麦わら帽子

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婦人用麦わら帽子
紳士用麦わら帽子

麦わら帽子(むぎわらぼうし、麦藁帽子)は、麦わら(麦藁)で編んだ帽子である。日本ではに日よけとして用いられる。「ストローハット」とも、「麦稈帽(ばっかんぼう)」(麦稈=麦わら)とも呼ばれ、丸い山形をしており、日除けのつばが広く、あご紐が付けられる場合が多い。女性用のものではリボンが巻かれたり飾りが付けられたりすることも多い。

夏の野良仕事や海水浴などによく用いられるため、夏の風物詩ともなっている。そのため「麦わら」や「麦わら帽子」は夏の季語になっている。麦や藁で編んでいるため空気をよく通し、帽子内にこもりがちな熱をよく放出できるので、湿度の高い日本の夏の日除けに最適である。

農作業用の帽子と思われがちだが、現代[いつ?]ではコーディネートの幅が広がり、涼をとるため、見た目の涼しさを楽しむなどを中心としたファッションアイテムととらえられ、ドレスアップにも活用されるようになっている。

来歴[編集]

日本の麦わら帽子は、町役人の河田谷五郎が外国人の帽子を手本に作った(1872年)のが始まりとされる[1]。工業的生産については、昭和3年に「麦わら帽子製造用環縫ミシン」をブラザー工業が販売したことが有名である。

大日本帝国海軍では明治時代に下士卒夏服の帽子として用いられた時期もあった(日本海軍の軍服参照)。

素材と形態[編集]

日本語で言う「麦わら帽子」は、原料である麦わらを漂白、または染色し、平たくつぶした7本の茎を真田紐(さなだひも)のように編んだものを材料とし、それ を専用のミシンで渦巻き状に縫い合わせて作った帽子(ブレードハット:braid hat)を指し、ストローハット(straw hat)とも呼ばれる。

本来は、天然素材である麦わら素材のみに用いられる名称であったが、形状が麦わら製帽子風であれば素材に関わらず用いられている。パナマ草を使ったパナマハットや近年主流のペーパー素材も麦わら帽子の一種とみなされる場合があるほか、天然草のラフィア、また、い草経木などの素材であつらえたつばの広い帽子の総称としても使われることがある。

日本では、つばの部分が広く、柔らかに編まれたものが多いのですが、欧米の麦わら帽子(ストローハット)の形状には様々なものが存在し、つばの狭いものが主流の国も多い。麦わらをごく固く編んだものがカンカン帽であり、キャノチエボーターハットとも言う。

現在[いつ?]では、様々なリボンやコサージュによって装飾を施したり、極細の麦わらで作った高級麦わら帽子も注目されており、また、ファッションだけでなくアウトドアなどでも楽しめるつばを反り上げたテンガロンハット風なども存在している。

昨今では温暖化と自然素材の注目により天然草の帽子が見直され、シミ、ソバカス、薄毛、白内障の原因となる紫外線を防ぐ実用品としても人気である。

種類[編集]

有名な生産地[編集]

麦わら帽子の国内2大生産地としては、埼玉県岡山県が挙げられる。現在も麦わら帽子を手がける専業メーカーが存在している。

特に埼玉県春日部市は、麦わら帽子を伝統手工芸品の1つとしている。 同市では昔から麦農家が多く、真田紐を副業として作り始めたことから天然草の麦わら帽子を製造するようになったと言われている。埼玉県の歴史を語るうえで重要で「埼玉県立歴史と民俗の博物館(埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4-219)」でも紹介されている。

日本国内でもう1つの産地として有名なのは岡山県である。麦わら(麦稈真田)のかつての主産地であったことから、歴史博物館などが存在する。かもがた町屋公園(岡山県浅口市鴨方町鴨方240)や浅口市立鴨方図書館(岡山県浅口市鴨方町鴨方2244-13)では、麦わら帽子のつくり方やその歴史的資料の展示を行っている。

ミシンによる製造は双方ともに明治30年頃に入ってからと言われている[誰によって?]

また、日本国外の生産地にはマダガスカルがある。ラフィア(やしの木の葉)の生産地であり、1980年代よりヘレンカミンスキーによって代表的な生産地のひとつとなった。

また、同じ天然草の帽子としてはエクアドルパナマハットも有名である。

麦わら帽子の有名人[編集]

麦わら帽子の持つイメージは、特に男性で言えば子供っぽさや純朴さである。

田舎や自然といったものとも結び付けられ、夏のバカンスをイメージする事も多い。作品の小道具としてもよく登場する。

小説・映画[編集]

児童文学[編集]

漫画[編集]

その他のキャラクター[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 阿部猛『起源の日本史 近現代篇』同成社

外部リンク[編集]