スーパー桃太郎電鉄

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桃太郎電鉄シリーズ > スーパー桃太郎電鉄
スーパー桃太郎電鉄
ジャンル ボードゲーム
対応機種 PCエンジン (PCE)
開発元 ハドソン
発売元 ハドソン
プロデューサー すずきとよじ
ディレクター さくまあきら
プログラマー 飛田雅宏
音楽 関口和之
美術 土居孝幸
シリーズ 桃太郎電鉄シリーズ
人数 1 - 4人(対戦プレイ)
メディア 3メガビットHuCARD[1]
発売日 日本 198909151989年9月15日
デバイス マルチタップ
セーブ用外部メモリ各種
その他 型式:HC89021
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スーパー桃太郎電鉄』(スーパーももたろうでんてつ)は、1989年9月15日に日本のハドソンから発売されたPCエンジンコンピュータボードゲーム

同社の『桃太郎電鉄シリーズ』第2作目。前作『桃太郎電鉄』(1988年)と同様に、鉄道で日本中を巡り物件を購入し総資産を競う事が目的であるが、今作ではルールが大きく変更され対戦ゲームの要素が強められた。本作で定まったルールが、後の『桃太郎電鉄シリーズ』の基本的なルールとなっている。

開発はハドソンが行い、スタッフは前作に続き総監督はさくまあきら、キャラクター・デザインは土居孝幸、音楽は関口和之、プログラムは飛田雅宏が担当している他、桝田省治がゲーム演出として参加している。

1991年ゲームボーイ1992年ファミリーコンピュータに移植された(スーパーと名が付いているが、スーパーファミコンでは出ていない)。

ゲーム内容

前作からの変更点
  • 本作より『V』まで、1年は4月から翌年2月までの11ターンとなり、3月が決算になっている。
  • 本作よりタイトル画面の桃太郎が敬礼をするようになった。
  • 本作より月初めにカレンダーイラストが表示されるようになった。(携帯電話向け、DS3DS向けタイトル、『令和』を除く)
  • 本作および『II』『7』『jr.』では、メッセージウインドウに現在何月かが表示されている。
  • 本作より『V』まで、鉄道が買えなくなった。その代わり、持ち金不足でも処分しなくて済む物件ジャンルとして「農林」がある。
  • 本作及び『II』では、物件ジャンルの名称・分類が現在のものとは一部異なる。なお、現在の名称・分類になったのは『III』から。
    • 外食-食品関連の物件。『III』以降は「食品」に名称変更。
    • ホテル-ホテルや旅館がここに分類される。『III』以降は「観光」に再分類。
    • レジャー-スキー場やゴルフ場、動物園など。『II』の桃太郎ランド(本作未登場)もこのジャンル。『III』以降は「観光」に再分類。
    • 温泉-温泉物件。『III』以降は「観光」に再分類。
    • その他-伝統工芸品の工房、デパート、プロ野球チームなど。『III』以降は「観光」「商業」に再分類。
      • また、「農林」「水産」「工業」は以降のシリーズにも続けて登場している。
  • 駅での物件の並び順変更。前作では価格の高い順から並んでいたが、本作より価格の安い順から並んでいる。
  • 買い物の際に、購入の可否が一目でわかるようになった。FC版・GB版では文章やマークで表示され、PCE版では買えない物件が赤色(持ち金不足や他人所有)あるいは緑色(自分が購入済)で表示される。
  • 借金の概念が登場した。持ち金がマイナスになると手持ちの物件を売却しなければならないのは通常通りだが、全て売却しても補えない場合、残った借金をそのまま背負うことになる(デメリットはないが資金はまったく捻出できなくなる)。
  • 各種イベントなどの収支のインフレが、毎年発生するようになった。
  • 「カード」が登場。これは自分にとって有利な状況を作ったり、他人を攻撃することのできるアイテムである。ただし自分にとって悪いことが起こる損害系カードも存在するため、カードの入手が必ずしも有利になるとは限らない。イベントで手に入ることもあるが、基本的には黄マスなどの特定のマスに停まると入手できる。停まった駅の種類によって、ランダムに手に入れたり、持ち金を払って購入する形で手に入れる。本作より『HAPPY』までは1人6枚まで持てる。
  • 駅の概念が一新された。本作に登場するのは物件駅・プラス駅・マイナス駅・カード駅・カード売り場・フェリー乗り場である。詳しくは桃太郎電鉄シリーズを参照。各種イベントはマスの種類に応じたものが発生し、それ以外の突発的なイベントは一定確率で起こる。夏が有利で冬が不利なゲームバランスは変わらない。
    • ひとまわりサイズの大きい物件駅(16駅)は、目的地候補である。
    • 航路の移動ルールが地上の鉄道と同じになった。フェリー乗り場にぴったり止まる必要はなく、他の駅と同様に通行可能。
  • 目的地は全員共通になった。誰かが目的地に到着した時点で、最も目的地から離れた位置にいる人に、貧乏神が取り付き、毎ターン終了時に悪行を行う。貧乏神は他のプレイヤーに接触すると擦りつけることが可能。
  • 物件の収益率が個別に設定され、決算ではこの収益率に応じて収益額が算出される。それに伴い、物件は価格だけでなく収益率が表記されるようになった。
    • 1つの物件駅の全ての物件を1人で買い占めた場合、「独占」となりその駅の物件の収益は2倍になる。
    • 収益率がマイナスになっている物件もある。決算の際に、逆に支出が発生するが、時々大きな臨時収入イベントが発生する。
    • 物件駅・物件数が前作と比べて非常に増えたが、プログラムの制約上所有できる物件は254件までで、全ての物件を購入することは不可能である。
  • 本作では、岡山駅の物件に「桃太郎ランド」が存在しない。
  • 本作より、勝敗はゲーム終了時の資産で決定されるルールに統一された。前作の「物件価格の総合金額」に加えて、「持ち金」も資産に計上されるようになった。

登場カード

今作はカードの名前に漢字が用いられていないが、ここでは次回作以降にも登場するカードは漢字で表記する。

  • 急行カード
  • 特急カード
  • 新幹線カード
  • リニアカード
  • 1〜6進めるカード
  • ぶっとびカード
  • サミットカード
  • うんちカード
  • オナラカード
  • ふういんカード
  • 冬眠カード
  • 牛歩カード
  • マルサカード
  • 大地震カード
  • やすいほけんカード
  • たかいほけんカード
  • みがわりカード
  • バキュームカード
  • イトーヨーカード
  • クレジットカード
  • レンタルカード
  • ばいきゃくカード
  • 徳政令カード
  • なすりつけカード
  • 福引きカード
  • エンジェルカード
  • クリスマスカード
  • テレホンカード
  • リトルデビルカード
  • デビルカード
  • ぱろぷんてカード

登場駅

物件駅(78駅)

太字の駅は目的地になる駅。 (初)は初登場の駅。

カード売り場(17駅)

本作ではカード売り場に駅名が記載されていないため、シリーズ作品の駅を参考にした。リストはGB版のもの。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 スーパー桃太郎電鉄 日本 199103081991年3月8日
ゲームボーイ ハドソン ハドソン 2メガビット+64キロRAMロムカセット[5] DMG-MDJ 通信ケーブル、4人用アダプタ対応
2 スーパー桃太郎電鉄 日本 199203201992年3月20日
ファミリーコンピュータ ハドソン ハドソン 2メガビットロムカセット HFC-3X
3 FC版スーパー桃太郎電鉄 日本 202011192020年11月19日
Nintendo Switch エムツー(移植開発) KDE ダウンロード ファミコン版の移植。『令和』の早期購入特典としてダウンロードコードが付属。

スタッフ

  • ゲーム監督:さくまあきら
  • ゲーム演出:桝田省治
  • キャラクター・デザイン:土居孝幸
  • 音楽:関口和之
  • チーフ・プログラマー:飛田雅宏
  • デザイナー:藤井康博、瓜田智昭、くわはらもとし、松田泰一、市沢保弘、伊藤真希、山口もと、鈴木民人
  • 音楽スタッフ:滝本利昭、高橋のぞみ
  • シナリオ・アシスタント:はっとりたかひこ、まつもとたづ、はくやまさかず、井沢ひろし
  • 協力:浦敏治、しばたかずき、あらきひとしももてつ5だん、邦宅杉太、増田景子、荒井弘二、きくちあきひろ、キム皇原口一也、いいずかひろゆき
  • プロデューサー:すずきとよじ(アイアンドエス)

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通29/40点 (PCE)[6]
26/40点 (GB)[7]
24/40点 (FC)[8]
月刊PCエンジン87/100点 (PCE)
マル勝PCエンジン33/40点 (PCE)
PC Engine FAN25.34/30点 (PCE)[1]
(総合11位)
ファミリーコンピュータMagazine22.01/30点 (GB)[5]
22.3/30点 (FC)[9]
PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計29点(満40点)[6]、『月刊PCエンジン』では80・90・90・85・90の平均87点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では8・8・9・8の合計33点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り25.34点(満30点)[1]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 4.52 3.97 4.24 4.24 4.11 4.27 25.34
ゲームボーイ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計26点(満40点)[7]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り22.01点(満30点)[5]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.13 3.75 3.90 4.05 3.57 3.61 22.01
ファミリーコンピュータ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点(満40点)[8]、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り22.3点(満30点)[9]

項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.8 3.6 3.6 3.8 3.9 3.6 22.3

脚注

  1. ^ a b c 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、153頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o jr.』を参考にした。
  3. ^ 携帯アプリ版『TOHOKU』を参考にした。
  4. ^ 2010』を参考にした。
  5. ^ a b c 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、210頁。 
  6. ^ a b スーパー桃太郎電鉄 まとめ [PCエンジン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年10月3日閲覧。
  7. ^ a b スーパー桃太郎電鉄 まとめ [ゲームボーイ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年10月3日閲覧。
  8. ^ a b スーパー桃太郎電鉄 まとめ [ファミコン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年10月3日閲覧。
  9. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、66頁、ASIN B00J16900U 

外部リンク