忌避

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忌避(きひ)とは、広い意味では、ある人物や事柄を存在してほしくないとして避けることや、ある人物や事柄のようになりたくないと念ずる感情である。この場合の対義語は、「歓迎」「憧憬」「憧れ」などである。

日本の法律においては、除斥事由には該当しないが、手続の公正さを失わせるおそれのある者を、申立てに基づいてその手続に関する職務執行から排除することを指す。

典型的な例は裁判における裁判官の忌避であるが、裁判官以外にも、裁判所書記官鑑定人通訳人仲裁人審判官などについても忌避の規定がある。なお、手続の適正を図るために、一定の者を職務執行から排除する類似の制度として、除斥回避がある。

裁判官の忌避[編集]

刑事訴訟における忌避[編集]

  • 刑事訴訟法第21条1項は、裁判官が職務の執行から除斥されるべきとき、又は不公平な裁判をする虞があるときは、検察官又は被告人が、忌避することができる旨規定する。
  • 刑事訴訟法第21条2項は、弁護人が、被告人のため忌避の申立をすることができる旨規定する。
  • 刑事訴訟法第24条は、訴訟を遅延させる目的のみでなされたことが明らかな忌避の申立ては、当該裁判官自身が当該申立を却下しうるとして簡易却下手続を定めている。

民事訴訟における忌避[編集]

  • 民事訴訟法第24条1項は、裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるとき、当事者が、その裁判官を忌避することができる旨規定する。
  • 民事訴訟法第26条は、忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならないと規定する。
  • 忌避の申立ては手数料を要する申立てであるので、民事訴訟規則3条のファクシミリでの提出を行うことは許されていない(裁判所に書面が受け取られたとしても、効果を発揮しない)。
  • 忌避の申立ては裁判所に対して行うものであって相手方が存在しないので、通常の訴訟書類と同様に正本副本の両方を提出する必要は無く、1枚の申立書のみを裁判所に提出すればよい(裁判所の提出先については、担当民事部でも良いし、裁判所の民事事件受付窓口などでも良い。ただし、口頭弁論期日開始前に忌避申立ての効果が発揮されることを意図する場合は(例:口頭弁論期日と連絡されていたのに法廷前掲示板に判決言渡しと記載がある場合など)、それが内線電話などによって担当民事部に伝えられる時間を必要とするため、ある程度の時間的余裕があることが望ましい。)。
  • 忌避の申立てが受理されるとすぐに訴訟手続の停止が行われるが、これはただちに効果を発揮する。期日直前に裁判官による不当な行為が明らかになったなどの事情があった場合は、収入印紙及び郵券を後で収めるとして、申立書書面1枚のみ(忌避の原因の疎明は後で理由書により提出するとしてよい(期間は民事訴訟規則10条3項より3日以内))を裁判所に提出することにより、忌避の申立てを行うことができる。また、期日の法廷等においては口頭で忌避の申立てを行うこともできる(民事訴訟規則10条2項)。

裁判官以外の忌避[編集]

陪審制の裁判においては、偏った判断を行うおそれのある陪審員候補者に対する忌避 (challenge) の制度がある。詳細は陪審員の選任参照。

関連項目[編集]

感情
法律