ロクでなし魔術講師と禁忌教典

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典
ジャンル 学園ファンタジー
小説
著者 羊太郎
イラスト 三嶋くろね
出版社 KADOKAWA
レーベル 富士見ファンタジア文庫
刊行期間 2014年7月 -
巻数 既刊8巻(2017年3月時点)
漫画
原作・原案など 羊太郎(原作)
三嶋くろね(キャラクター原案)
作画 常深アオサ
出版社 KADOKAWA
掲載誌 月刊少年エース
レーベル 角川コミックス・エース
発表号 2015年5月号 -
巻数 既刊5巻(2017年3月時点)
アニメ
原作 羊太郎
監督 和ト湊
シリーズ構成 待田堂子
脚本 待田堂子
キャラクターデザイン 木村智
音楽 堤博明
アニメーション制作 ライデンフィルム
製作 ロクでなし製作委員会
放送局 AT-XTOKYO MXほか
放送期間 2017年4月 -
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

ロクでなし魔術講師と禁忌教典』(ロクでなしまじゅつこうしとアカシックレコード)は、羊太郎による日本ライトノベルイラスト三嶋くろねが手掛けている[1]。出版社が使用している略称は、「ロクでなし[2][3][4][5][6]。第26回ファンタジア大賞大賞賞受賞作[1]。投稿時のタイトル名は「ニートなボクが魔術の講師になったワケ」。

あらすじ[編集]

1年間無職を続け、家主であるセリカのすねをかじり続けていた青年・グレンだったが、ついに痺れを切らされて、強制的にアルザーノ帝国魔術学院の非常勤講師として働くこととなる。初めは仕事を早く辞めたいと願い、やる気のない授業を繰り返すが、生徒の一人であるルミアの頑張りを見たことで「ほんの少しのやる気」を出し、学生たちがそれまで学んだことのないような授業を行うようになる。それまで評判は最悪だったが、一躍して人気の講師となった。そんな中、政府と敵対する魔術結社「天の智慧研究会」が学院を襲い、グレンは戦いに巻き込まれていく。

登場人物[編集]

はテレビアニメ版のもの。

主要人物[編集]

グレン=レーダス
- 斉藤壮馬
主人公。アルザーノ帝国魔術学院2年2組の担当講師。魔術学院の卒業生。黒髪黒眼で長身痩躯の青年。
前職を辞めて以来、育ての親でもあるセリカのもとで1年間ひきこもりの無職を続けていたが、業を煮やした彼女に脅され、非常勤講師として働くことになる。後述の理由で「魔術は人殺しの役にしか立たない」と考える極度の魔術嫌いで、当初は早く講師を辞めるために適当な授業を繰り返すが、システィーナとルミアの夢を聞き真摯な授業を行うようになり、学院襲撃事件を経て正式な講師になった。ただし授業以外は適当なままで、講師の契約更新に必要な魔術論文の執筆はおろかろくな研究もしていないせいで解雇されそうになったこともある。
性格は適当で子供っぽい。えり好みが激しい上、素行も口も悪く、好かれる人には好かれるが、嫌う人にはとことん嫌われる。細身だが健啖家。また、オバケが苦手で船酔いしやすい体質。セリカ曰く「努力をしたとはいえ、どこまでも凡人であり、どこか抜けてはいるものの、なぜか予想外のことばかり引き起こす」。給料日から1週間以内にギャンブルで全財産をスるようなダメ人間で、本来なら中流階級でも上級なだけの賃金をもらえているはずが、さらに減給に次ぐ減給でそろそろ本格的に学院に給料を払わなくてはいけないレベルであるため、慢性的な金欠に陥っている。そのため食費もままならず、学院にあるシロッテの枝で飢えをしのぐことも。さらに、教え子を金儲けに利用することすらある。しかしお人好しなところもあり、身銭を切ってまで学生達のために行動することもある。
元《塔》のアンリエッタの手で滅ぼされた村の生き残りで、人体実験を受けていたせいでセリカに拾われるまでの記憶を失っており、現在の名前は彼女が救えなかった少年からとってつけられたもの。「メルガリウスの魔法使い」のような正義の魔術師に憧れ、セリカから魔術を学んで育つ。わずか11歳で学院に入学するが、その後の成績は平凡で、自身の魔術特性を利用した固有魔術を開発したものの、一般に無益とされるようなものだったため論文は焼却され、卒業の名目で実質退学となる。しかし、その魔術に価値を見出した帝国宮廷魔導師団特務分室に引き抜かれ、15歳の頃から執行者ナンバー0・コードネーム《愚者》として活動することとなった。当初は出世に喜んだが、その後3年間外道魔術師を暗殺する仕事を繰り返した末に精神的に疲弊し、数少ない支えであったセラが自分を庇って殉職したことで魔術に絶望し辞職、現在に至る。
魔術師としての位階は第三階梯。男性ながら魔力操作の感覚と略式詠唱のセンスが致命的にないため、初歩の汎用魔術ですら呪文の一節詠唱ができない。魔力容量についても平凡で、軍用の攻性呪文は基本三属しか使えないにもかかわらず、無駄に癖の強い変則的な呪文ばかりに適性がある。高度な魔力操作が必要とされる無属性系攻性魔術も苦手で、狂霊などの存在とは特に相性が悪い。ただし、魔術師としては三流だが、魔導士としては一流。魔術特性の「変化の停滞・停止」を利用して自分を中心に魔術起動を完全封殺する固有魔術【愚者の世界】を編み出している。この固有魔術は自分や近くにいる仲間も魔術を使えなくなるという重大な欠陥があるが、宮廷魔導師団時代に身につけた帝国式軍隊格闘術や魔銃《ペネトレイター》という魔術に頼らない武器を持つため、魔術のみに傾倒した敵相手には有利に立ち回れる。また、すでに発動している魔術を封じることはできないため、相手より先んじて発動させる必要がある。切り札として、セリカが編み出した【イクスティンクション・レイ】を使えるが、貴重な触媒と七節もの長大な詠唱を必要とする上に、使用後マナ欠乏症でまともに動けなくなるデメリットがある。
システィーナ=フィーベル
声 - 藤田茜
フィジテ地方の大地主である大貴族・フィーベル家の令嬢。銀髪の美少女。ルミアからは「システィ」、グレンからは「白猫」の愛称で呼ばれる。聖暦1838年グラムの月24日(12月24日)生まれ、B76/W55/H78[7]
典型的なメルガリアンで、同じくメルガリアンであった祖父が叶えられなかった「メルガリウスの天空城の謎を解く」という夢のため、魔導考古学者を目指して日夜魔術の研鑽に励む。
生真面目な性格で、初めは適当な授業を繰り返すグレンを軽蔑していた。グレンが授業態度を改めるようになってからは彼を見直しており、しばしば見せる情けない姿に呆れながらも信頼を見せている。また、学院が「天の智慧研究会」に襲撃され、ぼろぼろになってまで戦い続ける姿を見てからグレンに好意を抱いているが、まだ自分の気持ちにはっきりと気付いてはいない。恩返しのため母親から料理を習うなど、健気なところもある。
気が強く口うるさいこともあり、「お付き合いしたくない美少女」「説教女神」「真銀(ミスリル)の妖精」などと呼ばれ、美貌の割に男子からの人気はそれほど高くない。胸廻りの成長に乏しく、ルミアに少々嫉妬している。また、グレン同様オバケが苦手で、ヘビも苦手。普段は意地っ張りで素直になれないため周囲からの評価は「面倒臭い子」だが、アルコールが入ると陽気かつ素直になる。趣味は小説を書くことだが、文才はない。
生粋のお嬢様育ちなためか、いわゆるヘタレで極限状態での精神面に脆さがみられ、裏切ったリィエルによってルミアが誘拐された時も足がすくんで動けなかった。自身の婚約騒動の際には「天使の塵」中毒者を容赦なく始末するグレンに恐怖心を覚え、突き放してしまったが、日常を取り戻すため恐怖を乗り越え奮起し、彼と共にジャティスに立ち向かっている。
学年トップの秀才で位階は第二階梯。白魔術をやや苦手とするが、座学・実技共に高成績で一節詠唱を使いこなし、グレンの教えをもとに即興で呪文の改変を行うなど非常に優秀。また、現在顕在的に使用可能な魔力容量こそさほどでもないが、潜在的な魔力容量については類稀で、数十年に一人というレベルの逸材。最近では、いざというときにルミアを守れるように家族には内緒でグレンから魔術戦の手ほどきを受けて即興の呪文改変の練度も上がってきており、同年代の学生と比較すると段違いに実戦慣れしている。呪文改変との相性がいい風の黒魔術に関して天賦の才能を持ち、魔力量に任せて呪文改変を連発することで援護を行うのが主な戦術。
ルミア=ティンジェル
声 - 宮本侑芽
フィーベル家に下宿する金髪の美少女。
3年前にフィーベル家にやってきた当初はとある事情からシスティーナにも心を開いていなかったが、システィーナと間違われて誘拐されて以来本当の姉妹のように仲が良い。誘拐事件の際に自分を救い出したのが特務分室時代のグレンで、それ以来ずっと彼のことを慕っている。そのため、講師になったばかりのグレンが周りに嫌われている中でも唯一好意的に接していた。知性によって正しく魔術を制するような世界を作りたいという夢は、魔術嫌いのグレンにも影響を与え考えを改めさせるきっかけになった。
位階は第一階梯。法医呪文と浄化呪文を中心とする白魔術と座学は優秀で触媒さえあれば高位司祭が使うような高等浄化呪文さえ使えるものの、その他の実技が苦手なので成績は中ほど。趣味は手芸とバイオリン演奏。
優しく素直な性格で、普段は分かりにくいが実はスタイルも抜群、このため男子からの人気も高い。少々不器用で料理はあまり得意ではないらしく、早起きも苦手。
実はアルザーノ帝国第二王女のエルミアナ=イェル=ケル=アルザーノその人。自分が触れている相手の魔力や魔術を自分の意思で何十倍にも増幅できる異能「感応増幅者」であることが判明し、王家の威信に影響を与えかねない存在となったため表向きは流行病にかかって死亡したという形で王位継承権を剥奪され野に下る。実は単なる「感応増幅者」の範疇に収まらない特異な人材であるようで、今でも「天の智慧研究会」に身柄を狙われ続けている。
先述の経緯からいつ死んでもいいような心構えを常にしているため、精神力が非常に強い。その胆力を見込まれて2年次の魔術競技祭では『精神防御』に出場、見事優勝を果たす。図らずも自分を追いだすこととなった母親とは確執があったが、魔術競技祭の一件を経て和解に至る。
リィエル=レイフォード
声 - 小澤亜李[8]
帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー7《戦車》。櫛を入れていない淡青色の髪と「表情が死滅した」と表現される無表情、幼い見た目が特徴の少女。苺タルトが好物で野菜が苦手。
周囲からの評価は一貫して「バカ」で、作戦行動の意味を全く理解せず敵に突っ込む悪癖があり、お目付け役のグレンとアルベルトは常に手を焼いている。しかし、相手が格上であっても気合いでどうにかしてしまうため、特務分室のエースとして重用されている。
元々は「天の智慧研究会」で行われた『Project: Revive Life』の唯一の成功例である魔造人間。オリジナルであるイルシア=レイフォードの能力と記憶を引き継いでいるが、生まれて2年程度であるため精神面は未熟。イルシアの遺言を聞いたグレンに保護され、経歴を伏せられたうえで特務分室に籍を置くことになった。
魔術競技祭からしばらくして、ルミアの護衛という形で学院に編入する。入学後しばらくは自然公園内でホームレス生活を送っていたが、その状況を見かねたシスティーナ達に引き取られ、フィーベル家に下宿している。徐々にクラスにも慣れていったが、学修旅行先で兄を名乗る男に騙され「天の智慧研究会」側につきルミアを拉致するが、その過程で自分の正体を知り絶望する。しかし、グレンとルミアに受け入れてもらえたことから過去と決別し、グレンたちのもとに戻った。この一件以降はルミアを友人として守ることを誓い、ついでのシスティーナ以外のクラスメイトにはあまり関心がなかったようだが、次第に他の面々にも愛着が湧くようになっている。
ルーンの仕様に存在するバグを利用した高速武器練成、および白魔【フィジカル・ブースト】による細腕からは想像できないような怪力を利用した力押しが主な戦法(本人曰く、魔術で作った武器を使う戦闘なのでれっきとした攻性呪文)。正式な剣術を学んだわけではないため邪法ともいえるような技を使うが、たぐいまれな戦闘勘によって勝利を引き寄せている。戦闘中に魔術を使わないという特性上、グレンの【愚者の世界】の影響を受けないため、彼とは一緒に組んで仕事をしていた。ちなみに攻性呪文の腕は壊滅的でロクに的に当たらない。

アルザーノ帝国魔術学院[編集]

2学年次2組[編集]

ギイブル=ウィズダン
システィーナに次ぐ成績を誇る男子生徒。位階は第二階梯。
皮肉屋で周囲となれ合おうとしないが、仲間思いなところもあり意外と周りの雰囲気に流されることもある。錬金術については絶対の自信を持っており、リィエルをライバル視している。
ウェンディ=ナーブレス
ワイン製造で財を成した地方の有力領地貴族ナーブレス公爵家の令嬢。高飛車な性格で、お嬢様口調とツインテールが特徴的。
位階は第二階梯。システィーナやギイブルに匹敵する実力者だが、不器用かつ少々どんくさく肝心なところでドジを踏む。そのため魔術競技祭では「決闘戦」のメンバーから外されるが、クラストップの【リード・ランゲージ】の腕前を買われ「暗号早解き」に出場、見事優勝した。
カッシュ=ウィンガー
大柄な少年。下宿暮らしで、代書屋でアルバイトをしている。
社交的な性格で、友人も多い。学校の行事などで遠出するときは必ずと言っていいほど女子風呂への覗きを敢行するという思春期の男子らしい行動をとっているが、成功したことはない。グレンに対して好意的な学生の一人だがクラスの美少女達と親しいことには不満があるため、時折同志を募って敵対することもある。
位階は第一階梯でそれほど優秀とはいえないが、身体能力と状況判断力に優れており、魔術競技祭ではウェンディに代わり「決闘戦」に出場した。
セシル=クレイトン
女顔で小柄な少年。
読書家で集中力が高く、座学は得意。一方で実技が苦手だったが、魔術競技祭で「魔術狙撃」に出場して好成績を収めて以来、狙撃に関して実力を着実に伸ばしている。
リン=ティティス
小柄で小動物的な雰囲気を持つ少女。着やせするタイプで、実は胸のサイズはルミアに匹敵する。
位階は第一階梯。実技が苦手で、自分に自信が持てずにいた。魔術競技祭の「変身」選手に選ばれ、一度は辞退を考えたがグレンに励まされ、結果として【セルフ・イリュージョン】を駆使して「時の天使」ラ=ティリカの姿に変わり、最高得点をたたき出す。
カイ=ファニス、ロッド=リブリー
魔術競技祭で「飛行競技」に出場、ペース配分の練習を重点的に行ったのが功を奏し見事3位に入賞した。ややトラブルメーカー。カイは調理技術に関して非常に詳しい。
テレサ=レイディ
メリハリの利いたモデル体型の少女。貿易商の娘でおっとりとした雰囲気とは裏腹に、抜け目のないところがある。天性の豪運の持ち主で異常に賭け事が強く、イカサマを駆使したグレンでも相手にならなかった。
念動系の白魔術のうち特に遠隔操作系の魔術が得意。
アルフ=モップス、ビックス=ガヤス、シーサー=エキストラト
仲良し3人組。チームワークを期待され魔術競技祭では「グランツィア」に出場、サイレント・フィールド・カウンターを成功させ見事優勝する。

その他学生[編集]

リゼ=フィルマー
3年次生の主席で、学院の生徒会長。灰色の髪と黒瞳の怜悧な美少女。
情報収集に長けており、グレンが隠蔽した不祥事の証拠を握って様々な雑用を彼に任せているが、そのお人好しなところに信頼を置いている。
周囲には隠しているが「リーゼリット=ルチアーノ」というもう1つの名と、マフィアにして騎士の家系であるルチアーノ家の跡取り娘という顔を持つ。
ジャイル=ウルファート
2年次5組の学生。学院内では札付きの不良として有名。相当な修羅場を潜っているのか精神力はかなり強靱で、競技際では「精神防御」にてルミアと激しい戦いを繰り広げ惜敗した。
ガラも口も悪いが意外と律儀な性格をしており、不良グループの仲間からも慕われている。また、グループの面々を引き連れて地下下水道の定期保守作業なども請け負っている。

講師・教授[編集]

リック=ウォーケン
アルザーノ帝国魔術学院学院長を務める初老の男性。問題児が職員の中に多いことに頭を痛める。
セリカ=アルフォネア
声 - 喜多村英梨[8]
アルザーノ帝国魔術学院の教授。元・帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー21《世界》。
グレンの育ての親で魔術の師匠。見た目は20歳ほどの美女だが、真の「永遠者(イモータリスト)」と呼ばれる原因不明の不老不死体質で400年以上前の記憶を持たない。時折聞こえる「内なる声」に悩まされており、「メルガリウスの魔法使い」の登場人物であるアール=カーンとも面識があり「空(セリカ)」と呼ばれているなど謎が多い存在。長い時を孤独の中で過ごし、大切な人たちとの別れを幾度となく繰り返してきたせいでグレンを拾うまでは酒に溺れ、自傷行為を繰り返す荒んだ生活を送っていた。200年前の戦争で外宇宙から召喚された邪神の眷属を殺害した伝説を持ち、人外と評される第七階梯に至った大陸最高峰の魔術師。元同僚アンリエッタの暴走で滅ぼされた村の唯一の生き残りであるグレンを引き取ったことを機に特務分室を引退、現在は教授職と並行して「内なる声」が告げる指名に従い自身の特異体質の謎を解くために学院地下に存在する古代遺跡の一つに当たる地下迷宮の探索を定期的に行っている。
巨大な光の衝撃波を発生させ、対象を根源素(オリジン)にまで分解消滅させるという個人で使用する術の中では最高峰の威力を持つ【イクスティンクション・レイ】を開発、グレンに伝授している。二反響唱を超える三重唱を使いこなし、かつては《灰燼の魔女》と恐れられていた。さらに「ラ=ティリカの時計」と名づけた懐中時計型の魔導器を使って自分以外の時を止める固有魔術【私の世界】という魔導第二法則の頸木から逸脱した魔術を使うことができる。
グレンのクズっぷりに頭を痛めるが実のところは溺愛しており、講師の職を斡旋したのも真人間になってほしいという思いのほかに魔術と同じく自分のことも嫌いになってしまったのではないかという不安があったためである。また、グレンの性格はセリカの影響を大いに受けており、根本的に似たもの師弟である。一方で自身の異常性から家族だと思っているのは自分だけではないかという不安も抱えていた。
グレンの魔術論文執筆を兼ねた「タウムの天文神殿」調査に同行した際にルミアとシスティーナによって開かれた「星の回廊」を通って、自身が踏破し得なかった地下迷宮の89階に到達。そこで起きたアール=カーンとの戦闘で霊体を激しく損傷し魔術師としての生命が絶たれかけたが、ナムルスを名乗る者によって最悪の事態は免れた。しかしダメージは甚大でしばらく自宅療養を強いられることになる。
ハーレイ=アストレイ
2年次生1組の担当講師。若くして第五階梯に至った天才魔術師。
人の名前を姓名合わせて呼ぶ癖がある。グレンのことを毛嫌いしているが、当のグレンには「ハーなんとか先輩」と呼ばれ名前すら覚えられていない。年齢の割に生え際が後退していることを気にしており、グレンに「ハーゲイ先輩」と呼ばれた時には激怒した。また、「ユーレイ先輩」「ハーベスト先輩」等々グレンになかなか酷い名前で呼ばれる。
ツェスト=ル=ノワール
アルザーノ帝国魔術学院の教授で精神作用系魔術の権威。領地貴族ノワール男爵家で、位階は第六階梯。
伊達男だが、精神魔術で少女の心を汚染していくのを見るのが好きな変態。
オーウェル=シュウザー
アルザーノ帝国魔術学院の魔導工学教授。学院に毎年莫大な出資をしている領地貴族シュウザー侯爵家の当主で、第五階梯に至った若き天才。
根本的にはマトモな愛国者だが、あり余る熱意と才能があさっての方向に空回りする変人。常識を変えるよう名凄まじい発明をいくつも片手間で行っているが、自分ではその凄さをまるで理解しておらず、間違った使い方ばかりしている。助手に選ばれたものはPTSDを発症するほどのトラウマを植え付けられるため、助手のことを教師の間では公然と「生贄」と呼ばれている。
セシリア=ヘステイア
アルザーノ帝国魔術学院の医務室に勤める法医師。はかなげな印象の美女。
若くして第四階梯に至った将来有望な女性だが、生まれつきほぼすべての内臓が弱い虚弱・病弱体質で、風邪を引くと吐血する。
レオス=クライトス
クライトス伯爵家の嫡男で次期当主候補。システィーナの婚約者。
特別講師として学院に赴任、高度な軍用魔術理論を普通の学生に理解させる高い指導力から一気に人気を取る。
システィーナに求婚しており、システィーナ自身も幼いころは彼に憧れを抱いていたが、自分の夢を否定するようになったことですれ違いが生じていた。
実はジャティスに「天使の塵」を投与され操られており、グレンとの魔導兵団戦で引き分けた直後に中毒死していたことが判明する。
ローレンス=タルタロス
魔術教授の一人で楽奏クラブの顧問を務める文化人。恰幅のいい中年男性。ルミア暗殺計画が持ち上がった頃にはすでにザイードの『魔曲』の影響下に置かれており、自分を研究会の協力者だと思い込まされて計画に荷担させられていた。

アルザーノ帝国王室関係者[編集]

アリシア七世
アルザーノ帝国女王。ルミア(エルミアナ)の母。かつてはアルザーノの白百合と呼ばれた美女で、今でもその美貌は衰えを知らない。若い頃にはアルザーノ帝国魔術学院に通っており、社交舞踏会では亡き夫と共に『妖精の羽衣』を勝ち取ったことがある。
政治的問題からルミアを廃したことに負い目を持っている。魔術競技祭の観戦のため魔術学院を訪れた際、エレノアが施した呪いによって暗殺されかけ、呪いを解除する条件としてルミアを殺さなければならない状況に追い込まれるも、グレンたちの尽力により事なきを得る。その後、ルミアと和解した。
ゼーロス=ドラグハート
王室親衛隊総隊長を務める初老の男。40年前の奉神戦争を生き抜いた猛者で、二刀細剣の達人。かつては『双紫電』の異名で呼ばれていた。
エレノアに命を狙われたアリシア七世を守るため王室親衛隊に命じてルミアを殺害しようとする。表彰式に現れたグレンと戦い、虚を突かれ敗北する。

帝国宮廷魔導士団[編集]

イヴ=イグナイト
帝国宮廷魔導士団特務分室室長、執行官ナンバー1《魔術師》。真紅の髪に紫炎色の瞳をした、20歳前の女性。
近距離魔術戦最強の《紅炎公(ロード・スカーレット)》として恐れられるイグナイト公爵家の生まれだが、当主が平民に産ませた私生児で、事故で魔術能力を失った嫡出子の姉の代わりに室長となった。貴族主義の家で肩身の狭い思いをしてきたせいで上昇志向が強く、部下の執行官を道具のように扱う冷徹な性格。独自の情報網を持ち、権謀術策に長ける。「正義の魔法使い」という甘い夢を捨てきれずにいながら戦果を出すグレンに対抗意識を持ち、一方のグレンからも自分たちを囮にしてセラを死なせたことから恨まれている。
その二つ名の所以となった指定した領域内における炎熱系魔術の起動『五工程』(クイント・アクション)をすべて省略できる眷属秘呪【第七圏】を得意とするほか、殺意・悪意を視覚化する索敵系の眷属秘呪【イーラの炎】と多重起動することで領域内で殺意を抱いた者を無力化するなど、事前の準備は必要だが広範囲の敵を一度に倒すことも可能。
ルミア暗殺計画ではルミア自身を囮とすることで第二団のザイードを生け捕りにする計画を立て、リィエルの秘密を盾にグレンを計画に巻き込む。当初は自分の計画通りにザイードを捕縛できたと思っていたが捕まえた相手は身代わりに過ぎず、油断した隙に『魔曲』で彼の傀儡とされてしまう。しかし執行官達の奮戦によりザイードの支配から解放された。
クリストフ=フラウル
帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー5《法皇》。涼やかで落ち着いた物腰の、10代後半の少年。自他共に認める女顔だが、その外見に反して内には厚い闘志を秘めている。
魔導の名門フラウル家の出身で、特務分室ではまだ若輩ながら結界魔術に関しては随一の実力者。結界術を近距離魔術戦でも使えるようにした宝玉式結界魔術を得意とする。
バーナード=ジェスター
帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー9《隠者》。分室内でも古株の老人で、グレンからは「ジジイ」、アルベルトからは「翁」と呼ばれている。若かりし頃は奉神戦争などで活躍した英雄であり、当時は執行官ナンバー8《剛毅》として魔闘術を奮い、敵からは「破壊魔人」として恐れられた。グレンにとっては格闘術の師でもある。
女好きかつ飄飄とした性格で、公文書を偽造してまでアルベルトを騙してからかっている。敵味方を問わず「食えない男」と評されており、全盛期に比べれば魔力量も衰えて魔闘術の冴えも失いつつあるとされるものの、マスケット銃の早撃ちや鋼糸術など様々な道具の扱いに習熟し、巧みな話術で相手を翻弄するなど、周囲に引けを取らない実力を備えている。魔術で小さくしたマスケット銃を使う。その際の魔術弾はクリストフが作成している。
アルベルト=フレイザー
声 - 高橋広樹[8]
帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー17《》。鷹のように鋭い目つきを持つ長髪の青年。
リィエルと共にグレンとはよく組んで仕事をした中で、彼が辞職して以降一人で彼女の手綱を取り続けた苦労人。グレンが理想と現実の間で精神をすり減らしていたことに気づき案じていたが、自分たちに何も言わずに姿を消したことには怒っていた。司祭の資格を有する。一見効率と数字を信奉する冷血漢のようだが仲間に対しては義理堅い。グレンとは馬が合わないが長い間相棒として任務をこなしていただけのことはあり、戦闘時の息の合い方は見事なもの。帝国民を守るという強い信念のもと、必要悪として己の正義を実行する。任務のためなら本来の性格とは正反対の役すら演じ切るという特技があり、もはや演劇でも食べていけるレベル。真面目すぎるためか、バーナードに騙されて奇妙な言動を取ってしまうことも。
搦め手を一切使わず、正確無比な魔力制御による的確・適切な魔術運用を行うという正統派魔術師の教科書のような強さを持つ。その結果として「帝国随一の狙撃手」の異名で呼ばれ、グレンと組んだ時には【愚者の世界】の範囲外から、【ライトニング・ピアス】やそれを改変し固有魔術レベルにまで昇華した超・長距離狙撃用攻性呪文の黒魔改【ホークアイ・ピアス】などを使って敵魔術師を攻撃していた。狙撃手と呼ばれながら単独での近接戦闘にも長けており、一節詠唱のみならず時間差起動や二反響唱、B級軍用魔術の三節詠唱すら可能。また、ナイフの投擲も得意とする。
セラ=シルヴァース
元帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー3《女帝》。レザリア王国の宗教浄化政策で故郷を追われた遊牧民族シルヴァース一族出身の女性で、族長の娘に当たる元姫君。白い髪と白い肌に刻まれた赤い紋様が特徴的な美女。作中ではすでに故人。
位階は第四階梯。呪歌と舞踏による風霊召喚術や風の黒魔術の扱いに長け「風の戦巫女」「風使い」の異名を持っていた。
理想主義者だったグレンの数少ない理解者の一人で、何かにつけてはかいがいしく世話を焼き、グレン自身も「白犬」などと憎まれ口をたたきながらも彼女に好意を抱いていた。しかし約1年前にジャティスが引き起こした「天使の塵」に関わる大事件の際、グレンを庇って致命傷を負い、失った故郷へ想いを馳せながら息を引き取った。
様々な面でシスティーナとよく似ており、グレンがシスティーナを「白猫」と呼んでいるのもセラとは別人だと心の中で言い聞かせるためでもあった。
ジャティス=ロウファン
元帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー11《正義》。
在籍当時から苛烈な言動と独善的な信念、手段を選ばず犠牲を全く厭わない問題児だったが、「天の智慧研究会」に対する敵意は本物だった。本編開始の1年ほど前、「禁忌教典」の存在に触れたことで王家に対して叛意を翻し、自身の「絶対正義」を狂信するようになりこの世の全ての悪を滅ぼすことを決意する。「天使の塵」を使い帝都で大惨劇を引き起こすがセラの犠牲の下でグレンに撃破され、その際死亡したとみられていたが1年間の雌伏を経て活動を再開、フェジテで「天使の塵」を蔓延させレオスを操り暗躍する。かつて自分を倒したグレンに対して異常な執着心を抱き、「復讐」ではなく「挑戦」を目的として彼を戦場に引きずり出すため、魔導兵団戦後死亡したレオスに成り代わり、ルミアとリィエルの秘密を盾にシスティーナとの結婚を強要する。結婚式に殴りこんできたグレンと交戦、恐怖を乗り越えたシスティーナとのコンビネーションの前に敗北して撤退、死者84名を含む多数の犠牲者を出しながらもアルベルトの追手を振り切り逃走に成功する。
記録上の位階は第五階梯。卓越した錬金術師であり、戦闘では手袋に仕込んだ疑似霊素粒子粉末を利用した人工精霊召喚術を使用する。また、行動パターンの完全分析により予知に近い行動予測を可能とする固有魔術を所持している。
アンリエッタ=ドゥール
元帝国宮廷魔導士団特務分室所属、執行官ナンバー16《》。「人形師」の異名を持つ女性魔術師。
特務分室時代のセリカに対して対抗意識を燃やし、決闘を挑むが完敗している。その後歪んだ選民思想や老化に対する焦りから偽りの「永遠者」であるリッチへと転生、村を一つ滅ぼし送り込まれた3名の同僚をも罠にはめて殺害し、リッチ・ミニオンに変えていた。ミニオンの少年をセリカに接近させることで罠にはめ魔術を封じようとしたが失敗、【イクスティンクション・レイ】をその身に受けて完全に消滅した。

その他帝国民[編集]

レナード=フィーベル
システィーナの父親。魔導省の高級官僚で非常に厳格な性格だが、極度の愛妻家かつ親バカで娘たちや妻のことになると人が変わったように暴走し、その度に妻に止められている。若い頃の一時期、官僚試験を受ける以前に父親に反発して家出し、生活費を稼ぐためにアルザーノ魔術学院の講師を務めていたことがあり、当初は不真面目でいい加減な授業をしていたが徐々に真面目で生徒想いな講師となったという過去がある。
フィリアナ=フィーベル
システィーナの母親。魔導省の秘書官で、帝都とフェジテを行き来する忙しい生活を送る。10代半ばの娘がいるとは思えないほど若々しい。夫のストッパー役でもあり、彼が暴走を始めると即座に絞め落とす。夫が講師をしていた頃の教え子で、徐々に生徒想いになっていった彼に惹かれていくようになり押し切るような形で結ばれたという過去を持つ。かつての夫に似ているグレンに惹かれる娘たちを、微笑ましく思いながら見守っている。
レドルフ=フィーベル
システィーナの祖父。故人。優れた魔術師であり魔導考古学者。「タウムの天文神殿」などに関する優れた論文を残しているが、考古学に執着しなければ魔術師としてより優れた功績を残せただろうと惜しまれている。メルガリアンとして天空城の秘密を解き明かすことを夢見ていたが病気と老齢によって生前に目標をかなえることはできなかったため、システィーナがその遺志を受け継いでいる。
ロラン=エルトリア
「魔導考古学の父」と呼ばれる近世では有名な魔導考古学者であり、童話作家。代表作はメルガリアンのバイブルである「メルガリウスの天空城」、童話にして古代神話大成である「メルガリウスの魔法使い」。聖暦前古代史研究を行う課程で世界各地に伝わる古代の神話・伝説・民間伝承を独自の分析・解釈を元に編纂していた。「メルガリウスの魔法使い」執筆直後、隣国レザリア王国にて聖エリサレス教会に異端者として捕らえられ「邪悪な思想の書籍を世に出し、無辜なる民を惑わした罪」で火刑に処された。
原作に記されている言葉「教典は万物の叡智を司り、創造し、掌握する。故に、それは人類を破滅へと向かわせることとなるだろう。」は火刑台に上った彼が最後に残したとされる言葉。

天の智慧研究会[編集]

エレノア=シャーレット
第二団《地位》(アデプタス・オーダー)クラスの死霊術師。黒髪黒眼の女性。
アルザーノ帝国大学経済学部を首席で卒業、剣術・魔術も超一流の才媛ということで王室に女王付き侍女長兼秘書官として雇われた。女性をいたぶるような外道をひどく嫌っている。魔術競技祭の時にアリシアに呪いをかけたネックレスを渡し、暗殺に失敗するとアルベルトとリィエルを巻いて逃亡。その後はバークスらに協力するが、グレンとアルベルトに追いつめられる前に即座に撤退した。ルミア暗殺計画の際には現状肯定派寄りの構成員として厳重な警戒を潜り抜けグレンに接触、未だにグレン達がザイードの術中に嵌まっていることを示唆して作戦中で動けない彼を尻目にまんまと逃げおおせた。
記録上の位階は第四階梯。凄腕の死霊術師で、女性ばかりの亡者を無数に召喚することができる。さらに自らにも一種の魔術や薬物に依らない不死性が宿っており、高速治癒が可能。
ザイード=ヴァルトス
第二団《地位》クラスの魔術師で、急進派の一員。《魔の右手》の二つ名を持つ男。
代々、音楽に変換した魔術式で他人を掌握する古代魔術『魔曲』を伝える家系の出身。操った楽奏団が奏でる七つの『魔曲』を聞かせた人間の心と体を支配する固有魔術【呪われし夜の楽奏団(ペリオーデン・オーケストラ)】を使うことができる。この魔術は心に作用するため耳を塞いでも精神防御を行わなければ防げず、深層意識を掌握することで魔術の発動を封じることが可能となる。
ルミアの暗殺計画を企て、部下を引き連れて社交舞踏会を迎えたアルザーノ魔術学院に姿を現す。『魔曲』で洗脳した学生を囮に楽団の指揮者としてイヴの目をかいくぐって会場に潜入し、彼女を含めた舞踏会参加者のほとんどを傀儡と化す。そのまま学院内を逃走するルミア達を追っていたが、グレンとアルベルトとシスティーナの絶妙な連携の前に術の核となる指揮棒を破壊されてしまい、生きたまま拘束された。
ライネル=レイヤー
第一団《門》(ポータルス・オーダー)クラスの錬金術師。
かつてはシオンと共に「Re=L計画」を進めていたが、彼が亡命しようとしていたことを知りイルシア共々殺害する。その後2年間姿を消していたが、計画を再実行するためバークスと手を組み、シオンに成り済ましてリィエルに自分が兄シオンであると信じ込ませ、ルミアを誘拐させた。リィエルが自身の秘密を知ると演技をやめ、新たに製造した3体のリィエル=レプリカでグレンたちを殺害しようとしたが彼女の「人間」としての成長を図り損ねた結果、レプリカはリィエルに、自身はグレンによって殴り飛ばされて敗北した。己の欲望のために他者を顧みない姿は『真の邪悪』に例えられた。
グレイシア=イシーズ
第一団《門》クラスの魔術師。急進派の一員。《冬の女王》の二つ名を持つ全身に魔導刻印を刻みつけた少女。
その刻印は『死の冬の刻印』と呼ばれる物で、魔力暴走を引き起こすことにより周囲50メトラを絶対零度の空間に変え全てを停止させることができる。その性質上拠点防衛戦に特化した能力となっている。
ルミア暗殺計画ではクリストフと対決、彼が得意とする結界を次々と凍結させ本人にも重度の凍傷を負わせたが、彼が自信の足止めに徹して能力の底を図っていたことが分かると一時撤退する。2度目の戦いでもクリストフと戦うことになり、ザイードの補助で戦況を有利に進めたが敗北が確定した時点で早々に逃走した。
ゼト=ルード
第一団《門》クラスの魔術師。急進派の一員。《咆哮》の二つ名を持つ30~40代の中年男性。
筋骨隆々の体格を持つ魔闘術の使い手。初戦では魔闘術の先達であるバーナードと交戦、彼が衰えたと思い勝利を確信していたが、道具を多用する戦法に翻弄され右腕を失い、不利を悟って撤退。その後金属の籠手を付けて復帰し、今度はリィエルと戦うもザイードの敗北を知るとグレイシアと共に逃走した。
ヴァイス=サーナス
第一団《門》クラスの悪魔召喚師の青年。急進派の一員。
ルミア暗殺計画に先んじて第三師団第八辺境警備隊を襲撃、約500の魔導兵を皆殺しにしてその魂を悪魔の生贄にする。計画本番ではアルベルトと対峙、《狂騒伯爵》ナルキスを召喚し物理攻撃の通じない概念存在を操る優位から彼を追い詰めたと思っていたが、司祭の資格を持つアルベルトによりナルキスを強制的に退散させられてしまい自分自身も【ライトニング・ピアス】で脳天を打ち抜かれて死亡した。
レイク=フォーエンハイム
アルザーノ帝国魔術学院を襲撃したテロリストの一人。3本の自動剣と2本の手動剣を操る近接戦闘を得意とする。召喚魔術についても卓越しており、遠隔連続召喚が可能。スケルトンの大量召喚による物量攻撃でグレンを消耗させ、自らの手で葬ろうとするが戦線離脱したと思われていたシスティーナの介入で形勢逆転され、制御を奪われた剣で刺し貫かれ死亡した。
ジン=ガニス
アルザーノ帝国魔術学院を襲撃したテロリストの一人。チンピラ風の男。ロリコン。【ライトニング・ピアス】の超高速一節詠唱を得意とする。システィーナを強姦しようとしたが、魔術を封じられた状態でグレンによってタコなぐりにされ失神。最期は勝手な行動と失態を演じた咎によりレイクが操るスケルトンの手で惨殺された。
キャレル=マルドス
アルザーノ帝国魔術学院を襲撃したテロリストの一人。酸と毒を同時に用いた致死性の高い魔術、錬金改【酸毒刺雨】という猟奇的な手段で人を殺すことを好む。単身グレンを襲撃したが、魔術を封殺されたうえで叩きのめされ、挙句に見るも哀れなオブジェに変えられて路上に放置される。
ヒューイ=ルイセン
アルザーノ帝国魔術学院の講師で、グレンの前任者。突如失踪したとされていたが、実は研究会が要人暗殺のために長期にわたって学院に潜ませていたスパイ。元王女であるルミアの拉致を命じられレイクらの手引きを行い、任務達成と同時に学院を道連れに自爆しようとしていたが、グレンの決死の行動とルミアの能力により阻止される。実際のところは組織の言いなりになるのが正しいのかで苦悩しており、敗北後も本心では安堵していた。
バークス=ブラウモン
帝国白金魔導研究所所長。40~50代の禿頭の男。外面は人格者だが、内面は傲慢な性格で自らの能力を信じて疑わない。
組織の思想に傾倒する参入志願者で、禁忌とされた「Project: Revive Life」の完成を条件に入会を約束されている。また、典型的な異能差別主義者であり、異能者を捕らえては非道な人体実験を繰り返し犠牲を積み上げていた。また、魔導士を戦争犬と呼んで侮蔑している。
自らの研究施設に侵入してきたアルベルトと、異能者の能力を利用できる魔薬を自らに投与した状態で交戦、再生能力を過信しアルベルトを追い詰めたつもりでいたが、微量の出血の繰り返しで血中の薬物濃度が低下していることに気づかず再生能力を失い、そのまま失血死した。その死は隠匿され、失踪という形で処理された。
シオン=レイフォード
「Project: Revive Life」を成功させた天才錬金術師。計画のために数多の犠牲を払ったことを悔い、自らの命の代わりにライネルとイルシアを帝国に亡命させるべくグレンと交渉を行っていたが、組織を抜けることよりも組織の中でのし上がることを選んでいたライネルの怒りを買い刺殺される。
イルシア=レイフォード
シオンの実の妹で、リィエルの素体。容姿はリィエルと同じだが、髪の色は兄と同じく赤で感情表現もはっきりしている。組織では始末屋として働いていた。シオンが殺害されたのを見て動揺している間にライネルによって致命傷を負わされる。負傷した身でアジトから逃げ力尽きたところをグレンに発見され、リィエルのことを託して息絶えた。

その他[編集]

ナムルス
「名無し」を意味する名を名乗る少女。顔立ちはルミアに酷似しているが、白髪に暗く淀んだ赤珊瑚色の瞳を持ち、背には異形の翼が生えている。
世界各地に存在する遺跡に縋り付く残留思念であり、肉体は遙か昔に失っているという以外の素性は一切不明で、「この世界でもっとも穢れた存在」を自称する。なぜかルミアに対して深い憎悪を抱いている。地下迷宮でアール=カーンに襲われたグレンたちを救出、霊体を損傷し二度と魔術を使えなくなる危険性を理解してアール=カーンを倒したセリカに残された力を託した。
魔煌刃将アール=カーン
「メルガリウスの天空城」に登場する魔王直属の配下「魔将星」の一人。己が真に忠誠を捧げるべき相手を求めて戦い続けるという変わり者。邪神の試練を乗り越えて手にした13の命と、左手に持つ魔術を打ち消すことができる赤き魔刀「魔術師殺し(ウィ・ザイヤ)」・右手に持つ霊体そのものを傷つけられる黒き魔刀「魂喰らい(ソ・ルート)」を武器とする。魔刀の弱点は決まった手で振るわなければ性能を発揮できないということ。普段でも恐ろしいほどの強者であるが、その真価は追い詰められたときにこそ発揮される。
彼の影である存在が学園地下迷宮地下89階で門番を務める。「星の回廊」を通って迷い込んだグレンたちに襲いかかり隔絶した戦闘力で追い詰めていったが、すべての命を失ったことで消滅する。

用語[編集]

アルザーノ帝国
北セルフォード大陸の北西端に位置する帝政国家。海洋性温帯気候。魔導大国として知られる。旧古代前~後期(聖暦前8000~4000年)前後に超魔法文明が存在していた場所だとされ、各地に遺跡や碑文が残されている。
フェジテ
帝国南部のヨクシャー地方に存在する、帝国魔術学院と共に発展した大陸有数の学究都市。
アルザーノ帝国魔術学院
創立およそ400年を誇る国営魔術師育成専門学校。国内に4つある魔術学院の中でも最高峰の魔術を学べるとして近隣諸国でも有名。4年制で、一般的に14、5歳で入学する。1クラス40名で1学年に10クラス。修士生や博士生を含めると1800名ほどが在籍する。奨学金や特待生の制度も存在し、学生街に寮がある。
魔術競技祭
年に3度開催される学院生同士による技比べで、4年次生以外が同学年同士で対戦する。生徒の応用力を試すため、「決闘戦」やいくつかの例外を除き毎年競技を変える。優勝クラスの担当講師には特別賞与が与えられる。昨今では実力のある生徒のみが競技を掛け持ちする傾向にある。
遠征学修
学外の魔導研究施設を訪ねる2年次の必修単位の一つ。授業進行状況や受け入れ先との兼ね合いから各クラスごとに別々の時期・場所で行われる。
社交舞踏会
帝国魔術学院の伝統行事の一つ。在校生のみならず、他校生や卒業生、政府高官や地方貴族に女王陛下まで参加することがある大規模な催し。男女のカップル(厳密には同性のペアでの参加も可)で参加するダンス・コンペも行われ、優勝者には賞金の金一封と妖精が織り上げたという永遠の美しさを保つ『妖精の羽衣(ローベ・デ・ラ・フェ)』を着てフィナーレ・ダンスを踊る権利が与えられる。『妖精の羽衣』を勝ち取った男女は将来永遠に結ばれるというジンクスがあり、毎年のように恋人達は全力でコンペに挑む。
メルガリウスの天空城
フェジテを象徴する空の城。超古代文明の残滓とも神の御座ともいわれ、伝説ではこの世界全ての叡智が眠るとされる。いつから浮かんでいるのかは不明で5,000年前に描かれた壁画にもそれらしき記録が残っている。この城に執心する魔術師たちをメルガリアンと呼ぶ。
また、この城の謎に迫る者たちの中には突然失踪したり変死するものが不自然なほどに多い。
メルガリウスの魔法使い
ロラン=エルトリアの最高傑作とされる、メルガリウスの天空城を舞台に正義の魔法使いが魔王をやっつけてお姫様を救うという内容の童話。著者の業績の集大成ともいうべきものであり、童話でありながら聖暦前古代史を紐解く参考文献ともなる名著。しかし聖エリサレス教会では禁書指定されており、著者も異端者として火刑に処された。
シーホーク
フェジテの南西にある、ヨクシャー地方の玄関口にあたる港町で重要な交易拠点。
サイネリア島
霊脈の関係で一年中温暖な気候の、帝国有数のビーチリゾート。本土とは植生が異なり、広葉樹が生育する。
帝国白金魔導研究所
白金術の研究所。その特性上新鮮な生命マナが必要となるため、施設内は『水の神殿』のような形になっている。
帝国宮廷魔導士団特務分室
帝国宮廷魔導士団の中でも魔術がらみの案件を専門に対処する部署。最大人員は22名で、それぞれに大アルカナにちなんだコードネームが付けられる。室長は代々イグナイト公爵家の者が務めるのが慣例となっている。
危険な任務も多く欠員も頻繁に出るため、現在は特に空席が目立つ。
魔術
「原初の音」に近いとされる暗示特化専用言語であるルーン言語を用いて深層心理を変革することで世界法則に介入する技術。肉体と精神を扱う「白魔術」、運動とエネルギーを扱う「黒魔術」、元素と物質を扱う「錬金術」、使い魔などを呼び出し使役する「召喚魔術」がある。また、生命そのものを扱う白魔術と錬金術の複合術を「白金術」という。
魔術師には下から順に第一階梯(ウンデ)、第二階梯(デュオデ)、第三階梯(トレデ)、第四階梯(クアットルデ)、第五階梯(クインデ)、第六階梯(セーデ)、第七階梯(セプテンデ)の7段階の位階が存在し、第三階梯が学院卒業資格程度、第四階梯が平均的な魔術師が至る最高階位であり、第五階梯は天才、第六階梯は超天才、第七階梯は人外と評される。なお、遺跡調査などで人員を募集する場合第三階梯以上の者には賃金が発生するという規定がある。
文字通り汎用性の高い「汎用魔術」と、「魂の在り方(魔術特性)」を術式に組み込む個々の魔術師によるオンリーワンな「固有魔術(オリジナル)」の2つに分類される。固有魔術の方を重要視する風潮があるが、たった一人で完成させ汎用魔術を何かしらの形で越えなければならないため、時間と金の浪費になる可能性の方が高い。
その恩恵は一般人に還元されないために、産業革命前頃と同程度まで科学技術も進歩している。
なお古代人たちが行使していた謎の力は近代人にとっての「理解できない力」で理論的な説明が不可能であるため、「近代魔術(モダン)」に対して「魔法」あるいは「古代魔術(エインシャント)」と称されている。
マナ
肉体に内包する魔力の源となるもの。その本質は生命力であるため、魔術を使用しすぎると「マナ欠乏症」というショック症状を引き起こす。
マナ・バイオリズム
人間の生体マナの状態を表す指標の概念。通常の状態を「ニュートラル状態」といい、精神集中や呼吸法によりマナが制御された「ロウ状態」にすることで魔術を行使できるようになる。魔術を行使するとマナが乱れた「カオス状態」に傾き、完全にこの状態になるとどんな魔術師でも魔術を使えなくなる。
基本三属
攻性呪文の基本となる、炎熱・冷気・電撃のこと。この三属性は魔力を物理作用力(マテリアル・フォース)に変換する際の効率がほかの属性より高く、「ツァイザーの三属比」では10の魔力に対して炎熱:冷気:電撃=約8.5:7.9:8.2という理論的な極大値が得られる。
風の魔術
重力など様々なパラメータを操作する必要があるため攻性呪文としては基本三属に比べて威力的に劣る系統。一方でパラメータが多いということは呪文改変において無限大ともいえるバリエーションがあるという利点にもなるため、柔軟かつ自由度の高い魔術の行使が可能。
軍用魔術
軍属魔導士が使用する戦争用の魔術。殺傷力が極めて高いため学生に習得させることは許されていない。天変地異クラスの威力を誇る戦術・戦略レベルの複数名で行う儀式による大魔術をA級とし、威力規格が下がるごとにB級、C級と名称が変わる。一般にB級の起動ができるかC級の一節詠唱ができるならば超一流とされる。
時間差起動(ディレイ・ブート)
詠唱済み(スペル・ストック)の魔術を任意のタイミングで起動させる高等技法。
二反響唱(ダブル・キャスト)
一度の呪文詠唱で二度同じ魔術を起動する高等技法。セリカはこれをも上回る「三重唱(トリプル・キャスト)」という絶技を使用できる。
遠隔連続召喚(リモート・シリアル・サモン)
遠隔地に複数の使い魔を呼び出す召喚魔術の超高等技法。
条件起動式
対象に初期設定した条件が達成された時に自動で術を起動する、古くから呪い(カース)や制約(ギアス)に使われる術式。自動で起動し相手にバレにくいという利点はあるが起動タイミングが相手の行動に依存するという欠点がある。
結界魔術
数多くの手順を踏んで構築・行使される儀式魔術の一つ。並みの黒魔術を凌駕するほどの防御性能と効果範囲を発揮できるが、その性質から近接魔術戦には不向き。ただしフラウル家が開発した「宝玉式結界」は精度・威力を落とさず近接戦闘でも使用可能。
人工精霊(タルバ)
人工的に神や悪魔、精霊を生み出す禁呪に近い錬金術の奥義。「等価対応の原則」を逆手に取り、魔薬でトランス状態に陥ることで深層意識に暗示認識させ、疑似霊素粒子(パラ・エテリオン)をスクリーンに空想存在を現実世界に具現化させるという荒業。呪文詠唱による深層意識改変の産物ではないため、【愚者の世界】では封じることができない。
治癒限界
ごく短期間内に法医呪文(ヒーラー・スペル)による過剰回復を繰り返すことが原因で、生体組織活動に深刻な障害を与えることによって起きる障害。とある施術回数から効果が極端に低下しさらには肉体の自壊に至る状態のことで、戦場では「癒し手の手を掴む死神」と恐れられている。
眷属秘呪(シークレット)
固有魔術の一種。血中マナ特性(=魔力特性)を術式に組み込む魔術で、一代限りの固有魔術とは違い、その血族が先祖代々受け継ぎ発展させることが可能。
魔闘術(ブラック・アーツ)
拳や脚に魔術を乗せ、インパクトの瞬間、相手の体内で直接その魔力を爆発させるという異色の近接戦闘術。魔力操作のセンスがなければ使えず遠距離火力という魔術の利点を捨てることになるが、使いこなせればその威力は絶大。
悪魔召喚術
概念存在『悪魔』を、この世界に受肉させて具現化、降臨させる魔術。強力な悪魔を召喚・維持するためには多くの人間の魂を生贄として捧げる必要がある。
悪魔
人の共通深層意識下で広く認知・共有された強大な概念存在。人の様々な忌避や禁忌、恐怖が宗教や信仰と結びついて擬人化し概念を得たもの。人の『意識の帳』の向こう側にある『ここではない、どこでもない場所(ネバー・ランド)』『魔界』に住む。現世の理に依る物理的な攻撃や魔術はほぼ通じないという律法が存在する。
異能者
ごくまれに魔術に依らない奇跡の力を生まれながらに体現する特殊能力者の総称。帝国では悪魔の生まれ変わりとして迫害されるが、土着宗教などでは信仰の対象となることもある。「感応増幅」「生体発電能力」「発火能力」「冷凍能力」「再生能力」「耐熱能力」「耐冷能力」「耐電能力」などが存在する。基本的に魔術と組み合わせることはできないが、「感応増幅者」のように特殊な例外もある。
奉神戦争
40年ほど前、アルザーノ帝国とレザリア王国との間で勃発し、和睦という形で終結した戦争。
帝国側では経済に混乱が生じ領地経営難により没落する貴族家が続出し、国の中央集権政策で宮廷貴族や代官となる者が増加することとなった。
天の智慧研究会
政府と敵対する帝国最古の魔術結社。魔術を極めるためならば何でもするような外道の集まりで、組織に所属する優れた人間こそが世界を導くべきでそれ以外の人間は家畜にすぎないという考えを持つ。「大導師様」と呼ばれる存在を頂点に抱き、第三団《天位》(ヘヴンス・オーダー)第二団《地位》(アデプタス・オーダー)第一団《門》(ポータルス・オーダー)といった位階があり、第二団以上のものを内陣(インナー)と称する。また、外部からの入会希望者を参入志願者(プロベイショナー)と呼ぶ。下っ端のチンピラ程度の構成員であっても大導師に対する忠義は非常に厚く、その異常なまでの忠誠心は洗脳の域にまで達している。『Project:Revive Life』成功と前後して、ルミアの「確保」を目的とする『現状肯定派』とルミアの「殺害」を目的とする『急進派』の2派閥に別れるようになる。
禁忌教典(アカシックレコード)
研究会との抗争の中でたびたび現れる謎の言葉。ジャティスによれば「世界の全ての理を支配する力」とのこと。
Project:Revive Life(プロジェクト リヴァイヴ ライフ)
通称「Re=L(リィエル)計画」。「ジーン・コード」をもとに肉体を練成、「アルター・エーテル」を代替霊魂として精神情報を「アストラル・コード」に変換することで疑似的な死者の蘇生を行う術式。しかし、ルーン言語では関数と式が構築できないという機能限界に加え、「アルター・エーテル」の作成に複数の他人の霊魂が必要となるという倫理的な問題から凍結された。
合成魔獣(キメラ)
白金術によって複数の動植物を掛け合わせて産み出す生命体。兵器利用のための研究開発は禁止・凍結されている。
天使の塵(エンジェル・ダスト)
錬金術の悪夢ともいわれる最悪の魔薬。被投与者の思考と感情を完全に掌握し筋力の自己制限機能を外すことで死霊術よりはるかに簡単に無敵の兵士を生み出すことが可能な薬だが、投与されれば確実に廃人となり定期的な投与を行わなかった場合や末期状態では中毒症状により全身が崩壊して死に至るという重篤な副作用がある。その製法は非常に複雑で、ジャティスの記憶だけが頼りであるため彼以外は製造することすらできない。
魔獣
霊脈の関係で異常進化を遂げた動植物。
シャドウ・ウルフ
鋭い牙に爪、らんらんと光る目、影のように黒い毛並みを持つ狼型の魔獣。恐怖心の有無によって対象を襲撃するかを決める「恐怖察知」という能力を持ち、高い敏捷性を誇る。
超魔法文明
聖暦前に存在していたとされる「古代魔術(エインシャント)」を使う古代人たちが築いた文明。その遺物には古代魔術による物理的・魔術的な破壊を無効化する「霊素皮膜処理(エテリオ・コーティング)」が施されており、数千年の時を経ても「遺跡」という形で現代まで残っている。
屋内には空間操作魔術を駆使した文様が刻まれていることもあり、内部の空間が歪められ見た目より広くなっている場合がある。罠や仕掛け、配備された守護者や魔獣、周辺環境から総合的に判断された「探索危険度」という等級があり、S・A・B・C・D・E・Fを細分化した21段階で評価される。例として、最高位のS++は第七階梯の魔術師でも単独踏破は不可能、B++はよく準備された調査団でもたまに死者が出る、最下位のFは学生実習にも使われないような雑魚というようなレベル。
地下迷宮
アルザーノ帝国魔術学院地下にある探索危険度S++の「塔」のような構造の古代遺跡。帝国最高難度を誇る迷宮で、地下9階までは学生実習にも使える程度の難易度だが地下10階以降の難易度は桁違いで、49階までは「愚者の試練」と称され、内部の構造が定期的に変化しているためにテレポーターや地図が意味をなさない。そのさらに奥、地下89階には「メルガリウスの魔法使い」の登場人物である魔煌刃将アール=カーンの影が門番として守護に当たっている。
タウムの天文神殿
アルザーノ帝国領内にある探索危険度F級の古代遺跡(ただし長期間放置されていたせいで無数の狂霊が沸いており、危険度が一段階上昇するだろうとされる)。双子の天子が絡み合うような意匠の「天空の双生児(タウム)」が御神体とされる。有益な魔法遺産の出土もなく、霊脈も平凡、魔術的・歴史資料的に見ても価値の低く、街道を外れた辺鄙な場所にあるために観光名所にもならないという遺跡。レドルフ=フィーベルが生前に執筆した論文の推論が正しければ古代の時空間転移儀式場であるとされるが、現在に至るまでその証拠は確認できていなかった。
システィーナとルミアの思いつきによって、最深部にある大天象儀場にある操作モノリスで特殊な操作を行うことで地下迷宮地下89階に繋がる「星の回廊」が出現するということが偶然判明した。
蒼天十字団(ヘヴンス・クロイツ)
魔導省の特別裏予算枠。「Project:Revive Life」や「Project:Frame of Megiddo(プロジェクト フレイム オブ メギド)」などの禁呪法を、女王陛下にすら極秘で今も研究開発し続けている帝国魔術界の最暗部。
聖リリィ魔術女学院
アルザーノ帝国首都、帝都オルランドより北西へ進んだ湖水地方リリタニアにある私立の魔術学院で、四方を山や森、湖に囲まれているという外界から隔絶された立地、そして男子禁制という制度が、変な虫を嫁入り前の娘につかせず、安心して預けることができる天然の箱庭として、上流階級の子女御用達の全寮制お嬢様学校。

既刊一覧[編集]

小説[編集]

漫画[編集]

2015年3月26日発売の『月刊少年エース』2015年5月号より連載[11]。原作:羊太郎、作画:常深アオサ、キャラクター原案:三嶋くろね[11]

  1. 『ロクでなし魔術講師と禁忌教典 1』 2015年11月26日発売[9] ISBN 978-4-04-103672-3
  2. 『ロクでなし魔術講師と禁忌教典 2』 2015年12月26日発売[9] ISBN 978-4-04-103673-0
  3. 『ロクでなし魔術講師と禁忌教典 3』 2016年5月26日発売[9] ISBN 978-4-04-104429-2
  4. 『ロクでなし魔術講師と禁忌教典 4』 2016年10月26日発売[9] ISBN 978-4-04-104430-8

テレビアニメ[編集]

2017年4月よりAT-XTOKYO MXMBSテレビ愛知BS11にて放送予定[8]

スタッフ[編集]

  • 原作 - 羊太郎
  • 原作イラスト - 三嶋くろね
  • 監督 - 和ト湊
  • シリーズ構成・脚本 - 待田堂子
  • キャラクターデザイン - 木村智
  • 総作画監督 - 木村智、飯野まこと[8]
  • プロップデザイン - 岩永悦宜[8]
  • 魔法陣デザイン - 江古田ノイヅ[8]
  • エフェクト作画監督 - 橋本敬史[8]
  • 美術監督 - 金子雄司[8]
  • 色彩設計 - 大西峰代[8]
  • 撮影監督 - 齊藤崇夫[8]
  • 編集 - 長谷川舞[8]
  • 音響監督 - 清水洋史[8]
  • 音楽 - 堤博明
  • 音楽制作 - KADOKAWA[8]
  • アニメーション制作 - ライデンフィルム
  • 製作 - ロクでなし製作委員会[8]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「Blow out」[12]
作詞・作曲 - ヒゲドライバー / 編曲 - ゆよゆっぺ / 歌 - 鈴木このみ
エンディングテーマ「Precious You☆」
歌 - システィーナ(藤田茜)、ルミア(宮本侑芽)、リィエル(小澤亜李

放送局[編集]

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間[13]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [14] 備考
2017年4月4日 - 火曜 20:30 - 21:00 AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり
2017年4月5日 - 水曜 0:30 - 1:00(火曜深夜) TOKYO MX 東京都
水曜 1:35 - 2:05(火曜深夜) テレビ愛知 愛知県
水曜 2:30 - 3:00(火曜深夜) 毎日放送 近畿広域圏 アニメ特区』第1部
2017年4月6日 - 木曜 0:30 - 1:00(水曜深夜) BS11 日本全域 BS放送 / 『ANIME+』枠

Webラジオ[編集]

システィ&ルミアの禁忌通信』は、2017年4月4日より音泉にて毎週火曜に配信予定の番組[15]。パーソナリティはシスティーナ=フィーベル役の藤田茜とルミア=ティンジェル役の宮本侑芽

脚注[編集]

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  1. ^ a b “第26回ファンタジア大賞決定──1849作の応募から『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』選出”. ガジェット通信 (東京産業新聞社). (2014年6月7日). http://getnews.jp/archives/593840 2015年8月17日閲覧。 
  2. ^ fantasia_bunkoのツイート (632101462277947392)。2016年3月19日閲覧。
  3. ^ fantasia_bunkoのツイート (660049303210057728). 2016年3月19日閲覧。
  4. ^ fantasia_bunkoのツイート (704248746750513152). 2016年3月19日閲覧。
  5. ^ fantasia_bunkoのツイート (709571980211564545). 2016年3月19日閲覧。
  6. ^ fantasia_bunkoのツイート (710834903298867201). 2016年3月19日閲覧。
  7. ^ ファンタジア学園学生カードより
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o TVアニメ『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』は2017年4月より放送開始。小澤亜李・高橋広樹・喜多村英梨ら追加キャストも発表”. moca (2016年12月25日). 2016年12月25日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i j k 株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト 検索結果:ロクでなし魔術講師と禁忌教典”. KADOKAWA. 2016年10月27日閲覧。
  10. ^ 株式会社KADOKAWAオフィシャルサイト 検索結果:ロクでなし魔術講師と追想日誌”. KADOKAWA. 2016年3月20日閲覧。
  11. ^ a b “「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」「特攻メイド茜音ちゃん」エース新連載2本”. コミックナタリー (ナターシャ). (2015年3月26日). http://natalie.mu/comic/news/142056 2015年8月17日閲覧。 
  12. ^ Konomin_staffの2017年3月10日のツイート- Twitter
  13. ^ ON AIR 放送・配信情報”. TVアニメ「ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)」公式サイト. 2017年3月10日閲覧。
  14. ^ テレビ放送対象地域の出典: 放送分野の動向及び規制・制度(資料2)”. 政府規制等と競争政策に関する研究会「通信・放送の融合の進展下における放送分野の競争政策の在り方」. 公正取引委員会. p. 2 (2009年10月9日). 2016年8月12日閲覧。 基幹放送普及計画”. 2016年8月12日閲覧。 地デジ放送局情報”. 一般社団法人デジタル放送推進協会. 2016年8月12日閲覧。
  15. ^ システィ&ルミアの禁忌通信”. 音泉. 2017年3月12日閲覧。

外部リンク[編集]