自作パソコン

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自作パソコン(じさくパソコン、homebuilt computer)とは、個別販売されている自作パソコン向けのマザーボード電源ハードディスク光学ドライブメモリなど、パソコンを構成する部品(パーツ)を自身で購入し、組み立てたパソコンである。組み立てパソコンと呼ばれることもある。

目次

[編集] 概説

大手メーカーなどが製造するメーカーブランドのものと対比する意味で、自作パソコンと呼ばれる。

同じ予算でも自分の要求する機能・性能に応じてパーツを選択し、性能を高めたい部分に投資し必要としない部分は削減するなど、適切に構成すれば無駄なくコストパフォーマンスに優れたパソコンができる。

個人で組み立てができるのはPC/AT互換機である。構成する各パーツの規格・コネクタ形式が定められており、プラスドライバーさえあればパソコンを組み立てることができる。構成する各パーツのハードウェアについてはブラックボックスとして外から見た機能やインターフェースのみ理解しておけばよく、パーツ内部の電子回路などに関する知識や技術は不要である。

Macintoshの場合、自作ハードウェアにMac OS Xをインストールするとライセンス違反となるため、ほとんど行われていないが、既にMacintoshもATX系の規格で構成されているため、これにPC/AT互換機のパーツを組み合わせることが可能である。この為に、本来修理部品として流通しているロジックボードを販売しているショップが存在する。また、古いMacintoshに新しい機種のロジックボードを入れるなどの大掛かりな改造を好む人たちも存在する。

自分は部品構成を考えるだけで組み立てを業者に行わせるという方法(BTO, Build to Order)もある。工作に不慣れな人や事業所に独自構成のパソコンを多数導入する場合など、自作パソコン関連品を販売する業者に対してこのような形態の注文を出すことがある。厳密な意味では自作パソコンではないが、設計や仕様は自分で考え、組み立てを外注していると考えれば、それも広義の自作パソコンとしても差し支えない。自作の入門としてBTOパソコンを購入し、パーツの交換などを行って知識と経験をある程度蓄えてから本格的な自作に挑む人もいる。

なお、パソコンを組み立てる場合には、後述のようにソフトウェアのみならず、使用中のハードウェアのトラブルへの対処も自分で行う必要がある。そのため、ハードウェアの構成や内容をきちんと理解できるレベルのスキルがないと難しい。逆に言えば、自作パソコンに挑むことでこれらのスキルを得ることが期待できる。

[編集] 方法

大きく分けて、次の二つの方法がある。

  1. ケース、マザーボード、CPUメモリなどのパソコンを構成する部品を一つ一つ寄せ集めて組み立てる方法。
  2. ベアボーンと呼ばれるケースに電源・マザーボードが組みつけられた半完成品をベースに、CPUやメモリなどパソコンを構成する残りの部品を装着して組み立てる方法。

汎用規格品の部品が使われる大型パソコンは (1) の方法が取られる。一部専用部品を使って小型化したパソコンは主に (2) の方法が取られることが多い。ノートパソコンを作る場合は (2) の方法のみである。

ほとんどのメーカー製品がそうであるように、かつてのワンボードマイコンの様に、マイコンキットや、パターンが印刷されておらずパーツをはんだ付けするための穴のみが無数に設けられたユニバーサル基板に部品を自ら半田付けし、場合によってはパターン設計から行う、などということは今日では行われていない。

[編集] 自作の長短

自作パソコンには長所と短所がある。十分に理解したうえで取り組むことに留意されたい。

[編集] 長所

自作することによって、不要な部分を削り、必要な部分を強化し、自分のニーズに最適化されたパソコンが手に入る。

  • メーカー製のパソコンでは自分のニーズに合致するモデルがない特殊な仕様でも、自作ならば必要なパーツさえ確保すれば手に入る。
  • 本体を組み立て、周辺機器を接続したあとOSデバイスドライバインストールするだけで最低限の機能が利用できるため、余分なレジストリなどが含まれないクリーンな環境の構築が容易である。
  • 必要に応じ市販のソフトを別途で購入するか、シェアウェアフリーソフトウェアをダウンロードし、インストールで追加すれば良いため、ソフトウェアの価格を抑えることができる。
    • メーカー製の場合、最初から多種多様なソフトウェアや専用サイトへのアクセスリンク、プロバイダへの契約を自動化するソフトなどがプリインストール(またはCD-ROMが付属)されている場合が多いため、これらソフトの価格も上乗せされて割高になっているが、自作することでこれらの余分なソフトの代金をカットできる(利点と欠点も参照のこと)。
  • ケースを自由に選べるので、既製パソコンにはないような大胆なデザインのものからオフィス向けのシンプルなデザインまで、好みや用途に合わせたもので仕上げることができる。また、一般的な自作用ケースは多くのメーカー製パソコンのそれより拡張性が高いので、パーツの交換や増設が容易である。
  • 独自規格が多いメーカー製PCと違い自作PCはユニットがほとんど汎用的な規格化をされている為にユニット単体での交換が容易で、記憶容量や処理能力などに不満が出てきた時や故障の時にパーツ交換で対応できる場合、パソコン一式の買い換えやメーカー修理などの多額の出費を避けられる。また、故障したパーツを単体で修理に出したり交換するということができる。
    • ただし、パーツ単体の修理には後述する様な欠点もあり、状況次第で長所と短所は紙一重である。
  • 自分で作ったものであるだけにパソコンの内部構造を把握しやすいため、パーツなどの知識は必要ではあるが、パーツの調達さえ可能ならば万一の故障の際にも自分で素早く対処がしやすい。

[編集] 短所

自作の場合は、トラブルが発生した場合にも自分自身の力で解決する必要が生じる。

  • 自作の場合、組み立てたパソコンの動作保障はなく、パーツ同士の相性や組み立てミスなどでパソコンが正常に作動しない場合がある。パーツ単位ではメーカー別、あるいは販売店の動作保証程度はあり、またメモリには有料やパソコンショップの会員サービスで相性保証が付く場合があるものの、大手メーカー製のような広範囲のアフターケアは期待できず、トラブル時には自分自身の手で対処する必要がある。
  • 自分で組み立て、自分でBIOSを設定し、自分でOSや各種ソフトウェアをインストールおよび設定する労力が発生する。
  • 大手メーカー製パソコンの場合、緊急に備え購入時の状態に回復するための手段(リカバリーディスク)が用意されているが、自作パソコンでは自分でバックアップなどを用意しない限りない。
  • パーツの交換で改造することを想定した場合、ケースが大型化し、本体を収納するためのスペースが圧迫されることがある。
  • パーツの評価はネット上のユーザーの発言を調べる必要がある。しかしこの発言には何の保証も責任もない。
  • 一部のソフトウェアや、大手メーカーが自社製品での使用を前提として販売している純正パーツにおいては、自作パソコンで使用可能であってもサポート対象外や保証対象外の扱いを受ける。
  • 取り付けられるパーツの組み合わせを理解するため規格や互換性の知識を知る手間がある。
  • 故障時の対処・修理を全て自分でしなければならない。
  • 故障した場合でも、本体丸ごとではなくパーツ単体で修理に出せるというメリットがあるものの、国内大手家電メーカー製のパソコンの修理と比較した場合、大半の海外パーツメーカーの日本国内アフターサポート体制は貧弱である。
    • 日本国内に修理・交換などのアフターサポートの実機能を持つ関連法人・拠点を持たず、輸入代理店経由での販売が中心になっている海外メーカーの自作用パーツについては、故障して販売店に修理を依頼した場合、たとえメーカー指定の正規輸入代理店経由で、なおかつ保証期間内の製品の無償修理であっても、修理完了まで2ヶ月以上の長期間を待たされることがごく当たり前に見られる。
      • これは日本国内でパーツを販売する輸入代理店が修理の窓口となっていても、輸入代理店側には修理受付品の交換や修理はもとより、故障判断の権限すら無い代理店契約の内容となっていることが珍しくない為である。この様なメーカーのパーツについては、輸入代理店が預かった修理依頼品は全て台湾などのメーカーに1ヶ月に1度などの間隔で一括輸送して、メーカーの修理工場で故障か否かの判断や修理を行っている[1]。この様な修理システムのメーカーのパーツの場合、短期間での修理はもとより故障診断すらまず絶望的であり、場合によっては修理依頼から修理完了して(あるいは新品交換されて)手元に戻ってくるまでの期間が3カ月を超えることも見られる[2][3]
    • 結果として、パソコンの使用継続の兼ね合いからも、故障したパーツについては、保証期間内であっても修理をあてにできず、必然的に買い換えを余儀なくされることが多い[4]
  • メーカー製やショップブランドのパソコンと同等スペックで構成をしてパーツ単位で調達した場合、価格的に割高となることがある[5]
  • 資源の有効な利用の促進に関する法律(通称リサイクル法)に基づくリサイクル料金の支払いを自分で行わなければならない。
    • メーカー製パソコンの場合は価格に含まれ、ステッカーが貼付されている。これに対し、基本的に自作パソコンは「メーカーが定まらないパソコン」として扱われ、処分の際はJEITAの関連組織である「パソコン3R推進センター」へ回収を依頼することが義務付けられている[6]

[編集] 日本における自作の歴史

[編集] 黎明期(1970年代前半-1990年代前半)

当時はLKIT-8、NECTK-80PC-9800シリーズ全盛期であったが、日本IBMPC/AT互換機日本語処理を実現するDOS/Vを開発したことにより、DOS/Vブームが起こる。しかし、PC/AT互換機で使用されるDOSで動作するビジネス向けアプリケーションソフトのほとんどは日本語が使えない、代用品が存在するなどの理由で需要がなく、利用されたのは日本語でなくても支障が無い一部の海外製のゲームがほとんどで、DOS/V自体には特に意味が無くDOS/Vとは実質的にPC/AT互換機の別称である。その一方でその土台となるパソコンのハードウェアの差異を問わないWindowsの発売により、PC/AT互換機は安価で高性能なWindowsパソコンとして地位を徐々に確立していった。

独自アーキテクチャであったNECのPC-9800シリーズなどに比べ、共通したICなど大量生産による量産効果から国内外のパソコンに価格差があった。その一方で、NECや東芝などは海外では著名なPC/AT互換機のメーカーであったが、日本国内では価格競争をもたらすPC/AT互換機の発売を意図的に避けていた。

日本国内でPC/AT互換機を入手するには、代理店経由で高価格な大手メーカー製を購入するか、それよりは比較的安価なホワイトボックスを個人輸入で購入するしか方法はなく、秋葉原などの電気街周辺に住むパソコンのマニアにより、細々と自作が行われるなど、多くは趣味の域を脱しないレベルのものであった。

そこに「コンパック・ショック」が発生した。これは当時の日本の主流であったNECのPC-9800シリーズを暗に指した比較広告とともに安価な機種が発売された。ただし、価格的な目玉商品である機種は必要な周辺機器を装備せずに実用性には疑問があり、また、当時のコンパックは元祖であるIBMよりも高い技術力を持つ企業であるというイメージ戦略を行っていたこともあり、日本での価格は高額であった。のみならず、安価な機種の発売を見越してそれ以前の機種を意図的に高い価格設定をしていたと首脳陣は発言している。だが、それに他のパソコンメーカーも追従せざるを得なくなり、低価格化が促進された。

この頃、部品メーカーの仕様に若干の違いが生じた場合、同じ規格に見えるものでも相性的な物が存在するなどの問題が表面化した時代でもある。一見同じように、あるいは規格に合致しているように見え、しかし正常に動作しない場合が多々あった。「製品の数だけ規格がある」などとも揶揄された[7]。また、マザーボードも何れかのグループの基準に合わせ製作されていた為、異なるグループの物は実装できないか実装できたとしても間欠的ながらストール状態に陥ることが多かった。

そこで、それらの現象をひと括りにしてしまう「相性」という用語が使われる。利用者側が原因を特定できない、あるいは販売者側やメーカーであっても原因を特定できない場合に用いられることとなる。

[編集] 発展期(1990年代)

Windowsのバージョン3.0および3.1の発売により、ソフトウェア資産におけるアドバンテージやパソコンのハードウエアアーキテクチャによる「日本語の壁」は無くなり、日本独自のパソコンは、新たなプラットフォームに向けて更新しない閉じた世界の特殊アプリケーションソフトを利用するパソコンという位置づけにならざるを得なかった。PC/AT互換機ベースのパソコンの普及が本格化、低コストでパソコンを入手する手段として量的に拡大していった。

この頃、発売されたNECのPC-9821シリーズではPC/AT互換機用の一部のメモリ、ハードディスクも使用可能となり、パーツの流用も可能となった。また、Windows 95の発売により、それまで事務機器あるいはマニアの趣味に留まっていたパソコンが一般消費者にも使われるものとなり、その市場の拡大に併せて自作の最盛期を迎えようとしていた。オーバークロック等が流行したのもこの時期である。ただし、地方では特殊なパーツの入手は通信販売に頼るしかなかった。その後にWindows 98Windows 2000とリリースされた頃にDual CPUやRAIDが流行し始め、多くの熱狂的なヘビーユーザーを生むきっかけとなった。

[編集] 成熟期(2000年 -)

単体発売されているWindowsOSがパソコンメーカーへの卸価格よりも極端に高額な価格設定がなされていること、一部パーツメーカーが販売促進やシェア確保を目的に、一定規模以上のパソコンメーカーに対して大幅な価格割引や販売奨励金などの名称で割戻を行っていること、デルなどの直販メーカーの台頭などによりパソコンの低価格化が進みメーカー製パソコンの小売り単価が下落した。コスト面において自作を行うメリットは無くなったため、自作パソコンは全体的には減少傾向にある。

しかし、自作パソコン自体が趣味の対象になったり、既製品では不可能な特殊なニーズを満たすパソコンの入手手段として自作は未だ健在である。また、自作を嗜好するユーザーらの意見が全体の市場の方向性に強く関係していることも見逃せない。

また、プロセッサの進化により処理能力に余裕ができた一方で、消費電力や発熱が増大したことから、オーバークロックのような行為は一時期よりも減り、静音化、省電力化、キューブパソコンなどの小型化といったスマートなパソコンを自作することが新たなムーブメントとなっている。この頃には、パソコンの自作に必要なパーツを販売する店舗の全国展開や玄人志向挑戦者など家電量販店で扱える流通ルートが整備され、地方居住者でもそれなりに自作用パーツを調達しやすい環境が整った。

パソコンを部品単位で購入し、随時部品交換を繰り返した結果パソコンほぼ1台分の部品を余らせることも珍しくなくなり、余った部品を有効活用しようとしてLinuxなどの無償利用できるOSを導入したりする者も少なくない。

2006年以降、Intel Core 2などの最新のマルチコアCPUの登場により、CPUの消費電力や発熱量の増大によって自作ユーザーが苦心していた冷却や静音化の問題が解決しつつあることや、Core 2のオーバークロック耐性が高いという評判によってオーバークロックへ挑戦するユーザーが増えたこと、またIntel Atomとそれに対応したマザーボードやケースの登場により静穏・省電力な小型PCを作るムーブメントが発生したことなどで、自作パソコン市場は勢いを取り戻しつつある。

[編集] 自作パソコン計画

[編集] 最低限必要なもの

分解図

現状で自作パソコンを作成する場合、最低限揃えなければならないものを紹介する。またここではOSにWindowsを使用するものとして解説する。

マザーボード(図中2)
使用するCPU、物理的にメモリを搭載できる量や、拡張ボードをどれだけさせるかはマザーボードの選択によって決定される。逆に搭載希望のCPUがある場合、おのずからマザーボードはそれを装着可能な規格のものを選択することが求められる。
チップセット」はマザーボードに搭載されたバスを管理するパーツである。グラフィックス機能を統合したもの(オンボードの統合チップセット)であれば、別途グラフィックスボードを用意せずに済み安価に仕上げられるが、高いグラフィックス性能は期待できない。ただ、トラブル発生時にその要因となり得るグラフィックボードが無くとも起動可能という利点があるため、別途グラフィックボードを買う場合でも統合チップセットのマザーボードを選択することもある。
古いモデルのチップセットを搭載したマザーボードは安価であることが多いが、パソコン全体の性能を最大限に引き出すため最新のCPUには最新のチップセットを組み合わせるのが望ましい。ただし、メーカーリリース直後のチップセットは未知の不具合があることも多く、安定性を重視しなければならない用途の場合、敢えて、既に問題が出尽くして対処されている古い(一世代前の)チップセットを選択するという手段もある。
また、電解コンデンサでマザーボードを選ぶユーザーも増えており、寿命が著しく短い粗悪品の混入が懸念される台湾中国製のコンデンサを搭載した製品を避け、多少高価ではあっても日本製・日本メーカー生産によるコンデンサの搭載製品を指名買いするケースも目立っている。この傾向は、マザーボードに搭載された台湾中国製コンデンサにおいて液漏れ、破裂といった不具合が頻発した事がきっかけとなっている[8]
CPU(図中3)
パソコンの性能を決定付ける部品の一つ。大抵はCPUに合うマザーボードを選ぶこととなる。ただしCPUは手軽に換装できるパーツであるため、安価なCPUで製作する時もマザーボードは将来性を持たせることを考えたほうが良い。基本的にはAMD系とインテル系で選択することになる。それ以外にはVIA系があるが基本的に組み込み用であり、一般的なパソコン用途で選ぶメリットはさほどない。
IntelとAMDのCPUの性能差は、厳密な点はともかくとして、現状では価格的に横並びと見てかまわないと思われる。
パッケージング販売されているリテール品(箱に入った状態で販売されている)のCPUには、ほとんどの場合純正冷却ファンが付属する。バルク品やアウトレット品は付属していないことが多いため、別途購入する必要がある。もちろん、CPUの冷却ファンにも多種多様な製品が存在し、好みと必要に応じて純正品から交換することもできる。
CPUは自身の発熱を抑えるためのクーラーが必要であり、クーラーをつけないとCPUは発熱で破損してしまう。
性能面で見るべき点は、マイクロアーキテクチャとクロック数、キャッシュ、機能面の特徴である。機能面では特にコア数の違いが注目されている。HT(ハイパースレッディング)を搭載している場合、仮想的に「コア数×2」だけコアがあるような動作をする。
マザーボードとの相性面で見るべき点は、ソケット規格、チップセットである。特にソケット規格が異なってしまうと物理的に接続できないため、注意深く確認する必要がある。
メモリ(図中4)
マザーボード(チップセット)により搭載可能なメモリの仕様が決まっている。現行主流のマザーボードにはDDR2規格のメモリが求められることが多く、市場でもDDR2が活発に取引されている。他に以前主流であったDDRなど数種類がある。2007年にDDR2の後継となるDDR3が登場しており、2009年中にはDDR2に替わって主流となると見られる。オープンプライス(またはロット単位の卸値のみ公表)が多く、頻繁に価格が変動するパソコンパーツ類の中でも最も価格が流動的とされ、以前には月率数十パーセントという極端な価格変動が発生したこともある。
現在多くのDDR2対応マザーボードでは、同一容量・同一仕様のメモリを2枚一組で搭載することによってメモリ性能が引き出されるようになっているため、DDR2メモリは2枚一組で売られているものが多い。また、新しいDDR3対応マザーボードでは、同一容量・同一仕様のメモリを3枚一組で搭載することによってメモリ性能が引き出されるようになっているため、DDR3メモリは3枚一組で売られているものもある。同じ規格のメモリであってもデータ転送速度やレイテンシなど細かい仕様が異なるものがあるので、最初から2枚一組品や3枚一組品を購入するのが間違いがない。
なお、DDR2メモリの2枚一組装着あるいはDDR3メモリの3枚一組装着はメモリ性能を引き出すためのものであり、パソコンを動作させる上では必須ではなく、DDR2メモリあるいはDDR3メモリ1枚のみを装着するだけで足りる。
グラフィックボード(図中5)
グラフィックカード、ビデオカードとも呼称する。搭載するインタフェースとしてPCIAGPPCI Expressがあり、どれを用いるかはマザーボードがどのインタフェースを搭載しているかによって決定されることになる。後者の方が新しい規格で、より高速である。CG、3Dゲーム、オンラインゲームなどの目的で使用する場合は高い性能を要求され、ある程度以上の性能を持つ単体ビデオカードは必須となる。一方、オフィス的な用途ではそれほど高性能は要求されない。
また、出力もVGAなどのアナログ出力と、DVIなどのデジタル出力があり、こちらはディスプレイ(図中1)の対応入力によって選択する。
あまり高い性能を要求しない場合、マザーボードで既述したオンボードグラフィック機能の付いた(統合チップセット)マザーボードを選択し、グラフィックボードを省略する方法もある。しかし、大半のオンボードグラフィックは、描画処理に用いるメモリをメインメモリとシェアリング(共用)しているため、メインメモリとCPUの間で使えるバスが狭くなったり、メモリの空き量が減ってしまったりするため、その分性能が落ちることになる。最近のオンボードグラフィックではメモリが安価かつ高速化が進んで性能の落ち込みが少なくなったことから、この問題はさほど重視されなくなった。
高性能なグラフィックボードは、搭載するグラフィックチップの発熱が大きいため、冷却用のファンを搭載している。比較的小さく高速のファンであるため、騒音源となるが、その度合いはボードのベンダー(メーカー)によってかなり異なる。同性能において安いベンダーのボードはヒートシンクが小型で、ファンの騒音が大きいことが多い。またコンデンサなどで品質の良くないものを使っていることがある。
ハードディスクドライブ(図中8)
規格としては、シリアルATAパラレルATAがある。ただし、マザーボードの記述では、前者がSATA、後者がIDEと記述されている場合が多い。SATAの方がデータ転送速度が速い新しい規格である。現在日本国内では、店頭で扱われている単品ハードディスクドライブのほとんどがSATAに置き換えられている。接続ケーブルはたいていマザーボードに付属されているが、単独パーツとしても販売されている。新製品のマザーボードの中にはIDEの接続端子がないものも出始めており、IDEしか備えていない旧式のマザーボードに接続するなどの別段の事情がなければ、通常の場合、IDEのハードディスクを新規に購入する理由はない。
電源(図中6)
ATX規格に対応した「ATX電源」と呼ばれる電源装置が主流である。中古の電源は電源容量や信頼性、安全性の面であまり推奨できるものではないとされる。単体で広く販売されているが、後述のケースに付属している場合もある。ケースに付属していない場合や、付属する電源の容量や品質に不満がある場合は別途購入が必要である。
電源仕様はPCI Expressに対応したATX2.1以降の仕様のものが主流だが、ATX2.0以前の仕様に基づいた製品もいまだ流通しているので注意を要する。電源も仕様によってコネクタの形状やピン数が微妙に異なるが、コネクタの変換で対応可能な組み合わせに関しては多種多様な各種変換コネクタが販売されている。
上述したマザーボードと同様の理由で、電解コンデンサで電源を選ぶユーザーも多い。またBTOが可能なホワイトボックスのメーカー製パソコンではコスト削減の観点などから安価な電源つきケースを一括で購入していることが多いが、自作をできるレベルのユーザーには、この様なケース付属品の電源に対して品質的な不安感や不信感を抱いている者が珍しくない。そのため、ホワイトボックスパソコンを購入した場合には、使用前に電源について自作パソコンと同様の要領で自分の選んだものと交換する、という者も見られる。
ケース
ケースがなくても部品同士を結線すればパソコンとして動作するが、使い勝手・安全性などの点から通常はケース内に収納する(ケースがないと埃で故障しやすくなる)。基本的にはマザーボードのフォームファクターによってケースの大きさが決まる。ケース選びにおいてはベイ数などの仕様、デザイン、使いやすさ、工作精度などが評価基準となる。なお、ケースファンは機械部品である性格上、長持ちしないことがあるので中古ケースの場合などは新品交換を考慮すべきである。
ケース自体の自作、あるいは業者へのオーダーメイド、テーラーメイドも可能。ヘビーユーザーの自作品には、純木製、さらにはフレームだけ(外板がない)、ポリタンク、鑑賞魚用水槽と言ったキワモノも存在する。
光学ドライブ(図中7)
最近はDVD-R/RWへの読み書きも可能なマルチドライブでも、5千円以下と安価に買うことができる事から、あえて読み込み専用のものを選ぶ必要はない[9]。選択肢としてはDVDマルチかブルーレイディスク対応型であるが、ブルーレイディスク対応型はいまだ高価であり、ブルーレイディスク再生には他の機器の対応(HDCP)も必要なので注意が必要である。また書き込み速度や付属ソフトの内容も選択肢の一つとなる。ドライブベイを占有し、パソコン内部での占有体積も大きいので通常使用しない人にとっては邪魔になることも多く、2台目以降のパソコンとして自作する場合、OSをインストールする際は他のパソコンのものを一時的に取り付け、インストール後は取り外す、という人も居る。インタフェースの規格はハードディスクドライブと同じで、SATAとIDEが混在する。データ読書きの速度がハードディスクドライブより遅く、現時点では敢えてSATAを選ぶ必然性がそれほどないため、SATAへの移行はハードディスクドライブより遅めである。
  • この他、マザーボードのBIOSのアップデート用にフロッピーディスクドライブ(FDD)を組み込む場合もあるが、最近ではOS上のユーティリティからBIOSアップデートができるものが主流になってきたことから、FDDは絶対的に必要なものではなくなっており、従来FDDを搭載していたスペースにメモリーカードリーダライタを搭載することも多い。
ドライバ、ソフトウエア
マザーボードやグラフィックカード、また他の拡張ボードを動作させるのにデバイスドライバやソフトウエアが必要になる。OSに含まれていることもあるが、後のアップデートで性能や安定性の改善が行われている事も多く、最新のドライバを用意した方が良いとされる。しかし、稀には相性などの問題でOSに含まれているもの、あるいは古いほうが良いとされる場合もあり、ケースバイケースで調査したほうが良い。また、SATAとIDE互換のマザーボードの中にはIDEを基本としているため、SATAを導入するためにBIOSの設定操作や、BIOS自体のバージョンアップが必要となる場合がある。
キーボード(図中9) マウス(図中10)
パソコンと利用者を結ぶマンマシンインタフェースであり、直接に使い勝手を大きく左右するデバイスである。キーボードもマウスも安いものを探せば500円程度で販売されている物もあるが、低価格のものには使い心地や耐久性に難がある(言い換えれば「手に馴染まない」)ものも多く、数千円から1万円以上もする高額なものを選ぶケースもある。プロユースやゲーマー向けの高品質を謳うものにはそれ以上の高価な製品もある。マウスはかつてPS/2接続&ボール式であったが、現在ではUSB接続&光学式が主流である。マウスの代わりにトラックボールやタブレットを使用することもある。トラックボールはマウスを動かせるほどのスペースがない場合に、タブレットはパソコンで絵を描く際に有効である。

[編集] 拡張要素

グラフィックカードの複数枚搭載
ゲーマー向けのマザーボードの中には、複数枚のグラフィックカードを取り付けて性能を向上させられるものがある。ゲームソフト側の対応が必要になるが、ゲームのプレイ環境を飛躍的に向上させることが可能である。反面、電力供給や廃熱に気をつけなければならなくなるため、ケースを冷却性の良いものに、電源も高容量で高品質のものを用意しなければならない。
拡張スロット
最近ではマザーボードにオンボードとして搭載されているデバイスが豊富にあり、別途増設しなくとも、基本的な動作には支障がない。しかしながらオンボードで賄えない場合やハイエンドな性能を要求する場合は、拡張スロットによる増設が必要となる。拡張スロットのインタフェースは、ISAPCIPCI Expressがあるが、ISAは2000年代前半までにほとんど消滅している。また、グラフィックボードの拡張スロットの主流はAGPからPCI Expressに移行しており、それ以外のスロットもPCI Expressに切り替えられつつあることから、メーカーもそれを推奨する形でリリースしている。また、USBeSATAを利用した外付け増設も盛んに行われており、対応機器も増加している。
サウンドカードに関しては、一般的な使用目的ではオンボード品で充分こと足りるので増設をする必要はない。しかし、ゲームなどでサラウンドといったCPUによる音声処理を専用チップに任せてしまう用途や、オーディオ愛好家向けには、高性能な音響部品を搭載したサウンドカードがある(サウンドブラスターオンキヨーのSEシリーズなど)。ミュージシャン、レコーディングエンジニアなど特に「音」にこだわる用途には、プロ用のオーディオカードを増設をする場合が多い。またパソコン内部はノイズが多く音質に悪影響が出るとして、USB接続やIEEE 1394(FireWire)接続の外部オーディオインタフェースを使うケースも目立つ。
その他、無線LAN、TVチューナー、ビデオキャプチャー、SCSI、など、拡張スロットを用いることでさまざまな付加機能を持たせることができる。
CPUクーラー(CPUの冷却装置
CPUそのものと違って、CPUクーラーに関してはノーブランド品や他社メーカー品に冷却性や静音性でCPU付属クーラーよりも優れた製品が多くあるため、増設・換装は有力な選択肢の一つになる。
その際には空冷ファンではなく、水冷やガス冷却等の選択もある。水冷の場合は空冷より冷却能力の限界が高いが、値段の安いものだと冷却性自体に問題が起きる可能性がある。また漏水や結露による本体の破損と危険も考慮しなければならない。ガス冷却は冷蔵庫の仕組みを転用したものであり、他者よりもはるかに高性能だが価格も性能に比例して高い。一般論としては、空冷以外のCPU冷却方法は価格・費用対効果や安全性の面で劣っているといわれる。しかし、画期的な方法が編み出される余地のあるパーツでもある。リテールに付属しているCPUクーラーはアルミのヒートシンクに銅の接地部が付き、ファンで冷やすものになっている。他社の物はヒートパイプを利用し、大型のファンで冷やすものが多い。

[編集] 脚注

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  1. ^ また、世界中から同様の修理依頼品が集まる為、メーカー到着後の修理作業開始までにさらに数週間を要する場合がある。
  2. ^ 春節などの長期休業が入った場合にはさらに延びることもある。
  3. ^ この為、パソコンショップでもパーツ修理の超長期化による顧客からのクレームは悩みの種であり、修理受付の段階で「預かり期間が2ヶ月を超える場合がある」と説明して承諾を取った上で修理を受け付ける様な専門店も存在する。
  4. ^ つまり、自作パソコンのユーザーにとってパーツの製品保証は事実上有名無実なものになっている。
  5. ^ OSや各種パーツについて、シェア確保や販売促進を目的に、メーカーが大口の取引先であるメーカーに対しては自作用よりも遥かに格安で販売したり、販売奨励金などの名目で割戻を行っているため、トータルでは割安な価格設定が可能となることがある。
  6. ^ ただし、対象は「パーソナルコンピュータ(パソコン)」であり、パーツ単体ごとは対象外となっている。その為マザーボード単体のみなど、パーツごとに処分する際には、従来通り自治体のゴミ回収に出すこととなる。ただし、自治体によってはパーツ単体のゴミ出しでも回収しない場合がある。居住地のゴミ処理施設へ事前に確認を取る必要がある。
  7. ^ 一例を挙げると、16MビットメモリのICを用いたSIMMに於いてはクロックマージンに2つのグループが存在し、グループの異なるメモリの実装は困難でもあった。
  8. ^ 詳細はマザーボード#不良コンデンサ問題を参照のこと。
  9. ^ ただし、企業などでも研究・開発部門、個人情報取り扱いなどでファイルのコピーによる情報漏洩のリスクと懸念がある場所などを中心に、現在でも自作パソコンで読み込み専用ドライブの根強い需要が存在している。なお、メーカー製パソコンでもビジネス向けモデルと位置づけて読み込み専用ドライブを搭載したものが販売されている。

[編集] 関連項目

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