仕様

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仕様(しよう、: Specification)とは、材料・製品・サービスが明確に満たさなければならない要求事項の集まりである(ASTMの定義)。仕様を記述した文書を仕様書と呼ぶ。

目次

[編集] 仕様の使用

工学製造業ビジネスにおいて、材料・製品・サービスの供給業者、購入者、ユーザーが全ての要求仕様について理解し合意することは重要である。仕様は一種の工業規格であり、契約書や調達書で参照されることが多い。特定の要求仕様についての必要とされる詳細を提供する。

仕様は政府機関、標準化団体(ASTMISOCENなど)、業界団体、企業、その他が書くことがある。

製品仕様は、その製品が正しいことを証明する必要はない。ある製品がある仕様に準拠しているからといって、その製品が特定用途に適していることを示しているわけではない。それを使用する人々(技術者、職種別組合など)やそれを指定する人々(建築基準法、政府、業界など)は、利用可能な仕様群を検討し、その中から正しいものを選択し、それを正しく使用する責任を負う。すなわち、適合性の妥当性検証が必要である。

米国連邦仕様の一例として、FIPS-PUB 159 Detail Specification for 62.5-μm Core Diameter/125-μm Cladding Diameter Class Ia Multimode Optical Fibers がある(Federal Standard 1037C および MIL-STD-188 より)。

[編集] 仕様の内容

仕様には以下のような内容が含まれる。

  • 説明的表題と仕様の範囲
  • 最新版の発効日と改版履歴
  • その仕様の更新や変更に責任を持つ人物・オフィス・機関
  • 仕様とその用途の重要性
  • 使われている用語の定義
  • 記述されている特性すべてについての検査手法
  • 物質的な要求仕様: 物理的、機械的、電気的、化学的など。目標値と許容差
  • 機能的な要求仕様: 目標値と許容誤差
  • 図面写真テクニカルイラストレーション
  • 製造方法
  • 必要とされる認証
  • 安全性についての考慮と要求仕様
  • 環境についての考慮と要求仕様
  • 品質についての要求仕様。標本調査、検査、受け入れ基準
  • その仕様の施行に責任を持つ人物・オフィス・機関
  • 完了と出荷
  • 不合格、再検査、再審査、是正措置への用意

[編集] 工程能力との関係

工学仕様自体がよいものであっても、その仕様にしたがっている製品が必ずしも仕様に指定されている目標値と許容差を満足しているとは限らない。どのような素材・製品・サービスでも、実際に生産されるものには固有のばらつきがある。正規分布では、生産時の平均の上下3σをはるかに越えたものも生産されうる。

材料や製品の工程能力は、指定された工学的許容差と互換である必要がある。生産において許容誤差を一定範囲内に保つには、プロセス制御が必須であり、TQMのような効率的品質管理システムが必要である。

仕様が有益であるためには、その効果的な強制が必要である。

[編集] 北米での建築仕様

北米では建築の際の契約書の一部として建築仕様が存在する。そのガイドとなる主文書は National MasterFormat である。これは、以下の2つの専門団体が共同で後援する文書である。

「仕様は図面に優先する」という考え方があるため、仕様文書と図面に食い違いがあると、仕様が正しいとされる傾向がある。実際にはこれらは相補的であり、どちらが優先するというものではない。

仕様は、建築作業の大まかな分類に従って約50の Division に分けられる。Divison はさらに個々の作業ごとに Section に分けられる。例えば、防火仕切りは Section 078400 - Firestopping に対応する。これは、Division 7 の一部であり、Division 7 は Thermal and Moisture Protection(熱および湿気対策)である。Division 7 には他に外装や耐火作業が書かれる。各 Section はさらに General、Products、Execution の3節に分かれる。National MasterFormat は北米での多くの建築に適用されるが、例外もある。

建築仕様は、達成すべき性能だけを記述するだけの場合や、許容される特定製品・ベンダー・業者を列挙するだけの場合もある。

北米の建築仕様は概要的だが、ヨーロッパでは量的な記述も含まれ、例えば石膏ボード面積を平方メートル単位で指定したり、部品表のようなものを添えたりする。

[編集] 食品と医薬品の仕様

医薬品は一般に各種薬局方によってテストされる。薬局方には以下のようなものがある。

これらの規格でカバーされない医薬品がある場合、他の国や業界の薬局方で評価されるか、以下のような標準の処方集で評価される。

食品製造も同様のアプローチであり、国際食品規格委員会が最上位の規格を策定し、各地域や国がそれに従った規格を策定している[1]

ISOによる食品および医薬品の規格は、今のところあまり成果はなく、地域や国ごとの厳しい制限があるため(HACCPなど)、緊急の課題とされるに至っていない。

仕様や規格は食品医薬品だけでなく、機械品質プロセス、包装物流コールドチェーン)などにも存在する。

[編集] ソフトウェア開発

[編集] 形式仕様

詳細は「形式仕様記述」を参照

形式仕様は、ソフトウェアハードウェア数学的に記述したもので、何らかの実装の開発に使われる。それはシステムが何をすべきかを記述したもので、それをどう実現するかは記述する必要はない。システムの設計が形式仕様に照らして正しいかどうかの形式的検証に使われたりする。これには、工程が先に進む前に正しくない設計を改良できるという利点がある。代替手法としては、仕様から設計への変換、および特に実際の実装への変換に際して、詳細化を行う手法がある。

[編集] プログラム仕様

詳細は「プログラム仕様」を参照

プログラム仕様は、プログラムがすべきことを定義したものである。「非形式的」な仕様記述の場合、開発者から見ればそれは青写真またはユーザーマニュアルのようなもので、「形式的」であれば、数学的またはプログラム的に定義された明確な意味を持つ。実際、ほとんどの成功した仕様は、既存の安定したアプリケーションを理解し保守するために書かれたものである。ただし、安全性が重視されるソフトウェアシステムでは、アプリケーション開発に先駆けて仕様を慎重に書くことがある。仕様は、安定して存続すべき外部インタフェースのためにも非常に重要である。

[編集] 機能仕様

ソフトウェア開発における機能仕様は、プログラムや大規模なソフトウェアシステムの振る舞いを記述した文書群である。一般に、そのソフトウェアへの各種入力を記述し、それぞれに対してシステムがどのように反応するかを記述する。

[編集] 脚注

  1. ^ Food Standards Australia New Zealand. "Australia New Zealand Food Standards Code" (). 2008-04-06 閲覧。

[編集] 参考文献

  • Pyzdek, T, "Quality Engineering Handbook", 2003, ISBN 0824746147
  • Godfrey, A. B., "Juran's Quality Handbook", 1999, ISBN 007034003
  • "Specifications for the Chemical And Process Industries", 1996, ASQ Quality Press, ISBN:0-87389-351-4
  • ASTM E29-06b Standard Practice for Using Significant Digits in Test Data to Determine Conformance with Specifications

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク