おおかみ座

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おおかみ座
Lupus
Lupus
属格 Lupi
略符 Lup
発音 [ˈljuːpəs]、属格 /ˈljuːpaɪ/
象徴 the Wolf
概略位置:赤経 15.3
概略位置:赤緯 −45
正中 6月20日21時
広さ 334平方度[1]46位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
41
3.0等より明るい恒星数 3
最輝星 おおかみ座アルファ星(α Lupi)(2.3
メシエ天体 0
隣接する星座 じょうぎ座
さそり座
コンパス座
ケンタウルス座
てんびん座
観測可能地域は+35°と−90°の間
21:00(午後9:00)に最も良く見えるのは6月の間
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おおかみ座(狼座、Lupus)は、トレミーの48星座の1つ。

α星を除いて、3等星が6つあるだけの暗い星座であるが、形は整っている。

主な天体

恒星

固有名は殆ど知られていないが主な恒星には一応存在する(中には中国伝来のものもある)。連星二重星が多くある。

また、西暦1006年におおかみ座領域に超新星 (SN 1006) が出現したことが記録されている。

主な恒星(おおかみ座)
星名 固有名 概略位置 実視等級 スペクトル型 距離
赤経 赤緯
α Lup カッカブ 14h41m56s -47°23′17″
β Lup (なし) 14h58m32s -43°08′02″

星団・星雲・銀河

  • NGC 5822:散開星団。星座南部にある。
  • NGC 5749:散開星団。星座南部にある。
  • NGC 5824:球状星団。星座北部にある。
  • NGC 5986:球状星団。星座北部にある。
  • IC 4406:惑星状星雲。西部の境界線上にあり、2つの渦巻銀河と、ウォルフ・ライエ星を含む。この星雲の中心星は知られている中で最も高温の星の1つである。
  • NGC 5882:惑星状星雲。星座の中心にある。
  • B 228:暗黒星雲。星座北部にある。

由来と歴史

古代メソポタミアでは、狂 (the Mad Dog) またはカバ男と現在呼ばれる人頭獣身の姿が描かれ、バイソンマン(現在のケンタウルス座)と対を成すとされた[2]

特徴的なギリシャ神話はない。アルカディアリュカオンにこの星座に関する神話がある。これによると、神との宴に人肉を供したリュカオンが大神ゼウスによりに変えられた姿だという。

古代ギリシアでは、この部分はケンタウルス座の一部とされていた。また、この動物を指す名がなく、単に野獣などと呼ばれた。ビチュニアヒッパルコスが紀元前200年ごろにこの星座を分離させ、テリオン (Therion) と命名した。

日本では、おおかみ座は、ケンタウルス(ケンタウルス座)に捕まえられそうになっている狼といわれるが由来は分からない。

出典

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ 近藤二郎『わかってきた星座神話の起源 古代メソポタミアの星座』誠文堂新光社 2010年、ISBN 978-4-416-21024-6