不当廉売

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不当廉売(ふとうれんばい)とは、市場の健全な競争を阻害するほど不当に安い価格で商品を販売すること。ダンピング英語: dumping)とも言われる(特に国際貿易の文脈において)。

概要[編集]

不当廉売には、各国の競争法で制限されるものと、国際貿易国際経済法にかかわるものがある。

競争法[編集]

日本[編集]

日本においては、独禁法不公正な取引方法を規制している。そのうち、不当廉売は、公正取引委員会一般指定6項において不公正な取引方法に指定されている。

一般指定6項が定める不当廉売行為とは、

  • 正当な理由がないのに商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給する行為
  • その他不当に商品又は役務を低い対価で供給する行為

であって、

  • 他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの

を指す。

不当に安い価格で商品を販売することは、その時点では消費者に利益があるように見える。しかし長期的視野で考慮した場合、結果として資本力の強い者が弱い者の事業活動を困難にし、市場の健全な競争を阻害し、最終的には消費者の利益を害する可能性が高い。そのため独占禁止法ではこれを禁止し、公正取引委員会による是正措置の対象にしている。

通産省から企業へ通知を行うこともある

国際経済法[編集]

国際貿易においては、国内価格よりも安い価格で国外で販売することが不当廉売にあたる。

国内価格よりも安い価格で国外で販売することについて、WTOでは「不公正貿易」と位置づけられており、輸入国の国内産業が損害を蒙っている場合は当該製品の価格を国内価格まで引き上げるためのダンピング防止税としての関税を課すことができる(アンチ・ダンピング関税措置)。

クルーグマンオブストフェルドは国際貿易のダンピングについて「弊害的なものであることを立証する十分な経済的証拠はない」[1]と主張している。

脚注[編集]

  1. ^ クルーグマン、オブストフェルド『国際経済学』p188、エコノミスト社 ISBN-13: 978-4873150093

関連項目[編集]

外部リンク[編集]