トゥガーリン・ズメエヴィチ

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トゥガーリン・ズメエヴィチ(英:Tugarin Zmeyevich、露:Тугарин Змеевич)とは、ブィリーナに登場する悪役の名前である。ズメエヴィチ(Zmeyevich)の名の通り「竜の子」または「蛇の子」という意味が含まれている。竜人として表現する場合もある。その正体(モデル)はトゥゴルカンという実在のハーンである。「ブィリーナ」では勇者アリョーシャ・ポポーウィチに退治される。人間として登場する場合、その姿は「玉座に座っているトゥガーリンはまるで大きな山がまたがっているか、黒雲棚曳いてでもいるようで眼は白目で窓のよう、髭は床まで垂れている。」という[1]

トゥガーリン・ズメエヴィチはウラジミール王が座るべき玉座にそのような姿で座りながら食事をし、横にウラジミール王が立たされたまま涙を流し、髭で涙を拭いていたという[2]。その姿を見て勇者アリョーシャ・ポポーウィチが勝負を申し込むと、トゥガーリン・ズメエヴィチは「外へ出ろ」といって一騎打ちが始まった。このときトゥガーリン・ズメエヴィチは武器に1プート[3]もある金棒で勝負に挑んだ。一騎打ちが始まるやいなやアリョーシャ・ポポーウィチがトゥガーリン・ズメエヴィチに向かって「うそつきめ。一騎打ちと言いながら後方に大勢の軍隊を連れてくることは何事だ」と怒った。トゥガーリン・ズメエヴィチが後ろを振り向き、そのチャンスを逃さずアリョーシャ・ポポーウィチはトゥガーリン・ズメエヴィチのそばに飛び寄ってそのまま一気にトゥガーリン・ズメエヴィチの首を刎ねて一騎打ちに勝った。

この話はロシアでは有名で「アリョーシャ・ポポーヴィチと蛇のトゥガーリン」というアニメにもなっている。[4]

怪物としてのトゥガーリン・ズメエヴィチ伝説[編集]

ブィリーナの節回し

怪物としてのトゥガーリン・ズメエヴィチは竜人として表現される。その姿は黒の鱗を纏い、紙の翼を持ち、空を飛び、火を噴く竜人だという。

脚注[編集]

  1. ^ 「世界神話体系32 『ロシアの神話伝説』」p59.より
  2. ^ つまりトゥガーリン・ズメエヴィチは王座を簒奪したということである。
  3. ^ 1プードは約16.38キログラムである。プードの項参照の事。
  4. ^ Алёша Попович и Тугарин Змей(ロシア語記事)を参照の事。2004年作品

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 「世界神話体系32 『ロシアの神話伝説』」名著普及会,1980.

資料[編集]

  • Edythe C. Haber著、「Nabokov's Glory and the fairy tale」 The Slavic and East European Journal 21(2)、1977年.(「ウラジーミル・ナボコフ」の項も参照の事)