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ドラゴン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スロベニアの首都リュブリャナ竜の橋を飾るドラゴンの像
アメリカのイラストレーター、ジェームズ・アレン・セント=ジョンが、1905年刊行の自著『Face in the Pool』に描いた挿絵
アメリカイラストレータージェームズ・アレン・セント=ジョンが、1905年刊行の自著『Face in the Pool』に描いた挿絵[† 1]

ドラゴン: dragon)とは、ヨーロッパ文化圏で共有されてきた伝承神話における伝説上の生物である。

ドラゴンのイメージには時代や地域による多様性が見られるが、現代における典型的なイメージとしては、ドラゴンは、鱗に覆われた巨大なトカゲワニのような姿をしており、頭に2本の角が生え、四肢の他にコウモリのような皮膜の翼を持ち、空を飛ぶ。牙の並ぶ口からは炎を吐き出す。

四肢とは独立して翼を持つのではなく、やコウモリのように前足が翼になっている場合もあり、そうしたものはワイバーン: Wyvernと呼ばれることが多い。逆に、翼を持たない姿で描かれる場合もあり、こちらはワーム: Wormと呼ばれることがある。

ドラゴンは民話や伝説において、「財宝を守っている」、「街を襲う」、「人(多くの場合、姫君)を拐った」などの理由から、英雄によって倒される存在として描かれることが多い。また、ドラゴンはしばしば洞窟に棲むとされる。

日本語では(りゅう)とも呼ばれ、東洋の竜とはその特徴に類似性が認められるものの、直接の関係はない。ただし広義には、東洋の竜や、その他の様々な神話や伝承における類似した存在も含めてドラゴンという言葉が使われる場合がある。

名称

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語源

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ドラゴン(dragon)という言葉は古代ギリシア語で「ヘビ」を意味する δράκων(ラテン翻字:drákōn)に由来する。さらに、 δράκων は動詞 δέρκομαι(翻字:dérkomai、(「(しっかりと)見る」の意)に基づき、ヘビが相手を睨みつける様子に由来するとされる[1][2]。また比較言語学に基づけばその語源は、「見る」などの意味をもつ印欧祖語語根である *derḱ- に遡る[3][† 2]

δράκωνラテン語に借用されて dracō へと変化し、またそこから英語を含め様々なヨーロッパの言語に変化・波及した。

ドラゴン(dragon)

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日本語(外来語)の「ドラゴン」は英語に由来する。

英語においては、西暦1000年頃に作成されたとされる『ノーウェル写本英語版』に収められた『ベーオウルフ』の古英語[† 3]、ラテン語から借用された draca の表記が見られる。しかし、中英語では同じくラテン語に由来するが古フランス語を経由した dragun に取って代わられたことが、14世紀前半に作られた英訳版『フィシオログス』などに確認される[5][6][† 4]。また、dragonedragoun という表記も用いられた[5]

現在一般的な dragon という英語は1540年頃に作成された写本「Hunterian MS v.2.8」に収められた『The Destruction of Troy』に見られる[9]。これは1287年のグイド・デレ・コロンヌ英語版による『Historia destructionis Troiae英語版』の英訳作品であり、原典は John Clerk of Whalley という人物によって、おそらく1400年頃に作られたと考えられている[10][† 5]

英語にはドラゴンを指す言葉としてドレイク(drake)という表現も存在するが、こちらは古英語 draca に直接由来する。

竜 / 龍

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日本語では、英語から音写した「ドラゴン」のほかに、元来は中国に起源を持つ東アジア文化圏の伝説上の生物を指していた「」という名称をドラゴンに対しても用いることが少なくない。竜は「」とも書き、かつては龍の字を「東洋の竜/龍」にも「西洋のドラゴン」にも「恐竜/恐龍」[12]にも当てていたが、特に20世紀後期以降は、「西洋のドラゴン」や「恐竜」には「龍」ではなく「竜」の字を当てるのが通例となっている[† 6]

中国語では、東洋の龍であろうが西洋の dragon であろうが龍は「簡体字拼音lóng)」と表記する。また、「西洋のドラゴン」だけを示す際は「西方龍簡:西方龙)」という表現が一般的である。これに対する「東洋の龍」だけを示す名称については、「東方龍簡:东方龙)」と「中國龍簡:中国龙)」が並存している(前者は研究者がよく用いるが、一般には後者が多く見られる)。そのほか、中国語版ウィキペディアでは、厳密性を旨とした「歐洲文化中的龍」という説明的表現が用いられている。

逆に、英語圏で東洋の竜を指して dragon と呼ぶこともよく見られ、英語圏で「西洋のドラゴン」だけを示す際は、"European dragon"(ヨーロッパのドラゴン、cf. en)、"Western dragon"(西洋のドラゴン)などの表現が使われる。

その他の表現の例

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アジア圏で竜(龍)と呼ばれる他にも、スラブ語圏における змей(zmej)、ヒンディー語のअज़दहा(azdahā)など、その地方においてヘビやヘビのような怪物を表していた言葉がドラゴンの意味でも使われているケースが存在する。上述のワーム(Worm)という言葉も、元々はゲルマン語圏でヘビを意味する wurm に由来する。

歴史

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古代

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ギリシア・ローマ

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アレースの大蛇と戦うカドモス。クラテール(混酒器)の赤絵として描かれた物語「カドモス#泉の大蛇退治」の一場面。紀元前350年-紀元前340年間の作。パエストゥムより出土。
アレース大蛇と戦うカドモス / クラテール(混酒器)赤絵として描かれた物語「泉の大蛇退治」の一場面。紀元前350年-紀元前340年間の作。パエストゥムより出土。

ドラゴンに相当するギリシア語のドラコーンとラテン語のドラコは、いずれもヘビを指す言葉であり、古代世界ではドラゴンと蛇(サーペント)は厳密には区別されていなかったと考えられる[13]。『イーリアス』第11歌の冒頭でアガメムノーンが身に着ける楯の提帯と胸当には、それぞれに群青色[† 7]の三頭の蛇(ドラコーン)があしらわれている。プリニウス(1世紀)の『博物誌』第8巻では、ドラコはゾウと敵対して闘争する大蛇として紹介されている。それによると、アフリカやインドに生息する蛇は象を絞め殺してその冷たい血を飲もうとするが、血を抜かれて倒れこむ象の巨体に圧殺されて相討ちとなる[13]アイリアーノス(3世紀)の『動物の本性について』でも、インドの蛇(ドラコーン)は象の首に巻きついて圧倒的な力で締めつけると述べられている[14][15]。中世の動物寓意譚のベースとなった『ピュシオロゴス』(2-5世紀)にはドラコについての独立した章はないが、象やマングースの天敵として複数の章で言及されている[16]ルカヌス(1世紀)の叙事詩『内乱』には、アフリカの地を這い牛や象を絞め殺すドラコが登場するが、羽根 (pinna) で空気を動かすと描写されている点がプリニウスと異なる(有翼の蛇はアリストテレースの『動物誌』やヘーロドトスの『歴史』にも出てくる[17][18]

蛇よ、おまえたちは他のいずこの地方にても無害にしてゆるりと滑りゆき、神と崇められ、黄金色の鱗に輝くものなるも、かの炎暑の荒野にあっては死をもたらすものとなる。宙に浮き上がり、畜牛の群れについて回り、とぐろを巻きつけて巨大な雄牛を押しつぶす。体躯の巨きな象であろうと何であろうと無事ではいられない。おまえたちが生きものを致命的な最期に至らしめるのに、牙も毒も必要ない[19] — ルカヌス『内乱』第9巻

元々はただヘビを表した「ドラゴン」は、時代を経るにしたがってさまざまな属性を付与されてイメージが肥大化していった[20]

聖書

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多頭のドラゴンと戦う大天使ミカエル。フランス人画家ジャン・フーケが装飾写本『エティエンヌ・シュヴァリエの時祷書(en:Hours of Étienne Chevalier)』のために描いた挿絵。1452年から1460年頃の作。
多頭のドラゴンと戦う大天使ミカエル / フランス人画家ジャン・フーケ装飾写本エティエンヌ・シュヴァリエの時祷書英語版』のために描いた挿絵。1452年-1460年頃の作。

ギリシア語訳旧約聖書である『七十人訳聖書』では、ヘブライ語リヴヤーターンタンニーン英語版がドラコーンと翻訳されている[21]。タンニーンは巨きな海の怪獣を指す言葉で、この語は場合によってワニクジラ、蛇と解される。また、ヘブライ語のタンニム(タンの複数形)は何らかの荒野の生きものを指し、ジャッカルとも翻訳される[22]

ダニエル書補遺の「ベルと竜」では、バビロニア人の崇拝する大きな竜が登場し、ダニエルによって殺される[23]

新約聖書』の「ヨハネの黙示録」では、七つの頭、十本の角をもつ赤い竜が登場する(黙示録の獣)。この悪魔サタンとも呼ばれる巨大な竜は天上でミカエルと戦って敗れる。

3また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍がいた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっていた。4その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した。〔……〕7さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、8勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。9この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された[24] — 「ヨハネの黙示録」第12章3-9

中世から初期近代

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中世動物誌

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アジアゾウに巻きつくドラゴン。動物寓意譚を集めた1200年頃の装飾写本『アバディーン動物寓意集(en:Aberdeen Bestiary)』のための挿絵。アバディーン大学図書館所蔵。写本番号24 フォリオ65v。1200年頃の作。
アジアゾウに巻きつくドラゴン / 動物寓意譚を集めた1200年頃の装飾写本アバディーン動物寓意集英語版』のための挿絵[† 8]

中世に百科全書として用いられたセビーリャのイシドールス(7世紀)の『語源論』は20種以上の蛇を取り上げているが、ドラコーも蛇の一種として説明されている。それによると、ドラコーは酷熱の地であるエチオピアインドの産で、蛇のなかでも最大であり、鶏冠(とさかと小さな口がある。毒は有していないが、巨をも絞め殺してしまう強力な尾を具えている。洞窟から出て空を飛び、空気を乱す[25]。ドラゴンが大気を乱して嵐を引き起こすという考えはアウグスティヌスも述べており、中世には有翼のドラゴンが描かれるようになった[26]

イシドールスによるドラコーの記述は12世紀以降に盛んに作られた動物寓意集(ベスティアリ)の第2群[† 9]のテクストでも踏襲されている[28]。また、動物寓意譚集のテクストでは、イシドールスの記述には見られない「ドラゴンは悪魔のような存在である」という解釈が付加されており、その鶏冠は高慢の王たる悪魔の王冠を表していると述べられている[29]

1236-1250年頃の装飾写本の挿絵に見る現代的な姿のドラゴンの初期の例(大英図書館, Harley MS 3244, folio 59r)[30][31]

中世の動物誌のテクストには、「口から火を吐く」や「翼がある」などといった20世紀および21世紀の一般大衆がいの一番に想起するようなドラゴンの特徴は明記されておらず、図像に表現されるドラゴンの翼や脚や鶏冠の有無、脚の本数はさまざまであった[32]。12世紀以降の図像には翼や脚のあるドラゴンがしばしば見られる[32]。ドラゴン以外の蛇の類も、中世の動物寓意集の挿絵では往々にして脚のある姿で描かれた[33]

美術史家のバルトルシャイティスによると、ロマネスク美術のドラゴンは翼や足のない蛇、あるいは蜥蜴(とかげの尾の生えた鳥のような姿であったが、ゴシック美術英語版以降、蝙蝠(こうもり)のような飛膜の翼をもつドラゴンが描かれるようになった[34]。バルトルシャイティスは、このような蝙蝠様の翼の形象は中国美術にみられ、13世紀半ば頃からモンゴル民族系のイルハン朝を通じての交流で極東美術のモチーフがヨーロッパに伝播したと論じている[35][† 10]

竜退治説話と民衆文化

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ゲオルギウス[† 11]の竜退治の話は、ヤコブス・デ・ウォラギネ撰述の聖人伝説集『黄金伝説』(13世紀)を通じてヨーロッパに広まった。『黄金伝説』にはアンティオキアのマルガリタ(聖マルゲリータ)、聖マルタ[† 12]、ローマ教皇シルウェステル1世の竜退治伝説も収められている。イギリスでは『ハンプトンのベヴィス卿』(14世紀)、聖ジョージをはじめとする七人の勇者が登場する『七守護聖人』(リチャード・ジョンソン作、1596年)といった文学作品も、竜退治物語の大衆的普及に寄与した[37]。イギリスの民衆劇ママーズ・プレイ英語版でも聖ジョージが登場するが、ドラゴンは台詞のなかで言及されるだけで、舞台に登場することは稀であった[38]

15-16世紀にはイギリス各地で火を吐くドラゴンの見せ物があったことが記録に残っており、17世紀には花火で火を吹きながら空を飛ぶ仕掛の張子のドラゴンも考案された[39]。ドラゴンは町の祝祭のアトラクションにも使われた。記録上は15世紀初頭にまで遡る「ノリッジのスナップ」 (Snap of Norwich) は、中に人が入って動かす模造ドラゴンで、人を追いかけたりして祭を盛り上げた[40]ノリッジ近辺ではこれを模倣したものが20世紀初頭まで使われていた[41]。フランスのタラスコンでは、聖霊降臨祭の月曜日と聖マルタの日にタラスクという木製のドラゴンのパレードが行われた(この行事は一時廃れたが、現在は復活している)[42]

近世博物誌

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スイス博物学者コンラート・ゲスナー (1516-1565) が著した図入りの博物学書『動物誌英語版原題:Historia animalium)』(1551-1558年チューリッヒ大学刊)は[† 13]、今では存在しないと判明している未確認生物も紹介しており、同書はドラゴンに関する古今の様々な伝承、逸話を収集・紹介し、「ドラゴンは巨大なヘビである」としつつも「ドラゴンにはとさかや足、翼の有るものと無いものがある」、「黒い体に腹が緑色のものや[† 14]、黒、赤、灰や、黄褐色、明るい金色など様々な色のものがいる」などと記し、タイプの異なる数種類のドラゴンを図示した[44]。日本の博物学者・荒俣宏 (1947- ) の指摘によると、実物の標本が存在しないそれらの怪物図譜は、文献の情報が不正確で非現実的であると知りつつも標本の図版を忠実に模写するよう努めた結果であった[45]。当時は怪物の偽造標本も出回っていたが[45]、ゲスナーは『動物誌』最終巻(1558年刊)にて、乾したエイに細工を施してドラゴンに仕立てた怪しい標本(現在ではジェニー・ハニヴァーとして知られる)について触れており[46]、また、イタリアの博物学者ウリッセ・アルドロヴァンディ (1522-1605) も著書 "De piscibus libri V, et De cetis lib. vnus"(1613年ボローニャ大学刊)内の魚類の部で同じように紹介している[47]。一方で、アルドロヴァンディはドラゴンに関する著書 "Serpentum, et draconum"(1640年刊)で、エチオピアのドラゴンとされる標本を掲載した[48][49]ポーランドスコットランド人博物学者ヨハネス・ヨンストン (1603-1675) の『禽獣虫魚図譜(原題:Historiae naturalis de quadrupedibus libri, cum aeneis figuris)』(1657年刊)[† 15]も、ゲスナーの著作の怪物誌としての側面を受け継ぎ、同様にドラゴンの図版を掲載している。

ワーム、リントヴルム

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ドイツの民俗学者ヴィル=エーリヒ・ポイカートドイツ語版の指摘するところでは、ドイツではドラゴン(ドイツ語でドラッヘ)は8世紀以前に伝来したであろう外来の概念である。これに対してドイツ語でヴルム (Wurm) またはリントヴルム (Lindwurm) と呼ばれる地を這う怪蛇は、それとは別に成立したゲルマンの土着的な竜の観念をあらわしている。ポイカートによればゲルマン伝承の怪蛇と南方由来の空飛ぶドラゴンが同格視されるようになるのは15 - 16世紀のことである[51]

西洋の竜・蛇の伝説

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ラファエロ・サンティ『聖ゲオルギウスと竜 (ラファエロ)』(ワシントン・ナショナル・ギャラリー (ワシントン)版)。ドラゴンスレイヤー(竜殺し)の代名詞とも言うべき古代ローマの英雄・聖ゲオルギウス(cf. 聖ゲオルギオスと竜)が、ここでは現世ヨーロッパ(描かれた当時、今でいう中世後期ヨーロッパ)の重騎兵として描かれている。1506年頃の油彩画。
ラファエロ・サンティ聖ゲオルギウスと竜』(ワシントンナショナル・ギャラリー
ドラゴンスレイヤー(竜殺し)代名詞とも言うべき古代ローマの英雄・聖ゲオルギウスcf. 聖ゲオルギオスと竜)が、ここでは現世ヨーロッパ(描かれた当時、今でいう中世後期ヨーロッパ)の重騎兵として描かれている。1506年頃の油彩画

キリスト教では、『ヨハネの黙示録』の竜(黙示録の獣)に代表されるように、ドラゴンはたいてい「」の象徴とされ、悪魔と同一視されたり、邪悪な生きものであるというイメージが付きまとう。また、ユニコーンと同じく、七つの大罪の一つである憤怒を象徴する動物として扱われることもある。聖ミカエル聖ゲオルギオス聖ゲオルク■右に画像あり)はドラゴンスレイヤー(竜殺し)の戦士として有名であり[52]、彼らの竜退治は悪の力との戦いを象徴するものと解釈される[53]。神話学的解釈では、ドラゴンスレイヤー(竜殺し)の伝説における竜は宇宙論的悪の象徴であり、聖人英雄がそれを退治するということは、その宇宙論的悪すなわちカオス(混沌)をコスモス(秩序)へと変えることを意味する。中世史家ジャック・ル・ゴフによると、西洋の竜退治のテーマのひとつは、混沌の力が支配する土地を人間が安心して暮らせる場所に変えることである[54]。"Γεώργιος"(ラテン翻字Geṓrgios、日本語音写例:ゲオールギオス)という古代ギリシア語固有名詞は、普通名詞 "γεωργόςラテン翻字:geōrgós、日本語音写例:ゲオールゴス、語義:=farmer農夫)" から派生しており、さらに "earth-worker"「大地に働く者」を意味する語にまで語源を遡れる。自然の力を象徴する「大地の精」[† 16]たるドラゴンとの戦いは、人間が自然と格闘して土地を開墾するということを寓意する[56]

西欧

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スイスのフランス語圏に伝わるシャヴォンヌ湖の白い竜は怪物らしからぬ湖の主である[57]ピラトゥス山の竜伝承には竜が遭難者を助けたという話がある[58]

英語圏

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10世紀末に書かれた[† 17]スカンディナヴィアを舞台とするアングロ・サクソン語の叙事詩『ベーオウルフ』では、竜は地中の財宝を守るものとされ[59]、黄金の杯を盗まれたことに怒り[60]、火を吐いて国土を荒らし回る[61]

英語では「小さなドラゴン」「ドラゴンの子」をドラゴネット: dragonet)と呼ぶ[62][63]が、これはイングランド詩人エドマンド・スペンサー1590年に発表した長編叙事詩妖精の女王』の第1巻第12章で用いた例が初出である[64]。「スピンドルストンの醜い竜」はおぞましい竜の姿に変えられた王女の話である[65]

ケルト語圏

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2匹のドラゴンの闘いを見るブリトン人の王ヴォーティガンアンブロシウス。15世紀写本ブリタニア列王史より[66]
ウェールズの旗。図案に採用されているのは、ウェールズの伝説に登場する赤い竜 (ウェールズの伝承)。
ウェールズの旗 / 図案に採用されているのは、ウェールズの伝説に登場する赤い竜

モンマスのジェフリーの偽史書『ブリタニア列王史』にはブリトン人赤い竜サクソン人白い竜が登場する。ウェールズ語ではア・ズライグ・ゴッホ[† 18]と呼ばれるこの赤い竜は、ウェールズの旗■右列に画像あり)に描かれ[67]1959年ウェールズの国の象徴として公式に認定された[68]

ウェールズの民間伝承では、蛇が人間の母乳を飲むと翼が生えてグイベル (gwiber) という空飛ぶ怪蛇になるという。グイベルの通り道を横切ろうものなら襲われると伝えられる[69]

ケルト神話にはフィン・マックールによる竜退治の話がある[70]ゲール語圏の竜退治説話には、オルフェーシュチやウイリェヴェイシュト (uilebheisd) と呼ばれる怪蛇が登場するものが多い[71]

南欧

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5世紀のリェイダ地方に存在したというドラゴン「マラク」を模した像。スペインはカタルーニャ州の都市リェイダにて2000年代半ばに撮影。
5世紀のリェイダ地方に存在したというドラゴン「マラク」を模した像 / スペインカタルーニャ州の都市リェイダにて2000年代半ばに撮影。

カタルーニャ地方ベルガでは、聖体祭のパレードでギータという竜も一緒に練り歩く[72]。同じくカタルーニャ地方のリェイダ地方(現・リェイダ県)には、5世紀に存在したというドラゴン「マラク」の話が伝わっている(■右列に関連画像あり)。スペイン北部のアストゥリアス地方では、水との関わりが深いクエレブレと呼ばれる竜の伝承がある[73]。イタリアのロンバルディア地方では、ジェルンド湖に住んでいたタランタシオという竜の伝承がある。

バスク語圏

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バスク地方では、七つ頭のエレンスゲ(大蛇)の話が広く知られている[74]。エレンスゲはバスク語で蛇のような怪物を指す[75]。他にもアララールの竜退治の伝承や[76]シュガールという前キリスト教的なバスク神話の蛇形の神格も伝わっている。

北欧

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リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ジークフリート (楽劇)』に登場するドラゴン「ファーフナー」/ ファーフナーは北欧神話およびドイツ北部のゲルマン神話などに登場するドラゴン「ファフニール(ファフニール)」に材を採っている。描いたのはイングランドの挿絵画家アーサー・ラッカム。1911年発表。山の洞窟に溜め込まれた黄金を護っているファーフナーは、黄金と人骨が散乱する地べたに長大な体躯をのたうたせている。
リヒャルト・ワーグナー楽劇ジークフリート』に登場するドラゴン「ファーフナー」/ ファーフナーは、北欧神話およびドイツ北部のゲルマン神話などに登場するドラゴン「ファーヴニル(ファフニール)」に材を採っている。描いたのはイングランドの挿絵画家アーサー・ラッカム。1911年発表。山の洞窟に溜め込まれた黄金を護っているファーフナーは、黄金と人骨が散乱する地べたに長大な体躯をのたうたせている。

ゲルマン語圏

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アクセル・オルリックによると、北欧の民間伝承には巨大な蛇の出現というモチーフがみられる。共通するパターンは、洞窟や山中に(アイスランドでは湖に)巨大な怪蛇がいて、いつの日か姿を現し、広範囲に破滅をもたらすというものである。これらはミズガルズ蛇にも類似しているが、特定の神話体系を背景とするものではなく純粋にアニミズム的な存在だとオルリックは論じている[77]

アイスランドの国章に描かれている4体の守護者(ラントヴァイティル)の1つは竜である。これは『ヘイムスクリングラ』においてアイスランドの四方を竜、雄牛、鳥、巨人が守護しているとされたことに由来する(ヴォプナフィヨルズル#竜伝説も参照)。ヴァイキングは魔除けのために船首に竜頭を掲げ[78]スカンディナヴィアスターヴ教会[† 19]にも、竜の鱗に見立てた屋根瓦や竜頭彫刻といった竜を想起させる意匠がみられる。

シグルズ伝説では、黄金への欲に憑りつかれたドヴェルグファーヴニル(ファフニール)がドラゴンに変身する。また、ファフニールを倒しその心臓の血あるいは脂を舐めたシグルズは、鳥の言葉が理解できる能力を得て、養父レギンの怖ろしい本心を見破る機会を持ったり、余人より賢くなったりしている。

デンマークの民話には、竜と暮らした少女の話(竜と娘[79]や、醜い恐ろしい竜として生まれながら人間に戻る王子の話(リンドルム王[80]などがある。これらに登場する竜はデンマーク語でレンオアム (lindorm) と呼ばれる怪蛇で、ドイツ語のリントヴルムに相当する[81]

以下、北欧神話ゲルマン神話)の代表的な竜を列挙する。

フィンランド

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フィンランド神話では、ドラゴンに関する言及はほとんど見られない。

バルト地域

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バルト地域には家蛇信仰があり、キリスト教伝来後も、蛇は家を守るとされたり、商売繁盛の象徴とされた(ザルティスピスハンド参照)。

中欧・東欧

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スラヴ神話のドラゴンは、ズメイと呼ばれる。このドラゴンは人間とよく似た性質を持っている。たとえば、ブルガリアなどの伝説では、ドラゴンには雌雄があり、人間同様の外見の差異が認められる。雌雄のドラゴンは、まるで兄弟姉妹のように見えるが、農耕神としては全く違う性質を持っている。

メスのドラゴンは、人類を憎んでおり、天候を荒らしたり作物を枯らしたりして、兄弟であるオスのドラゴンといつも喧嘩をしているとされる。それに対してオスのドラゴンは、人を愛し、作物を守るとされている。炎と水は、ブルガリアのドラゴンの神格を表すのによく使われ、メスのドラゴンはの特質、オスのドラゴンはの特質とされることが多い。ブルガリアの伝説では、ドラゴンは3つの頭を持ち、蛇の体に翼を持つ生物とされている。

中欧東欧のドラゴンは、竜王として人間と共に生きていたりする。「フェルニゲシュ」(ハンガリー)、「ストイシャとムラデン」(セルビア)、「天までとどく木」(ハンガリー)といった民話に登場し、善の竜王もいれば悪の竜王もいる。竜王と勇者が支配地域を半分ずつ分け合うといった説話が多い。「ラドカーン」は、竜退治のご褒美に王が自分の領土の半分を勇者へ譲渡するという話である。リュブリャナのズメイには守護獣の側面がある。一方、東欧の竜人(ズメウ)は人間に虐げられたりする。

バラウルヴァヴェルの竜は人間に退治される竜である。

ロシアベラルーシウクライナでは、竜は悪の存在であり、四本の足を持つ獣とされている。そう高くはないが知性を持ち、しばしば小さな町や村を襲い、金や食物を奪う。頭の数は1〜7つ、もしくはそれ以上であるが、3 - 7の頭を持つのがもっとも一般的である。頭は、切り口を火であぶらなければ復活するとされる。ロシアでは竜(ズメイ)は『ブィリーナ』に登場するトゥガーリン・ズメエヴィチのように遊牧民族の象徴であり、邪悪の象徴でもある。しかし、ユランのような例外的に敵対的ではない竜もある。ロシアは中央アジアの遊牧民族の侵攻を度々受けており、それにより中国や中央アジアの竜信仰が伝播されたためである。ジラント(ユラン)はテュルク系民族にとっては守護獣としての性格が強く、意味が反転している。

東欧伝承では竜の血はとても有毒であり、地表にも吸い込まれないとされる。

古代より存在したウロボロスの概念を錬金術で解釈した図説。ここでのウロボロスは、自らの尾に噛みついて体で環を形作っているヘビもしくはドラゴンとして具象化されている。
古代より存在したウロボロスの概念錬金術で解釈した図説 / ここでのウロボロスは、自らのに噛みついて体でを形作っているもしくはドラゴンとして具象化されている。

ギリシア神話

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ギリシア神話には英雄竜殺しの話が幾つかある。竜は宝物の守り手として、あるいは自然の猛威の象徴として登場し、多くは英雄に退治される。ヘーラクレースは黄金の林檎を守るラードーンを屠り、カドモスアレースの泉を守る竜を倒し、イアーソーン金羊毛を守る竜を討ち取る。これらの竜の見張番としての役割は、「鋭い目で注視する」というドラコーンの語源説を想起させる[82]

以下、ギリシア神話の代表的な竜を列挙する。

ウロボロス

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ウロボロス永劫回帰や永遠の象徴とされる(■上段■右列に関連画像あり)。数学の「」(無限大)もウロボロスから来たものである。カール・グスタフ・ユングは、人間精神(プシュケー)の元型を象徴するものとする。

神話学的解釈

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ドラゴンは炎を吐き、蛇の尾、鳥の翼と魚の鱗を有するハイブリッドな動物であり、四大元素を体現する存在であった[83]

元々は原始宗教地母神信仰における自然や不死の象徴として崇められるが神格化された存在だったと思われる。キリスト教的世界観では、蛇は悪魔の象徴であり、霊的存在を意味する翼が加わることで、天使の対としての悪魔を意味することがある。時代が流れ、「自然は人間によって征服されるべきもの」等といった思想の発生や新宗教が生まれ、新宗教が旧宗教の信者を取り込む際等に征服されるべき存在の象徴(征服されるべき者=悪者)として選ばれたこともある。

ユング心理学のドラゴン観

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西洋の物語において、往々にドラゴンはお姫様を幽閉しており、水中にいる。英雄がこれを殺してお姫様と結ばれる。カール・グスタフ・ユングの主張する心理学の見方においては、これは男子が母親の支配を打破して自らの選んだ妻と結ばれる、という物語であると見る。つまりこの見方におけるドラゴンは、母親の元型である。

近現代の創作におけるドラゴン

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リヒャルト・ワーグナーが北欧伝承に基づいて書いたオペラ、『ニーベルングの指環』(1874年完成)の第2日『ジークフリート』ではジークフリートとファフニールの戦いが描かれる。

近現代の創作における典型的なドラゴンの例としては、『ホビットの冒険』に登場する「スマウグ」が挙げられる。スマウグは『ベーオウルフ』に登場するドラゴンや北欧伝承のファフニールに基づいており、巨大な爬虫類のような外観を持ち、翼で空を飛び、財宝を好み、炎を吐く。その性質は邪悪で、作中の強大な敵として立ちはだかる。

一方で、近代以降の創作におけるドラゴンは必ずしも典型的な「強大で邪悪な倒される敵」ではなく、その描写には多様性が見られる。例えば『オズのチクタク』(1914年)に登場する「クオックス」や、『果てしない物語』(1979)の「フッフール」は主人公を助ける善良な存在である[† 20]。『エルマーのぼうけん』(1948年)は逆に、主人公エルマーがドラゴンを助けに行く物語である。また、聖ジョージがドラゴンを退治しにやってくるがドラゴンが善良で温厚だったので人々に受け入れられるよう取り計らう『The Reluctant Dragon』(1895年)や、ドラゴンであるにも関わらず非常に臆病で気が小さい『The Tale of Custard the Dragon』(1936年)など、「強大で邪悪」というイメージを逆手に取った作品も見られる。

ドラゴンを神やそれに類する高次の存在として描く例もあり、例えば、『ゲド戦記』シリーズ(1968-2001年)に登場するドラゴンは、人を襲うものもいるが、高い知恵と深い知識を持つ神秘的な存在として描かれ、ドラゴンの長であるカレシンは時に世界の創造主セゴイと同一視して語られる。また、現代のロールプレイングゲーム文化の走りである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(1974年)では1975年のサプリメントグレイホーク』以降のシリーズにおいて、秩序に属するメタリックドラゴンと混沌に属するクロマティックドラゴンの善悪二元論的神話的な対立構図が設定されている。

ドラゴンの持つ能力にも様々な設定が見られ、上記の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場する多種多様なドラゴンたちは、それぞれに炎、吹雪、雷など特定の息(ブレス)を攻撃手段として持ち、現代の創作、特にゲーム文化においては、ドラゴンが吐くものは火や毒に限らなくなっている[† 21]。ドラゴンは魔法を使う、魔法が得意である、という作品も多い。また、魔法によってドラゴンが人の姿に化けることもある。

その姿もまた多様化しており、東洋の竜や、その他の神話の竜(とされる怪物)、恐竜翼竜などの特徴が取り入れられていることもある。

また、サイエンスフィクション作品において、より「現実的」に設定が肉付けされたドラゴンあるいはドラゴンのような爬虫類が登場することがある。

連想

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やドラゴンの伝承の発端としては、大型動物(クジラや恐竜など)の骨や化石、ワニやオオトカゲなどの爬虫類、本能的な蛇などへの恐怖などの仮説が挙げられている[84]

湖沼を上空から見た形が、西洋のドラゴンにどこか似通ったところがある場合、それらが連想されることもある。アメリカ合衆国カリフォルニア州サンルイスオビスポ郡の北部にあるナシミエント湖英語版[gm 1]が、右に向けて歩くドラゴンによく似ているということで、英語圏では少しは知られている。北東の近隣にはこの地域的特徴を謳った「ドラゴンレイク・グリル (Dragon Lake Grill)」という名のレストランもある[gm 2]

脚注

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注釈

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  1. ^ St. John, James Allen (1 January 1905) (English). The Face in the Pool: A Faerie Tale (First ed.). Chicago: A. C. McClurg. https://www.amazon.com/face-pool-faerie-tale/dp/B0006AE7UI .
  2. ^ 「 * 」は学術的再建語の印
  3. ^ 『ベーオウルフ』そのものの推定成立年代は8世紀頃と考えられている[4]
  4. ^ 大英図書館, MS Arundel 292。しばしば動物寓意譚とされるが、11世紀のTheobaldusによるラテン語韻文版『フィシオログス』の英訳版に当たる。なおテキストそのものの執筆は13世紀後半とも考えられている[7][8]
  5. ^ なお、14世紀の『Cursor Mundi』の写本にも dragons と言う語が見られるが、これは dragun の形容詞複数形である[11]
  6. ^ 龍の字は常用漢字外であり、むしろ「東洋の竜に限っては現在でもあえて龍の字を充てられる場合がある」とも言える。
  7. ^ 呉茂一訳による。松平千秋訳では琺瑯製となっている。
  8. ^ サー・ダンカン・ライス図書館英語版アバディーン大学の主要な学術図書館)所蔵。写本番号24 フォリオ65v。1200年頃の作。
  9. ^ 古文書学者M・R・ジェームズは中世の動物寓意集の写本群を4つのファミリーに分類した。F・マッカロクの研究によると、そのうちの第2群は12世紀に発生したものであり、イシドールス等からの増補によって章の数が大幅に増えている[27]
  10. ^ ただし、ストラボンの『地理誌』(1世紀)にはすでに蝙蝠様の飛膜の翼を具えた爬虫類についての言及がある[36]
  11. ^ 聖ゲオルギウス(聖ジョージ)はイングランド守護聖人で、騎士の守護聖人でもあり、イングランドの国旗には聖ゲオルギウス十字が組み込まれている。
  12. ^ タラスコン#怪物タラスクを参照。
  13. ^ 内容の多くがその英訳版に当たるイングランドの牧師エドワード・トプセル英語版が1658年に著した『四足獣とヘビと昆虫の歴史[43]原題:The history of four-footed beasts and serpents and insects)』でも知られる。
  14. ^ ゲスナーが引用するニカンドロスの書の記述は、ラテン訳版では色が『緑と黒(nigrum)』とあるが、ギリシア原本だと『緑と濃青色(κυανὸν)』となっている。
  15. ^ 最初の邦題『阿蘭陀禽獣虫魚図和解』が付いたのは寛文2年(1663年)にオランダ商館長から江戸幕府に献上されたオランダ語翻訳版であり、この書籍の「年」を「1663年」と記している資料が多いのはそのため。
  16. ^ イシドールスは『語源』において、異教徒にとって蛇は地霊(ゲニウス・ロキ)であったと述べた[55]
  17. ^ 推定成立年代は8世紀[4]
  18. ^ ドラゴンを指す普通名詞の draig はドライグであるが、この場合は Y Ddraig Goch と綴り、ウェールズ語のddの発音は[ð]なのでズライグ。
  19. ^ ボルグンド・スターヴ教会が代表格である。
  20. ^ フッフールには東洋の竜の影響がある
  21. ^ 出版上は後発となるが、J・R・R・トールキンは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』以前に氷の息を吐くドラゴンを構想しており、炎や毒以外を吐くドラゴンというアイデアの源泉はさらに遡る可能性がある
Googleマップ
  1. ^ Lake Nacimiento(地図 - Google マップ)※検索結果はナシミエント湖に面した東の区域「レイク・ナシミエント」を赤く囲い表示してしまっているが、表示モード「地形」にて水域を表す水色で示されているほうが、湖の意味での「レイク・ナシミエント」。[1]
  2. ^ Dragon Lake Grill(地図 - Google マップ

出典

[編集]
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参考文献

[編集]
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  • ジャックリーン・シンプソン『ヨーロッパの神話伝説』橋本槇矩訳、青土社、1992年。 
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  • ミシェル・フィエ『キリスト教シンボル事典』武藤剛史訳、白水社〈文庫クセジュ〉、2006年。 
  • ヴィル-エーリヒ・ポイカート『中世後期のドイツ民間信仰 - 伝説の歴史民俗学』中山けい子訳、三元社、2014年。 
  • ホルヘ・ルイス・ボルヘス『幻獣辞典』柳瀬尚紀訳、河出書房新社〈河出文庫〉、2015年。 (旧版:晶文社 1974年)
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関連文献

[編集]
  • ジャック・ル・ゴフ「中世の教会文化と民俗文化 - パリの聖マルセルと龍」『もうひとつの中世のために: 西洋における時間、労働、そして文化』加納修訳、白水社、2006年。 
  • 金沢百枝「海獣たちの変貌」『ロマネスク美術革命』新潮社〈新潮選書〉、2015年。 

関連項目

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外部リンク

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