パーカー (衣類)
![]() | このページ名「パーカー (衣類)」は暫定的なものです。(2020年7月) |
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パーカ(Parka)またはアノラック(Anorak)は、衣類の一つで、首の根元に頭を覆うフードが付いている外套の総称。
語源[編集]
Parkaはロシア北部のネネツ人が話す言語であるネネツ語で「動物の皮」を意味する。
Anorakはグリーンランド語の“annoraaq”に由来する。
様式[編集]
パーカーもアノラックも共にフードによって頭部を覆い、寒冷な気候に対応するもので、多くはフードの周囲に毛皮が取り付けられている。また元来はカリブーやアザラシの皮で作られていた。
パーカーとアノラックはどちらもフード付きの外套を指して使われる名称だが、厳密にはパーカーは前開きであるのに対してアノラックは頭からかぶって着用するため開きがない。
フーディー[編集]
フーディー (Hoodie) はフードつきのスウェットシャツを指す。日本でパーカと呼ばれている衣類はほとんどがフーディーまたはそれに類似するものである。過去には、スウェットシャツの別称であったトレーナーにフードがついたものとして、フーデッドトレーナーと呼ばれることもあった。
フーデイーは、1930年代にアメリカのスポーツ衣料メーカー「チャンピオン」が開発し、ニューヨークで販売したのが始まりである。
フーディーとスウェットシャツの最大の違いは、首の根元にフードがついていることである。フードに紐がつけられているものもあるが、子供服では省かれている(理由は後述)。紐を絞った状態で結ぶことで、フードが取れなくなったり、頭部と密着させ保温性や安心感が得られる。フードを被った状態で紐を絞るのが本来の用途だが、フードを被らずに首周りで紐を絞ることもある。典型的なディテールとして、腹部のあたりにマフと呼ばれるポケットがつけられていたりするが、基本的にはスウェットシャツとあまり変わりない。スウェット生地を用いていて、袖口と裾がゴム編みになっていたりする。
バリエーションとしてプルオーバータイプの他に、前開きのジップアップタイプが存在する。
ファッション[編集]
元々は倉庫で働く労働者の作業服として販売されていたが、現在はファッションとしても販売・着用されている。
ファッションとして着られるようになったのは、1970年代にヒップホップアーティスト達が着用したことがきっかけである。それにファッションデザイナー達も追従し、様々なファッションブランドがパーカーを取り扱うようになった。ファッションとして広く一般に着られるようになったのは、1976年公開のアメリカ映画『ロッキー』の影響が大きい。ボクシング選手である主役のロッキー・バルボアが、トレーニングウェアとして着用していたのがグレーのパーカーである。
日本で広く一般に着られるようになったのは、1990年代に流行したヒップホップファッションや、スケーターファッションの一アイテムとして取り入れられてからである。流行中は無論、流行が去った後にも、着なくなった子供達のお下がりを親達が着用するなどして幅広い年齢層に広まった。
子供服でフードの紐が省かれている理由[編集]
子供のフードなどによる事故発生を受けて2008年、日本の子供服の業界団体「全日本婦人子供服工業組合連合会」は、安全対策の自主指針を作成。
2010年に改正もおこない、身長120cm未満の衣服においては、「上着のフード・襟首の部分に引きひもを付けないこと」などの具体案を盛り込んだ[1]。基本的には、子供服には引きひもがついていないが、大人用のパーカーを着ることで、引きひもを絞ったり、結んだりできる。
子供への大人用パーカーの普及[編集]
近年では小学校高学年~中学生にかけて大人用パーカーの着用が増加している。
脚注[編集]
関連項目[編集]