円相場

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円相場(えんそうば)はに対する外貨の相対的価値(為替レート)のこと。通常は外貨1単位に相当する円貨額で表示する(通貨や市場によっては別の慣行もある)。

特に、米ドルユーロとの比較によって示され、その中でも、米ドルに対する円の相対価値を示すことが多い[1]

目次

[編集] 概説

国際市場において、日本通貨である円の相対的価値が過去のレートや政治の目的など、何らかの意味で基準とみなされる水準よりも高い状態を「円高」、逆に、低い水準であるとき「円安」という。わかりやすくいえば、今まで1ドル80円だったが、1ドル75円になった場合には円高になっている。つまり、より少額の「円」で1ドルと交換できるようになる訳である(同じ円貨額でより多くのドルを買えるようになったと考えると、通貨価値が上がったということが理解されやすい)。

[編集] 円相場の影響

円高になると、交易条件が向上する(海外からの購入が有利になる)のでよいことだとの誤解があるが、交易条件は輸出物価と輸入物価の比率であるので、円高になると輸出物価も輸入物価も下がるため、交易条件に系統的な影響は与えない[2]。それどころか、比較優位をもつ輸出産業(比較優位をもつからこそ輸出産業)が採算レートを割るような円高になって、日本国外に移転するなどすれば、平均的な生産性がさがり、賃金もさがって生活水準の低下にもなりかねない(参照:円高不況)。

さらに、円高になると日本の労働力などの生産要素価格が他国に対し相対的に高くなる。このコスト高になった結果、輸出財の競争力は低下することになり、輸出が減少して輸出企業やその下請けなど関連企業の業績が悪化する要因となる。反対に輸入財は相対的に割安になるため国内生産品より競争力が増し、輸入が増加することになる。輸出の減少と輸入の増加は純輸出を減少させるためGDPの縮小、すなわち景気の悪化を引き起こす。これは貿易収支が赤字であるか黒字であるかによらないものであるため、円高が問題となるのは日本が貿易黒字国であるからではない。

つまり、たとえば1万円で買えるものの量が増えるから一見メリットがあるように考えがちだが、その1万円を稼ぐこと自体が困難になるため、円高で有利になるとは言えない。

また、円高が起きた場合、生産活動はすぐには変化しない一方で、将来の景気悪化を懸念して消費や設備投資の方がより早く反応して落ち込む。その結果、国内の貯蓄超過(貯蓄-投資)が増加し、これは経常収支の黒字増加を意味する(貯蓄投資バランス[3][4]。すなわち、円高が起きた直後には貿易黒字の拡大が起きやすい。その後、国内の消費や投資の落ち込みによる景況感悪化に合わせて生産活動も停滞する中で、貿易黒字は縮小していく。円高直後の貿易黒字拡大を見て円高の悪影響を過小評価しないよう注意する必要がある。

[編集] 円相場の要因

貿易黒字が増えると円高が進む、あるいは逆に貿易黒字が減ると円安になると言われることがあるが、これは正しくない。為替介入がない場合、貿易黒字と対外貸付の変化が均衡するように為替は変動する。つまり、貿易黒字が増えてもその分だけ対外貸付が増えなかった時に初めて、両者を均衡させるように円高が進む(結果的には貿易黒字と対外貸付の増える分は同じとなる)。また、貿易黒字の増加分が対外貸付よりも少ない場合には、円安となる。貿易黒字が減る場合も同様に、貿易黒字そのものではなく、対外貸付との相対的な増減によって円高になるか円安になるかが決定する。これは、それぞれ別個に決定する経常収支と資本収支が、経常収支+資本収支+外貨準備増減=0[5][6]となるよう、為替が調整するように変動するためである。あくまで貿易黒字が対外貸付より大きくならないように円高が進むのであり、貿易黒字が増えたから円高になるという考え方は完全に誤りであるが、しばしば散見される[7][8]

為替レートに対しては、例えば「為替は国力を表すはずだ。少子化で衰退していく国の通貨が上昇するのはおかしい」というような誤解を持たれることがある。為替レートというのは基本的に2つの通貨の交換価値に過ぎず、長期的には購買力平価に沿った動きになる。[9]。すなわち、インフレ率が高ければ通貨の価値が下がり、インフレ率が低ければ上がると考えることができる。そして、長期的にはそれが為替レートに反映される、とシンプルに考えればよい。基本的に為替レートは単純にモノとモノとの交換レートに過ぎないため、為替が国力を表したり、成長率が高い通貨が買われたりすると言うのは幻想であると言える。[10]

デフレと低金利の継続する日本は、購買力平価説および金利平価説により、長期平均では名目上の円高が進むのが理論的な期待値である。また円高がデフレ圧力として働く。

近年、「リスク回避の円買い」[11][12][13]となっており、リスク回避的になる時には、全世界の株が下落し、円高となる傾向が強い。逆に「リスク選考的」となる時には、全世界の株が上昇し、円安となる傾向が強い。

円高が進行しているのは準備通貨としての存在感が強まってきたからだという指摘がある。中央銀行(特にアジアの中央銀行)が、ドル中心だった外貨準備の多角化を目指しているためだ[11]

[編集] 金利との関係

為替相場が円高になると、海外からの原材料や食料品、石油などの輸入品が値下がりするので、物価が下がる。 物価の下落は金利の低下につながるので、為替相場の円高は金利の低下につながる。

為替相場が円安になると、海外からの原材料や食料品、石油などの輸入品が値上がりし、物価が上昇する。 物価の上昇は金利の上昇につながるので、為替相場の円安は金利の上昇を引き起こす。

米国の金利が上昇したり日本の金利が下降したりして日米金利差が拡大すると、日本の金融商品に投資するよりも米国の金融商品に投資をする方が有利になるので、円をドルに換えて米国の金融商品を購入しようと円売り・ドル買いが進む。 この結果、日本から米国にお金が流出し、ドル高円安になっていく。

日本の金利が上昇したり米国の金利が下降したりして日米金利差が拡大すると、米国の金融商品に投資するよりも日本の金融商品に投資をする方が有利になるので、ドルを円に換えて日本の金融商品を購入しようとする円買い・ドル売りが進む。 この結果、米国から日本にお金が流入し、円高ドル安になっていく。

短期的には金利の高い国の通貨が上昇しがちである。しかし、金利の高い国はインフレレートが高い国、通貨価値の下落が大きい国であるので、長期的には通貨安となる場合が多い[14]

このように、金利差が為替レートにおよぼす関係は、短期と長期で逆である[15]

[編集] 株価との関係

外国人投資家による日本株の保有比率は26.7%(2011年3月末)[16]と高くなっており、さらに売買代金に占めるシェアでは64.1%(2010年度)[17][18]となっている。それが株価や景気に与える影響力は莫大で、外国人投資家の動向が日本株のトレンドを決めるとも言われている[19]。その存在は日本市場では無視できないものとして注目されている。最近では「外国人が買わないと上がらない」と言われる程になった。日本の株価は、米株価とドル円レートで決まっている[20][21][22][23][24]

近年「リスク回避の円買い」[11][12][13]となっており、リスク回避的になる時には、全世界の株が下落し、円高となる傾向が強い。逆に「リスク選考的」となる時には、全世界の株が上昇し、円安となる傾向が強い。

日本人個人の売買にはデイ・トレーダー的な取引も含まれているので、トレンドは形成し辛い。外国人は分散投資で、日本株の保有率を一定に保とうとしている。この事が外国人の売買がトレンドの形成し易さにつながっている[19]

円高時には東証の輸出向け企業の株価は下落することが多い。また、輸出産業の業績が悪化し、輸入産業やその関連企業の業績が好調となる。また、TOPIX日経平均は下落する事が多い。

  • 輸入するときには今までより安く仕入れる事ができるので、コストが削減できる。
  • 輸出するときには円が高いために買ってもらいにくくなるため、利益が減少する。また海外で製造を行っていても、貿易は基本ドル建てで行っており、海外での利益を円転する時に目減りする。
  • ドル建てで見ると日本株が割高なので、外国人が利益確定の売りと一方向で入って来やすくトレンドを形成し易い。

円安時には東証の輸出向け企業の株価は上昇することが多い。また、輸入産業の業績が悪化し、輸出産業やその関連企業の業績が好調となる。また、TOPIX日経平均は上昇する事が多い。

  • 輸入するときには今までより高く仕入れなくてはならないので、コストが余計に増加する。
  • 輸出するときには円が割安なので買ってもらいやすくなり、利益が増大する。また、貿易は基本ドル建てで行っており、海外での利益を円転する時に増加する。
  • ドル建てで見ると日本株が割安なので、外国人が買い増しと一方向で入って来やすくトレンドを形成し易い。

[編集] 円相場の歴史

[編集] 1856–1871(円以前)

1856年1860年
安政3年(1856年)9月9日、米国領事タウンゼント・ハリスと幕府の交渉により、銀の含有量を基に、1ドル=一分銀3枚、即ち0.75(1両=1.33ドル)と決まる。しかし、日本と外国の金銀交換比率には大きな差があり、金の含有量に基づくと、1両(天保小判)=4ドルであった。このため1859年の開国後、大量の小判が海外に流出した(幕末の通貨問題)。
1860年1871年
金銀交換比を海外と同等にするため、金の含有量を減らした万延小判が発行された。それまでの天保小判一枚は三両一分二朱として通用することになったため、万延小判を基準にした両の価値は従来の1/3となり、金銀何れを基準にして1両=1.33ドルとなった。明治維新後も、新政府は幕府の通貨制度を受け継いだが、紙幣の大量発行による信用の低下などから、1871年頃には1両=1ドル程度となった。

[編集] 1871–1945(戦前戦中)

1871年1897年
が正式に使われるようになったのは1871年(明治4年)5月10日の「新貨条例」の公布による。この条例の内容は次のようなものである。
  1. 純金1.5グラムを円、円の100分の1を銭、銭の10分の1を厘とする。
  2. 金貨を本位とし、1円金貨は量目25.72グレイン、品位10分の9、純金量23.15グレイン=0.4匁=1.5グラムと規定する。
  3. これまでの1両は、新貨幣1円と名目上は等価とする。
  4. 貿易通貨として1円銀貨を鋳造する。貿易1円銀100円につき本位金貨101円を交換比率とする。
一方、1837年に決められていたアメリカの1ドルの量目は25.8グレイン、純金量23.22グレインであった。この結果、円が生まれた時のドル/円相場は1ドル=1円強であった[25]
1877年に発生した西南戦争の戦費を賄うため、不換紙幣を大量に発行したことからインフレが始まり、同時にジリジリと円安が進行し1894年頃には1ドル=2円程度となった。
1897年1931年
日清戦争の賠償金を基に1897年に本格的な金本位制が確立され、その後に30年間は1ドル=2円強で安定した。
1931年1945年
1931年イギリスが金本位制を停止。日本も金本位制から離脱し、銀行券の金への兌換も停止した。これにより一気に物価が上昇し、大幅な円安となった。1941年には1ドル=4.2円程度となり、太平洋戦争に突入していく。

[編集] 1945–1973(戦後の固定相場)

1945年1949年
太平洋戦争敗戦直後の1945年9月 軍用交換相場は1ドル=15円となった。その後の急速なインフレにより、1947年3月に1ドル=50円、1948年7月に1ドル=270円、1949年には1ドル=360円になり、この為替相場が司令部の覚書によって日本政府に通達された。
対ドル為替レート(1950年以降)
実効為替レート(1970年以降)
数字が大きいほど円高
1949年1971年8月 360円固定レートの時代
日本はブレトン・ウッズ体制の下で1ドル=360円の固定相場の時代となった。
戦後のアメリカ冷戦の中で西側世界のリーダーとなり、経済的にも繁栄しドル基軸通貨となった。1960年代になるとベトナム戦争への膨大な出費などからインフレが進み、ドル不安が起こるようになった。ドル不安は1971年8月15日のニクソン・ショックで表面化した。
1971年12月–1973年前半 スミソニアン体制
ニクソン・ショックの後、スミソニアン協定でドルの切り下げが決められ、1ドル=308円となった。

[編集] 1973–0000変動相場制

1973年2月 変動相場制への移行
ドルの固定相場制の維持が困難になり、日本は1973年2月に変動相場制に移行した。変動相場制の導入直後に1ドル=260円台まで円高が進んだが、1973年秋のオイルショックで1ドル=300円近辺まで戻り(有事のドル)、1976年末頃までしばらく安定の時代となった。
1977年1978年
このころ、円高が進み、はじめて1ドル=200円を突破した。1978年末頃には一時1ドル=180円を突破した。
1978年末–1985年
アメリカのカーター政権下でのドル防衛政策の他、イラン革命の進行によるオイルショック懸念、ソ連アフガニスタン侵攻で再びドル高となり、1980年には1ドル=250円付近まで円安が進んだ。以後、しばらく200円-250円で推移した。
1985年1988年
1985年秋のプラザ合意によるドル安誘導政策で急激に円高が進行した。プラザ合意発表直後に円ドル相場は20円ほど急騰し、1985年初には250円台だった円相場が1986年末には一時160円を突破した。その後も円ドル相場は史上最高値を更新し続け、1987年2月のルーブル合意でドル安に歯止めかける方向で合意したもののしばらくドル安が進み、1ドル=120円台にまで上昇した。
日本国内では、激しい円高の影響で、輸出産業が打撃を受ける一方で、(当時としては)超低金利時代を背景に金余り現象が発生し、バブル景気へと向かった。この時期、OPECの弱体化で原油価格も大幅に下落し、円高とあわせて、国内経済は原油相場の影響を受けにくくなった。
1989年1990年初頭
円ドル相場は円安傾向となり、120円台から160円付近まで下落した。このころ、日本国内はバブル経済の最盛期に向かう一方で、世界的には冷戦時代が終結に向かいつつある時期でもあり、天安門事件東欧革命ベルリンの壁崩壊など歴史上大きな事件も進行していた。
1990年1995年4月 超円高
湾岸危機など短期の上下はあるものの、長期的には円高で推移した。1990年初から東京市場の株価が暴落し、バブル景気に陰りが見え始めた。海外投資や輸入が収縮する一方で輸出は依然強く、円高が進行した。1994年にはじめて1ドル=100円の大台を突破し、1995年4月19日の午前9時過ぎには79円75銭と瞬間1ドル=80円割れを記録した。
90年代前半、不況対策として公共事業を増大させていたときには為替レートは上昇していた。その後、公共事業を削減していたときには為替レートは下落した[26]
1995年1998年
阪神・淡路大震災をきっかけに、それまで積み上がっていた円キャリートレードのポジションが解消され、いったん超円高となった[27][28]
超円高から円安へと向かった。日米が合意して調整した結果、一時は1ドル=100円まで是正したが、急に20円安もの変動となった。さらに、1998年秋には一時1ドル=140円台まで下落した(8月11日には147円64銭)。日本国内では、バブル経済崩壊後、不良債権や金融機関の破綻などさまざまな問題が表面化し、1997年秋には大手証券や銀行の破綻など危機的な状況となった。また、日本国外では1997年夏のアジア通貨危機1998年夏のロシア財政危機などの事件が起こっていた。
1998年秋–2000年
円安が底打ちすると急激に巻き返し、1998年10月に日本長期信用銀行が破たんするまでにあっけなく1ドル=120円台を突破した。1999年2月にゼロ金利を導入するとしばらくは円は下がり続けたが、同年後半からは再び急激に円高に動き、2000年初頭までに103円台まで値を上げた。
2001年2004年
2001年のアメリカ同時多発テロ事件金融市場は大混乱し、ドルと米株の暴落に連動して円相場も急落、2002年初頭までには1ドル=130円台まで値を下げた。その後、国内ではいざなぎ越えの景気が始まるとともに円相場も持ち直し、2002年下半期までには120円前後まで上昇・推移した。2003年5月にりそなグループが公的支援を決定すると一気に円は買われ急上昇、2004年初夏には100円近くまで値を上げた。
2004年2007年
2004年以降は円安傾向に移行した。ことに、1999年以降導入されていたゼロ金利政策がより拍車をかけ、円キャリートレードの傾向が円売りを加速させた結果、2007年7月には数年ぶりに1ドル=124円台を記録した。円が実体経済以上に安くなったことから国内では外需依存型の円安バブルが中規模ながら発生し景気回復の一助となった。
2007年秋 円高時代の再来
円安の峠を越えると今度は漸進的な円高に移行した。夏にアメリカのサブプライムローン問題が明るみに出ると一気にドル売りが進行し、8月上旬には1ドル=112円台と1日に5円前後も値を上げることもあった。その後もドルに連動しながら時に乱高下を繰り返しながらも上昇は止まらず、2008年3月にはついに約13年ぶりに1ドル=2ケタ台を記録、3月17日には95円台を記録した。
動揺する企業は少なくなかったが、日本は10年以上のデフレもあって、円高になっても実効為替レートは横ばいに推移していたため、1995年の超円高のときよりは冷静に受け止められ、元財務官の榊原英資は「今の1ドル100円は10年前の124円だ」と発言するなど円高傾向を容認する経済専門家が多くを占めた。その後、再び100円台に巻き返したが、10月に発生した世界同時株安によって円キャリートレードは巻き戻された結果、消去法で日本円が買われ再度2ケタ台に。その後もあっけなく90円を突破して12月18日は1ドル=87円台まで上昇した。
2009年
2009年に入っても円相場は主に90円台で推移し相場安定の兆しが見えてきたかに思えたが、9月25日のリーマンショックを受けた金融サミットで藤井裕久財務大臣が円安政策はとらないなどと発言し、円は急上昇し、翌26日には再び80円台に突入した。アメリカFRBの超低金利政策の長期化とドル安容認で87円台まで来ていた円相場は、11月27日にはドバイの政府系企業が、資金繰りが悪化し巨額の借り入れの返済猶予を求める方針を明らかにしたいわゆる「ドバイショック」によって、新興国経済などへの懸念から円は独歩高の状態となり、1ドル=84円81銭と14年4か月ぶりに80円前半台をつけた。
2010年
2010年のギリシャ金融危機以来ユーロは大幅下落、ドルも弱含みで推移し、大量の国債発行残高を抱えながらも相対的に安定していると見られた日本の円のみが独歩高して2010年8月には1ドル83円台になり、結果として輸出企業が打撃を受けて日本株価も下落したため、日銀総裁は急激な円高を懸念し注意深く見守るとの総裁談話を発表した。総裁談話は2008年9月のリーマン・ショック以来であり、円相場や株価の変動を受けて出すのも異例なことであった。
2010年9月15日には、15年ぶりに82円台後半まで上昇した円高の是正を目的として政府・日銀による為替介入が行われ、85円台後半まで値を戻したが、その後もジリ高は止まらず、10月14日の取引時間中に一時15年半ぶりとなる80円台後半まで円高が進んだ。
2011年 戦後最高値更新
3月11日に発生した東日本大震災によって、保険会社が支払準備として海外資産を円転させるとの観測や、決済のための円資金需要が強まったことなどから円高が急激に進み[29][27][28]、3月17日の東京外国為替市場では瞬間76円25銭をつけて最高値を更新した。その後、日米欧の協調介入により80円台まで値を戻し、その後も、震災後の日本経済への不安とアメリカの景気回復に対する期待により円を売る動向が優勢となり、4月6日の東京外国為替市場で半年ぶりとなる1ドル85円台となり、主要通貨に対して独歩安となっていたが、翌週から再び円高傾向となり、アメリカの緩和政策延長に対する懸念などにより再び70円台をつける場面が多くなっていった[30]
8月4日約4カ月半ぶりに財務省・日銀が単独円売り為替介入に踏み切り、日銀が追加金融緩和を決めたが、[31][32]米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8月5日、米国債の長期信用格付けを「AAA(トリプルA)」から1段階下の「AA(ダブルA)プラス」に引き下げたと発表したこともあり[33]、その後も円高傾向が続いた。
10月31日、早朝に一時1ドル=75円32銭の戦後最高値を更新(2012年2月24日現在のドル最安値)。政府・日銀は31日の外国為替市場で、円売り・ドル買いの為替介入を実施した。円売り介入で一時79円55銭まで急落した。
12月30日、外国為替市場にて2001年以来10年ぶりの円高ユーロ安水準、ユーロが現金として流通し始めた2002年以降の最高値更新。1ユーロ=99円47銭付近。
2012年
1月9日、一時1ユーロ=97円30銭前後と、2000年11月以来11年ぶりの円高・ユーロ安水準(2012年2月24日現在のユーロ最安値)。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

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  1. ^ 貿易取引通貨別比率(平成23年上半期)平成23年7月21日 財務省
  2. ^ 円高イコール交易条件改善は事実でない、輸出産業の受けた被害 ロイターCOLUMN-〔インサイト
  3. ^ 中谷巌 『痛快!経済学』 集英社インターナショナル(1999)
  4. ^ 菅原晃 人口減少デフレ論の問題点(中) 貿易黒字とは その2
  5. ^ 財務省 国際収支Q&A
  6. ^ 平成22年末本邦対外資産負債残高の概要平成23年5月24日 財務省
  7. ^ 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」への中野剛志の寄稿など
  8. ^ 日本の貿易黒字が原因で円高はまだ続く?2007年11月22日 鈴木英寿 msnマネーコラム
  9. ^ ユーロ相場で考える「為替=国力説」の”幻想”  外貨投資の誤解(2)での岡本和久の見解など
  10. ^ ユーロ相場で考える「為替=国力説」の”幻想”  外貨投資の誤解(2)での佐々木融・竹中正治の見解など
  11. ^ a b c リスク回避がもたらす円買い意欲 借金大国の通貨が買われる理由2010.07.14(Wed)Financial Time
  12. ^ a b 「リスク回避の円買い」は健在の模様…2010年02月26日 コラム:MSN マネー
  13. ^ a b 今は昔、「有事のドル買い」2011年3月1日 ウォール・ストリート・ジャーナル
  14. ^ 円高で「ドル金利差30年分が帳消し」偶然か 2011/8/9 田村正之
  15. ^ 高金利通貨はずっと上昇する? 外貨投資の誤解(1)での竹中正治の見解など
  16. ^ 外国法人等の株式保有比率は、前年度比プラス0.7ポイントと2年連続の上昇となった。東証:株式分布状況調査
  17. ^ 海外投資家の日本株売買シェア/2010年度 日本経済新聞 2011年4月8日付 朝刊
  18. ^ 投資部門別 株式売買状況 東証第一部 [金額]
  19. ^ a b ショックに弱い日本株はいまこそ「買い」だ ギリシャ危機でまたまた下げ率ナンバー12010年6月2日 山崎元
  20. ^ 日本株出遅れはウソ、ドル・ベースで米国株と同じく回復2011/01/26 田村秀男 産経新聞社特別記者
  21. ^ 10円円高になると日経平均は1100円下がる現実を見よ 2011年8月8日 高橋洋一
  22. ^ 外国人投資家の日本株買い11/03/07 12:18 小幡績 東洋経済新報社
  23. ^ 継続する外国人の日本株買い 主役は欧米からアジアマネーに2011年5月25日 山独活継二 週刊ダイヤモンド
  24. ^ 日本株、外国人が29週連続で買い 最長記録さらに更新2011.5.26 17:37 msn産経ニュース
  25. ^ 吉野俊彦『円とドル』日本放送出版協会。三上隆三『円の誕生』講談社学術文庫
  26. ^ 円高対策なのか、円高後対策なのか2010.10.07 原田泰
  27. ^ a b 震災後の円高は誤解が原因 FXの損切りが最高値更新招く2011年3月30日 田中泰輔 ダイヤモンド・オンライン
  28. ^ a b 史上最高値を更新した円高と2つの大震災ケン・ミレニアム株式会社
  29. ^ 東日本大震災、金融市場にも大きな影響:識者はこうみる ロイター 2011年03月14日 09:45
  30. ^ 円、半年ぶり85円台 主要通貨に独歩安 asahi.com 2011年4月7日 午前10時40分
  31. ^ 円高:「国内産業の空洞化」に危機感 円売り単独介入2011年8月4日 毎日新聞
  32. ^ 政府は理由なき為替変動あれば介入、当面は政府の姿勢が投機筋に影響=与謝野経財相2011年8月4日 ロイター
  33. ^ 米国債、初の格下げ=財政懸念で「ダブルAプラス」-世界経済に悪影響も・S&P2011/8/6 時事通信社

[編集] 10年長期為替チャート

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