コンテンツにスキップ

アイビー作戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マイク実験時のタイムラップ
マイク実験装置
実験装置は、その外観から”ソーセージ”と呼ばれた。なお、装置本体から突き出ている長い直線状のパイプは、プライマリー(核分裂)/セカンダリー(核融合)反応の測定機器である。

アイビー作戦(アイビーさくせん、英語: Operation Ivy)は、アメリカ合衆国1952年11月にマーシャル諸島エニウェトク環礁で行った核実験である。本実験はタンブラー・スナッパー作戦に続いて実施されたもので、本作戦に引き続いてはアップショット・ノットホール作戦が実施されている。

11月1日のマイク実験 (Mike) と11月16日のキング実験 (King) の2回が行なわれた。

マイク実験は史上初の水素爆弾の実験であり、テラー・ウラム型に基づく多段階式核融合兵器であった。核融合燃料には液体重水素が用いられている。そのため、極低温に冷却する必要があり、機材は非常に大掛かりで、マイク実験装置は73.8トンもの重量があった。マイク実験の際、直径5kmの火球が出現し、キノコ雲は最大で高さ37km、幅161kmにも達した。実験後、爆弾が設置されたエルゲラブ島は跡形もなく消滅し、直径1.9km、深さ50mにも及ぶ巨大なクレーターが残された。出力10.4Mtのうち8Mtは、ウラン238で作られていたタンパーの核分裂によるもので、大量の放射性降下物が発生した。なお、プライマリには長崎原爆の改良型であるMark 5弾頭TX-5が流用されている。

キング実験は大威力核分裂兵器Mark 18の実験であり、それまでの核分裂兵器としては最大威力の実験となった。これは核融合兵器のバックアップとしての大威力兵器の意味合いがあった。B-36によりルニット島の北方610m地点から投下され、上空450mで炸裂した。



実験一覧表
実験名 日付 位置 座標 核出力 備考
マイク実験 (Mike) 1952年11月1日 エニウェトク環礁、エルゲラブ島 北緯11度40分0秒 東経162度11分13秒 / 北緯11.66667度 東経162.18694度 / 11.66667; 162.18694 (マイク実験) 10.4 - 12 Mt TX-16 "ソーセージ"の実験。

世界初の核融合兵器の実験であった。 爆発はエルゲラブ島を跡形もなく消滅させた。

実験後、マイクで使用された爆弾は兵器化するための改造の上、Mk-16に発展したが、製造された数はとても少なかった。 テラー・ウラム型のデザインで、液体重水素が使用されていたため、兵器化されることはとても難しかった。このことから兵器化された液体重水素型の水素爆弾(Mk-16など)の数はとても少なく、1954年までにはMk-16などの液体重水素兵器は全て解体され、パーツなどは別の水素爆弾などのために使用された。

キング実験 (King) 1952年11月16日 エニウェトク環礁、ルニット島 北緯11度32分44秒 東経162度21分9秒 / 北緯11.54556度 東経162.35250度 / 11.54556; 162.35250 (キング実験) 500 kt Mk-18、別名"スーパー・オラロイ・ボム" (スーパーオラロイ爆弾 ← オラロイは当時濃縮ウランや、プルトニウムのコードネームであった)の実証実験。

世界で1番大きい(爆発力のスケール)純核分裂兵器。 超濃縮プルトニウムを使用したため、ちょっとした衝撃でも大きな爆発を引き起こしてしまう可能性があったため、とても危険であった。 約90個のMk-18が製造されたが、扱うのが危険だったことと、水素爆弾の方が効率的だったことから、全てのMk-18個体が解体された。

画像

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
全ての座標を示した地図 - OSM