テクニカルイラストレーション

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拡張カードの接続方法を図解した3Dテクニカルイラストレーション

テクニカルイラストレーション: Technical Illustration)とは、技術的な性質の情報を視覚的に伝達するイラストレーションの用法である。製図ダイアグラムの構成要素ともなる。一般的に「何らかの情報を視覚的な経路により人間の受け手に効果的に伝達する表現力あるイメージを作り出すこと」を目的とする[1]

概して、テクニカルイラストレーションは技術的知識を持たない受け手を対象に主題を描出し説明する必要がある。従って視覚イメージは大きさや比率に関しては正確でなくてはならず、「受け手の興味と理解を引き出すために対象物が何であるか・何をしているかの全体的な印象」を提供するものである必要がある[2]

テクニカルイラストレーションの種類[編集]

透視図法で描かれた小さなキッチン
エンジンを描いた標準的な線によるイラストレーション。透視図法と線描技術の実践例

コミュニケーションの種類[編集]

今日では、テクニカルイラストレーションはコミュニケーションの種類によって3つに分類される[3]

一般人対象のコミュニケーション
自動車や家電製品などに見られる図解入りの取扱説明書のように、一般大衆に情報を伝える。このタイプのテクニカルイラストレーションは一般人にも理解できる単純な用語と記号を用いる。
工学科学の専門的なコミュニケーション
技術者・科学者が同業者に仕様などを伝える。この用法では、独自の複雑な用語と専門的な記号が用いられる。例としては原子力、航空宇宙、軍事などの領域がある。機械、電気、建築工学その他さまざまな分野へとさらに細分化される。
高い技術を持つ専門家同士のコミュニケーション
技術者が、その分野について高い技術を持つが技術者ではない人に情報を伝える。利用者・オペレーター向けのドキュメンテーションに見られるイラストレーションがその例である。このタイプのイラストレーションは非常に複雑で、数値制御の機械を操作するための教材に用いられるイラストレーションなどに見られるように一般人には理解できない用語や記号が用いられる。

図の種類[編集]

テクニカルコミュニケーションで用いられる図の主な種類には次のものがある[4][5]

技法[編集]

テクニカルイラストレーションには軸測投影法と呼ばれるさまざまな基本的な機械製図法が用いられる[6]

  • 平行投影法(斜位、平面斜〔planometric〕、等角、二等角、三等角)
  • 透視投影法(一点、二点、三点の消失点による)

作図には紙に書く製図用具[7]のほか、コンピュータのドローソフト[8]、写真トレースなどの手法も用いられる[9] CADなどを使用したテクニカルイラストレーションでは、平面への投影だけではなくホログラフィー立体視のような立体的な映像出力や3Dプリンタなどによるラピッドプロトタイピングのような実体の出力も用いられる。

脚注[編集]

  1. ^ Ivan Viola and Meister E. Gröller (2005). "Smart Visibility in Visualization". In: Computational Aesthetics in Graphics, Visualization and Imaging. L. Neumann et al. (Ed.)
  2. ^ www.industriegrafik.com website, Last modified: Jan 15 2010 21:02:26.
  3. ^ 永山 & 三村 2002, pp. 2-3では「研究開発」「技術サービス」「生産」「販売」「宣伝」の5つに大別している。
  4. ^ Gerald J. Alred et al. (2005) The Business Writer's Handbook p.172
  5. ^ 永山 & 三村 2002, pp. 5-15
  6. ^ 永山 & 三村 2002, pp. 5-10
  7. ^ 永山 & 三村 2002, pp. 16-18
  8. ^ 永山 & 三村 2002, pp. 187-214
  9. ^ 永山 & 三村 2002, pp. 215-220⊚

参考文献[編集]

  • 永山, 嘉昭; 三村, 康雄 (2002-06-20), 実践 テクニカルイラストレーション 第2版, 東京: 日刊工業新聞社, ISBN 4-526-04961-1 

関連項目[編集]

ドラムセットのイラストレーション

外部リンク[編集]