さよなら私のクラマー

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さよなら私のクラマー
ジャンル サッカー漫画学園漫画
漫画
作者 新川直司
出版社 講談社
掲載誌 月刊少年マガジン
レーベル 講談社コミックス
発表号 2016年6月号 - 連載中
巻数 既刊10巻(2019年10月現在)
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ポータル 漫画

さよなら私のクラマー』(さよならわたしのクラマー)は、新川直司によるサッカー漫画。『月刊少年マガジン』(講談社)にて、2016年6月号より連載中[1]

概要[編集]

高等学校を舞台に女子サッカーの世界を描いたサッカー漫画[1][2][3]。作者の新川が元々サッカー好きであり、前作の『四月は君の嘘』の連載終了後に「思いっきり動きのあるものを描きたい」との希望があったことや、前々作の『さよならフットボール』において男子の間に交じってサッカーを続ける女子中学生の姿を描いたこともあり、女子サッカーを応援したいという考えから連載が決まった[2]

作品の執筆に際しては高校の女子サッカー部やクラブチームの取材を行っており、作中にもそれを反映した環境面などのシビアな事情が描かれている[2]。一方、担当編集によれば女子サッカー界に対して特別に問題提起をし続けたいわけではなく、あくまでもスポーツに情熱を傾ける少女たちの姿を描きたいとしている[2]。なお、本作には『さよならフットボール』の主人公・恩田希が主要登場人物として登場するが、これについては「昔からのファンの方へのサプライズ」としている[2]

ストーリー[編集]

川口伊狩中学3年の周防すみれは周囲に恵まれず最後の公式戦で敗れるが、ライバルの曽志崎緑から一緒のチームに行こうと誘いを受ける。2人は女子サッカーの強豪チームではなく埼玉県立蕨青南高校へ進学し、同校の女子サッカー部に入部することになるが、傑出した才能を持つ無名の恩田希をはじめ個性的な選手たちが揃う。

日本女子代表で卒業生でもある能見奈緒子が蕨青南の新コーチ就任早々に、国内屈指の強豪である久乃木学園高校との練習試合を組んできた。試合は零封を厳命された井藤春名佃真央らを擁する久乃木に開始早々から実力差を見せつけられ大量失点。蕨青南も恩田や曽志崎を軸にして反撃の糸口を掴もうと奮闘するも、終了間際の得点は認められず0-21の大差で敗れるが、その果敢なプレーで相手に強い印象を与えることになる。大敗を喫した蕨青南の面々だったが、能見や顧問の深津の杞憂をよそに、それぞれ「打倒久乃木」や「関東大会出場」といった目標を掲げ、例年になく活気づく。

高校総体埼玉県予選に臨む蕨青南イレブンは、曽志崎と周防のホットラインに加え、「ごっつあんゴーラー」の異名をとる白鳥綾の力もかみ合い快進撃を続ける反面、恩田だけが久々の公式戦とあって気持ちを高ぶらせるも、空回りしていた。こうした状況の中、決勝トーナメント初戦で優勝候補筆頭の浦和邦成高校との対戦を迎える。しかしワラビーズは惜しくも敗退してしまう。が、技術面では浦和の面々を驚かせた。

登場人物[編集]

蕨青南高校[編集]

女子サッカー部[編集]

周防 すみれ(すおう すみれ)
女子サッカー部の1年生。ポジションはフォワード(左ウイング)。川口伊狩中学出身。背番号10。
スピードに優れたウインガー。中学時代は主将を務めていたが周囲から距離を置かれ、実力を発揮することなく終わった。ライバルの曽志崎からの誘いや、黙々と頑張り続ける田勢恵梨子の姿に触発されて蕨青南高校に進学する。一見するとクールだが、毒舌家で気が強い。髪型はショートカット。
曽志崎 緑(そしざき みどり)
女子サッカー部の1年生。ポジションはミッドフィールダー(ボランチ)。戸田北中学出身。背番号4。
中学時代に全国大会で3位となり、U-15日本女子代表にも招集される実力者。先輩の桐島千花からの誘いや周囲の反対を振り切って、周防と蕨青南高校に進学した。守備だけでなく、形勢を一変させる展開力やシュート力が持ち味。ツインテールの髪型と、麻呂眉が特徴。オタク気質な一面があり、今は土佐弁に凝っている様子。
恩田 希(おんだ のぞみ)
女子サッカー部の1年生。ポジションはミッドフィールダー(攻撃的ミッドフィールダー)。藤第一中学出身。背番号8。
中学時代は男子サッカー部に所属していたため試合経験が少ないが、監督の後押しもあり女子サッカーの世界に入る。高校でもそれまでと変わらない巧みなボールコントロールと資質の高さを見せており、中学時代には難点だったフィジカルについては女子サッカーの舞台では強みともなっている。その一方でプレーに関与しない場面ではサボり癖を垣間見せており、チームメイトから「お前はメッシか」と評されるほか、好不調の波が激しいところも露呈している。髪型はポニーテール。さよならフットボールの主人公。
越前 佐和(えちぜん さわ)
女子サッカー部の1年生。藤第一中学出身。背番号13。
幼馴染の恩田、テツ、タケ、ナメックと共に蕨青南高校に進学。中学時代は男子サッカー部のマネージャーを務めていたが、高校では希とともに女子サッカー部に入部する。
白鳥 綾(しらとり あや)
女子サッカー部の1年生。ポジションはフォワード(センターフォワード)。背番号9。
高飛車なお嬢様キャラで、大言壮語の気があり、自らを「サッカー界のプリマドンナ」「オフサイドラインで生まれた女」と称している。足元での決定力のなさが持ち味であり、時には尻や腹などでゴールを奪う。サッカーの技術には疑問符がつくが、その反面ソフトボールでは高い技術を見せる。
田勢 恵梨子(たせ えりこ)
女子サッカー部の部長で2年生。ポジションはミッドフィールダー。背番号7。
守備も攻撃もそつなくこなす小器用な選手だが、前年秋に上級生が全員退部してしまった後、チームをけん引してきた苦労人。有望な1年生の加入や、能見のコーチ就任によって部が大きく変わろうとしていることに触発されて、関東大会出場を目標に掲げる。
宮坂 真琴(みやさか まこと)
女子サッカー部の2年生。ポジションはディフェンダー。背番号2。
田勢とは古くからの付き合いで、時には遠慮のない意見を言う。眼鏡っ子
御徒町 紀子(おかちまち のりこ)
女子サッカー部の2年生。ポジションはミッドフィールダー。背番号11。
田勢や宮坂らと行動を共にしている。
岸 歩(きし あゆむ)
女子サッカー部の2年生。ポジションはディフェンダー。背番号5。
田勢や宮坂らと行動を共にしている。
菊池 類(きくち るい)
女子サッカー部の2年生。ポジションはディフェンダー。背番号3。
絵心があり、能見の手掛けた「痛ユニ」に代わり、シンプルな新ユニフォームをデザインする。
深津 吾朗(ふかつ ごろう)
女子サッカー部の顧問。女子サッカーや同校の指導や関心を示さず、競馬雑誌を読みふけっている。その一方で、U-23サッカー日本代表の指導者とも何らかの繋がりがある。
能見 奈緒子(のうみ なおこ)
女子サッカー部のコーチ。元日本女子代表。蕨青南高校の卒業生。
17歳で代表入りを果たして以来、数々の記録を打立て日本サッカー界を牽引してきた人物。選手時代から「なまはげ能見」の異名で恐れられており、コーチ就任後は深津に代わって熱血指導ぶりを見せている。田勢らによれば日常生活ではルーズな面もある自分達と変わらない普通の人ということだが、一方で独特な美的センスを持ち合わせており、それが基で部全体を巻き込んだ「痛ユニ問題」を引き起こす。

男子サッカー部[編集]

飛鳥 永建(あすか えいけん)
男子サッカー部監督。筋肉質の引き締まった体つきが特徴で、筋肉のチェックには余念がない。
「サッカーはフィジカル」を信条としており、女子サッカー部の田勢からの合同練習の申し出を男子サッカー部には何のメリットもないとして撥ねつける。ジム通いが日課。
山田 鉄二(やまだ てつじ)
男子サッカー部の1年生でポジションはミッドフィールダー。藤第一中学出身。
通称、テツ。恩田らとはスポーツ少年団以来のチームメイト。
竹井 薫(たけい かおる)
男子サッカー部の1年生でポジションはフォワード。藤第一中学出身。
通称、タケ。恩田らとはスポーツ少年団以来のチームメイト。
谷 安昭(たに やすあき)
男子サッカー部の1年生でポジションはディフェンダー。江上西中学出身。
通称、ナメック。恩田らとはスポーツ少年団時代のチームメイト。

久乃木学園高校[編集]

梶 みずき(かじ みずき)
女子サッカー部の2年生。ポジションはフォワード。
U-15日本女子代表の元主将。上下関係や規律にはかなり厳しく、下級生の井藤や佃をはじめ、U-15代表の後輩の曽志崎は彼女に頭が上がらない。
井藤 春名(いとう はるな)
女子サッカー部の1年生。ポジションはミッドフィールダー。
10番を背負う左利きのゲームメーカー。パスセンスの高さとボールキープの上手さが特徴で、豊富なアイデアを体現し得る技量を持つことから天才と称されている。髪型はセミショート。同級生の佃とは買い食い仲間。蕨青南の希のプレースタイルには惹かれるものがある様子。中学時代は佃や九谷と同じサッカークラブに所属していたが、指導者の方針により出場機会が少なく、佃の誘いで久乃木に進学した。
佃 真央(つくだ まお)
女子サッカー部の1年生。ポジションはディフェンダー(右サイドバック)。
豊富な運動量と攻撃参加が持ち味のパワフルなサイドバック。U-17日本女子代表。髪型はショートカットで後ろ髪を三つ編みにしている。そばかす顔が特徴。恋に恋する一面もあり、謎のポエム作りに励んでいるが、井藤からは呆れられている。
鷲巣 兼六(わしず けんろく)
久乃木を率いて夏の高校総体と春の選抜を制した名将。蕨青南コーチの能見とは師弟の間柄で「泣かない赤鬼」の異名で呼ばれる。蕨青南との練習試合後に能見に対して、選手を預かる指導者の責任の重さを説く一方、蕨青南イレブンの健闘を称える。

浦和邦成高校[編集]

桐島 千花(きりしま ちか)
女子サッカー部の2年生。ポジションはミッドフィールダー(ボランチ)。戸田北中学出身。
曽志崎の中学時代の先輩で、当時はダブルボランチを組んでいた。試合時には特殊防護ゴーグルを着用している。周防も川口伊狩中学時代に彼女と対戦し、抑えられた経験がある。自分の誘いを断り蕨青南に進学した曽志崎にはわだかまりがある様子。
天馬 夕(てんま ゆう)
女子サッカー部の2年生。可愛らしい容姿の反面、毒舌家の面がある。蕨青南でコーチを務める能見のファン。
安達太良 アリス(あだたら アリス)
女子サッカー部の2年生。ボサボサ感のある長髪、長身に猫背が特徴。幕末土佐国を舞台にしたアニメ『胸きゅん開国』に凝っており、その魅力を熱く語るが周囲からは理解されていない。
財前 奈々美(ざいぜん ななみ)
女子サッカー部の3年生で、キャプテンを務める。
花房 圭(はなぶさ けい)
女子サッカーの2年生で、他チームの偵察活動を担当。丸眼鏡七三分けのようなピッチリした髪型が特徴。蕨青南について曽志崎と周防の動きを警戒するように伝える一方、恩田については「お地蔵さん」と報告する。
後藤田 正弘(ごとうだ まさひろ)
女子サッカー部の監督。小洒落た風体の優男で、2年部員の天馬からは「似非イタリア人」と突っ込まれている。

栄泉船橋高校[編集]

浦川 茜(うらかわ あかね)
女子サッカー部の3年生で、キャプテンを務める。
森乃 つぐみ(もりの つぐみ)
女子サッカー部の3年生。
幼年の頃から一緒にサッカーをしてきた茜の理解者。
国府 妙(こくぶ たえ)
女子サッカー部の2年生。背番号10。
チームの守備戦術を補って余りあり、一人でも相手守備陣をかき乱せる必殺のアタッカー。

興蓮館高校[編集]

藤江 宇海(ふじえ うみ)
女子サッカー部の3年生。ポジションはフォワード。背番号10。
新興の興蓮館を士気とプレーで引っ張り続け、チームメイトから慕われる文字通りの大黒柱。交通事故に遭い、3年春から出場できないでいる。天才と認める実妹に期待を込める。
来栖 未加(くるす みか)
女子サッカー部の2年生。ポジションはフォワード。背番号11。
藤江姉の居ないチームの大黒柱。インターハイ得点王。同年である久乃木の梶をライバル視する。
九谷 怜(くたに れい)
女子サッカー部の1年生。ポジションはディフェンダー(センターバック)。背番号15。
技術的には粗さがあるがフィジカルコンタクトに優れており、体を張ったプレーが持ち味。高校では戦術の核ともいえる役割を担っている。
井藤や佃とは中学時代のチームメイト。フットサルチーム「ハイリーズ」の選手として、蕨青南と久乃木の即席チームとフットサル大会で対戦した。特に井藤を、ライバル視している一方で詩人と呼び、自分では叶わないそのプレースタイルに憧れている。素の状態で出る八重歯をカワイイと恩田たちから評される。
藤江 梅芽(ふじえ うめ)
女子サッカー部の1年生。背番号21。
文武両道の実姉を誇る反面、比較の対象にされるのを嫌がっていた。だがケガの実姉から大きな期待を寄せられている、小柄ながら隠れた大器。
高萩 数央(たかはぎ かずお)
スペイン、ポルトガルのリーグでもブレーした元日本代表の左ウインガーで女子サッカー部の監督に招聘された。戦術をチームに浸透させ、久乃木の不出場とはいえインターハイを圧倒的に制した。
作中では深津の現役時代を知る、数少ない人物。

その他[編集]

鮫島 幸造(さめじま こうぞう)
藤第一中学サッカー部監督。往年のサッカー選手のペレに準えた教え子の希に、女子サッカー行きを諭した。

用語[編集]

埼玉県立蕨青南高校
埼玉県蕨市の公立校。女子サッカー部は「ワラビーズ」と称される弱小チームだが、深津や能見を招聘して強化を進めようとしている。男子サッカー部は県内の強豪で、近年は浦和勢の台頭もあり目立った成績を残せずにいたが、学校を挙げて古豪復活に乗り出している。
久乃木学園高校
高校女子サッカー界で何年も頂点に君臨する強豪チームで、「ポゼッション・フットボール」を志向している。アンダー年代の代表選手や代表候補選手を数多く擁する。
浦和邦成高校
埼玉県内の高校女子サッカーの強豪チーム。高校総体埼玉県予選で8連覇を達成しており、過去2年間の県内大会で無失点を続けるなど鉄壁の守備を有する。
興蓮館高校
東京都内の高校女子サッカーのチーム。高萩を監督に迎えて以降、選手にも恵まれた上に戦術の確かさで、インターハイを制すほどに急成長。常勝・久乃木から絶対女王の座を奪わんとする。
栄泉船橋高校
千葉県内の高校女子サッカーのチーム。経験者の指導に恵まれずとも、部員たちの試行錯誤だけで独自戦術を確立。常勝・久乃木を倒すまでに成長した。

書誌情報[編集]

出典[編集]

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  1. ^ a b 新川直司、個性豊かな少女たちのサッカー物語「さよなら私のクラマー」開幕”. コミックナタリー (2016年5月6日). 2016年8月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e "『四月は君の嘘』新川直司最新作──女子サッカーの青春と未来に感涙!”. 講談社コミックプラス (2016年8月17日). 2016年8月21日閲覧。
  3. ^ マンガ新連載:「さよなら私のクラマー」 「四月は君の嘘」作者が描く女子サッカーの青春ストーリー”. MANTANWEB(まんたんウェブ) (2016年5月6日). 2016年8月21日閲覧。
  4. ^ 『さよなら私のクラマー(1)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2016年8月21日閲覧。
  5. ^ 『さよなら私のクラマー(2)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2017年1月17日閲覧。
  6. ^ 『さよなら私のクラマー(3)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2017年6月16日閲覧。
  7. ^ 『さよなら私のクラマー(4)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2017年10月17日閲覧。
  8. ^ 『さよなら私のクラマー(5)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2017年2月16日閲覧。
  9. ^ 『さよなら私のクラマー(6)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2018年6月17日閲覧。
  10. ^ 『さよなら私のクラマー(7)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2018年10月17日閲覧。
  11. ^ 『さよなら私のクラマー(8)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2019年2月16日閲覧。
  12. ^ 『さよなら私のクラマー(9)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2019年10月17日閲覧。
  13. ^ 『さよなら私のクラマー(10)』(新川直司)”. 講談社コミックプラス. 2019年10月17日閲覧。

外部リンク[編集]