磐越自動車道
高速自動車国道 (有料) | |
---|---|
磐越自動車道 | |
路線延長 | 212.7 km |
開通年 | 1990年(平成2年)- 1997年(平成9年) |
起点 | いわき市(いわきJCT) |
主な 経由都市 |
田村市、郡山市、本宮市 会津若松市、阿賀野市、五泉市 |
終点 | 新潟市(新潟中央IC) |
接続する 主な道路 (記法) |
常磐自動車道、東北自動車道、北陸自動車道、日本海東北自動車道 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
磐越自動車道(ばんえつじどうしゃどう、BAN-ETSU EXPRESSWAY)は、福島県いわき市のいわきJCTから、郡山市を経由して新潟県新潟市江南区の新潟中央ICへ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は磐越道(ばんえつどう、BAN-ETSU EXPWY)。
概要
太平洋側と日本海側を結ぶ横断軸の一つで、福島県浜通り・中通り・会津地方と新潟県下越地方・新潟市を結ぶ。高速自動車国道でも、常磐自動車道・東北自動車道・北陸自動車道・日本海東北自動車道の4路線と連絡している。大体の路線は国道49号と並行しており、阿武隈高地では国道349号や国道288号に沿う。
東北地方から首都圏を避けて中部・近畿・中国・四国・九州へ行くための迂回路として利用されることも多い(長距離トラックなど商用車が中心)。理由として、東北道~東名高速経由よりも磐越道~北陸道経由のほうが距離も短く、通行料金も安いことが挙げられる。
例えば東北道本宮ICから名神高速彦根ICまでの料金(普通車でETC割引なし)は、首都高速・東名高速を利用した場合の14,600円に対して、磐越道・北陸道経由では12,400円と安くなることに加え、首都高速の激しい渋滞を避けられ、所要時間を短縮出来る。driveplaza ドライブプラザ
また、行楽期の渋滞が激しい東北自動車道を避け、渋滞の発生しにくい常磐自動車道を利用する車両にも使われることが多い。
会津若松IC-新潟中央JCTは一部を除き暫定2車線であるため、近年トンネル付近を中心に正面衝突死亡事故が多発している。また、4車線化された区間も全体的に線形が悪く、急勾配やトンネルが連続している箇所があるため、走行には十分注意が必要である。
2011年6月20日から、東日本大震災の被災者については2012年3月31日まで、復旧・復興の物資等輸送のためのトラック・中型車以上のバスについては2011年8月末まで無料開放された[1]。原発事故の避難者については、現在も無料措置が行われている。
路線名
高速自動車国道の路線名および、国土開発幹線自動車道の路線名は東北横断自動車道いわき新潟線である。
通過する自治体
接続高速道路
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。未開通区間の名称は全て仮称である。
- スマートICは背景色■で示す。利用時間の特記がないスマートICは24時間利用可能である。
- 路線名の特記がないものは町道。
- BSのうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 小野ICと津川ICは△としている。これは当該BSは元々IC近隣に設置された小野町および阿賀町の施設でIC設備からも離れており、本自動車道に属すBSではないためである。しかし実際の運行上の扱いは一緒である。
- 英略字は以下の項目を示す。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | いわき から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
16-1 | いわきJCT | 常磐自動車道 | 0.0 | 福島県 | いわき市 | ||
1 | いわき三和IC | 県道66号小名浜小野線/国道49号 | 8.8 | ||||
- | 差塩PA | - | 18.7 | ||||
2 | 小野IC | 国道349号/あぶくま高原道路 | 35.2 | △ | 小野町 | ||
- | 阿武隈高原SA | - | 46.8 | 田村市 | |||
3 | 船引三春IC | 国道288号 | 55.7 | ||||
- | 三春PA | - | 59.5 | 三春町 | |||
3-1 | 郡山東IC | 国道288号 | 63.7 | 郡山市 | |||
18-1 | 郡山JCT | 東北自動車道 | 71.4 | ||||
- | 五百川PA | - | 76.5 | ||||
4 | 磐梯熱海IC | 県道24号中の沢熱海線 | 79.6 | ||||
5 | 猪苗代磐梯高原IC | 国道115号 | 97.6 | 猪苗代町 | |||
- | 磐梯山SA | - | 105.3 | 磐梯町 | |||
6 | 磐梯河東IC | 県道64号会津若松裏磐梯線 | 111.5 | 会津若松市 | |||
7 | 会津若松IC | 国道121号 | 117.5 | ||||
7-1 | 新鶴PA 新鶴スマートIC |
124.7 | スマートICは6-22時 | 会津美里町 | |||
8 | 会津坂下IC | 国道49号/国道252号 | 132.4 | 会津坂下町 | |||
9 | 西会津IC/PA | 県道16号喜多方西会津線 国道49号(西会津バイパス) |
143.8 | ○ | 西会津町 | ||
- | 黒森山トンネル | - | 長さ 2758m | ||||
新潟県 | 阿賀町 | ||||||
- | 上川PA | - | 162.6 | ||||
10 | 津川IC | 阿賀町道津川インター線(旧県道89号) | 166.2 | △ | |||
- | 三川BS | - | 172.8 | ○ | |||
11 | 三川IC | 県道587号三川インター線 | 174.0 | ||||
- | 阿賀野川SA | - | 181.0 | ||||
12 | 安田IC | 県道41号白根安田線 | 188.9 | ○ | 阿賀野市 | ||
- | 五泉PA | - | 191.2 | 五泉市 | |||
13 | 新津IC | 県道34号新津停車場線 | 198.5 | 新潟市 | |||
- | 川口BS | - | 202.2 | ○ | |||
13-1 | 新津西スマートIC | 国道403号 | 204.5 | ||||
- | 酒屋BS | - | 207.5 | ○ | |||
- | 新潟PA | - | 208.6 | ||||
42 | 新潟中央JCT | 日本海東北自動車道 北陸自動車道 |
211.9 | ||||
14 | 新潟中央IC | 県道16号新潟亀田内野線 | 212.7 |
※キロポストは、常磐道方面からの合流を起点に0.5KPから設置されている。
SA・PA
売店はすべてのSAと五百川PAに設置されている。レストランは磐梯山SAと阿賀野川SAにあるほか、阿武隈高原SAにはフードコートが設置されている。ガソリンスタンドは阿武隈高原SAと磐梯山SAにあり、阿武隈高原SA下り線が深夜営業をしていないほかは24時間営業である。阿武隈高原SAは常磐道富岡方面行きの、磐梯山SAは日東道村上方面行きの各々最終給油所となる。特に、日東道方面は磐梯山SA⇔朝日まほろばIC間(174.1km)に1箇所も給油施設が存在しないことになる(ただし、荒川胎内IC以北は無料区間のため一般道のガソリンスタンドが利用可能)。24時間営業の売店は、阿賀野川SA下り線のファミリーマートのみである。なお、PAについては五百川PAを除きトイレと自動販売機のみとなっている。
主なトンネルと橋
- 合戸トンネル(いわきJCT-いわき三和IC) : 上り線383m 下り線370m
- 渡戸トンネル(いわき三和IC-差塩PA) : 上り線1,136m 下り線1,140m
- 新風越トンネル(小野IC-阿武隈高原SA) : 上り線460m 下り線538m
- 高玉東トンネル(磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC) : 1,120m
- 高玉西トンネル(磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC) : 990m
- 新中山トンネル(磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC) : 1,820m
- 鞍手山トンネル(磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC) : 1670m
- 関都トンネル(磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC) : 1,490m
- 阿賀川橋(会津若松IC-新鶴PA)
- 七折トンネル(新鶴PA-会津坂下IC) : 2,360m
- 鳥屋山トンネル(会津坂下IC-西会津IC) : 2,600m
- 龍ヶ嶽トンネル(西会津IC-上川PA) : 3,660m
- 黒森山トンネル(西会津IC-上川PA) : 2,758m
- 小出トンネル(西会津IC-上川PA) : 1,120m
- 焼山トンネル(津川IC-三川IC) :2,990m
- 吉津トンネル(三川IC-阿賀野川SA) : 910m
- 西山トンネル(三川IC-阿賀野川SA) : 2,440m
- 熊渡トンネル(三川IC-阿賀野川SA) : 160m
- 小松トンネル(阿賀野川SA-安田IC) : 210m
- 宝珠山トンネル(阿賀野川SA-安田IC) : 610m
- 阿賀野川橋 (安田IC-五泉PA)
トンネルの数
区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
いわきJCT-いわき三和IC | 1 | 1 |
いわき三和IC-差塩PA | 1 | 1 |
差塩PA-小野IC | 0 | 0 |
小野IC-阿武隈高原SA | 1 | 1 |
阿武隈高原SA-磐梯熱海IC | 0 | 0 |
磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC | 5 | 5 |
猪苗代磐梯高原IC-新鶴PA | 0 | 0 |
新鶴PA-会津坂下IC | 1 | |
会津坂下IC-西会津IC | 3 | |
西会津IC-上川PA | 4 | |
上川PA-津川IC | 0 | |
津川IC-三川IC | 1 | |
三川IC-阿賀野川SA | 4 | |
阿賀野川SA-安田IC | 2 | |
安田IC-新潟中央IC | 0 | 0 |
合計 | 24 | 24 |
※会津若松IC以西でトンネルのある区間は暫定2車線の対面通行であるため、上下線で1本のトンネルとなっている。
歴史
- 1990年(平成2年)10月31日 : 郡山JCT-磐梯熱海IC開通。
- 1991年(平成3年)8月7日 : 磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原IC開通。
- 1992年(平成4年)10月29日 : 猪苗代磐梯高原IC-会津坂下IC開通。
- 1994年(平成6年)7月28日 : 安田IC-新潟中央IC開通により北陸自動車道と接続。
- 1995年(平成7年)8月2日 : いわきJCT-郡山JCT開通により常磐自動車道と接続。
- 1996年(平成8年)10月17日 : 会津坂下IC-西会津IC開通。
- 1996年(平成8年)11月14日 : 津川IC-安田IC開通。
- 1997年(平成9年)10月1日 : 西会津IC-津川IC開通により全線開通。
- 1999年(平成11年)4月27日 : 磐梯熱海IC-猪苗代磐梯高原ICの4車線化。
- 2001年(平成13年)10月31日 : 磐梯山SA-磐梯河東ICの4車線化。
- 2004年(平成16年)11月19日 : 郡山東IC-郡山JCTの4車線化。
- 2004年(平成16年)12月1日 : いわき三和IC-差塩PAの4車線化。
- 2005年(平成17年)10月1日 : 日本道路公団の分割民営化により、東日本高速道路に承継。
- 2005年(平成17年)12月26日 : 新鶴PAスマートIC社会実験開始(2007年(平成19年)3月31日社会実験終了)。
- 2006年(平成18年)11月22日 : 小野IC-阿武隈高原SAの4車線化。
- 2007年(平成19年)4月1日 : 新鶴スマートIC供用開始。
- 2007年(平成19年)11月17日 : 阿武隈高原SA-船引三春ICの4車線化。
- 2008年(平成20年)11月14日 : 船引三春IC-郡山東ICの4車線化。
- 2008年(平成20年)11月30日 : いわきJCT-いわき三和IC、差塩PA-小野ICの4車線化。これにより、いわきJCT-会津若松ICの4車線化が完了。
- 2009年(平成21年)6月30日 : 新津西スマートICの連結を許可[2]
- 2011年(平成23年)6月20日 : 東日本大震災の被災者および原発事故の避難者、復旧・復興の物資等輸送のためのトラック・中型車以上のバスを対象とした無料開放を開始[1]。
- 2011年(平成23年)12月17日 : 新津西スマートIC供用開始。
道路管理者
- NEXCO東日本
- 東北支社いわき管理事務所 : いわきJCT-小野IC
- (いわき管理事務所管理区間はこの他、常磐自動車道いわき勿来IC-常磐富岡IC)
- 東北支社郡山管理事務所 : 小野IC-猪苗代磐梯高原IC
- (郡山管理事務所管理区間はこの他、東北自動車道白河IC-本宮IC)
- 東北支社会津若松管理事務所 : 猪苗代磐梯高原IC-津川IC
- 新潟支社新潟管理事務所 : 津川IC-新潟中央IC
- (新潟管理事務所管理区間はこの他、日本海東北自動車道新潟中央JCT-荒川胎内IC、北陸自動車道新潟中央JCT-三条燕IC)
ハイウェイラジオ
- 五百川(郡山JCT-磐梯熱海IC)
- 新津(新津IC-新潟PA)
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 |
---|---|---|
いわきJCT-会津若松IC | 4=2+2 | 80km/h |
会津若松IC-阿賀川橋西詰 | 2=1+1 | 70km/h |
阿賀川橋西詰-新鶴PA | 4=2+2 | |
新鶴PA-会津坂下IC | 2=1+1 | |
会津坂下IC-束松TN | 2=1+1 一部4=2+2 | |
束松TN-西会津IC付近 | 2=1+1 | |
西会津IC付近 | 4=2+2 | |
西会津IC付近-黒森山TN | 2=1+1 | |
黒森山TN-小出TN | 4=2+2 | |
小出TN-津川IC付近 | 2=1+1 | |
津川IC付近 | 4=2+2 | |
津川IC付近-三川IC付近 | 2=1+1 | |
三川IC付近 | 4=2+2 | |
三川IC付近-阿賀野川SA付近 | 2=1+1 | |
阿賀野川SA付近 | 4=2+2 | |
阿賀野川SA付近-安田IC付近 | 2=1+1 | |
安田IC付近-五泉PA | 4=2+2 | 80km/h |
五泉PA-新津IC付近 | 2=1+1 | 70km/h |
新津IC付近 | 4=2+2 | 80km/h |
新津IC付近-新潟PA | 2=1+1 | 70km/h |
新潟PA-新潟中央JCT | 4=2+2 | 100km/h |
新潟中央JCT-新潟中央IC | 40km/h |
ラジオ福島の交通情報では、規制や注意の表示がないときでも、「磐越道は、通常の最高速度が80km/h、所によっては70km/hの速度規制になっています。」と伝えられる(ただし、アナウンサーが交通情報を伝えるときのみ)。
交通量
2010年度(平成22年度道路交通センサスより)
平日24時間交通量(台)
福島県
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新潟県
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2005年度(平成17年度道路交通センサスより)
平日24時間交通量(台)
福島県
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新潟県
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2002年(平成14年)度区間別日平均交通量
- いわきJCT-新潟中央IC 平均 : 8,965台(前年度比98.2%)
- 最大 : 郡山JCT-磐梯熱海IC 13,934台(98.4%)
- 最小 : 新潟中央JCT-新潟中央IC 5,027台(105.9%)
渋滞
通常期には渋滞することはほぼないが、ゴールデンウィーク・お盆などの繁盛期になると一部区間で渋滞が発生する。
いわきJCT - 郡山JCTは常磐道と共に東北道の迂回ルートとして機能しており、一部区間で数km程度の渋滞が発生する場合がある。しかし、4車線化になったため、解消しつつある。また、東北道下りの安達太良SAや福島トンネルを先頭とする渋滞が郡山JCTを過ぎて磐越道下りの郡山東IC付近まで延びてくることもある。
また、会津若松IC以西の対面通行区間でも一部区間で数km程度の渋滞が発生することがある。
以前は会津若松IC - 磐梯熱海IC、いわきJCT - 郡山JCTの間も対面通行でお盆やゴールデンウィーク、紅葉シーズン等に酷い渋滞が発生していた。
脚注
- ^ a b 東日本大震災を踏まえた高速道路の料金について - 国土交通省 報道発表資料 2011年6月8日
- ^ 国土交通省 報道発表資料:高速自動車国道へのインターチェンジの追加設置について