ一時的に順位を落とすものの、まもなく調子を取り戻し猛追を敢行し、ポイント圏内に入れないロズベルグを尻目に18周目には4位に上昇。その後も快調に走り56周目には2位のポジションにつけるものの、この前後から抱えたタイヤトラブルが祟り失速。こうして、先頭を走るミケーレ・アルボレートは2位と27秒の差を付けチェッカーを受け、悲願のF1グランプリ初優勝となった。

なお、ドライバーズチャンピオンについてであるが、マリオ・アンドレッティのリタイヤにより条件をクリアしたロズベルグは、5位になるや安全運転を心掛けその順位をキープしたままチェッカーを受け、年間僅か1勝ながらも取りこぼしの少なさが幸いし1982年ドライバーズチャンピオン獲得。対するワトソンは2位止まりだった為、シーズン途中で離脱を余儀なくされたディディエ・ピローニと同ポイントながらも年間3位と言う無念の結果となった。

結果[編集]

予選結果[編集]

順位 No ドライバー コンストラクタ 1回目 2回目
1 15 フランスの旗 アラン・プロスト ルノー 1'18.922 1'16.356
2 16 フランスの旗 ルネ・アルヌー ルノー 1'17.868 1'16.786
3 3 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート ティレルフォード 1'18.756 1'17.646
4 25 アメリカ合衆国の旗 エディ・チーバー リジェマトラ 1'18.842 1'17.683
5 2 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ブラバムBMW 1'20.386 1'17.772
6 6 フィンランドの旗 ケケ・ロズベルグ ウィリアムズフォード 1'19.162 1'17.886
7 28 アメリカ合衆国の旗 マリオ・アンドレッティ フェラーリ 1'19.246 1'17.921
8 27 フランスの旗 パトリック・タンベイ フェラーリ 1'21.067 1'17.958
9 7 イギリスの旗 ジョン・ワトソン マクラーレンフォード 1'19.320 1'17.986
10 35 イギリスの旗 デレック・ワーウィック トールマンハート 1'20.181 1'18.012
11 26 フランスの旗 ジャック・ラフィット リジェマトラ 1'19.635 1'18.056
12 1 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ブラバムBMW 1'19.210 1'18.275
13 8 オーストリアの旗 ニキ・ラウダ マクラーレンフォード 1'19.171 1'18.333
14 5 アイルランドの旗 デレック・デイリー ウィリアムズフォード 1'19.808 1'18.418
15 14 コロンビアの旗 ロベルト・ゲレーロ エンサインフォード 1'20.516 1'18.496
16 23 イタリアの旗 ブルーノ・ジャコメリ アルファロメオ 1'20.065 1'18.622
17 29 スイスの旗 マルク・スレール アロウズフォード 1'19.764 1'18.734
18 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス アルファロメオ 1'19.728 1'18.761
19 4 イギリスの旗 ブライアン・ヘントン ティレルフォード 1'21.038 1'18.765
20* 31 フランスの旗 ジャン=ピエール・ジャリエ オゼッラフォード 1'19.222 -
21 11 イタリアの旗 エリオ・デ・アンジェリス ロータスフォード 1'19.564 1'19.302
22 12 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル ロータスフォード 1'20.986 1'19.439
23 9 ドイツの旗 マンフレッド・ヴィンケルホック ATSフォード 1'21.563 1'19.767
24 30 イタリアの旗 マウロ・バルディ アロウズフォード 1'20.271 1'20.824
25 18 ブラジルの旗 ラウル・ボーセル マーチフォード 1'20.766 1'21.215
26 17 イギリスの旗 ルパート・キーガン マーチフォード 1'26.048 1'21.180
27 33 アイルランドの旗 トミー・バーン セオドールフォード 1'24.208 1'21.555
DNQ 36 イタリアの旗 テオ・ファビ トールマンハート 1'22.324 1'21.569
DNQ 10 チリの旗 エリセオ・サラザール ATSフォード 1'23.148 1'21.583
DNQ 20 ブラジルの旗 チコ・セラ フィッティパルディフォード 1'23.100 1'22.387

決勝結果[編集]

順位 No ドライバー コンストラクタ 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 3 イタリアの旗 ミケーレ・アルボレート ティレルフォード 75 1:41'56.888 3 9
2 7 イギリスの旗 ジョン・ワトソン マクラーレンフォード 75 +27.292 9 6
3 25 アメリカ合衆国の旗 エディ・チーバー リジェマトラ 75 +56.450 4 4
4 15 フランスの旗 アラン・プロスト ルノー 75 +1'08.648 1 3
5 6 フィンランドの旗 ケケ・ロズベルグ ウィリアムズフォード 75 +1'11.375 6 2
6 5 アイルランドの旗 デレック・デイリー ウィリアムズフォード 74 1周遅れ 14 1
7 29 スイスの旗 マルク・スレール アロウズフォード 74 1周遅れ 17  
8 4 イギリスの旗 ブライアン・ヘントン ティレルフォード 74 1周遅れ 19  
9 22 イタリアの旗 アンドレア・デ・チェザリス アルファロメオ 73 2周遅れ 18  
10 23 イタリアの旗 ブルーノ・ジャコメリ アルファロメオ 73 2周遅れ 16  
11 30 イタリアの旗 マウロ・バルディ アロウズフォード 73 2周遅れ 23  
12 17 イギリスの旗 ルパート・キーガン マーチフォード 73 2周遅れ 25  
13 18 ブラジルの旗 ラウル・ボーセル マーチフォード 69 6周遅れ 24  
NC 9 ドイツの旗 マンフレッド・ヴィンケルホック ATSフォード 62 規定周回数不足 22  
リタイヤ 8 オーストリアの旗 ニキ・ラウダ マクラーレンフォード 53 エンジン 13  
リタイヤ 33 アイルランドの旗 トミー・バーン セオドールフォード 39 スピン 26  
リタイヤ 35 イギリスの旗 デレック・ワーウィック トールマンハート 32 イグニッション 10  
リタイヤ 11 イタリアの旗 エリオ・デ・アンジェリス ロータスフォード 28 エンジン 20  
リタイヤ 28 アメリカ合衆国の旗 マリオ・アンドレッティ フェラーリ 26 スピン 7  
リタイヤ 1 ブラジルの旗 ネルソン・ピケ ブラバムBMW 26 エンジン 12  
リタイヤ 16 フランスの旗 ルネ・アルヌー ルノー 20 エンジン 2  
リタイヤ 2 イタリアの旗 リカルド・パトレーゼ ブラバムBMW 17 クラッチ 5  
リタイヤ 12 イギリスの旗 ナイジェル・マンセル ロータスフォード 8 接触 21  
リタイヤ 26 フランスの旗 ジャック・ラフィット リジェマトラ 5 イグニッション 11  
DNS 27 フランスの旗 パトリック・タンベイ フェラーリ 0 出走せず 8  
DNS 14 コロンビアの旗 ロベルト・ゲレーロ エンサインフォード 0 出走せず 15  
  • 特に断りのない限り、予選順位はAUTOCOURSE 1982-83[1]、決勝順位は公式サイト[2]より。
    • AUTOCOURSE記載のウィリアムズ、リジェの2チームのドライバーの予選タイムは、チームメイトのタイムと入れ替わって記載されている(誤植)。
  • ジャリエは予選中にクラッシュし、以後の出走を取りやめ[1]、ジャリエ以下のスターティンググリッドは繰り上がった。

記録[編集]

  • 初優勝:ミケーレ・アルボレート
  • 最終グランプリ(ドライバー):ブライアン・ヘントン、デレック・デイリー、ルパート・キーガン、トミー・バーン、マリオ・アンドレッティ
  • 最終グランプリ(チーム):エンサイン

脚注[編集]

  1. ^ a b Alan Henry, ed (1982). AUTOCOURSE 1982-83. Hazleton Publishing. pp. pp.214-215. ISBN 0-905138-21-X 
  2. ^ 1982 Las Vegas Grand Prix”. 2009年8月5日閲覧。

関連項目[編集]

前戦
1982年イタリアグランプリ
FIA F1世界選手権
1982年シーズン
前回開催
1981年ラスベガスグランプリ
アメリカ合衆国の旗 ラスベガスグランプリ 次回開催
2023年ラスベガスグランプリ