ビキニ (水着)

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ビキニを着た女性
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレに残るローマ帝国時代のモザイク

ビキニ: bikini)とは、女性用水着である。

概要[編集]

ブラジャーに似たトップスと短いパンツボトム)の組み合わせによるセパレート型女性用水着で、ビキニ・スタイルとも呼ばれる。

この水着のパンツに近い形の女性用の下着、男性用の水着なども類似のスタイルのものは「ビキニパンツ」と呼ばれることがあり、特に男性用の下着の場合はビキニブリーフとも呼ばれる。なおゲームやアニメに登場するビキニ風の鎧は「ビキニアーマー」を参照。なお、2000年代後半より映画「ボラット」のヒットにより男性用ビキニであるマンキニが世界的に流行した。

名称の由来[編集]

1946年7月1日、マーシャル諸島のビキニ環礁米国によって、第二次世界大戦後初の原爆実験(クロスロード作戦)が行われた。この実験の直後の1946年7月5日ルイ・レアールが、その小ささと周囲に与える破壊的威力を原爆にたとえ("like the bomb, the bikini is small and devastating"[1])、ビキニと命名してこの水着を発表した[2]

水爆実験になぞらえた」と誤って言われることがある。ビキニ環礁における最初の水爆実験は1954年3月1日の(キャッスル作戦#ブラボー実験)で、この水着の発表の8年後である。なお、人類最初の水爆実験は1952年11月1日エニウェトク環礁におけるもの(アイビー作戦 )である。

歴史[編集]

シチリア島にある5世紀頃のローマ帝国時代のモザイクには、ビキニに似た服で運動する女性が描かれている。

1946年フランスルイ・レアールが考案した。レアールは自動車エンジニアだったが、母親が下着会社を経営しており、その手伝いをしているときにビキニを考案した。同じ頃、フランスのデザイナージャック・エイム英語版: Jacques Heim)によってほぼ同様の水着が考案され、アトム: Atome)と名づけられている。デザイナーとしては無名だったレアールに対し、エイムはすでに高い評価を得ていたデザイナーであり、そのため「ビキニを広めたのはエイム」とされることがある。

発表当時から肌の露出度がかなり高い水着であり、あまりの大胆さから当初はほとんど着用されず、アメリカでは、1960年代初頭まで一般的なビーチでは着用禁止とされていた。それでも現在のものに比べれば、同じ「ビキニ」というカテゴリーだが地味なものであった。

日本には1950年に輸入されたが、一般に着用されるようになったのは1970年代になってからである。キャンペーンガールであったアグネス・ラムのビキニ姿のポスターが人気になった。

1960年にはブライアン・ハイランド英語版: Brian Hyland)が『ビキニスタイルのお嬢さん』(: Itsy Bitsy Teenie Weenie Yellow Polka-Dot Bikini)という歌を歌い、ビルボードのHOT 100で1位を記録し、日本でもヒットした。この曲のモデルは作者のポール・ヴァンス英語版: Paul Vance)の当時2歳の娘だったという。日本では田代みどり坂本九らがカバーした。

1980年代中期 - 後期の日本では一時ビキニが廃れ、ワンピースが復活した。これは水着メーカーの作り上げた流行にもよる。こうした逆風から再びビキニが台頭するのは、へそ出しルックが流行りだした1990年代中期になってからである。以後、海やプールではビキニを着る女性は多い。

デザインによる分類[編集]

三角ビキニ
さまざまなタイプのビキニ

なおボトム部については「水着」を参照。名称部のショートカットも参照。

三角ビキニ、トライアングルビキニ
トップが(正)三角形をしたもの。ひもで結ぶだけのものが多い。大きな胸にはセクシー、小さな胸でも可愛いデザインに見える、基本とも言えるビキニである。デザイン的に大きな欠点も無い反面、どの方向からの衝撃にも特別に強い訳ではなく、特にブラの中央から首の根元にかけての斜め上方向には、意外にずれ易い欠点を持つ。
首ひもはブラの真上に対し直角に付くが、斜め外側のパイプ(縁取り)と一体化したバリエーションもある。
ブラと背ひもを固定せず、ブラ下部をトンネル状にしてひもが通っている仕様もよく見られる。これはバストの個人差によってブラの位置を左右に調整できる利点があるが、固定できない事から逆に、横からの衝撃にはもう一歩弱い。グラビア撮影ではブラとひもを大きく移動、ブラの三面やひもの結び目の位置を大きくずらした着用も見られる。
ホルターネック
ホルターネック 
トップを肩ひもからの比較的大きな二等辺三角の布でカバーしたもの。ブラは左右対称が基本だが、胸の内側から外側に湾曲したデザインもある。デザインの整合上、背中はストラップでなく布自体を縛るデザインが多い。胸の重量感が非常に出るデザインであり、アグネス・ラム根本はるみなどの着用が有名。またトップの左右が分割でなく一体化されていたり、水着以外の開放的な服でもホルターネックと呼ぶ場合がある。
レモンブラ
ブラが名前通りレモンラグビーボールのような、横長の形をしているデザイン。チューブトップと混同しそうだが、こちらは胸の内側と外側が左右非対称になっており、胸にぴったりフィットするデザインになっている。首の後ろは一般的なひも、背中はひもか布で固定するものがほとんど。
チューブトップ(意味=筒状のトップ)、バンドゥトップ
ブラがストラップレス(この意味は「水着」を参照)になったビキニ。またチューブトップにひも着用もあり、これはストラップレスではなくなる。バリエーションとしては、左右のブラの間にリング(輪)があるもの、センターストラップ(V字状のヒモ)とあわせたものなどがよく見られる。いずれも小さな胸に似合うが、ビキニの致命傷である下からの衝撃だけでなく、上からの衝撃にも弱いのが欠点。
マイクロビキニ
マイクロビキニ
小さいトップとボトムにより構成されるビキニ。
ワイヤービキニ、矯正ビキニ
パットとともにワイヤーを入れ、バストの型を整えるトップを用いたもの。従来のビキニと比べてブラのパットが大変かたく、ブラだけを置いてもブラ全体が立つ程である。肩紐は首でなく肩の上を通り、また紐も紐とは言えない幅の太い布になっている。結ぶ部分は無く、背中は結合部が無いかホック、肩紐の長さ調節もベルトと同じ仕組みである。このような特徴から、女性用水着としてはワンピース並みにガードが堅い。日本では2000年前後に流行、当時のグラビアアイドルでは黒田美礼青木裕子山田まりやなどの着用が有名。
タンキニ
トップがブラジャー状ではなくタンクトップ状になっている水着。「タンクトップ」+「ビキニ」からこう呼ぶ。
モノキニ
ワンピース水着にもビキニにも見える水着。デザインによっては「つなぎビキニ」と呼ぶものもある。


脚注[編集]

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  1. ^ Operation Crossroads Atomic Heritage Foundation、Legacyの章の最後の段落 The Bikini tests also inspired the eponymous swimsuit. Paris Swimwear designer Louis Reard adopted "Bikini" for his new line of swimwear during Operation Crossroads. Réard's bikini was not the first two-piece swimsuit, but he explained that "like the bomb, the bikini is small and devastating."
  2. ^ Paula Cocozza, "A little piece of history" The Guardian, Saturday June 10 2006


関連項目[編集]