サイバーパンク2077

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サイバーパンク2077』(英題:Cyberpunk 2077)は、ポーランドのゲーム開発会社CD Projekt REDが開発し2020年12月10日に発売予定のコンピュータゲームである[1]

サイバーパンク2077
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077 logo.svg
ジャンル オープンワールドコンピュータRPG
対応機種 PlayStation 4
PlayStation 5
Xbox One
Xbox Series X/S
Windows
Google Stadia
開発元 CD Projekt RED
発売元 世界の旗 CD Projekt
日本の旗 スパイク・チュンソフト(PS4版、Xbox One版)
発売日 PS4Xbox OneWindows
世界の旗2020年12月10日[1]
Google Stadia
世界の旗2020年[2]
PS5Xbox Series X/S
世界の旗2021年[3]
対象年齢 日本の旗CEROZ(18才以上のみ対象)
アメリカ合衆国の旗ESRBM(17歳以上)
ダウンロード
コンテンツ
あり[4]
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概要[編集]

サイバーパンクの世界観、すなわちサイボーグ手術などの身体改造が一般化した未来世界を舞台とする、オープンワールド型のコンピュータRPG。1980年代にアメリカ合衆国で初版がリリースされたテーブルトークRPG『Cyberpunk』シリーズを原作とし、1993年に日本語版もリリースされたシリーズ第2版『サイバーパンク2.0.2.0.』(原題: Cyberpunk2020)の舞台設定も引き継がれている[5]。初版の『Cyberpunk2013』では2013年、第2版の『サイバーパンク2.0.2.0.』が2020年が舞台という設定であったのに対し、本作では舞台となる時代を2077年へと変更している[5][6]

開発[編集]

発表[編集]

2012年10月にタイトルが正式発表された後[5]2013年1月にティザートレーラーが公開された[7]。 それ以降はしばらく情報がなかったが、北米時間2018年6月10日に開催された「Xbox E3 2018 Briefing」で続報となるトレーラーが公開された[8]。 翌年、北米時間2019年6月9日に開催された同イベント内で、俳優のキアヌ・リーブスジョニー・シルヴァーハンド役として初登場する新作トレーラーを公開。リーブス本人もサプライズでステージに登壇し、本作が2020年4月16日に発売することを発表した[9]

発売延期[編集]

2020年1月17日、「舞台となるナイトシティが巨大であるため、テストやフィックス・改善に時間がかかる」として、発売日を9月17日に延期する事を発表した[10]。 しかし、その後も新型コロナウイルスの影響で一部音声収録に遅れが生じるなど[11]、開発するにあたって芳しくない状況が続き、6月19日には2度目の延期を発表。新たな発売日は2020年11月19日とした[12]

2020年10月5日、公式Twitterにて本作のマスターアップ(リリース用のバージョンが完成したこと)を発表した[13]。その一方で、スタジオ側が「クランチ」と呼ばれるリリース直前の長時間労働や残業を従業員に求めていたことをブルームバーグが報じ、批判を浴びた[14]。この報道に対し、スタジオヘッドのアダム・バドウスキは「クランチは決して問題への答えではないが、現状を乗り越えるための他の選択肢は尽きてしまった」「追加分の賃金の支払い以外に、スタジオの収益の10%をスタッフに還元する取り組みを行う」と発言した[14]

2020年10月28日、次世代機版を含めた9つのプラットフォームでの展開に向けてクオリティアップが必要なことや、前述した新型コロナウイルスの影響で在宅勤務をしながら作業を行っていることを理由に、3度目の発売延期を発表した。 マスターアップ後の発売延期は異例であり、業界の常識を覆すような事態となった。新たな発売日は2020年12月10日としている[15]

世界観[編集]

原作であるテーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』の世界観を詳細に読み込み、原作者であるマイク・ポンスミスによる監修も行われるなど、原作の世界観を忠実に反映したものとなっている[16]。日本語版においては、1993年に日本で発売された『サイバーパンク2.0.2.0.』の日本語訳表現も参考にされており、固有名詞などには従来の表記が踏襲されている[17]

本作で描かれる2077年の世界は、本作が発売される現実の2020年ではなく、原作であるテーブルトークRPGのシリーズが展開された1980年代 - 1990年代の想像力で描かれた未来の2020年代の延長線上にある世界として設定されており、人体改造の技術が発展しつつもインターネットもスマートフォンもワイヤレス接続も一般的な技術にはならず、現実とは異なる歴史を歩んだ、レトロフューチャー的な未来世界を描いている[18]

原作シリーズが展開された1980年代は、日本のバブル景気による日米貿易摩擦を背景とした日本脅威論や反日感情ジャパンバッシング)の高まりにより、ディストピア化した未来世界の権益を巡って日本の巨大企業が悪事を働くイメージがリアリティをもって受け入れられていた時期であった[19][20][21]。本作にもこうした世界観は反映されており、『サイバーパンク2.0.2.0.』における主要な悪役組織として登場した日本企業アラサカなど、過去の作品に登場していた架空の日本企業が数多く登場する[19][20][21]

ストーリー[編集]

原作『サイバーパンク2.0.2.0.』から半世紀が経過したものの、2077年のナイト・シティはいまだに巨大企業によって支配されたディストピア世界のままとなっている[22][23][24]

ゲームはキャラクター作成、すなわち主人公であるVの設定をプレイヤーが決定するところから始まる。キャラクター作成時に設定したVのライフパス(出自)によって、物語開始時のストーリーの内容や経緯、他の登場人物との関係性は変化するものの[23][24][6]、いずれにせよジャッキーという人物との取引をきっかけに、Vは大きな物語の渦中へと巻き込まれていくことになる[23][24]。Vはこの取引によって「Relic」と呼ばれる、不老不死をもたらす鍵とされるインプラントに関わることになるが[6]、依頼主の裏切りにあって負傷し、それをきっかけに取引の品物に記録されていた人格データが、Vの意識の中にデジタルゴーストとして居座るようになる[22]。品物に記録されていたのは、半世紀前の抗争で死んだはずの英雄、ジョニー・シルヴァーハンドの人格データであった[22]

導入部以降の流れはいったん共通のメインストーリーに収束し[24]、不死をもたらすバイオチップの謎を巡る物語が展開されていくものの[22]、物語は本編であるメインクエストと無数のサブクエストに枝分かれしていく[23]。更に立ちはだかる問題を解決するための手段やその結果は無数に用意されており[23]、キャラクター作成時に設定した得手不得手に応じてその選択肢が増減する[6]。例えば会話による駆け引きか、金品による取引か、暴力による強行手段か[6]。駆け引きをするなら無数の選択肢の中からどの選択肢を選ぶか、あるいは何も選ばないで沈黙するのか[24]、戦闘で解決するならどのような能力を用いてどのような作戦を立てて戦うのか[24][6]、そして目の前の問題が解決した後にどのような幕引きを図るか[24]、といった具合である。Vは様々な裏家業を請け負いながら、ナイト・シティの中で成り上がっていくこととなる[22]

登場人物[編集]

メインキャラクター[編集]

V(ヴィー)
日本語版声優 - 小林親弘/清水理沙[25]
本作の主人公[25]。Vという名前と、20代の若者という設定は固定だが[26]、外見や能力、出自などの設定はゲーム開始時にプレイヤーがカスタマイズできる。「サイバーバンクというジャンルの精神を維持する」というゲームデザイン上の意図や[27]、プレイヤーの自由度を尊重するという意図から[28]、Vの性別(ジェンダー)は明示されておらず、男性的な容姿にも女性的な容姿にも、男女の性的特徴を混在させた容姿に設定することも可能[28][27][17]。ライフパス(出自)はストリートキッド、ノーマッド、コーポレートの中から選択でき、選んだライフパスによってストーリーの導入部が変化する[26]
ジョニー・シルヴァーハンド(Johnny Silverhand)
演 - キアヌ・リーブス/日本語版声優 - 森川智之[25]
テーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』では世界観やルールを解説するチュートリアル役として登場していた、原作シリーズの主要登場人物[29]。劇中における2020年代に活躍した伝説的なロックバンドのリーダーであり、反体制側の革命闘士でもあったが、2021年に企業間の争乱に参加して戦死したとされている[22]。本作においては歴史上の英雄となっているが、物語冒頭の事件をきっかけに、本人の人格を複製したデジタルゴーストとして若いままの姿で登場し[22]、Vの視界にだけその姿が映り、Vとだけ会話を交わすことができるようになる[22][17]。劇中では常にVの意識の中に常駐し、あらゆる場面でVに語りかけサポートしようとするが[30]、プレイヤーの選択によってその関係性は変化していく[17]

アニメ[編集]

Cyberpunk: Edgerunners
ジャンル サイエンス・フィクションアクション
アニメ
原作 CD Projekt RED
原案 マイク・ポンスミス
監督 今石洋之
シリーズ構成 宇佐義大
脚本 宇佐義大、大塚雅彦
キャラクターデザイン 吉成曜、金子雄人
音楽 山岡晃
アニメーション制作 TRIGGER
配信サイト Netflix
配信期間 2022年 -
話数 全10話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

本作のスピンオフ作品『CYBERPUNK: EDGERUNNERS』(サイバーパンク エッジランナーズ)が、全10話予定のWebアニメとして2022年にNetflixで配信される予定[31]。制作にはゲームの開発元であるCD Projekt RED、Webアニメの配信元であるNetflixと共に、日本のアニメ制作会社であるTRIGGERが参加する[31]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 『サイバーパンク2077』発売延期で12月10日発売へ。現行機、次世代機など全プラットフォームでスムーズにプレイするための調整が必要”. ファミ通.com (2020年10月28日). 2020年10月28日閲覧。
  2. ^ 『サイバーパンク2077』は今年9月の発売のタイミングではGoogle Stadiaで遊ぶことができない”. IGN Japan (2020年6月9日). 2020年7月6日閲覧。
  3. ^ 『サイバーパンク2077』は2021年にPS5版とXbox Series X版へのアップグレードを無料で提供予定”. IGN Japan (2020年6月20日). 2020年7月6日閲覧。
  4. ^ 『サイバーパンク2077』DLCとマルチプレイヤーモードのリリース時期延期も明らかに”. Game Spark (2020年6月20日). 2020年7月6日閲覧。
  5. ^ a b c CD Projekt REDの新作「Cyberpunk 2077」が正式発表。名作TPRGが原作のオープンワールド型ゲーム”. 4Gamer.net (2012年10月19日). 2020年7月6日閲覧。
  6. ^ a b c d e f 米澤崇史 (2020年6月26日). “「サイバーパンク2077」ハンズオンレポート―アクション、RPG、シューター、ステルス、アドベンチャー…あらゆるジャンルの要素が詰まった超大作”. Gamer. ixll. 2020年7月22日閲覧。
  7. ^ 「Cyberpunk 2077」のゲーム内グラフィックスはティザー映像の品質を目指す、ストーリーやプレイ要素に関するディテールも”. doope! (2013年1月12日). 2020年7月6日閲覧。
  8. ^ [E3 2018]ついにその姿を見せる「Cyberpunk 2077」。「Xbox E3 2018 Briefing」で最新トレイラーが公開も”. 4gamer.net (2018年6月11日). 2020年7月6日閲覧。
  9. ^ [E3 2019]「サイバーパンク2077」の発売日が2020年4月16日に決定。俳優・キアヌ・リーブス氏が作中に登場することも明らかに”. 4Gamer.net (2019年6月10日). 2020年10月29日閲覧。
  10. ^ 『サイバーパンク2077』20年9月17日に発売日延期―「今世代の我々にとって最高の功績を残したい」”. GameSpark (2020年1月17日). 2020年10月29日閲覧。
  11. ^ 新型コロナの影響で『サイバーパンク2077』一部音声収録に遅れが発生中―リリースには影響なし”. GameSpark (2020年4月10日). 2020年10月29日閲覧。
  12. ^ CD Projekt REDが『サイバーパンク2077』の発売延期を発表―バランス調整やバグ修正に注力”. GameSpark (2020年6月19日). 2020年10月29日閲覧。
  13. ^ 『サイバーパンク2077』がマスターアップ!”. IGN Japan (2020年10月6日). 2020年10月29日閲覧。
  14. ^ a b 『サイバーパンク2077』開発元が、「長時間労働をスタッフに強要しない宣言」を撤回し批判浴びる。ゲーム開発の難しさ”. AUTOMATON (2020年9月30日). 2020年10月29日閲覧。
  15. ^ 新たな伝説へ。「サイバーパンク2077」、マスターアップ後にまさかの発売延期を発表”. GAME Watch (2020年10月28日). 2020年10月29日閲覧。
  16. ^ マイク・ポンスミス (2019年6月29日). 『サイバーパンク2077』のもとになったTRPGの原作者マイク・ポンスミス氏に直撃! 『AKIRA』や『攻殻機動隊』にもインスパイアされた2077年のナイトシティ【E3 2019】. (インタビュー). KADOKAWA. ファミ通.com.. https://www.famitsu.com/news/201906/29178730.html 2020年7月19日閲覧。 
  17. ^ a b c d 本間覚 (2019年9月17日). 『サイバーパンク2077』ジャパン・カントリー・マネージャー本間覚氏インタビュー:未熟な若者・Vの成長と、選択肢によって変化していく物語. インタビュアー:山田集佳. 産経デジタル. IGN Japan.. https://jp.ign.com/cyberpunk-2077/38581/interview/2077v 2020年7月19日閲覧。 
  18. ^ MATEUSZ TOMASZKIEWICZ (2019年6月15日). 我々の幹となるのはストーリー、「サイバーパンク2077」開発者インタビュー. インタビュアー:勝田哲也. インプレス. GAME Watch.. https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1190536.html 2020年7月19日閲覧。 
  19. ^ a b 葛西祝 (2019年1月3日). “『サイバーパンク2077』の原点!サイバーパンク・ムーブメントの集大成といわれた伝説のTRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』とは?”. IGN Japan. 産経デジタル. 2020年7月19日閲覧。
  20. ^ a b Richard Borzymowski (2019年8月24日). 「サイバーパンク2077」では“サイバーな日本人”とも戦える! CD PROJEKT REDプロデューサーに聞くサイバーパンクジャンルの魅力とは. インタビュアー:安田俊亮. インプレス. GAME Watch.. https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1202934.html 2020年7月19日閲覧。 
  21. ^ a b 林佑樹 (2019年9月18日). “[TGS 2019]「サイバーパンク2077」の開発者がファンの質問に答えるトークセッションを実施。公式コスプレコンテストアジア予選も開催”. 4Gamer.net. Aetas. 2020年7月19日閲覧。
  22. ^ a b c d e f g h 奥谷海人 (2019年6月14日). “[E3 2019]基本システムが詳しく紹介された「サイバーパンク2077」。キアヌ・リーブスさんは英雄ジョニー・シルヴァーハンド役で登場”. 4gamer.net. Aetas. 2020年7月20日閲覧。
  23. ^ a b c d e PS.Blogスタッフ (2020年6月26日). “広大な世界をサイバーな手段で自由に生き抜く『サイバーパンク2077』プレイレビュー! 最新情報も公開!”. PlayStation.blog. ソニー. 2020年7月22日閲覧。
  24. ^ a b c d e f g 箭本進一 (2020年6月26日). “「サイバーパンク2077」を先行プレイ。ネオンきらめくナイトシティには,身体改造や自由度の高いクエストが楽しめる最高の世界が広がっていた”. 4Gamer.net. Aetas. 2020年7月22日閲覧。
  25. ^ a b c キアヌ・リーヴスが演じるキャラクターは森川智之さんが担当! 「サイバーパンク2077」の日本語吹替版トレーラー公開”. Game Watch (2019年9月10日). 2020年7月6日閲覧。
  26. ^ a b 坂本ビス太 (2020年6月26日). “『サイバーパンク2077』先行体験レビュー。「俺はナイトシティで生きる」――プロローグにさえ、没入度MAXのゲーム体験が詰まっている”. ファミ通.com. KADOKAWA. 2020年7月20日閲覧。
  27. ^ a b Matt Kim (2019年8月30日). “『サイバーパンク2077』のデベロッパーが性別を選ぶオプションがなくなった理由を解説”. IGN Japan. 産経デジタル. 2020年7月19日閲覧。
  28. ^ a b RIKUSYO (2019年8月27日). “『サイバーパンク 2077』キャラクリエイトでは男女の性別選択オプションを削除へ―海外インタビューで明らかに”. Game*Spark. イード. 2020年7月19日閲覧。
  29. ^ 竜神橋わたる (2019年7月13日). “キアヌ・リーブス演じる「ジョニー・シルヴァーハンド」とは何者?原典から読み解く『サイバーパンク2077』”. Game*Spark. イード. 2020年7月19日閲覧。
  30. ^ Minoru Umise (2019年11月5日). “キアヌ・リーブス、出演する『サイバーパンク2077』を気に入りすぎたことにより出演時間が倍に”. AUTOMATON. アクティブゲーミングメディア. 2020年7月20日閲覧。
  31. ^ a b TRIGGERがゲーム「サイバーパンク2077」のスピンオフアニメシリーズを制作 Netflixで22年配信”. 映画.com. エイガ・ドット・コム (2020年7月12日). 2020年7月19日閲覧。

外部リンク[編集]